DIC 産官学連携の接着技術開発プロジェクトに参画

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2020年5月7日

 DICはこのほど、科学技術振興機構(JST)が推進する未来社会創造事業の研究プロジェクト「Society5.0の実現をもたらす革新的接着技術の開発」(CREAプロジェクト)に今年度より参画したと発表した。

 同プロジェクトは、電気自動車(EV)や自動走行車など次世代モビリティの軽量化や部材リサイクルに貢献する、「革新的な接着技術」の研究開発を目的としている。九州大学の田中敬二教授らの研究グループが提案し、2018年度に文部科学省から示された大規模プロジェクト型の技術テーマの1つ。高分子科学、先端計測および数理科学を専門とする研究者と連携企業の連合体が、接着現象に関連する界面の学理からものづくりまで一貫して研究開発を行うもので、2022年には実証実験フェーズへの移行を目指す。

 Society5.0は、仮想と現実の空間を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会のことで、第5期科学技術基本計画により、日本のあるべき未来社会の姿として提唱されたもの。その中に自動車産業の変革(CASE:つながる、自動運転、共有、電動)があり、「革新的な接着技術」は、それを実現するための重要な基盤技術の1つである。

 人命に関わるモビリティの接着技術には、強度や耐久性の保証と、それらに基づいた健全性や信頼性が求められる。共同研究では、モビリティの構造接着で重要な異種材料接合の高耐熱・高耐久機能と、廃棄の際に従来以上に容易に解体できる資源リサイクルに適した易解体性を兼備したエポキシ系接着樹脂の開発を目指す。

 DICグループは、新たなモビリティ社会に貢献するリサイクル性を兼備した複合材料の開発を進めることで、循環型社会の実現とSociety5.0の実現に貢献していく。

DIC N95など高機能マスク1万枚を医療機関へ寄贈

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2020年4月24日

 DICはこのほど、新型コロナウイルス感染拡大による日本国内の医療機関の深刻なマスク不足の状況を鑑み、同社が備蓄していたN95規格などの高機能マスク1万枚を医療関係機関に寄贈したと発表した。

 経団連を通じ、0.3㎛粒子を95%以上捕捉するN95規格のマスク5000枚を厚生労働省へ寄贈。今後、同省より国内の感染症指定医療機関に順次配布される予定。また、医療用およびダチョウ抗体マスク5000枚は、マスク不足が特に深刻な医療機関へ20日に寄贈した。

 同マスクは、ダチョウの抗原抗体反応によりウイルスを瞬時に結合捕捉する「ダチョウ抗体フィルタ」を組み込み、通常のマスクよりも高い抗ウイルス機能を持っている。

 同社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため働いている人々や、感染者の診断や治療に不眠不休で尽力している医療関係者に心より敬意を表するとともに、今後も新型コロナウイルス感染拡大防止対応への支援やその他の社会貢献活動を継続的に推進し、「社会から愛され、尊敬される会社」を目指す方針だ。

ポリスチレン 原料高に対応した値上げ交渉が本格化

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2020年3月11日

需要はやや弱含み、新型ウイルス影響も懸念材料

 ポリスチレン(PS)メーカー3社の原燃料高に対応した値上げが出揃い、4月1日の実施に向けユーザーとの交渉が本格化している。改定幅は、 “ポリスチレン 原料高に対応した値上げ交渉が本格化” の続きを読む

DIC 4月1日からポリスチレンなど値上げを実施

2020年3月6日

 DICは5日、ポリスチレン製品とスチレン系製品について、4月1日納入分から価格改定を実施すると発表した。対象製品と改定幅は「ディックスチレン GPPS」「ハイブランチ」「ディックスチレン HIPS」「エラスチレン」、いずれも「6円/kg以上」となっている。

 昨今の国産ナフサ、ベンゼン価格の高騰により、ポリスチレンの原料価格も上昇している。こうした中、同社は、引き続き自助努力によるコスト吸収を続けているが、原材料価格の上昇を吸収することは極めて困難な状況にあり、今後の安定供給と事業継続を図るためには価格改定が避けられないと判断し、今回の値上げを決定した。

DIC フェノール樹脂を値上げ、原料やコスト高に対応

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2020年3月5日

 DICは3日、フェノール樹脂について3月16日納入分から値上げすると発表した。改定幅は、固形樹脂が「30円/kg」、液状樹脂が「20円/kg」。

 昨今、フェノール樹脂の主原料となるフェノール価格の高騰に加え、物流費や環境に係るコストの上昇が続いている。こうした中、同社は、コストダウンを続けてきたが、今回の大幅な原材料価格の上昇を自助努力で吸収することが極めて困難な状況にあることから、安定供給と事業継続を図るために価格改定が避けられないと判断した。

DIC 半導体市場を睨み大型脱気モジュール生産を強化

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2020年3月2日

 DICはこのほど、液体の脱気・給気をコントロールする中空糸膜モジュール「SEPAREL」シリーズの生産能力増強を発表した。

大型脱気モジュール
大型脱気モジュール

 水処理などに用いられる大型脱気モジュールの強化を目的に、同社グループのDIC化工・市原工場で、新工場稼働により中空糸膜モジュールの生産能力を従来の1.5倍に拡大した。投資額は約16億円。DICは今回の増強により、中空糸膜モジュール事業の売上高を、2021年には2019年比で約1.7倍の拡大を目指す。

 大型脱気モジュールは、水から酸素や二酸化炭素を除去する直径10インチ(25.4㎝)以上の製品。中心部が空洞の繊維である中空糸を束にした膜に液体を通すことで、液中に溶け込んでいる窒素や酸素などの不純物を取り除き、液体の純度を高める。

DIC化工 市原工場
DIC化工 市原工場

 主な販売先は、半導体や液晶ディスプレイ(LCD)、電子部品の製造工程で用いられる超純水を製造する水処理装置メーカーになる。

 富士経済研究所調べによると、大型脱気モジュール市場は半導体や、LCD設備投資の活況、従来の脱気法である真空脱気塔からの置き換え促進により、2017年から2021年で約2.3倍に伸長すると見込まれている。

 DICグループは、中期経営計画「DIC111」の中で、環境に配慮した製品や高機能製品を社会へ提供することで、社会貢献と成長の実現を事業方針に据えている。今後も中空糸膜モジュールの市場要請に対応した高機能な製品を提供し、事業規模拡大に注力していく考えだ。

DICの1-12月期 高付加価値品の低調響き減収減益

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2020年2月17日

 DICが14日に発表した2019年1-12月期の連結業績は、売上高が前年比5%減の7686億円、営業利益は15%減の413億円、経常利益は15%減の413億円、純利益は27%減の235億円の減収減益となった。

 売上高は、世界的な景気減速の中、電気・電子や自動車向け材料を中心に広範な分野で出荷が落ち込んだ。大幅な減益となった営業利益は、高付加価値製品を中心とする出荷数量の落ち込みや一部品目の製品価格の低下、円高による海外事業の換算目減りが利益を押し下げた。純利益についても、災害や買収関連の一時費用のほか、事業の効率化を目的とした一時費用の発生などが響き大幅減益となった。

 セグメント別に見ると、パッケージング&グラフィックの売上高は4%減の4164億円、営業利益は4%減の192億円。売上高は、現地通貨ベースでは0.6%の増収となったものの、ユーロと新興国通貨安の影響により円貨ベースで目減りした。

 パッケージ用インキはアジアや南米などの新興国を中心として増収。ポリスチレンは出荷が伸びた半面、原料価格の低下に伴う製品値下げの影響により減収となった。出版や新聞を主用途とする出版用インキは需要減少の影響を受けた。一方で、デジタル印刷で使用されるジェットインキは増収となった。営業利益も売上高と同様に円貨ベースで目減りした。

 カラー&ディスプレイの売上高は6%減の1164億円、営業利益は28%減の108億円。カラーフィルタ用顔料の出荷が堅調な一方で、化粧品用顔料や一般顔料の出荷が低調に推移し、TFT液晶は競争激化に伴って製品価格が低下したことで減収減益となった。また、中国での環境規制の強化や貿易摩擦に伴って顔料の原料価格が上昇したことも利益を圧迫した。

 ファンクショナルプロダクツの売上高は5%減の2686億円、営業利益は8%減の192億円。PPSコンパウンドは、世界的な自動車生産台数の減少影響を受けて出荷が低調に推移し、スマートフォンや半導体分野を主用途とするエポキシ樹脂や工業用テープは、景気減速の影響を受けて出荷が落ち込んだ。合成樹脂全般も低調だった。

 なお、2020年1-12月期の通期業績予想では、全セグメントでの増収増益を見通し、売上高8100億円、営業利益450億円、経常利益440億円、純利益235億円を見込んでいる。

 

DIC PS能増し21万6000tへ、中食拡大に対応

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2019年12月11日

 DICは10日、四日市工場(三重県四日市市)で製造するポリスチレン(PS)の生産能力を、設備強化や生産プロセスの最適化を行うことで、年産20万8000tから21万6000tに増強したと発表した。投資金額は非公開。2023年にはPS事業の売上高を2017年比で10%の増加を目指す。

四日市工場のポリスチレンの生産設備
四日市工場のポリスチレンの生産設備

 PSはコンビニエンスストアやスーパーなどで販売されている弁当・惣菜向けの食品容器などに多く用いられており、共働きや単身世帯の増加などを背景に、調理済みの食品を持ち帰って食べる〝中食〟市場を中心に需要が拡大。日本惣菜協会発行の「2019年版惣菜白書」によれば、2018年の中食の市場規模は約10兆円で、9年連続の成長を続けている。

 昨今では、〝レンジアップ惣菜〟といわれる新ジャンルの中食が登場し、生の食材をプラスチック容器ごと電子レンジで加熱調理する惣菜も増加の一途をたどる。

 同社は、成形性と高強度を両立した高機能タイプのPS製品「ハイブランチ」ブランドに加え、高い耐熱性をもつ新製品もラインアップ。新製品の耐熱性は汎用のPS樹脂に比べて5~10℃ほど高く〝レンジアップ惣菜〟の調理用途にも対応する。

 さらに、リサイクル性にも優れ、総重量の削減による省資源化を可能にするなど環境配慮型製品の特長も備える。同社グループは、拡大する中食市場の需要に安定供給を果たすだけでなく、食品容器や包装資材に使える「安心・安全」に配慮した製品を提供するとともに、世界的な社会課題である環境問題の解決に貢献していく考えだ。

DIC 出荷が落ち込み減収減益、通期予想を下方修正

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2019年11月15日

  DICが14日発表した2019年12月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比4%減の5766億円。電気・電子や自動車向け材料を中心に広範な分野で出荷が落ち込んだ。出荷数量は想定したレベルほど回復しなかった。

 営業利益は同19%減の295億円。高付加価値製品を中心に出荷数量が落ち込んだことに加え、一部品目で製品価格が低下したことにより大幅な減益となった。円高による海外事業の換算目減りも利益を押し下げた。経常利益は同18%減の300億円。四半期純利益は同18%減の183億円。事業の効率化に関わる特別損益が発生したことに加え、災害や買収関連の一時費用が発生した。

 セグメント別では、パッケージング&グラフィックは、売上高が同4%減の3121億円。現地通貨ベースでは2%の増収となったが、ユーロと新興国通貨安の影響により円貨ベースで目減りした。ポリスチレンは出荷数量が増加したが、原料価格の低下に伴う製品値下げの影響により減収となっている。営業利益は同12%減の131億円。価格改定が進んだことに加え、原料価格上昇の影響が緩んできたことで、現地通貨ベースでは微減と、前年同期に近いレベルまで改善した。

 カラー&ディスプレイは、売上高が同6%減の896億円。営業利益は同22%減の88億円。TFT液晶の製品価格低下のほか、一般顔料の出荷低調により減益となった。また、中国での環境規制の強化や、貿易摩擦に伴って顔料の原料価格が上昇したことも利益を圧迫した。

 ファンクショナルプロダクツは、売上高が同4%減の1999億円。PPSコンパウンドは世界的な自動車生産台数の減少影響を受け、出荷が低調に推移。合成樹脂全般では中国を中心として低調に推移したが、サステナブル樹脂は今期にインドの塗料用樹脂メーカーを子会社化したことで、出荷数量増に転じた。営業利益は同16%減の129億円。エポキシ樹脂など高付加価値製品の出荷が落ち込んだほか、物流やユーティリティコストの増加により大幅減益となった。

 第3四半期の業績動向を踏まえ、通期の業績予想を下方修正した。売上高は前期比4%減の7750億円、営業利益は同15%減の410億円、経常利益は同18%減の400億円、当期純利益は同31%減の220億円を見込んでいる。

DIC バイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発

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2019年10月2日

 DICは1日、バイオベース原料で製造したバイオマス度100%のポリエステル系可塑剤を開発し、日本有機資源協会が認定する「バイオマスマーク(バイオマス度100%)」の認証を取得したと発表した。

 「バイオマスマーク」とは、生物由来の資源(バイオマス)を利活用し、品質と安全性が関連法規・基準・規格などに合致している環境商品に付与されるもの。可塑剤としての取得は、同協会の認証で初の事例となった。

 DICが開発したバイオベース可塑剤「ポリサイザー W‐1810‐BIO」は、再生可能資源である植物を原料とすることから、低炭素社会実現への貢献が期待される。安全性についても、塩ビ食品衛生協議会が定めるJHP規格の確認証明書を取得しており、食品接触材料への使用が可能だ。加えて、ポリエステル系可塑剤の特長である柔軟性・耐久性の点でも従来製品と同等の性能を持っている。

 可塑剤は、塩化ビニル樹脂(PVC)を中心とする熱可塑性樹脂に柔軟性を与えるとともに、最終製品の生産時に加工や成形をしやくする添加剤で、柔軟なPVC製品中には、数十%以上添加されることもある。

 主な用途は、食品用ラップフィルムや、食品工場やレストランなどで使用されるゴム手袋などの食品接触材料、自動車内装材、家電製品の電源ケーブル被覆材、衣類のテキスタイルインキなど、日常的に使用される各種製品から工業製品まで多岐にわたる。

 同社は現在、同製品のサンプルワークを開始しており、今後は量産化に向けてスケールアップを行う予定だ。