コベストロ 蘭DSMからコーティング樹脂事業を買収

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2020年10月27日

 コベストロはこのほど、オランダのDSMからレジンズ&ファンクショナルマテリアルズ事業(RFM)を買収する契約を締結したと発表した。買収額は、16億1000万ユーロ(約2000億円)。

 コベストロの塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業(CAS)の売上は約34億ユーロ(約4200億円)に拡大し、コーティング樹脂の分野で世界最大手のサプライヤーとなる。広範囲かつイノベーティブな製品ポートフォリオによって、顧客に対して説得力のある、付加価値の高い提案をすることが可能となる。

 一方、技術力も向上する。現在でも同社は水系ポリウレタンディスパーション分野の大手だが、RFMを統合することで水系ポリアクリル樹脂全般、水系ハイブリッド技術、パウダーコーティング樹脂、放射線硬化樹脂などが加わる。また、サステナビリティの観点から強力なブランド力をもつ「Niaga」や、アディティブマニュファクチュアリング(積層造形、3Dプリンティング)に加え、先進的な太陽光発電向けコーティング事業も含まれる。

 今回の買収で高成長市場でのポジションも大幅に強化され、「光ファイバーコーティング分野」や「3Dプリンティング材料」といった高成長セグメントについて最大手のサプライヤーとなる。さらに、グローバルの拠点も最適化される。全主要市場の顧客により近い場所での事業運営が可能となり、グローバルの生産ネットワークも20拠点以上増加する。また、RFMとCASの研究ネットワークを組み合わせることで、コーティング樹脂の分野で、同社はさらにイノベーティブな存在となり、顧客にとって魅力的な研究開発のパートナーとなる。

DSM 自動車用途向け材料のオンラインセミナーを開催

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2020年10月20日

 DSMはこのほど、自動車の電子化・電動化の鍵となる部品素材の進化について、部品ごとの要求性能や採用事例を紹介するオンラインセミナーを開催した。

 自動車の駆動源の進化に伴い、車載用部品に求められる要求特性は多様化。また電子化・電動化によりサーマルマネジメントが必要な車載部品も増え、操作温度範囲も異なる。今回、同社がリードする半結晶性樹脂のポートフォリオと、部品ごとに最適な耐加水分解グレード材料やソリューションについて、性能、信頼性データ、採用事例などを紹介した。

 特にPPS(ポリフェニレンサルファイド)「Xytron」の耐久性評価では、ガラス繊維40%配合の「Xytron G4080HR」がグリコール50%水溶液中/135℃/3000時間のエージング後も引っ張り強度79%、破断伸び率71%を保持し、競合のPPSに比べて各々114%、63%高い値を示した。

 エージング後の樹脂断面のAFM(原子間力顕微鏡)観察で、「Xytron」は樹脂/ガラス繊維界面に変化はなかったが、競合品には大きな剥離が発生していた。同社独自のインターフェース技術により、マイクロクラックや剥離の発生を抑制し強度を保持できたとしている。1000時間後のウエルドライン強度低下も少なく、競合品に比べて強度85%、伸び50%高い値を示し、将来要求される課題にも対応できる考えだ。

 同社は今後も、業界のニーズや課題解決につながる技術やソリューションに関するオンラインセミナーを計画する予定だ。

 

DSM 吉田カバンの記念モデルに強化レザーを提供

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2020年9月7日

 DSMはこのほど、ECCOレザー社と共同開発した「ダイニーマ ボンデッドレザー」が、日本の老舗メーカーの吉田カバンが販売する「PORTER フリースタイル」シリーズの新製品に採用されたと発表した。

「ダイニーマ ボンデッドレザー」は、DSMの、鉄の15倍の強度を誇り世界最強の繊維と言われる「ダイニーマ」繊維を、ECCOレザー社の高品位レザーにボンディング加工することで独特な質感を演出する。通常、レザーの薄さを極限まで追求すると、耐久性が低下する懸念があるが、「ダイニーマ」繊維の軽量高強度の特性を生かすことで、極めて薄く高強度のハイブリッドレザーが実現した。

 吉田カバンは、創業85周年の記念モデル「PORTER フリースタイル」シリーズに、このハイブリッドレザーを採用することで、「フリースタイル」シリーズのコンセプトを現代的にアップグレードすることに成功した。

 なお、「PRTER フリースタイル ダイニーマ レザー」はPORTE表参道で販売を開始しており、今後は他店舗でも展開を予定している。

DSM 高性能PAのカーボンフットプリントを半減へ

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2020年7月22日

 DSMはこのほど、欧州で製造している高性能ポリアミド(PA6)「Akulon」製品群のカーボンフットプリント(CFP:二酸化炭素排出量)を2021年初めまでに大幅削減すると発表した。これによりDSMエンジニアリングマテリアルズは、市場で最もCFPが低いPA6を提供することが可能になり、同社の顧客は、製品のCFPを削減することで、世界規模で温室効果ガス削減に貢献できるようになる。

 同社の高性能ポリアミドは、高耐熱性、熱可塑性のプラスチック材料で、自動車・電気設備・電子機器・包装用途といった幅広いアプリケーションに利用されている。

 同社は「Purpose led,Performance driven」(地球と人類のサステナビリティと企業の成長を同時に実現する)戦略に基づき、今回のCFP半減により、サステナビリティ実現を大きくけん引するマイルストーンを達成することになる。これは、主要な原料サプライヤーであり、また、生産工程での温室効果ガスの排出削減プログラムをオランダで開始したFibrant/Highsunと、バリューチェーンの連携を深めることにより実現した。

 またDSMは、「CO2REDUCEプログラム」スコープ3の中で、バリューチェーンの温室効果ガス排出を2030年までに製品1tの製造につき28%削減すると定めている。「Akulon」ブランド製品のCFP削減は、スコープ3の実現に大きく貢献する。

 DSMエンジニアリングマテリアルズのプレジデント、Shruti Singhal氏は、「次のステップでは、バイオベースの原料を利用するマスバランスアプローチを適用することで、当社はCFPをさらに削減する。顧客、サプライヤー、パートナーと共に、サステナビリティの面で業界をリードし、全ての人々にとって、より豊かな暮らしを創造していく」とコメントしている。

 

DSM クラリアントの3Dプリンティング材料事業を統合

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2020年7月8日

 DSMは7日、クラリアントの3Dプリンティング事業を部分的に引き継ぐことで合意したと発表した。今回の合意により、DSMは、顧客の多様なアプリケーションニーズに対し、より多くのフィラメント・ペレットによるラピッドプロトタイピング(高速試作)・製品開発ソリューションを提供できるようになる。

 工業製品の生産でアディティブ・マニュファクチャリング(積層造形、3Dプリンティング)技術の導入事例が急激に増加している中、既存の製品ポートフォリオや製造プロセスと整合する材料を使用したい、というニーズも増えてきている。DSMのフィラメントおよびペレットに関する優れた技術や実績に、クラリアントが培ってきた3Dプリンティング材料に関する知見を加えることで、市場ニーズに基づいた高性能なフィラメントとペレットを、顧客のニーズに即応できる形で提供が可能となった。

 今後、両社技術の統合により、DSMはエンジニアリンググレードのフィラメント、ペレット、およびパウダーの製品ポートフォリオを強化する。また、独自のコンパウンド生産方法により、フレキシブルかつスピーディーな市場主導型製品開発を進めてきたクラリアントチームの知見を生かすことで、顧客のアプリケーションニーズに合わせたより迅速な製品改良が可能となる。

 今回の取引には、クラリアントの3Dプリンティングチームの一部、選別されたエンジニアリンググレードのフィラメント・ペレット材料ポートフォリオ、開発パイプライン、顧客、パウダー開発の知見、少量バッチ生産の迅速な立ち上げのための小規模生産ラインが含まれている。

DSM CSKを買収、乳製品産業にサービスを提供

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2019年12月9日

 ロイヤルDSMはこのほど、乳製品専門のソリューションプロバイダー、Koninklijke CSK Food Enrichment(CSK)を約1億5000万ユーロで買収したと発表した。

 乳製品は、DSMの食品・飲料分野での最大の単一セグメント。近年、顧客の間では幅広い製品ポートフォリオと深い専門知識を備えたソリューションプロバイダーを探し求める傾向が強まっている。

 DSMの乳製品事業とCSKが組み合わさることで、こうしたニーズにより的確に応えることができ、乳製品カルチャーという急速に成長する魅力的な市場に向き合う上で有利なポジションをとることが可能となる。

 DSMはCSKを買収することにより、セミハードタイプチーズ(特にオランダの伝統的なゴーダチーズやエダムチーズなど)の味、食感、バイオプリザベーションソリューションという相互補完が必要な分野で、製品ポートフォリオと活用ノウハウ、専門知識をさらに強化することができる。

 この取引には、ヴァーヘニンゲン(オランダ)のフードバレーの中心にあるCSKの最先端の乳製品アプリケーションセンターが含まれる予定。さらに、レーワルデン(オランダ)のハイテク発酵設備をDSMのグローバルな製造ネットワークに組み込み、重要なヨーロッパ地域に様々な製品生産拠点を戦略的かつ新たに建設する計画がある。

 両社は、共にオランダで創業し、食品・飲料市場にサービスを提供してきた長い歴史がある。CSKには、1905年の創業から100年以上にわたりオランダの伝統的なセミハードタイプチーズの文化を守り続けてきた実績がある。一方、DSMにとって2019年は、発酵とバイオテクノロジー分野に関して技術革新の歴史が150年目を迎える節目の年に当たる。

DSM 全エンプラにバイオ・リサイクル製品を導入

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2019年11月14日

 ロイヤルDSM子会社のDSMエンジニアリングプラスチックスは、エンジニアリングプラスチックの既存ポートフォリオの全てに、2030年までにバイオとリサイクルベースの素材を利用した製品を導入する。

 持続可能な暮らし方、より循環的な製品を求める消費者ニーズや法令上のニーズの高まりによって、メーカー各社がバイトとリサイクルベースの素材を自社製品に使う動きを加速させている中で、顧客のニーズを満たし、より持続可能な選択肢を選べるようにする。

 この持続可能な製品ポートフォリオでは、バイオベースとケミカルリサイクル原料の発酵、メカニカル・リサイクル、マス・バランス・アカウンティングなど、さまざまな技術やアプローチを活用することになる。

 同社は初めのステップとして、「Arnitel」「Stanyl」製品ポートフォリオで、バイオベース原料のマス・バランス・アプローチにより製造された、バイオベースグレードを発売した。「Stanyl」バイオベースグレードは、世界的に認められているサステナビリティ認証「ISCC Plus」を取得している。

DSM 鶏卵団体のパートナーに SDGs実現を目指す

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2019年10月15日

 オランダの総合化学メーカーのロイヤルDSMは、世界の鶏卵と卵製品の生産者を代表する、国際的な事業者団体のIEC初のバリューチェーンパートナーになった。

 同パートナーシップは鶏卵業界の持続可能な生産を促進し、有益な発展を推進するために立案された。IECは国際的な団体と緊密な戦略的関係を築き、世界の鶏卵バリューチェーン全体で、国連の持続可能な開発目標(SDGs)を実現する。

 DSMはこれに基づきIECとパートナーを組む初めての企業で、飼料添加物と持続可能性に関するIECの独占的バリューチェーンパートナーとなることが正式に決まった。

 同パートナーシップにより、共通の関心事項である飼料栄養の環境的な持続可能性、人類の栄養と貧困抑制、耐性菌問題(AMR)、動物福祉という4つの重点分野に協力して取り組むことになる。

 DSMは2011年からIECに加入。これまでも、鶏卵のバリューチェーン全般で継続的な持続可能性の向上を目指す、IECの「持続可能な鶏卵のための世界イニシアチブ(GISE)」に関わっている。持続可能な飼料の供給、代替的な飼料原料や飼料効率改善の紹介、地球温暖化ガス(GHG)の直接・間接的な排出の削減、窒素・リンの環境への流出削減などが協力分野の例として挙げられる。

 DSMとIECは、特に食事からの動物性タンパク質の摂取が足りず、栄養不足に悩んでいる人々を対象に、鶏卵の栄養的なメリットを宣伝するとともに、主要なタンパク源をさらに入手しやすくするための活動を推進。世界中に存在する非常に多くの恵まれない子どもたちに、より手頃に栄養を届けるため、DSMは栄養に関する人道的なシンクタンクである、サイト・アンド・ライフとも提携している。