PSジャパンは4日、ポリスチレン樹脂「PSJ‐ポリスチレン」を4月1日出荷分から値上げすることについて、需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、全グレード「6円/kg以上」となっている。
原油ならびにポリスチレンの主原料であるナフサ、ベンゼンが騰勢を続け、原料コストは大幅に上昇している状況にある。こうした中、同社は、引き続きコスト低減に取り組んでいるものの、これらコスト上昇をすべて自助努力で吸収することは極めて困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。
2020年3月5日
2020年1月9日
能力増強で安定供給に注力、環境問題にも真摯に取り組む
━2019年はどのような年でしたか。
佐藤 世界的に見ると、米中貿易摩擦の長期化、中東リスクの増大、ブレグジットの混乱、日韓関係の悪化など様々な問題が起こり、先行き不透明感が増大した1年だった。
特に米中の対立によって各国の経済成長に陰りが見えてきており、社会全体の消費マインドが冷え込むことを懸念している。
当社のポリスチレン(PS)事業は国内がメインだが、7月以降の内需は4カ月連続で前年同月を下回って推移している。
その背景として、梅雨が長引いたことや台風などの天候不順、コンビニやスーパーによるフードロス活動の本格化などが挙げられるが、この状況が一過性のものなのか、それとも今後も継続していくのか、しっかり見極める必要があるだろう。
━2020年の見通しについて。
佐藤 事業環境では2つの点に注目している。1つ目は、原料であるスチレンモノマー(SM)の動向だ。中国では2019~2021年までの間に約350万tの増設計画があり、これが市場に出回れば海外市況が大幅に下落するだろう。安いSMを原料とした海外品の輸入が増加する可能性もあり、国内の需給バランスが崩れるかもしれない。
2つ目はプラスチックの環境問題だ。今後さらに関心が高まってくることが想定され、プラごみ対策も加速していくだろう。紙製品や木製品に代替する脱プラの動きも強まっており、当社としても
2019年8月16日
新中計では目標を「見える化」、実力のさらなる向上を目指す
━社長就任から1年が経ちました。
昨年の社長就任時に「リーディングカンパニーとしてのあるべき姿を目指す」ことを掲げたが、振り返ってみると収益を含め総じて順調な1年だった。事業環境が良かったこともあるが、テーマとしてきた高付加価値化が進展したことや、コストダウンに注力してきたことで、事業基盤が確実に強化されてきたと感じている。また、ポリスチレン(PS)業界は、四半期ごとの価格改定が定着しているなど、樹脂メーカーから加工メーカーまで透明性が高いという印象を持っている。ほかの樹脂と比べても、良い業界と言えるのではないか。
━見えてきた課題は何ですか。
課題はいくつかあるが、第1はやはり安定供給責任だ。事業の拡大戦略を打ち出している顧客に対応するため、供給能力を確保していかなければならない。次に品質保証の問題だ。リーディングカンパニーとして「品質ナンバー1」を目指しており、これまで異物問題に対し集中して投資を行ってきた。
第1段階である異物発生源対策は終了し、また流出防止対策も一段落した。今後も、異物を低減する対策は継続して実施していく。ポリマー中に残るモノマーの量を極力減らした当社の
2019年6月5日