PSジャパン 4月1日からポリスチレンを値上げ

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2021年3月2日

 PSジャパンは1日、ポリスチレン樹脂「PSJ-ポリスチレン」を4月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、全グレード「28円/kg以上」となっている。

 原油ならびにポリスチレンの主原料であるナフサ、ベンゼンが騰勢を続け、原料コストが大幅に上昇している状況。こうした中、同社は、これらのコスト上昇分を自助努力のみで吸収することは極めて困難な状況にあることから、今回の値上げの実施を決定した。

PSジャパン ケミカルリサイクル実証化設備の検討開始

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2020年12月18日

 PSジャパンは17日、東芝プラントシステムのケミカルリサイクル(CR)実証化設備を水島工場(岡山県倉敷市)に建設する検討を開始したと発表した。基本設計に入る契約を東芝プラントシステムと締結しており、2022年3月の完工を目標にしている。

 CR実証化設備では、使用済みポリスチレン(PS)製品を熱分解し、原料であるスチレンモノマー(SM)に戻すモノマー還元を行う。すでに、取引先からは実証化への協力の申し入れもあり、設備の完成後に直ちに実証運転を経て実装化を目指していく。

 PSは無味無臭で、燃やしても有害ガスが発生しない安全なプラスチック。食品容器に適していることに加え、発泡性に優れることから容器・製品の軽量化に役立っている。また、断熱材の用途では軽量で高断熱な特性を生かして、環境負荷の低減にも貢献している。さらにPSは、少ないエネルギーで分解ができることからCRがし易いといった特徴がある。PSジャパンは、使用済みPS製品をSMに戻す設備を導入していくことで、スチレン資源循環を実現させ、持続可能なものづくりに取り組んでいく。

 同社はPS樹脂の製造販売会社として、顧客の視点を心掛け、安心と価値を提供していくとともに、将来世代への責任を果たすため、真剣かつ積極的にプラスチックの環境問題に対応していく考えだ。

ポリスチレンのリサイクル模式図
ポリスチレンのリサイクル模式図

ポリスチレン 値上げ交渉本格化、原料高に対応

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2020年9月9日

需要は回復傾向も、コロナ影響で先行き不透明に

 ポリスチレン(PS)メーカー3社の原燃料高に対応した値上げが出揃い、10月1日の実施に向けユーザーとの交渉が本格化している。改定幅は、PSジャパン、DIC、東洋スチレンとも「10円/kg以上」で打ち出した。

 PS価格は、原料ベンゼンACPやナフサ価格、また為替を前提に、四半期ごとに価格の見直しを行う。今年は、昨年後半からの原油価格上昇に連動し、1Q(1-3月期)にACPが上がったことで、4月の価格改定では値上げとなった。

 しかし、新型コロナウイルスの感染が世界中に拡大したことや、OPECなどの協調減産の混乱により原油価格が暴落したことから、2Q(4-6月期)のACPは1Qから345ドル急落。そのため7月の価格改定では40円以上の値下げとなった。ただ原油価格は、5月に協調減産が再開されたことや中国経済の回復などもあり上昇基調を強めた。それに伴いACPも400ドル以上に値を戻し、3Q(7-9月期)は2Qから78.3ドル上昇する結果となった。

 こうした状況を踏まえ、PSメーカー各社は10月からの値上げを発表。ユーザーへの安定供給を行い、再投資可能な事業とするためにも、今回の値上げ交渉を速やかに決着させていく考えだ。

 一方、PSの国内需要は2Qに前年比20%減と大きく落ち込んだ。コロナ禍の影響で川下製品の需要が停滞したことや、7月からのPS価格の下落を前に買い控えの動きが強まったことが背景にある。それを反映し、2Qの在庫月数は2.3ヵ月分と平常時に比べ大きく積み上がっており、適正在庫に戻すために稼働調整を行う動きもあるようだ。

 こうした中、コロナ禍が落ち着いてきたことや7月の値下げ効果もあり、PS需要は回復傾向にある。7月の内需は包装用途や雑貨・産業用途を中心に伸び、3月以来4カ月ぶりに前年比で上回った。また政府も、8月の月例報告で国内景気の判断を「持ち直しの動きが見られる」と発表しており、年末に向けてPS需要の盛り上がりが期待される。

 とはいえ、コロナ禍は未だ収束のめどが立たっていない。感染者が再び増加傾向となれば消費が落ち込む可能性もあり、今後も先行き不透明な状況が続きそうだ。

 

PSジャパン ポリスチレン樹脂を値上げ、原料高に対応

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2020年9月2日

 PSジャパンは1日、ポリスチレン樹脂「PSJ‐ポリスチレン」を10月1日出荷分から値上げすることについて、需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、全グレード「10円/kg以上」となっている。

 原油ならびにポリスチレンの主原料であるナフサ、ベンゼンが騰勢を続け、原料コストは大幅に上昇している状況にある。こうした中、同社は引き続きコスト低減に取り組んでいるものの、これらコスト上昇をすべて自助努力で吸収することは極めて困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。

ポリスチレン 原料高に対応した値上げ交渉が本格化

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2020年3月11日

需要はやや弱含み、新型ウイルス影響も懸念材料

 ポリスチレン(PS)メーカー3社の原燃料高に対応した値上げが出揃い、4月1日の実施に向けユーザーとの交渉が本格化している。改定幅は、 “ポリスチレン 原料高に対応した値上げ交渉が本格化” の続きを読む

PSジャパン ポリスチレン樹脂を4月1日から値上げ

2020年3月5日

 PSジャパンは4日、ポリスチレン樹脂「PSJ‐ポリスチレン」を4月1日出荷分から値上げすることについて、需要家との交渉に入ったと発表した。改定幅は、全グレード「6円/kg以上」となっている。

 原油ならびにポリスチレンの主原料であるナフサ、ベンゼンが騰勢を続け、原料コストは大幅に上昇している状況にある。こうした中、同社は、引き続きコスト低減に取り組んでいるものの、これらコスト上昇をすべて自助努力で吸収することは極めて困難であると判断し、価格改定の実施を決定した。

【新年特集】PSジャパン代表取締役社長  佐藤公氏

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2020年1月9日

能力増強で安定供給に注力、環境問題にも真摯に取り組む

━2019年はどのような年でしたか。

PSジャパン 佐藤社長 佐藤 世界的に見ると、米中貿易摩擦の長期化、中東リスクの増大、ブレグジットの混乱、日韓関係の悪化など様々な問題が起こり、先行き不透明感が増大した1年だった。

 特に米中の対立によって各国の経済成長に陰りが見えてきており、社会全体の消費マインドが冷え込むことを懸念している。

 当社のポリスチレン(PS)事業は国内がメインだが、7月以降の内需は4カ月連続で前年同月を下回って推移している。

 その背景として、梅雨が長引いたことや台風などの天候不順、コンビニやスーパーによるフードロス活動の本格化などが挙げられるが、この状況が一過性のものなのか、それとも今後も継続していくのか、しっかり見極める必要があるだろう。

━2020年の見通しについて。

 佐藤 事業環境では2つの点に注目している。1つ目は、原料であるスチレンモノマー(SM)の動向だ。中国では2019~2021年までの間に約350万tの増設計画があり、これが市場に出回れば海外市況が大幅に下落するだろう。安いSMを原料とした海外品の輸入が増加する可能性もあり、国内の需給バランスが崩れるかもしれない。

 2つ目はプラスチックの環境問題だ。今後さらに関心が高まってくることが想定され、プラごみ対策も加速していくだろう。紙製品や木製品に代替する脱プラの動きも強まっており、当社としても

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【2019年 夏季特集】 PSジャパン代表取締役社長 佐藤公 氏

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2019年8月16日

 新中計では目標を「見える化」、実力のさらなる向上を目指す

 ━社長就任から1年が経ちました。

 昨年の社長就任時に「リーディングカンPSジャパン佐藤社長TOPパニーとしてのあるべき姿を目指す」ことを掲げたが、振り返ってみると収益を含め総じて順調な1年だった。事業環境が良かったこともあるが、テーマとしてきた高付加価値化が進展したことや、コストダウンに注力してきたことで、事業基盤が確実に強化されてきたと感じている。また、ポリスチレン(PS)業界は、四半期ごとの価格改定が定着しているなど、樹脂メーカーから加工メーカーまで透明性が高いという印象を持っている。ほかの樹脂と比べても、良い業界と言えるのではないか。

 ━見えてきた課題は何ですか。

 課題はいくつかあるが、第1はやはり安定供給責任だ。事業の拡大戦略を打ち出している顧客に対応するため、供給能力を確保していかなければならない。次に品質保証の問題だ。リーディングカンパニーとして「品質ナンバー1」を目指しており、これまで異物問題に対し集中して投資を行ってきた。

 第1段階である異物発生源対策は終了し、また流出防止対策も一段落した。今後も、異物を低減する対策は継続して実施していく。ポリマー中に残るモノマーの量を極力減らした当社の

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PSジャパン PS全グレードを7月1日から値上げ

2019年6月5日

 PSジャパンは4日、ポリスチレン樹脂「「PSJ‐ポリスチレン」全グレードを、7月1日出荷分から値上げすることを決定し、需要家への説明と改定交渉に入ったと発表した。値上げ幅は7円/kg以上。

 原油に加え、ポリスチレンの主原料であるナフサとベンゼンが騰勢を続け、同社の原料コストが大幅に上昇している。これらのコスト上昇を、全て自社努力で吸収することが極めて困難な状況にあることから、樹脂価格の改定を行うことにした。