東ソーはこのほど、九州大学と共同提案した「革新的CO2分離膜による省エネルギーCO2分離回収技術の研究開発」が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業に採択されたと発表した。
同事業は、「NEDO先導研究プログラム/エネルギー・環境新技術先導研究プログラム」の中で行われる「産業部門のCCUS/カーボンリサイクルの抜本的な省エネ化に資するCO2分離・回収技術」に公募したもの。
採択された技術では、アルカノールアミンを高分子マトリックスに担持した高分子膜からなるCO2分離中空糸膜モジュールを活用する。このアルカノールアミンを使ったCO2分離膜は、高いCO2選択性を示すため、高純度のCO2を分離回収することが可能になる。
今回の委託事業では、産学連携を通じ、同中空糸膜モジュールを利用することで、省エネルギー型石炭火力発電の排ガス中から、CO2を分離回収する技術の確立を目指す。委託期間は今年6月から来年3月まで。
東ソーは、気候変動問題に関わる課題として、温室効果ガス(GHG)排出量削減への取り組みが事業の中長期的な成長に繋がると考えている。今後も引き続き、エネルギー使用の効率化、GHG排出量の削減、CO2の分離回収・原料化による有効利用に向けた技術開発を推進し、持続可能な社会の実現に貢献していく。