プラ工連8月実績 原材料生産上向く、輸出はプラスに

,

2020年10月28日

 日本プラスチック工業連盟がこのほど発表したプラスチック原材料・製品の生産・輸出入状況によると、確報となる7月のプラスチック原材料生産は、前年同月比15%減の74万2000tと5カ月連続で減少した。マイナス基調が続く中、8月の速報では同8%減と減少幅が縮小しており、回復の兆しが伺える。

 8月の主要品目を見ると、ポリエチレンとポリプロピレンは6カ月連続、ポリスチレン(AS樹脂、ABS樹脂含む)は9カ月連続で前年を割り込み、塩化ビニル樹脂はマイナスに転じたが、いずれも前月との比較ではプラス基調を継続している。

 7月のプラスチック製品生産は、前年同月比8%減の47万6000tと12カ月連続で減少し、8月の速報でも同5%減と減少傾向が継続する。8月は主要品目のフィルム・シートが4カ月連続、主に自動車や電気製品向けの機械器具部品が7カ月連続で減少したのをはじめ、容器、建材、発泡製品も引き続きマイナスで推移した。日用品・雑貨は3カ月連続で伸長し、パイプは5カ月ぶりにプラスに転じた。

 一方、8月のプラスチック原材料輸出は、36万5000t(前年同月比4%増)と7カ月ぶりにプラスに転じた。ただ、金額ベースでは原油安による樹脂単価の下落を受け、891億3000万円(同12%減)と依然としてマイナス基調が続く。原材料輸入は19万3000t(同22%減)と11カ月連続で前年を下回り、輸入金額は371億円(同33%減)だった。

 輸出の品目別動向を見ると、主要品目ではエチレン重合体、プロピレン重合体、塩化ビニル重合体は引き続きプラスを継続し、スチレン重合体は2カ月ぶりに増加に転じた。アクリル重合体とポリエチレンテレフタレート(ポリ乳酸とその他ポリエステル〈不飽和以外〉を含む)はマイナスを継続した。輸入品はポリスチレン(GP・HI)やAS樹脂などの一部を除き、軒並みで前年水準を下回った。前月に10カ月ぶりにプラスとなったポリエチレンテレフタレート(同)もマイナスに転じた。

 8月の製品輸出は13カ月連続の減少で、6万3000t(同7%減)、1201億8000万円(同5%減)。製品輸入は2カ月連続のマイナスとなり、16万1000t(同4%減)、770億8000万円(同8%減)だった。

プラ工連8月原料輸出入