トクヤマの4-12月期 減収減益も通期予想を上方修正

, ,

2021年2月1日

 トクヤマは29日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比7%減の2209億円、営業利益12%減の217億円、経常利益11%減の212億円、純利益7%増の193億円となった。

 セグメント別に見ると、化成品セグメントは減収減益。カセイソーダは、コロナ影響で国内の販売減に加え海外市況も下落し減益。塩化ビニルモノマーおよび塩化ビニル樹脂は、輸出価格が上昇し増益。ソーダ灰は、コロナ影響で国内の販売数量が減少し減益となった。

 特殊品セグメントは増収増益。半導体向けの多結晶シリコンは、5Gの導入やリモートワークの増加を背景に販売が堅調に推移し増益。電子工業用高純度薬品は、海外向けを中心として販売数量が増加し増益。乾式シリカは、コロナ影響などから販売減で減益となった。

 セメントセグメントは増収増益。セメントの国内出荷は、コロナ影響が限定的だったこと、原料価格の下落で製造コストが低減したことにより増益となった。

 ライフアメニティーセグメントは減収減益。プラスチックレンズ関連材料は、コロナ影響からメガネレンズ用フォトクロミック材料の欧米向け輸出数量が減少し減益。歯科器材は欧米向け輸出数量が減少したものの、広告宣伝費などの低減で増益。医療診断システムは、臨床検査情報システムおよび検体検査自動化システムの販売減で減益となった。ポリオレフィンフィルムの製造・販売を行うサン・トックスの一部株式を譲渡し連結対象から除外している。

 なお同日、通期業績予想の修正を発表。売上高は据え置いたが、営業利益300億円(前回発表比20億円増)、経常利益300億円(同20億円増)、純利益260億円(同40億円増)に上方修正している。同社は、「塩ビモノマーや塩ビ樹脂の輸出価格の上昇、直近の業績動向を踏まえた」としている。