【化学企業 入社式訓示②】ENEOS 大田勝幸社長

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2021年4月5日

 会社を取り巻く環境は常に変わってきたが、今直面している環境変化は、これまでになく大きく、そして速いものだ。国内石油需要の減少やエネルギー産業の自由化、環境問題に対する低炭素化などの動き、デジタル革命による社会環境の変化などに加え、新型コロナウイルスの感染拡大によって、日常生活の行動や価値観に大きな変化が起きている。

 ENEOSグループでは、「低炭素・循環型社会の到来」「デジタル革命の進展」「ライフスタイルの変化」を前提とした2040年に向けた長期ビジョンを作成している。その実現の力となるのは、今日から仲間として一緒に働く皆さんを含めた、社員一人ひとりの発想や情熱だ。将来を正しく予測することが大変難しい中、生き残り、世の中の役に立ち続けるためには、社会の変化に対応し、あるいは先取りし、私たちも常に変化し続けることが最も重要になる。すなわち挑戦だ。

 会社が変化し続けるためには、幅広くアンテナを張って変化を捉える柔軟性と、未来を作り出す意欲と挑戦する気持ちのある社員が欠かせない。皆さんのような若い世代の人にこそ、その力があり、会社も大いに期待している。挑戦の気概をもって、何にでも積極的に取り組むことが、自身を磨き、会社を変える力になっていく。そして、もう1つ大切なことは対話の力だ。対話を通じて様々な気付きや学びが生まれ、それが個人の成長につながると考えている。ぜひ対話を重ねて多くの学びを得てほしい。対話を重ねることで個人の力がより大きな組織の力となり、実現性が高まってくる。

 これから仕事を進める上では、「一見すると相反すると思われる2つのことを、同時にうまく実現する」という心構えも必要だ。また、どんな仕事も誠実にコツコツとやる、そして任された仕事の意味を考え、何か付加価値をつける工夫をすることも大切になってくる。

 最後に、私自身の長い会社経験の中で、強く感じていることを2点伝えておく。まず、多くの経験が力になると信じ、拒否せず受け入れてまずやってみることが大事だということ。そして、自分の力を最大限に発揮するためには、健康管理・自己管理が大切だということだ。皆さんの若さと元気が会社の活力になる。その若いエネルギーを大いに期待している。