中外製薬はこのほど、ヒト化抗ヒトIL‐6レセプターモノクローナル抗体「アクテムラ」(一般名:トシリズマブ)について、全身性コルチコステロイドの投与を受けており、酸素投与または人工呼吸を必要とする成人に対するコロナウイルス感染治療薬として、ロシュ社が欧州委員会(EC)より適応拡大の承認を取得したと発表した。
今回の承認は、欧州医薬品委員会(CHMP)による勧告からわずか数時間後であり、これはコロナ禍による公衆衛生上の非常事態において、治療選択肢の候補としての「アクテムラ」に対する緊急性を反映したもの。
奥田修社長CEOは、「欧州では、コロナ感染再拡大にオミクロン株の影響が加わり、さらなる懸念が広がっている。患者の状態に応じた治療が必要なコロナ感染において、『アクテムラ』が重症治療に大きな役割を果たすことを願っている」と述べている。