NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)はこのほど、エヌエスアイテクスが、OTSL、日立製作所、東京工業大学と共同で、エッジコンピューティング領域における次世代組み込みシステム向けAI処理プロセッサー(DILP)を開発したと発表した。
NEDOは「高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発」に取り組んでおり、今回の開発はその一環となる。
同プロセッサー技術で実際の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)アプリケーションを実行したところ、世界最高クラスとなる1W当たり15TOPS(15兆回/秒)の評価値を達成。これは現在実用化されている技術の5倍以上に相当する電力効率になる。また、面積効率でも1㎟当たり1.36TOPS(1.36兆回/秒)の高評価値を実現している。
さらに、今回の成果の実用性検証として、ロボットアームを用いたリアルタイム物品仕分けの実証を行った。その結果、DILP適用によるロボットアーム移動経路の探索時間が従来の制御方法に比べて10分の1以下になり、同プロセッサーが産業分野の自動化に貢献できるめどが立った。これにより、さらなる省スペース、低消費電力、高性能多機能化が求められている自動車、FA・ドローンなどの制御系、また、監視カメラなどを中心とする組み込みシステムへ広く適用が期待できる。