エレファンテック 三井化学の川本氏をAMセンター長に

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2020年6月11日

 アディティブマニュファクチャリング(AM:印刷による積層造形技術)を推進する、スタートアップ企業のエレファンテックは、今年4月に立ち上げた、アディティブマニュファクチャリングセンター(AMC)のセンター長に、三井化学の川本悟志氏を迎え入れたと発表した。

(左から)三井化学の松尾英喜副社長、エレファンテックの清水信哉社長、AMCセンター長の川本悟志氏
(左から)三井化学の松尾英喜副社長、エレファンテックの清水信哉社長、AMCセンター長の川本悟志氏

 インクジェット印刷技術をベースにした電子回路製造法を確立し量産化を行うエレファンテックは昨年、三井化学と戦略的提携を締結。その提携に基づき、三井化学名古屋工場内で整備が進む、同製法で製造する片面フレキシブル基板(FPC)「P‐Flex」の大型量産実証施設(AMC名古屋)が、10月に稼働する。

 それに先立ち、「P‐Flex」に使われている、必要な部分にのみインクジェットで金属ナノインクを印刷するAM技術を拡張させ、エレクトロニクス分野のみならずバイオ、テキスタイル、オプティクスなどの幅広い分野のものづくりに活用するため、エレファンテックはAMCを立ち上げた。

 川本氏を含め13人体制となった同センターは、エレファンテック本社(東京・八丁堀)とAMC名古屋双方にまたがる統括組織。技術プロモーションやR&D支援サービス、応用技術開発といったAMの推進活動を行っている。同社によれば、AMC名古屋では今後、銅配線形成だけでなく、AMを活用したソルダーレジスト(絶縁膜)付与などの様々な量産実証や、量産機の開発支援も行っていく計画だ。

 エレファンテックの清水信哉社長は「必要なところに、必要な分だけ印刷するAMの技術は、持続可能性の1つの解だ。AMCを世界最先端のAM技術拠点とし、世界を持続可能にするために三井化学と共に尽力していく」と決意を語った。

 一方、三井化学の松尾英喜副社長は、「環境貢献価値の高いインクジェットによる革新的なプロセスは、これからのものづくりが目指す姿の1つであり、素材に求められる可能性の拡大でもある」と期待を寄せた。三井化学の加工技術が集約する名古屋という地の利を生かし、「エレファンテックと共にインクジェットによるAMの拡大と社会実装に向けて、素材から革新を起こしていく」考えだ。

 連携をさらに深めた両社は、「新しいものづくりの力で、持続可能な世界を作る」というミッションの下に、環境負荷が少ない製法で製造可能なAMの新たな展開を目指す。

 

旭化成 守山製造所ハイポア工場、撤去工事中に爆発事故

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2020年6月11日

 旭化成は10日、守山製造所(滋賀県守山市)のハイポア工場で行われていた休止設備の撤去工事中に爆発事故が発生し、作業員1名が巻き込まれ、搬送先の病院で死亡が確認されたと発表した。なお、初期消火などにより火災には至っていない。事故発生経緯については関係当局により調査中。

 同社は「当社としても、近隣住民の皆さまへ誠意をもって対応するとともに事故原因調査などを全力で進めてまいります。事故原因が判明次第、関係当局のご指導を仰ぎつつ、適切な対策を実施する予定です」とコメントしている。

 

ダウ日本 ブランドオーナーと協力し子ども食堂に寄付

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2020年6月9日

 ダウ・ケミカル日本はこのほど、パッケージング・アンド・スペシャルティプラスチック(P&SP)事業部が、新型コロナウイルス感染症に関連する支援のため、ブランドオーナーとともに、品川区の子ども食堂ネットワークと社会福祉法人に、1800袋強のスナック菓子のほか、ごみ処理用プラスチック袋を9000枚寄贈したと発表した。スナック菓子の包装とプラスチック袋には、それぞれP&SP事業部のポリエチレン(PE)樹脂が活用されている。

 品川区では現在、ほとんどの子ども食堂が活動を中止しているが、一部が感染症対策を施した上で運営され、また家庭に直接食事を届ける活動を行っている。P&SP事業部は、バリューチェーンのパートナーと協力し、ダウのPE樹脂が包装材の一部に使われているスナック菓子を子どもたちに向けて寄贈した。

 包装材に使われているPE樹脂は、高速加工性とフィルムの薄肉化を実現したもの。扱いやすい包装設計に寄与し、手に取りたくなる製品を消費者に届けることに貢献している。また、同時に寄贈されたごみ処理用プラスチック袋は、オルディ社が製造。ダウのPE樹脂を使用し強度を保持しつつフィルムの薄肉化を実現している。

クラレ 独創性を掲げた「クラレレポート2020」発行

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2020年6月9日

 クラレはこのほど、統合報告書「クラレレポート2020」を発行した。A4判、カラー50ページ。同レポートは、株主・投資家をはじめとする全てのステークホルダーに、同社グループの中長期的な価値創造について、財務情報に加え、ESG(環境・社会・ガバナンス)などの非財務情報を通じて、より一層理解を深めてもらうことを主眼としたもの。

「クラレレポート2020」(A4判、カラー50ページ)
「クラレレポート2020」(A4判、カラー50ページ)

 伊藤正明社長は同レポートの中で、「独創性とチャレンジ精神、価値提供への思い」を語り、長期ビジョンで掲げる2026年のありたい姿や、2020年の重点施策などに触れながら、中期経営計画「PROUD 2020」の進捗状況を紹介している。

 また、「キーパーソンに聞く」のセクションでは、カルゴン・カーボン社のスティーヴン・R・ショット社長や、クラレ・繊維カンパニー長の佐野義正専務、技術本部などを担当する大村章常務が、各事業の取り組みや製品開発経緯などを解説。

 特集記事「ビニロン事業化70周年を迎えて」では、同社グループの原点となった世界初の合成繊維「ビニロン繊維」(ポリビニールアルコール繊維)の工業化への軌跡を振り返った。クラレグループでは引き続き、同レポートをステークホルダーとの建設的な対話の場と位置づけ、内容の拡充を図っていく考えだ。

ダイセル 新長期ビジョンならびに新中期戦略を策定

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2020年6月9日

 ダイセルは8日、第4次となる長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」と、それに基づく新中期戦略「Accelerate 2025」を策定したと発表した。

 長期ビジョンでは、基本理念の下にサステナブル経営方針を設置。目指すこととして、社会と人々の幸せに貢献(サステナブルプロダクト)、地球や人にやさしい方法で実現(サステナブルプロセス)、働く人がやりがいを実感(サステナブルピープル)、を掲げた。

 4つのトリガーとして、健康(ヘルスケア)、安全・安心(セイフティ)、便利・快適(スマート)、環境を設定し、その下の重点市場に注力する。

 成長&加速戦略では、オペレーションを3段階で表現。Operation‐Ⅰ(OP-Ⅰ)の「原ダイセル」では、現状の事業に加え注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化を図る。OP‐Ⅱの「新ダイセル」では、事業の再編と既存JVの抜本的見直し、アセットスーパーライト化を図る。OP‐Ⅲの「新企業集団」では、垂直統合型のサプライチェーンに水平方向の統合を視野に入れたクロスバリューチェーンを構築していく方針だ。

 一方、長期ビジョンを踏まえた新中期戦略では、原ダイセル、新ダイセルの実行と新企業集団の実行準備を同時に進めるフェーズとして位置づける。全社戦略として、クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みを推進。新企業集団を見据え、組織変更に対し柔軟に組み替え可能なデジタルアーキテクチャを構築。複数の事業を自在に組み合わせて架空の会社(バーチャルカンパニー)を形成し、PL、BSをリアルタイムに把握し、アセットライト化と収益力を強化する。

 また、ポートフォリオマネジメントでは、従来の68事業を33事業に集約。これまでの素材提供型から、技術・製品・テクニカルサービスを生かし価値提供型事業へのシフトを目指し、各事業を次世代育成、成長けん引、改革事業、基盤事業に分類した。

 また、事業戦略では、4つのトリガー市場に注力。ヘルスケアSBU、メディカルSBU、スマートSBU、セイフティSBU、マテリアルSBU、エンジニアリングプラスチックセグメントで、それぞれありたい姿に向けた方策に取り組み、価値提供を加速する。機能別戦略では、事業創出力として、R(研究)でシーズを掘り起し、D(開発)で事業化力を磨き、さらにProactive IP(技術・知財)で事業を強くしていく。

 プロダクションでは、現場の力を結集し、バーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供する。さらに、デジタルトランスフォーメンションや人事改革にも取り組む考えだ。これらの戦略により、2025年の経営目標としてROIC10%、EBITDA1000億円超、営業利益は最高益更新を掲げた。

 同社は、この新ビジョンと新戦略を新たな指針とし、国際社会や地球環境をめぐる諸問題、AIやIoTの活用による急速な技術の進歩、さらには、今回の世界的なウイルス感染症によっても大きく変化する社会情勢に柔軟に対応し、事業活動を通じて、持続可能な社会の実現と企業グループの成長の両立を図っていく考えだ。

三井化学 海洋ごみ削減を目標に国内外で清掃活動一元化

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2020年6月8日

 三井化学は、これまで事業所ごとに行ってきた清掃活動を発展させ、昨年度からはグループ全体の取り組みとして新たな展開を始めた。

清掃活動写真1 本社での活動(神奈川県・鵠沼海岸)
本社での活動(神奈川県・鵠沼海岸)

  「三井化学グループクリーンアップキャラバン」と銘打ち、海洋ごみの削減につながる清掃活動を実施。本社を含む全国各地の工場や関連会社、また米国・中国・シンガポールの海外拠点関連会社からも多くの従業員らが参加した。2019年度は、延べ3682人が参加し、累計で6万391㎏のごみを回収した。

 従来から実施してきた事業所周辺の清掃活動にとどまらず、「NPOや行政が企画するクリーンアップへの参加」「会社のイベントとしてクリーンアップを企画・実施」「地域のイベントへの参加後にクリーンアップを実施」など、活動の幅を広げ参加者が自発的に取り組める工夫を凝らした。

 

シンガポール6社合同の活動(パーシル・リス公園)
シンガポール6社合同の活動(パーシル・リス公園)

  三井化学グループは、リサイクルやバイオマス製品の拡充といったプラスチック戦略の下、循環経済への転換を目指している。今後もプラスチック戦略を推し進め、ごみを流出させない、流出したごみは回収し適切に処理する、そして河川や海に流出したごみを回収する活動を継続していく。

 専用ウェブサイト(https://jp.mitsuichemicals.com/special/clean-up_caravan/index.htm)では、活動内由生や動画、海洋ごみ問題のパイオニア・JEANの小島あずさ理事からのメッセージなどを公開中だ。

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許に対する中国訴訟2件で勝訴

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2020年6月8日

 三菱ケミカル(MCC)は5日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する中国特許に対し、中国企業2社(Shield社と英特美光電社)が特許の無効を訴えていた行政訴訟について、裁判所がその訴えを退け、特許の有効性を支持する勝訴判決を得たと発表した。Shield社との第2審では原審と同様、特許の有効性が支持され、今回の判決により勝訴が確定したことになる。

 赤色蛍光体は、通称SCASNまたは1113蛍光体と呼ばれる窒化物系の蛍光体。高い輝度と信頼性からLED用として最も広く使用されており、MCCが製造販売している赤色蛍光体は、LEDメーカー各社から多くの支持と評価を受けている。同特許は、この赤色蛍光体とそれを用いたLEDデバイスなどを広くカバーする基本特許であり、今回の2つ判決ではMCCとNIMSが共有する重要な知的財産権の有効性が中国の司法により改めて支持された。

 中国はLEDデバイスの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスでも最大生産量を誇る。その中国で中国企業2社の主張を全面的に退け、同特許の有効性が支持された今回の2つの判決は、長年中国で積極的に投資、事業展開を行ってきたMCCにとって非常に意義深いもの。また、蛍光体産業のみならず白色LED産業全体にとっても重要な意味を持ち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がることが期待される。

 今後もMCCとNIMSは自社・他社の知的財産権を尊重し、他社が知的財産権の無効を主張しまたは侵害するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を取る考えだ。

東レ 中計3年間の戦略、実行すべき課題に注力

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2020年6月8日

日覺社長「コロナ禍も成長機会を捉え事業拡大」

 東レは、今後10年先を見据えた長期経営ビジョン〝TORAY VISION 2030〟を策定し、それを踏まえた中期経営課題〝プロジェクトAP‐G 2022〟(2020~22年度)をスタートさせた。すでに総括的な説明を行っていたが、改めて事業別の説明会を2日間にわたりオンラインで開催した。

 初日に挨拶に立った日覺昭廣社長は、「中長期的な東レグループの在るべき姿は明白であり、実行すべき課題はコロナ禍によって大きく変わるものではない」とコロナ禍による不透明な状況下で中計を発表した理由を述べた。そして「コロナ終息が

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中外製薬 新型コロナ対策を支援、国内医療関係者に寄付金

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2020年6月5日

 中外製薬はこのほど、新型コロナウイルス感染症の治療や感染予防に従事する日本国内の医療関係者を支援するため、寄付金を拠出した。日本財団LOVE POCKET FUND「新型コロナプロジェクト」に4000万円、東京都「守ろう東京・新型コロナ対策医療支援寄附金」に1000万円で、寄付総額は5000万円となっている。