東レ マレーシアでのABS樹脂増強、本格生産を開始

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2021年8月19日

 東レはこのほど、マレーシアの東レプラスチックマレーシア(TPM)で生産能力の増強を行っていたABS樹脂「トヨラック」透明グレードについて、本格生産を開始したと発表した。年産7万5000tの生産設備の増強により、TPMのABS樹脂生産能力は同42万5000tとなり、既存の千葉工場(市原市)と合わせて、同社グループ全体の生産能力は同49万7000tまで拡大した。

マレーシアで透明ABS樹脂を増強
マレーシアで透明ABS樹脂を増強

 同社グループのABS樹脂は、透明グレード、制電グレード、良塗装グレード、耐薬品性向上グレードなどの「トヨラック」高機能グレードをラインアップ。主な販売先である中国、ASEAN市場に加え、欧米やインド市場へのさらなる販売拡大を進めていく計画であり、今後についても生産能力の増強を検討している。

 同社は、中期経営課題の基本戦略の1つとして「成長分野でのグローバルな拡大」を推進。拡大する透明ABS樹脂の需要を確実に取り込み、さらなる供給安定性向上のため、今後も日本国内のABS樹脂生産拠点である千葉工場とマレーシアのTPMの有機的な連携をさらに強化し、グローバルな事業拡大を強力に推進していく。

三井化学など3社 循環型社会を加速、企業間の連携強化

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2021年8月19日

 三井化学、日本IBM、野村総合研究所(NRI)の3社はこのほど、資源循環型社会の実現を目指しコンソーシアムを設立することで合意した。

 三井化学と日本IBMは今年4月、循環型社会実現への課題となる「素材のトレーサビリティ」の担保を目的に、ブロックチェーン技術を活用したプラスチック資源循環プラットフォーム構築に向け協働を開始。今回、その取り組みを加速し拡大させるため、NRIを加えた3社共同でコンソーシアムの運営を行う。3社は、資源循環プラットフォームを利用した実証実験への支援活動、複数企業による研究会開催、コンソーシアムで得た知見などの情報共有やコンソーシアム内外への提言などを計画するとともに、他団体とのオープンな関係構築を通じ、循環型社会を形成していく狙いだ。

 中核となる目的に、①トレーサビリティを基盤としたプラスチックリサイクル材の利用促進②資源循環に関するステークホルダー間の連携支援③資源循環に貢献した人や企業へのインセンティブ制度構築を掲げ、各社の強みを生かした活動を推進。具体的には、三井化学は、モノマー・ポリマーなどに関する豊富な知見やスキル、リサイクルを含む環境対応技術やノウハウの提供を行う。

 一方、日本IMBは、ブロックチェーンを基盤としたトレーサビリティプラットフォームの利用を支援。排出した製品がリサイクルされ新たな製品となるモノのプロセスや複数のサプライチェーン企業間との連携業務のプロセスをデジタル化し、トレースできる支援を担う。またNRIは、ビジネスモデル変革とデジタル化への知見・経験、業界団体や官公庁への提言の経験を生かし、企業・社会の変革を推進する。

 コンソーシアム設立後は、自社製品のリサイクルやリサイクル材を活用した製品づくりを推進したい製造業者、回収や解体する製品の素材情報の把握やリサイクル材に付加価値を付けたいリソーシング産業、物流に新たなソリューションを生み出したい物流業者、ESG投資を検討している金融機関など、コンソーシアムの趣旨に賛同する企業の参加を想定し、企業間、産業間の連携を強化・推進することで循環型社会を共に創造していく考えだ。

ダウ 主要製品の増産プロジェクトを推進、需要増に対応

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2021年8月6日

 ダウは21日、高リターンを創出する段階的な能力拡大計画を発表した。同計画では、サステナブルなソリューションに重点を置くとともに、GDPを上回る成長を続ける、主要な最終市場全域における需要増をサポートする。

 同社のコンシューマーソリューションズ事業では、①シリコーンエラストマー、放熱材料、②シリコーンポリマー、シーラント、③シリコーンエンジニアードマテリアル、感圧接着剤、④CatHEC(カチオン性ヒドロキシエチルセルロース)、ポリマー、PEG(ポリエチレングリコール)、といった生産能力の増強が予定されている。これらの生産拡大は、2019~2020年にかけて実施された20超の主要なデボトルネック、効率向上、設備投資増強プロジェクトを含む、これまでの投資の延長となる。

 一方、ポリウレタンおよびコンストラクション・ケミカルズ事業においては、タイのマプタプットに所在する既存設備におけるプロピレングリコール(PG)の生産能力を年間8万t増強し、総生産能力を年間25万tに高める計画。2024年の稼働開始を予定している。これにより同工場はPGの生産設備としてアジア太平洋地域で最大規模となり、アジア太平洋全域およびインドにおける顧客の成長を支える。

 業界をリードするダウのPGフランチャイズでは、基礎化学品の性能を高めるとともに、化粧品、食品、医薬品をはじめ、多くの日用品に使われる高品質な原料を製造している。また、同社は先日、米国テキサス州フリーポートにMDI蒸留・プレポリマーの統合生産設備を建設する計画を発表。この投資により、川下市場におけるポリウレタンシステム製品の需要増加をサポートするとともに、建設、コンシューマー、産業各市場における魅力的な用途でのダウの主導的なポジションを推進する。

 

三菱ケミカルホールディングス 安定成長に向け財務の安定化図る

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2021年8月6日

ギルソン社長「事業を見直しシンプルな企業体に」

 三菱ケミカルホールディングスは5日、ジョンマーク・ギルソン社長のオンライン会見を開催した。

ジョンマーク・ギルソン社長

 ギルソン社長は、入社して感じたことについて、「ほとんどの社員は社歴が1社であるため、他社のやり方を学ぶ機会がなく、また日本企業も島国の商売を行っており、海外の商売方法などのノウハウがないと感じている。外国企業が必ずしも良いわけではないが、

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中外製薬 GPIFが採用する4つのESG投資の構成銘柄に

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2021年8月5日

 中外製薬はこのほど、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が採用する、環境・社会・ガバナンスの要素に配慮した国内株式を対象とするすべてのESG指数について、構成銘柄として継続選定されたと発表した。

 GPIFが採用する4つのESG指数は、FTSEブロッサム・ジャパン・インデックス、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)、S&P/JPX カーボン・エフィシエント指数で、同社は運用開始当初より、すべての指数で継続選定されている。

 またこれらに加えて、同社は主要なESG指数である「FTSE4グッド・インデックス・シリーズ」に19年連続で選出されており、持続可能性に対する評価が高い。さらに、ESGリスク体制を評価するMSCI ESG格付けにおける7段階評価のうち、上位から2つ目の「AA」を継続して取得。将来起こり得る様々なESGリスクに対する耐性が相対的に高いと評価されている。

 同社は今後も、SDGsやESGの取り組みに関する適切な情報開示に努めるとともに、同社にしかできないイノベーションを駆使して、患者や社会に対して価値を創出し、事業活動を通じて社会課題の解決や持続可能な社会の構築に寄与していく。

 

日本板硝子 抗菌・抗ウイルスガラスコーティングを開発

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2021年8月5日

 日本板硝子はこのほど、独自技術のゾルーゲル法による抗菌・抗ウイルスガラスコーティングを開発した。同コーティングとそれを施したガラス「NSG Purity」(エヌエスジーピュリティ)は、SIAA(抗菌製品技術協議会)の「抗菌加工」「抗ウイルス加工」認証を取得した。

 同コーティングは、基材表面に塗布した溶液原料を化学反応によりゲル体とした後、加熱処理で緻密化してセラミックスやガラス質とするもので、基板ガラスと同じシリカ構造の密着性の高い膜を形成する。鉛筆硬度9Hで摩擦や薬品への耐久性があり、透過率はガラスとほぼ同等で、静電容量式タッチパネルなどにも使用可能だ。

 膜中の銅が空気中の水分や酸素と反応して活性酸素類(H2O2、OHラジカル)を発生し、ウイルスのエンベロープ膜を破壊し、脂質、タンパク質、遺伝子物質を分解して表面に付着した細菌やウイルスの増殖を抑制する。暗所でも高い抗菌・抗ウイルス性を発揮する。スマートフォンやタブレットのカバーガラスやレジ端末、ATM、エレベーター、医療機器、家電のタッチパネルなど、家庭や公共施設など様々な場所に応用可能だ。

 今後は同社のガラス製品として販売するだけではなく、多様なガラスへのコーティングにも対応していく考えだ。

旭化成 スパンデックスを構造改革、独拠点の製販を停止

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2021年8月3日

 旭化成は2日、スパンデックスポリウレタン弾性繊維事業において、ドイツの製造子会社「旭化成スパンデックスヨーロッパ」(ノルトラインヴェストファーレン州ドルマーゲン市)における製造・販売を停止し、欧州の統括拠点「旭化成ヨーロッパ」(同州デュッセルドルフ市)にて輸入販売を開始するなどの構造改革を進めることを決定したと発表した。

 同社は、原料一貫製造と優れた独自技術を強みとするプレミアムストレッチファイバー「ロイカ」ブランドをもち、日本、台湾、中国、タイ、ドイツの世界5拠点で同事業を展開。今回の構造改革では、同事業のさらなる体質強化、効率化を図る目的で、グローバル戦略を見直し、製造・販売体制の最適化を進める。その一環として、コスト高および欧州市場での競争激化により将来の収益性を見込むことが難しい「旭化成スパンデックスヨーロッパ」における製造販売を、2022年3月をめどに停止することを決定した。

 一方、同事業にとって欧州はファッション、サステナビリティにおけるトレンド発信地として引き続き重要なマーケットと位置づけており、今後は同社の欧州統括拠点「旭化成ヨーロッパ」において、他拠点で生産した製品の販売、テクニカルサービス、マーケティング活動を継続する。旭化成は引き続き、高品質・高機能・サステナブルな「ロイカ」の製造メーカーとして、生産の高度化と開発・営業面での連携をさらに強化し、マーケット、顧客へ新たな価値を提供し続けていく。

住友化学 持続可能な社会の実現に貢献する3製品を認定

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2021年8月2日

 住友化学はこのほど、今年で6年目となる持続可能な社会の実現に向けた取り組み「スミカ・サステナブル・ソリューション(SSS)」において、新たに3製品を認定したと発表した。これにより、認定製品・技術数は57、売上収益は約4630億円(2020年度)となっている。

 今回認定された製品は、LIBの性能向上に大きく寄与する正極材とその元になる前駆体、意匠面の塗装工程を省略することができるエアバッグカバー用ポリオレフィン系熱可塑性エラストマー(TPE)、住宅の建材や布団の中綿、衣服などに用いることで居住空間や寝床内、衣服内を適切な温度に保つことができる樹脂製蓄熱材「ヒートレージ」および「コンフォーマ」で、省エネルギーやGHG排出削減に貢献するもの。

 同社は、2016年から温暖化対策や環境負荷低減などに貢献するグループの製品・技術を第3者機関による検証の上、SSSとして認定し、その開発や普及を促進する取り組みを行ってきた。現中期経営計画の最終年度である2021年度までに、認定製品・技術の売上収益を5600億円へと倍増させることを目指している。

 同社は、総合化学メーカーとしてこれまで培ってきた多様な技術を生かし、引き続きグループを挙げて、持続可能な社会の実現に貢献するソリューションの創出に取り組んでいく。

日本触媒 CNに向け、グリーンイノベーション推進部を新設

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2021年8月2日

 日本触媒は30日、サステナブル経営の主要課題の1つである2050年のカーボンニュートラル(CN)達成を目指し、事業創出部門に、「グリーンイノベーション推進部」を8月1日に新設すると発表した。

 これまで事業創出本部にある各組織で行っていた取り組みの集約や責任の明確化により、循環型社会・脱炭素社会の実現に向けた研究開発および事業化推進機能を一層強化していく。同推進部の業務として、基幹製品(アクリル酸、酸化エチレン)のバイオマス原料からの製法開発、CO2回収技術および技術変換の開発、アンモニアの新製法とアンモニア利用技術の開発、その他CNに関する技術の開発、グリーンイノベーション戦略の検討などを担当する。

 同社は今年4月に策定した長期ビジョンに向け「環境対応への変革」を推進。これまでも紙おむつに含まれる高吸水性樹脂のリサイクル技術の開発やリチウムイオン電池電解質「イオネル」(LiFSI)の事業化、グリーン水素製造用のアルカリ水電解セパレーターの開発など循環型社会・脱炭素社会の実現に向けて取り組んできた。

 また、昨年4月にはR&D組織の事業創出本部にサステナブルプロジェクトを設置し、中長期視点で同社基幹製品のアクリル酸、高吸水性樹脂、酸化エチレンのサステナブル化、世界的に期待されているCO2やアンモニアの有効活用なども目指し研究開発を推進している。

 同社は、今回新設するグリーンイノベーション推進部が中核となり、社内の技術や知見の集約に加え、他社との協業も視野にいれた戦略を打ち出し、2050年CN実現に向けて取り組んでいく方針だ。

昭和電工 2050年カーボンニュートラルへの挑戦を表明

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2021年8月2日

 昭和電工は30日、長期ビジョンでの目指す姿「持続可能なグローバル社会に貢献する会社」として、2050年のカーボンニュートラル(CN)実現に同社グループ全体で取り組んでいくことを決定したと発表した。

 気候変動に対する対策については、パリ協定の採択をはじめ、世界規模で様々な取り組みが進んでいる。日本においても、政府のCN宣言やGHG(温室効果ガス)排出削減目標見直しなど、CNへの取り組みは今後ますます加速することが予想される。

 同社グループでは、2019年のTCFDへの賛同など従来から気候変動への対応を進めているが、さらに2050年にCNを実現するために、ロードマップを作成しGHGの排出削減を進めることを決定した。

 同社グループは、これまでもグローバル社会の持続可能な発展に資する多くの製品を提供し続けているが、より一層の貢献を実現するために、生産過程でのGHGの排出削減が今後の重要な課題であると認識している。このため、CNの取り組みでは、保有する生産技術の進化、発展をより一層加速するとともに、すでに一定の技術を確立し事業化しているプラスチックケミカルリサイクルにおいても、CNの視点を加えて2030年までを目標に技術開発を進める予定。

 またマイルストーンとして、2030年までにGHG排出量を30%削減(2013年比)する目標を設定した。従来のバウンダリーを見直し、2023年統合予定の昭和電工マテリアルズとともに、省エネルギー、原燃料転換、設備改善による高効率化などの様々な施策を進めて排出量削減を実現する。なお、これら取り組みの進捗については、同社のサステナビリティサイトや毎年発行する昭和電工レポート(統合報告書)にて公表する予定。

 同社グループは、SDGsをはじめとする社会課題の解決に貢献する事業活動を強力に推進するため、今後も環境に配慮した生産設備・技術の導入や積極的な環境対策の推進、高度循環型社会を支える製品の供給などにより、社会全体のCNへの貢献を含め、持続可能なグローバル社会へ貢献する企業を目指していく。