柳田定雄氏(やなぎた・さだお=元三井東圧化学〈現三井化学〉専務取締役、監査役)9月20日死去。87歳。葬儀・告別式は近親者で執り行われた。喪主は妻・昌子(まさこ)さん。
2021年9月29日
2021年9月29日
BASFと三洋化成工業はこのほど、ポリウレタンディスパージョン(PUD)開発の戦略的協業に関する覚書に調印したと発表した。
両社は、サステナビリティへの貢献が高い革新的な製品を共同で開発・生産することを目指す。これにより新開発された技術や製品は、両社のグローバル生産拠点を通じて、世界市場へアクセスできるようになる。
BASFジャパンの窪田浩三副社長は、「日本では革新的なソリューションを開発し、それを海外市場に展開してきた長い歴史がある。水系塗料システムへの転換は世界的なトレンドだ。今回の連携により、顧客はトップクラスのPUDに世界中でアクセスできるようになる」と述べている。
三洋化成・事業企画本部長の原田正大常務執行役員は、「BASFのようなグローバル企業の市場アクセスや製造拠点を活用できることは、三洋化成のPUD事業にとって重要な節目となる」と述べている。
今回の覚書により、両社の戦略的協業が実現し、共同開発が強化され、両社はPUDの生産ネットワークを活用することができる。この連携によりバリューチェーン全体で、カーボンフットプリントを低減しながら、柔軟性と信頼性を顧客に提供していく。
2021年9月29日
東レ・カーボンマジック(滋賀県米原市)と東京アールアンドデー(東京都千代田区)は28日、未来の移動手段として「空」と「宙」の利活用が拡がる可能性を見据え、コンソーシアム「Thinkcar」を設立したと発表した。ドローン・エアモビリティ・宇宙飛行の分野で、顧客の製品にマルチマテリアル技術の進化、軽量化技術と空力デザインの深化、電動化技術の真価を総合的に提案していく。

東レ・カーボンマジックは、レーシングカー開発で培ったコンポジット技術を駆使し、これまで航空機などエアモビリティ開発の機体軽量化設計、製造に取り組んできた。さらに、長年、自動車の先行開発に深く携わってきた東京アールアンドデーのデザインやパッケージング、EV・FCVに関する開発力を融合させ、ドローン・エアモビリティ・宇宙開発に求められる軽量化・電動化など総合的にソリューション提案ができる体制を構築した。
両社は、得意とする短期一貫の開発力で顧客と共に未来を創造し、持続可能な社会創出に貢献していく。
2021年9月29日
昭和電工は28日、高効率SiCパワー半導体デバイス事業をグローバルに展開している東芝デバイス&ストレージ(東芝D&S)との間で、パワー半導体向けSiCエピタキシャルウェハー(SiCエピウェハー)に関する、今後2年半(延長オプション付き)にわたる長期供給契約を締結したと発表した。
東芝D&Sでは鉄道車両向けインバーターをはじめとする、多種にわたるSiCパワーデバイスを開発・事業化しており、同社のSiC SBD(ショットキーバリアダイオード)およびSiC MOSFET(モスフェット:金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ)に昭和電工製SiCエピウェハーが採用されてきた。
今回の長期供給契約の締結は、昭和電工製SiCエピウェハーの特性均一性、低欠陥密度などの優れた品質と、安定供給体制が評価されたもの。SiCエピウェハーの性能向上に向けた両社の技術的な協力関係を強化するものとなる。また、幅広いアプリケーション向けに先進的な開発を進める東芝D&Sの製品に搭載されることで昭和電工のSiCエピウェハー事業の一層の拡大が期待される。
昭和電工グループは、世界最大(同社推定)のSiCエピウェハー外販メーカーとして、〝ベスト・イン・クラス〟をモットーに、急拡大する市場に高性能で高い信頼性の製品を供給し、電力損失や熱の発生が少なく、省エネルギーなSiCパワー半導体の普及に貢献していく。
2021年9月29日
2021年9月28日
丸紅と商船三井はこのほど、ロシア連邦極東・北極圏発展省、ロシア開発対外経済銀行、対外貿易銀行、およびESNグループと、メタノールと低硫黄重油の2元燃料に対応可能なメタノール輸送船の建造・運航・活用の共同検討に関する覚書を締結したと発表した。
ESNグループがロシア連邦アムール州で天然ガスを原料として生産を計画するメタノールの海上輸送に対して、同メタノールを船用燃料としても使用できるようにすることにより、従来の船舶燃料に比べて、海上輸送する際の大気汚染物質の排出量を削減(SOxで最大99%、PMで最大95%、NOxで最大80%、CO2で最大15%)できる環境負荷の低い船舶を投入することを目指す。
メタノールは常温常圧で液体のため、海上輸送コストが低く、陸上では液体用の一般的なタンクをそのまま供給拠点として活用できる利点もある。将来的に、東アジア地域でのメタノールの一般船舶燃料としての利用が増えてくれば、ESNグループが生産し輸出するメタノールが有力な域内供給源となる可能性もあると見ており、メタノール燃料供給事業への展開も検討していく。
丸紅と商船三井は、海上輸送に関連する環境負荷のさらなる低減を目指して、国内外の顧客やパートナーとの協業、また、関係政府機関の協力を得ながら推進していく。
2021年9月27日
2021年9月27日
SEMIはこのほど、半導体前工程製造装置(ファブ装置)への投資額が、デジタルトランスフォーメーション(DX)に代表される長期的技術トレンドを推進力として、2021年に900億ドル超、2022年には1000億ドルに接近し、2年連続で過去最高額を更新するという予測を発表した。これは最新のワールド・ファブ・フォーキャスト・レポートに基づいている。ファブ装置投資額が3年連続で成長することは特殊な状況だ。
過去を見ると、通常は1~2年の成長期の後に、1~2年の停滞もしくは後退期が訪れていた。昨年は2019年の落ち込み(マイナス8%成長)から回復し16%成長を達成。その後も旺盛な半導体需要が継続しており、今年は44%成長、来年は8%成長が見込まれている。前回、3年以上の連続成長が見られたのは、「3D NAND」の増産投資が拡大した2016~2018年だった。
来年のファブ装置投資を分野別で見ると、最も活発なのはファウンドリ分野で440億ドルを上回る見込み。2番目のメモリー分野は380億ドルで、DRAM(170億ドル)、NAND(210億ドル)ともに今年から投資が急増する。これ以外では、マイクロ/MPUは約90億ドル、ディスクリート/パワーは30億ドル、アナログは20億ドル、その他は20億ドルの投資が見込まれる。
来年の投資を地域別に見ると、韓国(300億ドル)が最大の投資を行い、これに台湾(260億ドル)、中国(170億ドル弱)、日本(約90億ドル)が続く。欧州・中東(80億ドル)は五位だが、前年比74%と突出した成長率を示している。以下、南北アメリカ(60億ドル以上)、東南アジア(20億ドル)となる見込み。
2021年9月27日
昭和電工は22日、2022年1月4日付で新社長に髙橋秀仁代表取締役常務執行役員が就任すると発表した。
同日に開催されたオンライン記者会見の中で、森川宏平社長は「2023年1月の法人格統合に向け、長期ビジョンで示した施策は順調に進んでおり、統合スケジュールは加速している。来年1月から人事制度も前倒しで一本化することから、このタイミングで社長を交代し、髙橋氏が両社(昭和電工と昭和電工マテリアルズ)の社長を兼務することがベストだと判断した」と述べた。そして「髙橋氏は、スピード感を伴った実行力、
2021年9月27日
帝人は24日、グローバル展開している自動車向け複合成形材料事業について、「テイジン・オートモーティブ・テクノロジーズ(TAT)」にブランドを統合すると発表した。帝人グループは、中期経営計画の中で、マルチマテリアル化による高付加価値用途への展開強化を掲げ、自動車向け複合成形材料の米国でのトップシェア拡大と、欧州・中国市場での展開の強化・拡大を推進している。
同社は2017年に北米最大の自動車向け複合材料部品メーカーであるCSPを買収して以降、ポルトガルのイナパル、チェコのベネットを相次いで買収、昨年にはCSPの中国合弁会社CSPビクトールを子会社化し、世界各地に拠点を構築。グローバル・ティア1サプライヤーとしてOEMからの要求特性に対応するため、環境配慮型の次世代自動車に求められる軽量で高強度な部品開発を推進している。また、昨年には、テクニカルセンターとしてドイツにTACE、先端技術開発拠点として米国にATCを開設。顧客ニーズに対する、マルチマテリアルでのソリューション提案力を強化している。
こうした中、今回、TATブランドの下に、グループ会社ならびに組織(世界29拠点、社員約5400人)が結束。事業体制を強化することで、ライフサイクル全体を通じた環境負荷低減を実現する、自動車部品の技術開発、生産、供給を展開していく。またブランド統一に伴い、CSP、イナパル、ベネット、およびTACE、CSPビクトールは、TATへと社名を変更する。なお、日本国内の事業所や部署については、社名は変えず、TATを事業ブランドとして展開していく予定だ。
TATは、これまで培ってきた素材に関する専門知識や、自動車向けの設計・エンジニアリング能力を融合することで、自動車業界が求める部品をグローバルに提供できる、世界でも稀有なリーディングカンパニーとして確固たる地位を確立していく。また、バリューチェーン全体のライフサイクルの観点から、CO2排出量削減に向けた技術開発や様々な取り組みにも注力していく。
帝人グループは、環境配慮型の自動車の実現に向けた様々な要求に対応できる存在へと進化し、2030年近傍には、自動車向け複合材料製品事業の売上高を20億ドル規模に拡大していく考えだ。