ダイセルはこのほど、注力分野の1つであるヘルスケア領域に関してベンチャー企業のサイキンソー(東京都渋谷区)と、資本業務提携したと発表した。今回の業務提携により、機能性食品素材のマーケティングと研究開発を加速していく方針だ。
ダイセルは、嫌気性微生物を用いた発酵をコア技術とした腸内細菌代謝物(エクオール「フラボセル」など)を軸にヘルスケア事業を行っている。
一方、2014年に設立されたサイキンソーは、「腸内細菌叢で人々を健康に」のビジョンを掲げ、健康寿命の延伸への貢献を志向している。人の腸内細菌叢をDNA検査で明らかにし、AIで解析することで、お腹の不調や生活習慣病などの可能性や予防、生活改善に関する助言を行う腸内フローラ検査「Mykinso(マイキンソー)」を展開。現在、国内最大規模の約2万検体データを保有しており、蓄積したデータをAI解析することで様々な「未病」を検知し、予防・改善を促している。
こうした中、サイキンソーはサービス対象のさらなる拡大のため協業先を探していたが、ダイセルがこれに賛同し資本業務提携をする運びとなった。
両社は今後、業界での標準化・規格化を目指し、腸内細菌叢の解析手法を進化させていく。また、ダイセルは協業により、マーケティング活動ではサイキンソーが持つクリニックなどの販路の活用や、製品群の腸活素材としてのブランド構築を目指す。研究開発の面では、ダイセルの技術(腸内細菌関与メカニズムの研究)と、サイキンソーの技術(腸内細菌と病気との相関解析)を融合させ、さらなる製品・サービスの開発を促進していく考えだ。