JSR 「サステナビリティレポート2020」を発行

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2020年9月14日

 JSRはこのほど、2019年度のサステナビリティへの取り組み内容をまとめた「JSRグループ サステナビリティレポート2020」を発行した。JSRグループ66社を対象範囲とし、同社ウェブサイト(https://www.jsr.co.jp/csr/)に公開している。

 同社は今年6月に従来のCSR(企業の社会的責任)から、CSRも包含するサステナビリティ推進体制へと移行した。同レポートでは、新たに就任した中山美加サステナビリティ推進担当役員より、経営上の狙い、今後のビジョンなどのメッセージを発信している。

 また、同社グループの非財務活動の各基本方針・活動内容・目標と実績の説明、詳細なESGデータを提供。それとともに、統合報告書に掲載するJSRサステナビリティ・チャレンジのベースとなった、事業活動のポジティブ・ネガティブインパクト選定プロセスとその詳細を掲載している。

 なお、英語版は10月末に発行する予定。

サステナビリティリポート Web版
サステナビリティリポート Web版

 

JNC 韓国液晶事業を国内に移管、収益構造を強化

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2020年9月14日

 JNCは11日、同日開催された取締役会で、子会社である韓国JNCの液晶事業を国内に移管することを決定したと発表した。同社グループが進める事業構造改革の一環として、液晶事業の収益構造強化を図る。

 韓国JNCは2004年に設立され、これまで韓国国内での液晶ディスプレイ用材料の生産、開発拠点として重要な役割を担ってきた。しかし、韓国パネルメーカーの液晶パネル製造事業からの撤退や生産拠点の移転などにより事業環境が大きく変化している。

 この状況に対応するため、同社は今年12月末をめどにソウル支店で行う液晶事業の営業・管理とテクニカルサービスセンター機能を、本社液晶事業部およびJNC石油化学市原研究所に移管する。加えて、来年12月末をめどに玄谷工場のオーバーコート製造をJNCマテリアル戸畑工場へ移管する予定。

 今後、韓国JNCは、有機ELとシリコン事業の事業開発に注力していく。

ユーグレナ ミドリムシから「サステナブる」へCI刷新

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2020年9月10日

 ユーグレナはこのほど、創業15周年を迎え、「ミドリムシ」の会社から「サステナビリティ・ファースト」の会社へアップデートし、経営理念、ビジョン、スローガンに替えて新たに「ユーグレナ・フィロソフィー」を掲げるとともにコーポレートロゴをカタカナ表記に刷新すると発表した。サステナビリティを軸に事業を展開し、「サステナビリティ」が当たり前な世界の実現を目指す。

 創業以来、時代の変化や社会の要請で事業セグメントが広がり、グループ会社は10社。15周年を第2創業期のスタートと捉え、CIの刷新を決めた。同社は創業者が目にしたバングラデシュの栄養失調問題をきっかけにスタート、「人と地球を健康にする」という経営理念の下でヘルスケアとエネルギー・環境分野を中心とした事業を展開してきた。

 しかし、激変する時代に対して、個別具体的な実現目標ではなく一貫した「ありたい姿」の実現を企業経営の中心に据え、複雑になった経営理念、ビジョン、スローガンを廃止しシンプルな哲学「ユーグレナ・フィロソフィー」を掲げた。短期的課題ではなく未来が続くための「サステナビリティ」を軸に、サステナブルな「環境」「健康」「社会」「生活」「働き方」「組織」、様々な利害関係者に向け、自他の幸せが共存し続け、事業・商品を通してサステナブルとなることを目指すとしている。

 ロゴは読みやすいカタカナ表記、字体はバイオ燃料から食品、化粧品までの汎用性と可読性で明朝体とし、強い意志を力強く優しく表現。ロゴマークは持続的発展をイメージする無限をモチーフにユーグレナの躍動感をデザイン化し、ユーグレナの「e」とサステナビリティの「S」を表現した。

 タグラインの「いきる、たのしむ、サステナブる。」は、サステナブルを身近に感じ、生活に取り込み、行動変化に繋げて欲しいという思いで「生きる」「楽しむ」と動詞的造語「サステナブる」を並べ、具体的行動の意志を込めた。コーポレートカラーは、永久不滅の象徴「常磐緑」と空や海を連想させる「空色」を混ぜた独自色「サステナブル・グリーン」だ。

 なお各掲示物は、今年10月から段階的に切り替える。

ユーグレナマーク

 

 

 

 

 

 

 

昭和電工 「The Valuable 500」に加盟

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2020年9月10日

 昭和電工はこのほど、「The Valuable 500」の考え方と取り組みに賛同し加盟文書に署名した。

The Valuable 500署名
署名文書を持つ森川宏平社長

 「The Valuable 500」とは、2019年1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で発足した、障がい者インクルージョン推進の国際イニシアチブで、「インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えの下に立ち上げられた。

 障がい者がビジネス・社会・経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるように、ビジネスリーダーが自社のビジネスをインクルーシブにする改革を起こすことを目的としている。

The Valuable 500
The Valuable 500

 同社はこの考えと取り組みに賛同。「オンリーワンの個性を、チカラに変える。」を障がい者インクルージョン推進のスローガンに掲げた。また、この署名を機に、同社グループ内に、インクルーシブな職場づくりを目指すことに賛同する社員を500人以上募り活動を行う、「オンリーワンサポーター500」を展開する予定。将来的には障がい者支援グループコミュニティを構築することを目指す。

 同社グループは、持続可能な社会に貢献する企業となるために、「多様な人材が互いの個性・価値・アイデアを生かし合い、協働することにより、利益や新たな価値を創造し続ける力をもつ組織・個人になること」を目的に、ダイバーシティ&インクルージョンの推進に今後とも積極的に取り組んでいく考えだ。

The Valuable 500 スローガン
The Valuable 500 スローガン

 

住環境研究所 地震への意識と対策について調査を実施

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2020年9月9日

 積水化学工業・住宅カンパニーの調査研究機関である住環境研究所はこのほど、「地震への意識と対策についての調査」を実施し、結果を報告した。

 東日本大震災から9年が経過し、この間も熊本地震をはじめとする多くの地震が発生。また新型コロナウイルスが収束しない中、改めて災害時の備え、避難を見直す動きも出てきている。

 同研究所では2019年に〝被災経験者〟を対象とした調査を実施し、ライフライン遮断にも備える住まいの必要性を確認した。今回は、災害時の「自助・共助・公助」の考え方について、「自助に重点を置く」と回答する割合が、2013年の21.7%から2017年には39.8%(防災白書:2018年)まで増えていることに着目し、被災経験を問わず5000人を対象に〝自分〟は地震被害に遭いそうか、対策の必要意識および実施済みかという点について、年代、性別での違いから〝自分ごと〟度合を明らかにするために調査を行った。

 調査結果のポイントとして、「自分は地震被害に遭いそうか」に対しては、地震被害に遭う確率は「2割以下」と回答した人が52%と半数を占め、地震被害への意識が低いことが分かった。また地震への意識は、関東や関西圏では高め、北海道や九州・沖縄では低めの傾向があり、居住地域によっても地震への警戒感に差があった。自分への被害確率〝ゼロ〟は、男性10~30代では20%超、女性10~30代では15~19%と、40~70代よりも多かった。

 「対策の必要意識」に対しては、「食料」「停電」「断水」が上位を占めた。全項目で若年層ほど意識は低く、男性20代では、「特に対策を必要と考える事象はない」と回答した人が約3割を占めた。

 「実施済みの対策」に対しては、備蓄以外の〝対策実施率〟は、全年代でも半数以下と低かった。男女ともに若年層(20~30代)では備蓄以外の項目で、対策実施率は3割を下回り、中でも男性20~30代では「特に災害対策は実施していない」と回答した人が約4割を占めた。

 

デンカ 青海工場モノシラン工室で火災発生、5人が火傷

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2020年9月9日

 デンカは7日午前10時ごろ、青海工場(新潟県糸魚川市)のモノシラン工室での機器解体作業中、火災による火傷災害が発生したと発表した。被災者は5人で、設備などの物的損害はない。また、生産や環境への影響もないとしている。現在、原因を調査しており、判明次第、関係当局の指導を仰ぎ適切な対策を実施する。

 同社は、「負傷された方、近隣住民の皆様、関係当局の皆様をはじめとする多くの方々にご心配をおかけし、深くお詫び申し上げます。当社では、原因を究明の上、再発防止に取り組んでまいります」とコメントしている。

ランクセス 有機皮革用化学品事業を独TFL社に売却

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2020年9月8日

 独ランクセスはこのほど、皮革用化学品のグローバル企業で米国投資会社ブラックダイヤモンドキャピタルマネジメントのポートフォリオ企業である独TFL Ledertechnikに有機皮革用化学品事業を売却すると発表した。売買価格は8000万ユーロの固定要素と最大1億1500万ユーロのパフォーマンス関連要素からなり、事業に関連する一定の負債はTFLが引き受ける。株式譲渡は、関係各国の独占禁止法規制当局の承認後、来年中旬頃の完了見込みとしている。

 有機皮革用化学製品は、なめし工場の皮革製品製造の全工程で使用される。ランクセスはドイツ、イタリア、中国に製造拠点、世界中に用途開発の研究所と営業拠点をもっており、TFLはランクセスの同化学品の全ての事業と約460人の従業員を引き継ぐ。

 同事業の昨年の売上高は数億ユーロであった。これにより、同社は皮革用化学品分野から完全に撤退する。同ビジネスユニットは昨年末以来、非継続事業として会計報告している。またクロム化学品事業とクロム鉱石鉱山の株式も昨年売却しており、クロム鉱石鉱山の株式譲渡は今年末までに完了する予定だ。

 ランクセスのマティアス・ツァハトCEOは「同事業は、皮革用化学品大手のTFL社に移行することで、さらなる成長と発展が見込まれ、大きな進化を遂げると確信する。当社は、皮革製品の主要産業である自動車産業から、一定の独立性を確保できる」と述べている。

DIC 泡消火薬剤の型式試験で不正行為、再発防止へ

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2020年9月8日

 DICはこのほど、2013年に発売した泡消火薬剤「メガフォームIH‐101‐5」(型式番号:泡25~1号)に関して、消防法に基づく型式試験の際に不正行為があったことが、社内調査により判明したと発表した。総務省消防庁に報告し、聴聞が行われる予定。

 同社は、製品の発売前に実施する型式試験(検定機関による試験)の申請にあたり、申請書類に記載した組成と異なる組成の泡消火薬剤サンプルを提出。その後、規格に適合し消防法に基づく型式承認を得ていた。

 同社は今回の件を重く受け止め、背景や原因などについて、第3者も交えた調査を実施している。なお、これまでの調査の結果、すでに出荷している製品については使用条件に関し、消火性能に問題がないと判断している。

 同社は、「関係者の方々には多大なるご迷惑ご心配をお掛けし、大変申し訳ございません。今後、再発防止ならびにお客様への対応については万全を期してまいる所存です」とコメントしている。

ライオン 温室効果ガス削減目標がSBTi認定を取得

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2020年9月7日

 ライオンはこのほど、2030年に向けたGHG(温室効果ガス)削減目標が科学的な根拠に基づいた「2℃を十分に下回る目標」として、SBTイニシアチブ(SBTi)の認定を取得したと発表した。

 同社は昨年、事業成長しつつ脱炭素社会と資源循環型社会の実現に貢献するために、長期環境目標「Lion Eco Challenge 2050」を策定し、2050年までに事業所活動でのCO2排出量ゼロとライフサイクルでのCO2排出量半減を目指している。

 SBTiはCDP(旧カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト)、国連グローバル・コンパクト、WRI(世界資源研究所)、WWF(世界自然保護基金)によって2015年に設立された国際的共同イニシアチブで、「産業革命前からの気温上昇を最大でも2℃未満に抑える」というパリ協定の目標に向け、企業が設定するGHG削減目標が科学的根拠に基づくものかどうかの検証・認定を行っている。

 今回認定されたGHG削減目標は、2030年までに①自社の燃料使用による直接排出、②購入電力・熱使用による間接排出、③バリューチェーンで排出される間接排出(①、②以外)の合計排出量を2018年比で30%削減するもの。なお、昨年の同社のGHG排出量に占めるCO2排出量は99.4%である。

 今後も、生活者や取引先などのステークホルダーと協力し、脱炭素社会、資源循環型社会の実現に向け、「人」と「地球」の双方にとって「健やかな未来」の実現を目指していく。

 

BASF 全製品のカーボンフットプリントを算出・提供

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2020年9月7日

 BASFはこのほど、全製品のCO2排出量(カーボンフットプリント、CF)を顧客に提供すると発表した。製品カーボンフットプリント(PCF)は、原料の調達から生産工程のエネルギー使用など、製品が工場を出るまでの全ての温室効果ガス(GHG)排出量で構成される。

 同社は2007年より、特定製品のPCFは算出してきたが、デジタルソリューションの開発により約4万5000製品のPCFが世界規模で算出可能となった。今後数カ月以内に一部製品・顧客セグメントでの算出を始め、来年末までに全PCFデータを利用可能とする予定。

 M・ブルーダーミュラー会長は「サステナビリティとデジタル化は企業戦略の中心的要素だ。PCFの算出はこれらを進め、透明性を高め、最終製品に至るバリューチェーンでのCO2排出削減計画を構築できる」、コーポレートサステナビリティ部門のC・イェケル氏は「環境保護の重要性は高まっており、今後は、顧客の気候関連目標の達成を信頼性の高いデータでサポートする。PCFの活用でCO2排出回避のポイントも特定可能だ。すでに一部製品では代替原料や再生可能エネルギーを使用し、CO2削減に貢献している」と述べている。

 同社のバイオマスバランス・アプローチでは、化石資源を有機廃棄物や植物油由来の再生可能原料に置換し、その量を製品に割り当てる。「ChemCycling」プロジェクトもマスバランス方式。今年から、ケミカルリサイクルした原料を使用した製品を商業規模で供給。両アプローチによる製品は、化石原料由来の製品と同等特性のままでPCFを軽減した。

 環境保護は重要な戦略要素で、今後の成長下でも生産関連の排出量を2030年まで一定に抑えるのが目標。生産・プロセス効率の向上、再生可能エネルギー由来の電力調達、革新的な低排出プロセスの構築の3つのアプローチを追求する。

 同社のPCFは、25年のサステナビリティ評価実績を踏まえ、生産ネットワークの排出量集積データと、調達原料やエネルギーに関する平均化データに基づいて算出。ISOやGHGプロトコル製品基準などのライフサイクル分析の基準に沿ったもの。

 BASFは公平に製品比較できる基準を作るため、製品向けPCF算出用ガイドラインの化学業界への導入に注力。様々なパートナーと協力し、標準化を推進していく考えだ。