ランクセス 消毒・衛生製品の仏テセオ社の買収を完了

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2021年6月7日

 ランクセスはこのほど、畜産衛生およびバイオセキュリティ・ソリューションのトップメーカーである仏テセオ社の買収を4月1日付で完了したと発表した。テセオ社の事業をランクセスの物質保護剤ビジネスユニットに統合し、ラヴァル(フランス)、ヴィートマールシェン(ドイツ)、ハル(英国)、カンピーナス(ブラジル)拠点に在籍する約100人の従業員も統合される。

 成長する畜産衛生市場向け製品のラインアップは大幅に拡大し、消毒・衛生製品ソリューションの幅広い製品群が提供可能となった。また畜産分野に、疾病予防・抑制製品、動物用栄養業界向けの製品が追加された。買収金額は約7000万ユーロ、買収事業の年間売上高は約3300万ユーロで、EBITDAは数百万ユーロだ。3年以内に、相乗効果による同程度の年間EBITDAの上積みを期待している。

東洋紡 VCファンドに出資、国内ベンチャーと連携強化

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2021年6月7日

 東洋紡はこのほど、リアルテックホールディングス(東京都墨田区)が運営するベンチャーキャピタル(VC)ファンド「グローカルディープテックファンド」に出資参画したと発表した。

 同ファンドは、地方発の「リアルテックベンチャー」、例えば、ロボティクスやエレクトロニクス、バイオ、環境・エネルギー、新素材といった領域に革新的なテクノロジーもつ、研究開発型のベンチャー企業に積極的な投資を行うことを目的として、昨年6月から活動を開始。参画企業である地域金融機関や事業会社と連携し、優れた技術をもつベンチャー企業を支援・育成することで、グローバルな課題の解決と、地域経済の活性化を図っている。今回の出資者募集では、総額100億円の資金を調達した。

 東洋紡は、リアルテックホールディングスが運営する日本最大規模のVCファンド「リアルテックファンド1号」に2016年に加入するなど、国内ベンチャー企業の支援に注力してきた。今後は新たなファンドの参画組合員として事業分野と適合性の高いベンチャー企業の情報を収集し、日本全国のネットワークを活用した協業機会の創出を加速する考えだ。

 東洋紡は〝めざす姿〟に、「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを創造し続けるグループ」を掲げる。引き続きオープンイノベーションを推進し、社会課題の解決に貢献していく。

マイクロ波化学 カーボンニュートラルの取り組みを推進

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2021年6月7日

 マイクロ波化学はこのほど、カーボンニュートラル(CN)に向けた取り組みを「C NEUTRAL 2050 design」として推進していくと発表した。CO2排出量削減策として製造プロセスの電化がカギとされるが、大型化や効率の観点から課題が多く、現段階では具体的なソリューションが確立されていない。

 同社は、再生可能エネルギーによる「電化」と「マイクロ波プロセス」の2つの要素を掛け合わせて製造プロセスを構築することで、石油・石炭など化石燃料由来のエネルギーを利用する従来プロセスと比較して90%以上のCO2排出削減を可能にする。

 マイクロ波は電気を利用するエネルギー源で、物質を直接・選択的に加熱できる特徴がある。同社は、マイクロ波をプラント規模へのスケールアップを可能とする「マイクロ波プラットフォーム技術」を実現。国内外の様々な企業との共同開発やプラントの立ち上げを行い、世界に先駆けてマイクロ波プロセスを産業分野に導入している。

 また、2022年には年間数百t規模のマイクロ波を使ったプラスチックのケミカルリサイクルの実証試験を計画。2030年までのロードマップとして、さらなる大型化の技術を確立し、膨大なCO2排出量・エネルギー消費量を伴う石化プロセスをマイクロ波プロセスに置き換えていく。

 同社は、今後も「C NEUTRAL 2050 design」を加速させ、化学産業へのマイクロ波プロセスの導入を通じて、CNの実現をリードしていく考えだ。

 

チッソ 国内グループ会社で希望退職制度を実施

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2021年6月7日

 チッソはこのほど、国内の同社グループの従業員を対象とした希望退職制度を実施する、と発表した。今年9月30日時点で、国内に勤務する年齢50歳以上60歳未満かつ勤続年数十年以上の正社員と60歳以上の再雇用社員を対象に、7月12~30日に約120人を募集する。

 同社は今年3月に公表した「中期計画~業績改善のための計画~」(2020~2024年度)に沿って、早期の収益回復のために構造改革の断行、電力事業の収益拡大、ガバナンス/モニタリング機能の強化などの各施策に取り組んでいる。中計の実現に向け、同社グループで要員の適正化を図り事業体質を強化するため、今回、希望退職制度の実施を決定した。

日本ゼオン 電池サプライチェーン協議会に加入

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2021年6月7日

 日本ゼオンは4日、「一般社団法人 電池サプライチェーン協議会(BASC)」に正会員として加入したと発表した。BASCは電池材料、部品、それらの原料および関連産業の健全な発展を図る目的で今年4月に設立。関連企業約60社が加盟しており(5月末時点)、脱炭素社会の実現に向けて、電池サプライチェーンの国際標準化や電池エコシステム構築などの活動を行う。

 同社は、今後ますます成長が見込まれるリチウムイオン電池(LIB)市場に、電池用バインダーをはじめLIBの性能向上に寄与する各種素材を提供している。今回の同団体への参加を通じて、これからもカーボンニュートラルを実現する「ものづくり」に努めていく考えだ。

新日本理化 京都R&Dセンター、次なる100年に向け始動

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2021年6月3日

 新日本理化がけいはんな学研都市(京都府精華町)に整備を進めていた「京都R&Dセンター」がこのほど竣工し、業務を開始した。地上3階建て。実験室やオフィスのほか、パイロットエリアを同施設内に併設しているのが特徴だ。2階まで吹き抜けの大空間では、製品化に向けた合成実験や樹脂の成形試作といった実証実験を行い、顧客の要望に応える多様な取り組みを進めていく。投資額は土地・建物・設備などを含め総額約30億円。

「京都R&Dセンター」の外観
「京都R&Dセンター」の外観

 三浦芳樹社長は、同センターを「次の100年への発展に向けた挑戦の場、まさしくBe the best SPICE! の総本山」と位置づける。

 2019年に創業100周年を迎えた同社は、2030年を目標に経営ビジョン「Be the best SPICE!」を打ち出し、「スパイス」にキラリと光る唯一無二の特性をもつ素材と、それを生み出す多様な価値観をもった精鋭たちの意味を込めた。新拠点を中核に、次なる100年を担う研究開発・技術力の強化と、オープンイノベーション推進による新たな価値の創造を実現していく。

 同センターのコンセプトは「開放」「融合」「挑戦」の3つ。技術や研究テーマ、研究拠点を開放し顧客と共に活気ある研究空間の創造を行い、同業、異業種、スタートアップ企業を問わず、親和性の高いビジネスパートナーとの交流や共同研究を進めていく中で、ダイバーシティ&インクルージョンの実現と技術の進化を目指していく。

実験室の様子
実験室の様子

 さらに、開放と融合の下にイノベーションを創出し、社会課題の解決に挑戦していく考えだ。コンセプトに基づき、多様なパートナーと技術交流・共同研究を行う共同実験室を設置したほか、オフィスエリアにフリーアドレス方式を採用することで自由に動けるメリットを生かし、研究員同士のコミュニケーション促進と新たな発想を生む環境を整えた。

 また、環境への配慮から、屋上に太陽光発電パネルを設置したほか、高断熱素材の使用や、空調後の空気の排気量を抑える「低風量ドラフトチャンバー」の導入などにより、建物全体のエネルギー消費量を抑制している。

 けいはんな学研都市は、京都市街の中心部から南へ30Kmに位置する。多くの研究機関が集中する文化・学術研究都市として、現代のイノベーション発信拠点となっている。

三井化学 新長計策定、化学の力で課題解決へ

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2021年6月3日

ポートフォリオ変革加速し、多様な価値を創出

 三井化学は、地球環境問題や新型ウイルスといった新たな社会課題への対応と変わりゆく未来社会のニーズを見通し、2030年を目標とする長期経営計画「VISION2030」を策定した。

橋本修社長。経営概況説明会で
橋本修社長。経営概況説明会で

 2日に経営概況説明会をウェブで開催し、概要の説明を行った。橋本修社長は新長計への取り組みについて「化学会社として大きく貢献していくという視点に立ち、社会課題を見据えたビジネスの展開を進めていく」と強調する。

 今年は2016年にスタートした10カ年の前長計の折り返し地点となるが、近年、激変する社会変化や事業環境を背景に、長計の見直しを行っていた。20年先の方向性を示す、目指すべき企業グループ像を「化学の力で社会課題を解決し、多様な価値の創造を通して持続的に成長し続ける企業グループ」と改定。ますます増えてくると予想される社会課題に対し、積極的に取り組んでいくことで、素材やサービスを提供していく姿勢を前面に打ち出した。橋本社長は、

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三井化学 循環型社会に向けCR推進、BASFと協業へ

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2021年6月2日

 三井化学は1日、BASFジャパンとの間で日本でのケミカルリサイクル(CR)の推進に向けた協業検討を開始したと発表した。両社は、バリューチェーン横断的な連携を通じて、国内のプラスチック廃棄物のリサイクル課題に応えるCRの事業化を目指し、共同ビジネスモデルを含めあらゆる可能性を検討していく考えだ。

 三井化学は昨年、化学企業として社会に貢献し続けるため、2050年カーボンニュートラル(CN)目標を掲げた。また、気候変動とプラスチック問題を一体の課題として捉え、リサイクル技術・システムの開発とバイオマス製品ラインアップの拡充により循環経済の実現を目指している。平原彰男常務執行役員(ESG担当)は今回の協業について、「BASFが欧州で実証しているCR技術は価値あるソリューションであり、当社がもつ技術やエチレンクラッカーなどのアセットと組み合わせることで、循環経済の実現に向けた大きな布石になる」と強調する。

 一方、BASFはサステナビリティを経営の根幹に据え、プラ廃棄物をガス化・油化し、化学品原料として再利用する「ChemCyclingプロジェクト」を推進。2025年をめどに、年間25万tの化石原料をリサイクルまたは廃棄物ベースの原材料に置き換えることを目指している。

 両社は今後、各関係省庁・業界団体とも連携を図りながら、日本でのCRの社会実装に向けた協議を加速していく。CNやプラスチックの資源循環に向けた取り組みが世界的に高まる中、日本では昨年12月に、経済産業省が「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」を策定するなど、循環経済に向けてリサイクルの重要性が一層注目されている。中でも、CRはマテリアルリサイクル(MR)を補完するソリューションとして期待されている。

三菱ガス化学 新潟エリアでCO2有効活用事業、共同検討

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2021年6月1日

 三菱ガス化学(MGC)と石油資源開発(JAPEX)はこのほど、両社の事業基盤などを生かした、新潟エリアにおけるCO2を有効活用した事業の可能性について共同で検討することに合意したと発表した。

 新潟市内でメタノールやアンモニアの製造実績をもつMGCと、新潟県内で複数の油ガス田で石油・天然ガスの生産操業を行うJAPEXが、MGC新潟工場と、両社が共同操業を行う東新潟ガス田を拠点とする、CO2を有効活用した事業の可能性を検討する。

 まず、MGCにおいて、新潟工場で発生するCO2を原料とするメタノール製造の事業可能性の検討を開始。同時に、JAPEXを中心に、同工場の余剰CO2を有効利用した、現在生産中の東新潟ガス田の石油ならびに天然ガスの増産を目的とするCO2-EOR/EGR(石油/ガスの増進回収法)の技術検討を実施する予定。

 また将来的には、CO2を原料にメタンを製造するメタネーションや、東新潟油ガス田で実施したCO2-EOR/EGR技術を活用した、CCUS(CO2の分離・回収、有効活用、貯留)の、新潟エリアを中心とする展開も視野に取り組んでいく。

 なお、新潟県では、昨年9月に「2050年までに温室効果ガス排出量の実質ゼロ(カーボンニュートラル)を目指す」ことを表明しており、また、昨年10月に政府が示した「2050年カーボンニュートラル実現」の目標を受け、官民での動きが加速。これらの方針を踏まえ、新潟県は、関東経済産業局とともに、今年3月に、「新潟県カーボンニュートラル産業ビジョン」と「事業モデル展開ロードマップ」を策定し、新潟県固有の地域資源や技術シーズを活用した新たな産業の創出を推進している。

 両社は、新潟エリアをはじめとする2050年のカーボンニュートラル実現へ、それぞれの強みを生かした貢献を目指していく。

三菱ケミカル フィルムコーティングメーカーを買収

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2021年5月31日

 三菱ケミカルは28日、フィルムコーティングメーカーである中井工業(京都府京都市)の全株式を取得し、連結子会社化したと発表した。

 中井工業は、その長い歴史のなかで培ってきたフィルムのドライ/ウェットコーティング技術、およびその組み合わせであるコンポジット技術を駆使し、実績を積み重ねてきた総合コーティングメーカー。転写箔から産業用特殊フィルムなど幅広い市場向けに事業を展開している同社は、顧客からの多様な要望に対して的確なソリューションを提供することを得意としており、高付加価値な製品を顧客とともに開発することで高い評価を獲得してきた。

 三菱ケミカルは現在、世界5拠点(日本・中国・インドネシア・米国・ドイツ)でポリエステルフィルムを製造・販売するとともに、スマートフォンやディスプレイなどの光学用途を中心としたポリエステルフィルムの加工(コーティング)事業を展開。近年、フィルムに求められる性能はますます高度化していることから、中井工業の持つ技術・ノウハウ・人材・加工設備とのシナジーを通じて、広範な顧客からの高度な要望に素早く対応できる体制が構築できると判断した。

 三菱ケミカルは、光学用途や通信機器向けを中心とする高機能ポリエステルフィルムの旺盛な需要に対応するべく、インドネシアにおける新ラインの増設などの成長戦略を進めており、今回の買収により加工技術を拡充することで、この取り組みを加速させる。今後も、ポリエステルフィルムのリーディングカンパニーとして、積極的な事業展開を図っていく。