ランクセス ポートフォリオ改善し二成長分野に注力

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2021年5月19日

 ランクセスはこのほど、2020年度事業報告と2021年度事業活動に関する記者説明会を開き、張谷廷河社長がグローバルと日本での活動を説明した。

 ランクセスは世界33カ国で事業展開するドイツの特殊化学品メーカーで、昨年度の売上高は前年比10%減の61億ユーロ、EBITDAは同15%減の9億ユーロ。バランスのとれたポートフォリオでコロナ影響は比較的少なかったとしている。

 ポートフォリオ改善のため昨年はカレンタ社と逆浸透膜、クロム化学品、有機皮革用化学品の各事業を売却する一方、今年はIntace社(特殊抗菌剤)、テセオ社(畜産向け消毒・衛生)、エメラルド・カラマ・ケミカル社(消費者商品用特殊化学品)の買収でコンシューマープロテクション部門を強化した。もう1つの成長分野を

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総合化学大手5社 2020年度業績、年後半に回復

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2021年5月19日

石化市況が想定以上に改善、今期も高収益を想定

 総合化学大手5社(三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、旭化成、東ソー)の2020年度業績は、新型コロナウイルスによる落ち込みから回復し、業績予想を上回る結果となった。

 半導体関連やヘルスケア分野の製品が好調に推移したことに加え、原油・ナフサ価格の急落や需要の減退を受けた石油化学製品も、中国経済の立ち直りとともに需要が回復した。特に

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太陽石油 愛媛・山口の小学校などに集金連絡袋を寄贈

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2021年5月18日

 太陽石油はこのほど、同社の事業所が立地する愛媛県、山口県の保育園、幼稚園、小学校に対し、同社オリジナルの「集金連絡袋」約5万3350枚を寄贈したと発表した。

寄贈した集金連絡袋
寄贈した集金連絡袋

 この寄贈活動は地域貢献の一環として2016年度から毎年継続しており、今年で6年目となる。寄贈した「集金連絡袋」は各園・学校にて、教材費や遠足代などの諸経費集金だけでなく、プライバシーに配慮した書類の配布など幅広い用途で使用され、保育士や先生から好評を得ている。

 同社は今後も地元愛媛県、山口県の未来を担う子供たちへの教育支援を継続していく考えだ。

ハイケム 新・東京研究所が竣工、C1や生分解など強化

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2021年5月18日

 ハイケムは17日、千葉県柏市に整備中の新研究所「ハイケム東京研究所」(鉄骨造3階建て)が今月31日に竣工すると発表した。現在、東葛テクノプラザと東大柏ベンチャープラザで行っている同社の研究開発機能を引き継ぐと同時に、延べ床面積を現在の7倍に拡大し、さらなる研究開発体制の強化を図る。 

ハイケム東京研究所(外観イメージ)
ハイケム東京研究所(外観イメージ)

 「ハイケム東京研究所」の主要テーマは「C1ケミカル」。炭素原子が1つのCOやCO2などから化学製品を合成するための触媒と製造プロセスの研究開発を担う。

 同社が2009年から注力する「SEG技術」は、合成ガスを原料に非石油由来でポリエステル原料であるエチレングリコール(EG)を製造するもの。同技術に使用する触媒2種の性能改善やコストダウン検討をはじめ、今後工業化が期待できるエタノールや高級アルコールなどのC1ケミカル誘導品の製造に向け触媒開発への取り組みも加速させていく考えだ。

 また、今回の東京研究所の機能強化により、①CO2を原料とする化学品製造についての研究開発の強化②生分解性材料の応用研究③セラミックバインダー「セランダー」の製造と品質管理などの新たな機能を追加する。

 ハイケムは今年1月に「ニューセラミックスバインダー事業」を事業譲受し、自動車関連材料やスマートフォンなどの材料に使われるセラミックバインダー「セランダー」の製造販売を開始した。同製品は5G市場が本格的に立ち上がる中、その部材としても注目を集めており、中国市場への展開を加速。新しい研究所では来年から製造を開始するとともに、セラミックバインダー開発研究室も設け、国内外の旺盛な新規需要にも対応していく予定だ。

 ハイケムは日中に3つの研究所をもち、約50人の研究員が在籍している。中国の南通研究所では、触媒工場の生産経験を生かし、東京研究所と協力してパイロット・スケールアップを行うほか、触媒の性能評価、触媒用途開発、プロセス技術改良への協力、有機合成なども担う。

 また上海研究所では、プロセス設計やエンジニアリング、生産設備立ち上げ、プロセス技術改良など、工業化の重要な部分を担当している。3拠点での研究開発を通じ、基礎研究から実機レベルの技術検証まで、オールハイケムで産業化を実現していく。

 

帝人ファーマ ベンチャーと提携、生活習慣病のサービス強化

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2021年5月18日

 帝人ファーマは17日、特定健康保険指導や健康経営のサポート事業を展開するMealthy(埼玉県東松山市)に出資し、資本・業務提携を行うと発表した。地域包括ケアシステム関連の新市場創出を目指す帝人ファーマは、今回の提携により、事業のデジタルプラットフォームおよび生活習慣病領域のサービスを強化することを目指す。

 Mealthyは、2014年設立のベンチャー企業。多忙で食生活が不規則になりがちなビジネスパーソンをターゲットに、栄養の専門家がユーザーの性格やライフスタイルに寄り添った最適な食事をアドバイスすることで病気を予防する、食習慣改善サポートサービスを展開している。ユーザーは、アプリ上に日々の食事の写真を投稿するだけで、専任の管理栄養士からのアドバイスを受け、正しい食習慣を身に付けることができる。

 両社は、オープンイノベーション活動の一環として2018年に協働したことをきっかけに共同研究契約を締結し、これまで協業案の検討や実証実験に取り組んできた。その過程において、顧客に寄り添ったコミュニケーションを重視してサービスを展開するMealthyの特長が、患者に寄り添った地域密着型サービスを目指す帝人ファーマの方向性と合致し、資本・業務提携に至った。

 帝人ファーマは今後、Mealthyと生活習慣病の管理プログラムの共創や、共同特許の出願を行い、現在、企業向けに手掛けている管理栄養士によるマンツーマンでの栄養管理指導サービスを、医療機関に向けて拡大展開していく。また、当社が展開する医療・介護多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」などのデジタルサービスと連携させることにより、地域包括ケアシステム関連事業をさらに強化していく。

ENEOS MIの合弁会社を設立へ、新物質開発など支援

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2021年5月17日

 ENEOSはこのほど、新物質開発・材料探索を加速する高速の汎用原子レベルシミュレータを提供する合弁会社の設立について、Preferred Networks(PFN)と合意したと発表した。出資比率はPFN:51%、ENEOS:49%。

汎用原子レベルシミュレータで計算された触媒表面の例
汎用原子レベルシミュレータで計算された触媒表面の例

 両社は2019年度に戦略的な協業体制の構築に合意しており、AI技術を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)分野での革新的事業創出を検討してきた。新会社では、今夏をめどに、両社の知見をもとに開発した高速の汎用原子レベルシミュレータをクラウドサービスとして提供していく予定だ。

 両社は今回、材料探索技術の高速化と汎用性向上を実現するため、従来の物理シミュレータに深層学習モデルを組み込み、原子レベルで材料を再現することで大規模な材料探索を行える汎用原子レベルシミュレータを開発。深層学習モデルの訓練には、スーパーコンピュータを使って物理シミュレーションした膨大な量の原子構造データを使用している。これにより、計算スピードは従来の数万倍に高速化するとともに、領域を限定しない様々な物質に適用可能な汎用性を実現した。

 同協業では、MIのコア技術となる汎用原子レベルシミュレータを提供することにより、様々な材料開発分野での革新的な素材開発を加速させ、イノベーション創出・実現に貢献していく考えだ。

東海カーボン ローリング中計を発表、成長軌道へ回帰

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2021年5月17日

 長坂社長「海外拠点とのシナジー効果を最大化」

 東海カーボンは11日、ローリングプラン中期経営計画「T-2023」(2021~2023年度)を発表した。オンライン会見において長坂一社長は「社長に就任してからの2年間は構造改革に注力し、2017以降は総額1800億円のM&Aを実施し成長戦略に取り組んできた」と振り返り、「グローバル競争に勝ち残るため、ここでいったん立ち止まり、海外を中心に急拡大したビジネスの足元を固める。新たに獲得した海外拠点とのシナジー効果を最大化し、収益を上げていく」と語った。

 同社は、全体最適による統合効果創出の布石をすでに打っている。黒鉛電極では、米国拠点を充実させ、地産地消化を推進。精錬ライニング事業は、買収した欧州2拠点(ポーランドとフランス)の間で生産品目の最適化を図るとともに、押出材を仏拠点に集約しコストの引き下げを狙う。また、LIB用負極材の製造ノウハウも仏拠点に移管し、EVの成長が見込まれる欧州市場での生産拠点にしていく。今年から順次これらの効果が現出する見込みだ。

 事業ポートフォリオの改善では、コロナ禍で主要製品の黒鉛電極とカーボンブラック(CB)がダメージを受ける中、精錬ライニングやファインカーボン(FC)事業が確実に成長しており、「今では電極やCBの収益安定が課題」との見方を示した。事業環境については、「中国や欧米では想定以上に経済回復が見られる。鉄鋼、自動車、半導体、アルミ関連などの対面業界は力強く回復しており、さらに今後発展していく」と見通した。

 一方、新中計のチャレンジとして、脱炭素とウィズコロナを挙げた。「これらは長期的に世界を大きく変えるテーマだ。当社自身も変わらなければならない」とし、具体的な対応策については、中計期間内に同社の強みや社会的意義を再定義し、足元の経営戦略へつなげる。脱炭素については、社長をリーダーとした「カーボンニュートラル推進プロジェクト」を5月に発足。CN社会実現に向けて、グループの低炭素・脱炭素対応を組織横断的な取り組みとして推進していく考えだ。

 「T-2023」の基本方針として、①主力事業の成長軌道回帰、②事業ポートフォリオの最適化、③連結ガバナンス体制強化を掲げ、最終年度の定量目標は、売上高3200億円、営業利益570億円、ROS18%、EBITDA860億円を目指す。

 ①の戦略において、黒鉛電極は「絶好調の状況に近づきつつあり、市況回復の条件が整ってきた」としたが、本格的な回復は2022年以降を見込む。CB事業は堅調に推移すると想定するも環境負荷が高いため、「環境投資費用を製品に転嫁する価格戦略が重要になる」と指摘した。

 ②の戦略において、FC事業は、半導体市場とPV(太陽光発電)市場が成長する中、韓国子会社の生産能力の拡大を図るとともに、高付加価値品市場に注力していく。精錬ライニング事業は、買収した2社をTCX社に統一。顧客データの一元化、製造技術の共有、システムの統合による生産・販売・関係管理の一体化に取り組み、シナジー効果に期待する。工業炉については、好調なMLCC(積層セラミックコンデンサ)およびLIB業界で確固たる地位を継続。次世代炉の開発に注力し、2023年には売上200億円、営業利益50億円に収益を拡大させる考えだ。

 3年間の営業キャッシュフローは累計1500億円を見込み、配分として、設備投資に660億円、債務圧縮に370億円を計画。M&A・アライアンスといった戦略投資も積極的に行っていく意向を示した。

 

東ソー、塩素化パラフィン 来年5月に生産・販売を停止

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2021年5月17日

 東ソーは14日、東北東ソー化学(山形県酒田市)が製造し、東ソーが販売している塩素化パラフィン「トヨパラックス」の生産と販売の停止を決定したと発表した。生産停止時期は、2022年5月下旬を予定。

 東ソーの塩素化パラフィンは、1953年に南陽事業所(山口県周南市)で製造を開始して以来、半世紀にわたり事業展開してきたが、近年は設備老朽化が著しく、今後の安全生産、安定供給のためには設備更新が必要となっている。さらに、環境規制の観点から、将来的な事業継続性は先行き不透明な状況となっているため、今回、設備更新の投資を断念し生産の停止を決定した。

 

 

旭化成 アクリルラテックスと光触媒塗料の事業から撤退

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2021年5月14日

 旭化成はこのほど、アクリルラテックス「ポリデュレックス」「ポリトロン」事業と光触媒塗料「デュラ光」事業からの撤退および両事業の製造拠点である和歌山工場の閉鎖を決定したと発表した。2022年4月末に生産を終了し、同年10月末の販売終了を予定している。

 アクリルラテックス事業は、1970年に和歌山工場で生産を開始し、これまで約51年間にわたり国内外の顧客へ製品を提供。一方、光触媒塗料事業は、2009年に同工場で生産を開始し、約12年間にわたり製品を提供してきた。しかし、主に国内市場の需要減少などにより両事業ともに販売量が減少し、近年は収益性の低下も課題となっていた。

 市場環境の厳しさがさらに増す中で、同社は事業継続に向けたあらゆる努力を続けてきたものの、将来的に拡大戦略を描くことが難しいと判断し、今回、両事業からの撤退、製造拠点である和歌山工場の閉鎖を決定した。

 同社は中期経営計画において、「高い収益貢献」「高い市場成長率」「価値提供注力分野」「持続可能な社会との親和」の四つの判断軸に基づいて経営資源配分を行い事業ポートフォリオの転換を図っている。今後は同事業に投入していた経営資源を他の注力事業へ振り向けていく考えだ。