大王製紙 4月末から不織布マスクの国内生産を開始

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2020年5月7日

 大王製紙はこのほど、不織布マスクに関し、子会社であるエーリエルプロダクトに1ラインで月産1300万枚まで生産可能な最新鋭の生産設備を4月末に導入し、直ちに生産を開始すると発表した。

 同社は「エリエールブランド」の不織布マスクを海外協力工場で生産し販売しているが、日本国内でのマスク不足の状況を踏まえ安定的な供給に貢献する。生産量については同400万枚で運転を開始する予定で、感染対策のために大量のマスクを必要としている機関、施設などに優先して供給していく。

 その後、生産量を増やしながら一般生活者向けにも販売する見通しで、今回の新設ラインに加えて2台目の加工機を増設し、7月からは同2600万枚の生産能力を持った設備まで増強することを計画している。

 同社は、新型コロナウイルス感染症の急激な感染拡大により、少しでも要望に応えることができるよう安定供給に努めていく考えだ。

 

ダイセル 拠点地域の自治体に不織布マスク7万枚を寄付

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2020年5月7日

 ダイセルは28日、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため、拠点所在地に不織布マスク計7万枚を寄付したと発表した。

 内訳は、兵庫県姫路市(姫路製造所網干工場、広畑工場、イノベーション・パーク)に3万枚、同県たつの市(播磨工場)に2万枚、新潟県妙高市(新井工場)に2万枚となっている。マスクは各自治体を通じ、教育および医療関係などに携わる「エッセンシャルワーカー」に届けられる。

 同社は今後も、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止と終息に向け、可能な限りの社会的貢献を行っていく考えだ。

旭化成 永原顧問が紫綬褒章に シクロヘキセンの技術開発 

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2020年5月7日

 旭化成は28日、「ナイロン原料用シクロヘキセン製造技術の開発」の業績が評価され、永原肇顧問が、令和2年春の「紫綬褒章」を受章することが決定したと発表した。紫綬褒章は「学術芸術上の発明改良創作に関し事績著明なる者」に対して授与される。

旭化成 永原肇顧問
永原顧問

 永原顧問が開発したナイロン原料用シクロヘキセンの製造方法は、従来法に対して、省資源、省エネルギー、廃棄物ゼロを実現し、より安全でCO2排出量約30%削減をもたらすプロセス。昨今、環境・エネルギーの視点から自動車軽量化ニーズなどによってナイロンの世界市場は拡大しているが、同製造プロセスは環境負荷軽減に大きく寄与し、今期の受賞はその業績が評価された。

 ナイロンの中間原料はシクロヘキサノールとシクロヘキサノンの混合物。この中間原料の従来の製造方法であるシクロヘキサンの空気酸化法は、当時は、「原料のうち約20%が要処理廃棄物となる」「爆発に対する安全上の配慮が必要である」などの問題点があり、化学工業界の懸案の1つだった。

 永原顧問は、これらの問題を克服するため、シクロヘキサノールの前駆体となるシクロヘキセンを得るために、ベンゼンの部分水素化という熱力学的に極めて困難な反応に取り組んだ。亜鉛化合物を助触媒とする新規なルテニウム粒子触媒を見出だすとともに、気相―油相―水相―固体の4相からなる特殊な反応場を用い、触媒・原料・生成物などの溶解・拡散・抽出を制御する技術を確立することで、この反応を成功に導き、工業化までを実現した。

 旭化成は、今後も自動車軽量化ニーズなどによってナイロンの世界市場が拡大している状況下で、ナイロン樹脂事業と繊維事業の拡大に貢献していく考えだ。

 

ダウ 医療従事者の保護、軽量のフェイスシールドを開発

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2020年4月28日

 ダウはこのほど、新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)と向き合う医療従事者が必要とする、個人防護具(PPE)の緊急ニーズに対処するため、簡素化されたフェイスシールドデザインを開発した。また、そのデザインをオープンソースファイルで共有しPPEの生産率向上を図っていく。さらに、米国ミシガン州の病院に寄付するため、10万個のフェイスシールドの生産に向け協力して取り組む方針だ。

 同社は、ポリエチレン樹脂(PE)の代表的メーカーだが、通常はプラスチックの最終製品を生産していない。しかし、パンデミック対策に向けた取り組みとして、テキサス州フリーポートのパック・スタジオ応用開発施設が備える試作・製作能力を生かし、フェイスシールドの樹脂フィルム技術を開発。また、他のバリューチェーンパートナーと協働し、シールドの装着感を向上させるフォームコンフォートストリップの製造業者の特定に取り組んでいる。

 このフェイスシールドのデザインには非常に柔軟性がある。シールドは入手しやすい各種ポリマーから生産でき、水流やレーザー、ダイカット技術といった種々のハイスループット技術を利用したカッティングが可能。また、シールドと前額部のクッションという二つだけの部品で構成されたシンプルかつ軽量なものであるため、複数部品の組み立てが排除され、配給をより迅速に展開できる。

 一方、同社はミシガン州の病院に寄付される10万個のフェイスシールドを生産する。同州を拠点とするtinkrLABは、レーザーカットと組み立てを担う主要開発パートナーの役割を果たしており、すでに生産の初期割当を完了。いくつもの試作品が実地試験され、医療従事者からのフィードバックが、最終デザインの開発で役立てられた。

 フェイスシールドの使用は一度限りということが多いものの、特定のフィルム組成を活用した場合、シールドは殺菌され再利用が可能となる。このフェイスシールドは、米国食品医薬品局(FDA)のガイダンスに記述された制限事項と、公衆衛生上の緊急事態期間中のフェイスシールドに関して発せられた緊急使用許可と一致した形で開発、配給されている。

 ダウは、マテリアルサイエンス分野での専門性と生産能力を活用し、殺菌剤や消毒剤、洗剤、医療関係者用の使い捨てPPE、病院ベッド用の形状記憶フォームといった、コロナパンデミックと戦うために最も重要となる衛生医療の製品と技術を開発している。

 

ダイセル 腸内細菌に注力、業務提携で研究開発を加速

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2020年4月28日

 ダイセルはこのほど、注力分野の1つであるヘルスケア領域に関してベンチャー企業のサイキンソー(東京都渋谷区)と、資本業務提携したと発表した。今回の業務提携により、機能性食品素材のマーケティングと研究開発を加速していく方針だ。

ダイセルは、嫌気性微生物を用いた発酵をコア技術とした腸内細菌代謝物(エクオール「フラボセル」など)を軸にヘルスケア事業を行っている。

一方、2014年に設立されたサイキンソーは、「腸内細菌叢で人々を健康に」のビジョンを掲げ、健康寿命の延伸への貢献を志向している。人の腸内細菌叢をDNA検査で明らかにし、AIで解析することで、お腹の不調や生活習慣病などの可能性や予防、生活改善に関する助言を行う腸内フローラ検査「Mykinso(マイキンソー)」を展開。現在、国内最大規模の約2万検体データを保有しており、蓄積したデータをAI解析することで様々な「未病」を検知し、予防・改善を促している。

こうした中、サイキンソーはサービス対象のさらなる拡大のため協業先を探していたが、ダイセルがこれに賛同し資本業務提携をする運びとなった。

 両社は今後、業界での標準化・規格化を目指し、腸内細菌叢の解析手法を進化させていく。また、ダイセルは協業により、マーケティング活動ではサイキンソーが持つクリニックなどの販路の活用や、製品群の腸活素材としてのブランド構築を目指す。研究開発の面では、ダイセルの技術(腸内細菌関与メカニズムの研究)と、サイキンソーの技術(腸内細菌と病気との相関解析)を融合させ、さらなる製品・サービスの開発を促進していく考えだ。

積水化学の3月期 新型コロナ影響などにより減収減益

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2020年4月28日

 積水化学工業は27日、2020年3月期の連結決算を発表した。売上高は前年度比1%減の1兆1293億円、営業利益同8%減の878億円、経常利益同7%減の870億円、純利益同11%減の589億円の減収減益となった。

 グローバル自動車市況の低迷や消費増税影響に対し、サプライチェーン全体でのコスト革新と固定費削減に取り組んだが、新型コロナウイルス感染症の拡大を背景としたモビリティ分野での顧客の稼働低下、住宅・リフォームの引き渡し遅延などにより、減収・各段階利益の減益となった。環境・ライフラインカンパニーは社会課題解決に資する重点拡大製品の販売が順調に伸長し、カンパニーとしての営業利益は最高益を更新した。

 セグメント別に見ると、住宅カンパニーは、消費増税の影響がある中、売上の平準化やリフォーム事業の収益体質強化を図り増益基調で推移していたが、第4四半期にコロナの影響による引き渡し遅延が生じ、増収減益となった。

 環境・ライフラインカンパニーは、消費増税に伴う住宅着工数減少に加えて、コロナ影響による工事遅延、設備投資停止などにより汎用品の販売が苦戦したものの、重点拡大製品の販売が順調に拡大したことにより、前年並みの売上となった。

 また、構造改革の推進や製品構成の改善が寄与し、カンパニーとしての最高益を更新した。高機能プラスチックスカンパニーは、自動車関連を中心とした海外市況低迷長期化を受けて、サプライチェーン全体のコスト革新や原材料価格の低下に伴うスプレッド改善を推進したが、コロナ拡大に伴う顧客の稼働低下の影響が大きく減収減益となった。

 メディカル事業は、検査事業を中心に欧米や中国での販売が拡大し増収となったが、営業利益は、成長投資が先行している中、コロナ拡大による生活習慣関連病の外来検査減少の影響もあり減益となった。

 今年度の通期予想については、売上高同2%減の1兆1074億円、営業利益同20%減の700億円、経常利益同21%減の690億円、純利益同26%減の435億円を見込んでいる。市況については、第1四半期はコロナの影響により国内外の経済活動が大幅に制約を受けるものの、第2四半期以降徐々に回復し下期には正常化すると想定している。

 

住友化学と積水化学 コロナ対策で支援、医療用ガウンを寄付

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2020年4月28日

 住友化学と積水化学工業は27日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う医療従事者が着用する医療用ガウンの不足を受けて、合計30万着を政府など関係先に寄付すると発表した。

 この医療用ガウンは、両社が出資する住化積水フィルムが中国のガウン製造企業から調達し、同中国企業から寄付先へ直送されるもので、住友化学と積水化学がそれぞれ15万着を購入し寄付する。

 両社は、新型コロナウイルス感染拡大の早期終息に向けて、行政や業界団体などと連携を図りながら、今後も最大限の支援策を検討していく。

三菱ケミカル 国際イニシアチブに加盟、障がい者の活躍を推進

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2020年4月28日

 三菱ケミカルは27日、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」の考えと取り組みに賛同し加盟文書に署名したと発表した。

 「The Valuable 500」は昨年1月、世界経済フォーラム年次総会で発足し、「障がい者インクルーシブなビジネスはインクルーシブな社会を創る」という考えの下に立ち上げられた。障がい者がビジネス、社会、経済にもたらす潜在的な価値を発揮できるように、ビジネスリーダーが自社のビジネスをインクルーシブにする改革を起こすことを目的としている。

 同社はこの考えと取り組みに賛同。障がいのあるなしにかかわらず1人ひとりの個性が尊重され全従業員が活躍できる企業を目指し、①障がい者雇用の社内の理解をはかり、働く仲間としての一体感を醸成します、②障がい者の職域拡大、職場環境整備をはかり、雇用促進を全社的に進めます、というコミットメントを定めた。

 同社は「KAITEKI 健康経営」を掲げ、健康支援と働き方改革を両輪として、多様な人材がいきいきと活力高く働ける職場づくりに取り組んできた。その中で、障がい者雇用促進を含めた30の施策を「三菱ケミカルは決めました」と宣言し、積極的に推進。

 また、全ての人がスポーツの価値を享受し、1人ひとりの個性が尊重され、心身ともに健康的な社会づくりに貢献したいとの想いから、ボランティア活動などを通じて障がい者スポーツの一層の普及・発展に尽力するとともに活力ある共生社会の実現に貢献するよう取り組んでいる。

 今回の加盟を踏まえ、三菱ケミカルでは障がい者雇用の取り組みをさらに強化させ、多様化が一層進む社会の期待と要請に応えられる企業づくりを推進していく。

三菱ケミカル マーク

 

JNC 「アビガン」中間体の製造供給を開始、要請に対応

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2020年4月28日

 JNCは27日、富士フイルム富山化学が開発した、抗インフルエンザウイルス薬「アビガン」の中間体について、水俣製造所(熊本県水俣市)内のプラントで製造し供給を開始すると発表した。

 「アビガン」は、世界で蔓延する新型コロナウイルス感染症への効果が期待されている。JNCは富士フイルムからの「アビガン」中間体の製造協力要請に対して、いち早く対応を決定し、4月末より製造を開始することを決定した。

 JNCは、医薬品の中間体のほか、化学品の製造を行っており、引き続き、化学メーカーとして社会に貢献できるモノづくりを進めていく考えだ。