BASF 再利用可能なスピンオンフィルターを開発

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2020年4月27日

「Ultramid® Structure LFX」を使用した、再利用可能なスピンオンオイル式フィルター

 ドイツの大手化学メーカーのBASFは、自動車用フィルターメーカーのヘングスト社と連携し、世界初となる再利用可能な自動車用樹脂製スピンオン式オイルフィルターモジュール「ブルー・オン」を開発した。

 「ブルー・オン」はフィルター交換時にモジュールを取り換える必要がなく、再利用とリサイクルが可能であることに加え、金属代替として軽量化にも貢献する。すでに大手自動車メーカーに採用されており、今後、サステナビリティ製品としてスタンダードとなることが期待される。

 自動車業界ではオイルフィルター交換が主要な課題となっている。フィルターユニットはオイル交換時に全体を交換・廃棄され、その数は毎年約20億個に上り、また、残油は有害廃棄物として処理され、大量の廃棄物となる。ただ、フィルターユニットには高い負荷がかかるため、リサイクルするには高い耐久性が求められる。

 そのサステナブルな解決策が、BASFの高性能ガラス長繊維強化樹脂「ウルトラミッド・ストラクチャー LFX」によって実現した。

 「ウルトラミッド・ストラクチャー」グレードは特殊な特性を持ったガラス長繊維強化ポリアミドで、高温での機械的特性に加え、寸法安定性に優れている。ガラス繊維が長いため繊維配向が安定し、射出成形プロセスのパーツ内で3Dネットワークを形成し、非常に良好な表面品質が得られることで、スピンオンの概念を革新的なものにした。

 「ブルー・オン」は3つのコンポーネント(フィルターハウジング、エンジンへの接続エレメント、フィルターエレメント)で構成され、オイル交換時にはフィルターのみが交換可能。樹脂製モジュールはエンジン耐用年数まで使用でき、自動車のライフサイクルの最終段階では、すべてのコンポーネントをほぼ完全にリサイクルできる。さらに、金属製モジュールと比較して23%の軽量化を達成した。

 今回の開発では、両社のパートナーシップが成功への道を開いている。BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部シニア・キー・アカウント・マネージャーのクリスティアン・ジャネバ氏は、「金属製ハウジングと同等の性能を持ちながら省資源である製品の開発をヘングスト社から提案された。当社は、サステナビリティを中心とした総合エンジニアリングパッケージと材料開発により、開発プロセスを建設的に支援した」と述べている。

 なお、「ブルー・オン』は量産開始前の2018年に、ドイツ・ノルトライン=ヴェストファーレン州のイノベーション賞を受賞している。

出光興産 米国の天然ガス火力発電所、110万kWで商業運転を開始

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2020年4月27日

 出光興産はこのほど、同社が開発に参画する米国クリケットバレー天然ガス火力発電所(ニューヨーク州)が今月17日から商業運転を開始したと発表した。

 同社は、米国での発電所開発と市場取引に関する知見の獲得、および国内事業への還元を目的に、同発電所を保有・運営するクリケット・バレー・エナジー・センター社(CVE社)へ2018年12月に出資(出資比率10%)。取締役派遣などを通じて、事業価値向上に貢献している。

 同発電所は、最大出力110万kWの天然ガスコンバインドサイクル発電方式を採用しており、エネルギー効率が高い。天然ガスを圧縮空気の中で燃焼させ、発生した高温・高圧ガスでガスタービンを回して発電する。ガスタービンを回し終えた後の排ガスはまだ十分な熱を持っている。この熱により排熱回収ボイラーで蒸気を発生させ、スチームタービンを回して2回目の発電をする。2つの発電方式を組み合わせることで、熱を有効活用し、効率よく電気を作る仕組みだ。

 発電した電力は、大消費地であるニューヨーク州の希少な大型・高効率電源として、同州の卸電力市場(NYISO)を通じて販売し、安定的な電力供給に貢献する。これにより、電力自由化が進む先進的な米国マーケットでの発電所運営や市場取引に関する知見の獲得、国内事業への還元などを進めていく。

 出光興産は今後、環境負荷の低い高効率ガス火力発電所の保有・運営を通じ、企業価値の向上と世界的な低炭素社会の実現を目指す方針だ。

SEMI 今年のウェーハ販売額、2つのシナリオを示唆

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2020年4月24日

 SEMIはこのほど、新たな四半期市場データについて、2020年下半期のシリコンウェーハ市場の2つのシナリオを提示した。

 1つは半導体業界への新型コロナウイルスの影響を巡る不確実性が続くことで、販売額が減少するという悲観的シナリオ。もう1つは半導体売上の回復の勢いに乗って上昇するという楽観的シナリオだ。現時点ではいずれの可能性も否定していない。

 SEMIは、世界各国で新型コロナとの闘いが続く中、今年下半期にウェーハ販売額が減少し、2021年の価格交渉にも影響する可能性があるという悲観的シナリオに沿って予測を立てている。しかし、新型コロナが引き起こした不確実性がウェーハ需要の減少につながるのか、それともその甚大な影響は数カ月に限定されるのかという疑問は残る。リスクを分散し、今年第2四半期の販売額への影響を和らげる手段として、半導体メーカーはウェーハの発注を増やし、今後の需要に対応するために安全在庫の確保に努めると見られる。

 新型コロナの蔓延によって半導体需要が今年下半期に大きく落ち込む場合、ウェーハ出荷面積は第2四半期まで増加し続けるものの、第3四半期には減少に転じる可能性がある。この悲観的シナリオでは、今年の300㎜ウェーハ出荷面積が第2四半期に大幅に増加したとしても、通年では横バイまたは僅かな減少となり、200㎜と150㎜の出荷面積はそれぞれ5%と13%減少すると考えられる。

 一方、今年後半に業界の力強い回復が始まれば、第2四半期の在庫増加がウェーハ出荷面積の増加にもつながる。留保需要が半導体業界の回復を後押しする期待の高まりにより、この上昇傾向は年末まで続く可能性がある。

 今年に入って新型コロナが蔓延し、ウェーハ出荷面積の総計は2018年10月をピークに減少が続く。昨年の総出荷面積は前年比6.9%の減少となり、販売額も減少したが、在庫水準の正常化、メモリー市場の改善、データセンター市場や5G市場の成長への期待の高まりとともに、今年は楽観的な予測がされていた。

JXTGエネルギー 無機材料系拡散板と回折光学素子の販売を開始

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2020年4月24日

 JXTGエネルギーはこのほど、ナノインプリント技術商品「ナノアブル」のラインアップの1つとして、高耐熱拡散板「Nanoable Diffuser(ナノアブル・ディフューザー)」と、高耐熱回折光学素子「Nanoable Diffractive Optical Element(ナノアブル・ディフラクティブオプティカルエレメント)」の販売を開始したと発表した。

 近年、長寿命化や環境負荷低減の利点から、レーザーやLEDなどの個体光源が急速に普及し、プロジェクタなどの用途でも高輝度・高彩度・長寿命の実現が可能となっている。個体光源の長所に適合するため、光源周りで使用される光学素子についても、さらなる高耐熱・高耐光・長寿命が必要となり、従来の有機材料製に比べ、より信頼性の高い無機材料製が求められている。

 今回販売を開始した「ナノアブル・ディフューザー」と「ナノアブル・ディフラクティブオプティカルエレメント」は、同社が持つナノインプリント生産技術・設備を活用して、無機材料のみで構成された製品だ。光学フィルム製造で培った精密塗布のノウハウを生かし、ガラス基板の表面に無機材料を用いてインプリント(元型を基材に押し付けて表面に微細な凹凸構造を形成)したもの。

 「ナノアブル・ディフューザー」はチップサイズの透過性の拡散板で、高い耐熱性、耐光性を持つ。従来品と比べて光透過率や拡散形状制御などに優れるため、レーザーなどの光源の利用効果率を高めることが可能。プロジェクタや車載LiDAR、ヘッドランプなどへの活用を見込んでいる。

 一方、「ナノアブル・ディフラクティブオプティカルエレメント」はチップサイズの回折光学素子で、従来のリソグラフィなどの工程と比較し、大量生産時の製造コストを低減できる。急速に普及が予想される3Dセンシングなどへの活用を見込む。いずれもカスタマイズが可能で、個別設計に合わせた受託加工にも対応する。

 同社はJXTGグループ行動基準の1つ「価値ある商品・サービスの提供」の下、「ナノアブル」の展開を通じて革新的な製品を提供し、社会の発展と顧客の多様なニーズに応えていく方針だ。

富士通 高熱伝導CNT接着シートを開発、放熱材実用化へ

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2020年4月24日

 富士通はこのほど、同社グループの研究開発の子会社「富士通研究所」が、最高で100w/mk(ワット/メートル・ケルビン)と極めて高い熱伝導性を持つカーボンナノチューブ(CNT)から構成された接着シートを世界で初めて開発したと発表した。

カーボンナノチューブ接着シート 
カーボンナノチューブ接着シート

 グローバルで実用化が進むEVは、ガソリン車よりも高コストかつ走行距離が十分でないことが普及のネックとなっている。

 EVに装備されているパワーモジュールには、長い航続距離のニーズから消費電力の低減が求められており、近年は、EV向けモジュールの小型化・軽量化・低消費電力化や、低コスト化が実現可能なシリコンカーバイド(SiC)やガリウムナイトライド(GaN)をシリコンの代替素材として適用した半導体素子の開発が進む。しかし、モジュール小型化に伴い、放熱材料や接合材料などの部品にもこれまで以上の高温耐性や高熱伝導性が求められている状況だ。

 一方、CNTは、高い熱伝導性を持つため、半導体素子などの熱源から熱を逃がすための放熱材料として活用が期待されているが、形状が崩れやすく扱いが困難なため、実用化には使いやすさの点で課題があった。

 そうした中、同社は、垂直方向に並んだCNTを本来の特徴である高い熱伝導性と柔軟性を損なうことなく、配列を保持したままラミネート加工する技術と、十分な接着性を保持したまま接合する技術により高熱伝導CNT接着シートを開発。インジウムを原料とする放熱材料(インジウムシート)と界面抵抗も含めた実測値により比較した結果、最大で3倍の熱伝導率を確認した。

カーボンナノチューブ接着シート
カーボンナノチューブ接着シート

 また、同シートは、接着層および保護層と一体でラミネート化されているため、容易に裁断加工やハンドリングが可能となるとともに、接着を必要とする用途への展開が可能となる。これらの技術により、EV向けの車載パワーモジュールをはじめとする、CNTの放熱材料としての実用化が可能となる。

 同社は、CNT接着シートの使用を材料メーカーなどへライセンスしていくことで実用化を目指す方針だ。

宇部興産 「アビガン」中間体の緊急製造・供給開始へ

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2020年4月24日

 宇部興産はこのほど、宇部ケミカル工場(山口県宇部市)内の医薬品工場で、富士フイルム富山化学が開発した抗インフルエンザウイルス薬「アビガン錠」(一般名:ファビピラビル)の原薬主骨格を成す重要な中間体の製造と供給を開始すると発表した。

アビガンの中間体等を製造する宇部興産医薬品工場
アビガンの中間体等を製造する宇部興産医薬品工場

 「アビガン」は現在世界で蔓延する新型コロナウイルス感染症(COVID‐19)に対する効果が期待されており、日本国政府も同剤の治験および承認手続きの早期推進と、日本国内での生産体制の構築を進めている。

 宇部興産はグローバルに医薬品の原体・中間体製造を展開しており、抗インフルエンザウイルス薬としての「アビガン」中間体の製造と供給に実績を持つ。今回、サプライチェーン各社と協力することで、COVID‐19の罹患者へより早期の「アビガン」提供に貢献できるよう、現在、緊急製造開始に向けて準備を進めている。

 同社は創業の精神である「共存同栄」の観点に立ち、この要請に応え、社会に対する企業使命を果たしていく考えだ。

DIC N95など高機能マスク1万枚を医療機関へ寄贈

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2020年4月24日

 DICはこのほど、新型コロナウイルス感染拡大による日本国内の医療機関の深刻なマスク不足の状況を鑑み、同社が備蓄していたN95規格などの高機能マスク1万枚を医療関係機関に寄贈したと発表した。

 経団連を通じ、0.3㎛粒子を95%以上捕捉するN95規格のマスク5000枚を厚生労働省へ寄贈。今後、同省より国内の感染症指定医療機関に順次配布される予定。また、医療用およびダチョウ抗体マスク5000枚は、マスク不足が特に深刻な医療機関へ20日に寄贈した。

 同マスクは、ダチョウの抗原抗体反応によりウイルスを瞬時に結合捕捉する「ダチョウ抗体フィルタ」を組み込み、通常のマスクよりも高い抗ウイルス機能を持っている。

 同社グループは、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のため働いている人々や、感染者の診断や治療に不眠不休で尽力している医療関係者に心より敬意を表するとともに、今後も新型コロナウイルス感染拡大防止対応への支援やその他の社会貢献活動を継続的に推進し、「社会から愛され、尊敬される会社」を目指す方針だ。

宇部興産 液体アンモニア製造の子会社を10月に吸収合併

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2020年4月24日

 宇部興産は23日、100%子会社である宇部アンモニア工業を10月1日に吸収合併(簡易合併・略式合併)すると発表した。

 宇部アンモニア工業は、1969年に液体アンモニアの製造を目的に、宇部興産を中心に宇部地区事業者による合弁企業として設立。50年以上にわたり、宇部地区化学部門の重要拠点として、わが国産業に不可欠な基礎原料である液体アンモニアなどを製造してきた。

 宇部興産は現在、宇部アンモニア工業の他の株主から株式を購入し同社を100%子会社化しており、2013年よりすべての工場運営業務を同社から受託している。宇部興産は、一層のアンモニア事業の強化と業務効率化の観点から、宇部アンモニア工業を吸収合併し、さらに強化することが最適と判断した。

三井化学 仏社サステナビリティ評価でゴールド格付け

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2020年4月23日

 三井化学はこのほど、仏エコバディス社(EcoVadis)のサステナビリティ評価で「ゴールド」に格付けされたと発表した。「ゴールド」に格付けされるのは、全評価対象の上位5%の企業。「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4つのテーマで包括的に評価が行われ、同社は今回、「環境」と「労働と人権」の両分野で特に高い評価を受けた。3年連続の認定。

 三井化学は、SDGsをはじめとする社会課題の解決に向けて企業への要請が高まる中、化学産業が社会の基盤と革新を担う存在であり続けるためには、持続可能な社会に向けて大きな責任あると捉えている。

 同社グループは「環境と調和した共生社会」「健康安心な長寿社会」を実現するため、独自の評価指標で環境・社会への貢献度の見える化を推進。具体的には、環境貢献価値「Blue Value」とQOL向上価値「Rose Value」を定義し、それらに沿った製品やサービスの提供をはじめとする社会価値創造の取り組みを深化させている。

 今後も、グローバルに存在感のあるサステナブルな企業グループを目指していく考えだ。なお、エコバディス社は、国際的なサステナビリティ規格に基づいた独自基準により団体・企業を評価する、信頼性の高い共同プラットフォームを提供している。これまでに世界160カ国、200業種、6万5000社以上の評価を行っており、約300のグローバル企業がサプライチェーン管理のためにこのプラットフォームを使用している。

 

DNP AIを活用した業務プラットフォームの提供を開始

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2020年4月23日

 大日本印刷はこのほど、「自然言語処理AI」と「知識グラフ」を用いて、専門性の求められる審査・受付業務や広告の校正・校閲、社内ナレッジの横断的な検索・分析などを可能にする「DNP業務知識活用プラットフォーム」を5月に提供開始すると発表した。なお、価格は年間定額制で950万円(税抜)。

 同プラットフォームを用いることで業務経験の浅い担当者でも専門的な業務知識を容易に導き出せ、業務効率の向上と社員のビジネススキルの平準化を実現することができる。労働人口の減少や働き方改革が推進される中で、従業員1人あたりの労働生産性の向上や社内の専門家や熟練者に依存しないビジネススキルの平準化などが求められる。企業が保有する情報や熟練者の暗黙知を活用した、業務の効率化というニーズは高い。

 同社は、BPO(業務社外委託)サービスを通じて培った業務プロセスの分析ノウハウと、様々な情報を文字画像処理・自然言語処理によって業務知識として活用する技術を基に、同プラットフォームを開発した。特長として、①様々な業務に活用可能な「知識グラフ」を構築②高度な自然言語処理技術を用いたAIによる解析③業界・業種の特徴に適した知識グラフの構築やプラットフォームの活用を促進―などが挙げられる。

 同社は今後、保険会社や金融機関などの加入申し込みの審査業務、コンタクトセンターなどの顧客対応などの業務、社内外の情報検索・分析の支援などへ同プラットフォームを提供していき、2023年度までに関連サービスも含めて30億円の売上を目指す。

 

DNP 業務知識活用プラットフォーム
DNP業務知識活用プラットフォームの概要