プラ循環協 プラ製容器包装の環境貢献、調査研究を報告

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2021年5月20日

 プラスチック循環利用協会はこのほど、機能性包装が適用された備蓄食品(アルファ米、クッキー)の環境貢献に関する調査研究を報告した。同協会では、プラスチック製食品容器包装について、ライフサイクルアセスメント(LCA)手法を用いた環境影響評価を実施している。

 今回は、災害備蓄食料に注目し、機能性包装(蒸着フィルム)が適用された備蓄食品について、環境負荷削減効果に関わる定量的解析を行った。研究調査内容として、災害備蓄食品に関する報告書に示された備蓄期間終了後の有効活用と廃棄の割合に基づき、備蓄食品として販売されているアルファ米、クッキーについて備蓄から賞味期限までの消費シナリオを、機能性包装および一般包装に適用しLCAを実施。

 調査結果として、賞味期限1年の一般包装品の負荷を基準とすると、アルファ米の機能性包装製品において賞味期限3年の場合、GHG排出量は57%の削減、賞味期限5年の場合、74%削減効果となった。

 同様にクッキーでは、賞味期限3年の場合、GHG排出量は65%削減、5年の場合は79%の削減効果となっている。日本全体に備蓄されているアルファ米とクッキーの総量(推計)に基づき、すべての包装を賞味期限5年の機能性包装に置き換えた場合のGHG削減貢献の可能性量は、約5万7000t-CO2eと推算された。また、推奨されている最低3日分の備蓄食品について、1日当たりの備蓄量をアルファ米2食、クッキー1食の組み合わせを適用すると、日本全体でのGHG排出削減の可能性量推計は約14万t-CO2eと推算された。

 同協会は、「社会的に欠かすことのできない災害対策物資に関わる備蓄食品において、プラ製容器包装が提供する環境負荷削減への貢献を示すことができた」とし、「プラ製食品包装の適用による食品ロス発生の抑制は、食品安全保障の改善や、GHG排出量削減など気候変動対策の一つとしてその寄与は大きい」としている。

 

三菱ケミカルホールディングス アクセラレータープログラム、参加6社を決定

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2021年5月20日

 三菱ケミカルホールディングス(MCHC)は19日、北米最大のスタートアップインキュベーターであるグリーンタウン・ラボ(GL)と、「The KAITEKIチャレンジ」の参加企業として革新的なチャレンジに取り組む先進的スタートアップ六社を選出したと発表した。

 「The KAITEKIチャレンジ」は、MCHCがGLと共同で立ち上げたアクセラレータープログラムで、日常生活における持続的な消費を可能とするソリューションに焦点を当てている。代替たんぱく質、プラスチックおよびパッケージング分野をテーマにスタートアップを募集しており、35カ国115社の応募があった。今後、同プログラムを通して選出した6社を支援し、MCHCグループ企業との協業に向けたパートナーシップを深めていく。

 具体的には、MCHCグループ企業との協業推進ならびにMCHC経営陣との対話、GLのネットワークと支援体制へのアクセス、助成金2万5000ドル(株式の希薄化を伴わない)、協業を深めるため双方合意のうえで株式出資検討などを行う予定。

 MCHCのCIO&CTOのラリー・マイクスナー氏は「私たちは、この6社の素晴らしいスタートアップ企業とグリーン・ラボと共に新しい事業価値を創造していくことで、持続可能な消費を可能とする社会の実現に貢献できることを非常に嬉しく思う」とコメントしている。

 なお、4月15日に開催した「The KAITEKIチャレンジ」のキックオフイベントの模様は(https://vimeo.com/537750435)で視聴できる。

 

DSM ダイニーマの資源循環、産業間連合を構築

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2021年5月19日

 DSMはこのほど、様々な業界をリードするパートナーと、新しい産業間の連合「CirculariTeam」を発足した。この産業連合では、各業界で再生可能なバイオベースおよびリサイクルベース資源への移行推進を目指している。

 CirculariTeamは、世界最強の繊維「ダイニーマ」の資源循環の完結を目指し、知見、リソース、および技術的ソリューションを共有する共通のプラットフォームを提供する。業界横断的な連合体制は、「ダイニーマ」を使用している企業で構成され、それぞれの業界において、再生可能なバイオおよびリサイクルベースの資源への移行に取り組む。これは、循環型の経済を可能にし、材料の価値を損なうことなく可能な限り長期にわたって維持するという、DSMのビジョン、使命に沿うもの。

 CirculariTeamは、リバースロジスティクス、リサイクルやリユースソリューション、生産効率の改善(廃棄物削減を含む)、廃棄物の各素材への分離・分別、循環性のための設計、関連法規、および情報共有、といった主に7つのテーマに注力する。参加企業は、すでにこれらのテーマに関して協力を開始しており、今年末までに使用済み廃棄物から、新しい「ダイニーマ」繊維を製造する技術的な実現可能性の実証を目指している。

 今後数年間、CirculariTeamは、目標を評価しつつ、定期的なサミットと継続的なコミュニケーションにより、その進捗を検証していく予定だ。

 

ランクセス ポートフォリオ改善し二成長分野に注力

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2021年5月19日

 ランクセスはこのほど、2020年度事業報告と2021年度事業活動に関する記者説明会を開き、張谷廷河社長がグローバルと日本での活動を説明した。

 ランクセスは世界33カ国で事業展開するドイツの特殊化学品メーカーで、昨年度の売上高は前年比10%減の61億ユーロ、EBITDAは同15%減の9億ユーロ。バランスのとれたポートフォリオでコロナ影響は比較的少なかったとしている。

 ポートフォリオ改善のため昨年はカレンタ社と逆浸透膜、クロム化学品、有機皮革用化学品の各事業を売却する一方、今年はIntace社(特殊抗菌剤)、テセオ社(畜産向け消毒・衛生)、エメラルド・カラマ・ケミカル社(消費者商品用特殊化学品)の買収でコンシューマープロテクション部門を強化した。もう1つの成長分野を

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総合化学大手5社 2020年度業績、年後半に回復

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2021年5月19日

石化市況が想定以上に改善、今期も高収益を想定

 総合化学大手5社(三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、旭化成、東ソー)の2020年度業績は、新型コロナウイルスによる落ち込みから回復し、業績予想を上回る結果となった。

 半導体関連やヘルスケア分野の製品が好調に推移したことに加え、原油・ナフサ価格の急落や需要の減退を受けた石油化学製品も、中国経済の立ち直りとともに需要が回復した。特に

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太陽石油 愛媛・山口の小学校などに集金連絡袋を寄贈

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2021年5月18日

 太陽石油はこのほど、同社の事業所が立地する愛媛県、山口県の保育園、幼稚園、小学校に対し、同社オリジナルの「集金連絡袋」約5万3350枚を寄贈したと発表した。

寄贈した集金連絡袋
寄贈した集金連絡袋

 この寄贈活動は地域貢献の一環として2016年度から毎年継続しており、今年で6年目となる。寄贈した「集金連絡袋」は各園・学校にて、教材費や遠足代などの諸経費集金だけでなく、プライバシーに配慮した書類の配布など幅広い用途で使用され、保育士や先生から好評を得ている。

 同社は今後も地元愛媛県、山口県の未来を担う子供たちへの教育支援を継続していく考えだ。

ハイケム 新・東京研究所が竣工、C1や生分解など強化

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2021年5月18日

 ハイケムは17日、千葉県柏市に整備中の新研究所「ハイケム東京研究所」(鉄骨造3階建て)が今月31日に竣工すると発表した。現在、東葛テクノプラザと東大柏ベンチャープラザで行っている同社の研究開発機能を引き継ぐと同時に、延べ床面積を現在の7倍に拡大し、さらなる研究開発体制の強化を図る。 

ハイケム東京研究所(外観イメージ)
ハイケム東京研究所(外観イメージ)

 「ハイケム東京研究所」の主要テーマは「C1ケミカル」。炭素原子が1つのCOやCO2などから化学製品を合成するための触媒と製造プロセスの研究開発を担う。

 同社が2009年から注力する「SEG技術」は、合成ガスを原料に非石油由来でポリエステル原料であるエチレングリコール(EG)を製造するもの。同技術に使用する触媒2種の性能改善やコストダウン検討をはじめ、今後工業化が期待できるエタノールや高級アルコールなどのC1ケミカル誘導品の製造に向け触媒開発への取り組みも加速させていく考えだ。

 また、今回の東京研究所の機能強化により、①CO2を原料とする化学品製造についての研究開発の強化②生分解性材料の応用研究③セラミックバインダー「セランダー」の製造と品質管理などの新たな機能を追加する。

 ハイケムは今年1月に「ニューセラミックスバインダー事業」を事業譲受し、自動車関連材料やスマートフォンなどの材料に使われるセラミックバインダー「セランダー」の製造販売を開始した。同製品は5G市場が本格的に立ち上がる中、その部材としても注目を集めており、中国市場への展開を加速。新しい研究所では来年から製造を開始するとともに、セラミックバインダー開発研究室も設け、国内外の旺盛な新規需要にも対応していく予定だ。

 ハイケムは日中に3つの研究所をもち、約50人の研究員が在籍している。中国の南通研究所では、触媒工場の生産経験を生かし、東京研究所と協力してパイロット・スケールアップを行うほか、触媒の性能評価、触媒用途開発、プロセス技術改良への協力、有機合成なども担う。

 また上海研究所では、プロセス設計やエンジニアリング、生産設備立ち上げ、プロセス技術改良など、工業化の重要な部分を担当している。3拠点での研究開発を通じ、基礎研究から実機レベルの技術検証まで、オールハイケムで産業化を実現していく。

 

帝人ファーマ ベンチャーと提携、生活習慣病のサービス強化

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2021年5月18日

 帝人ファーマは17日、特定健康保険指導や健康経営のサポート事業を展開するMealthy(埼玉県東松山市)に出資し、資本・業務提携を行うと発表した。地域包括ケアシステム関連の新市場創出を目指す帝人ファーマは、今回の提携により、事業のデジタルプラットフォームおよび生活習慣病領域のサービスを強化することを目指す。

 Mealthyは、2014年設立のベンチャー企業。多忙で食生活が不規則になりがちなビジネスパーソンをターゲットに、栄養の専門家がユーザーの性格やライフスタイルに寄り添った最適な食事をアドバイスすることで病気を予防する、食習慣改善サポートサービスを展開している。ユーザーは、アプリ上に日々の食事の写真を投稿するだけで、専任の管理栄養士からのアドバイスを受け、正しい食習慣を身に付けることができる。

 両社は、オープンイノベーション活動の一環として2018年に協働したことをきっかけに共同研究契約を締結し、これまで協業案の検討や実証実験に取り組んできた。その過程において、顧客に寄り添ったコミュニケーションを重視してサービスを展開するMealthyの特長が、患者に寄り添った地域密着型サービスを目指す帝人ファーマの方向性と合致し、資本・業務提携に至った。

 帝人ファーマは今後、Mealthyと生活習慣病の管理プログラムの共創や、共同特許の出願を行い、現在、企業向けに手掛けている管理栄養士によるマンツーマンでの栄養管理指導サービスを、医療機関に向けて拡大展開していく。また、当社が展開する医療・介護多職種連携情報共有システム「バイタルリンク」などのデジタルサービスと連携させることにより、地域包括ケアシステム関連事業をさらに強化していく。

ENEOS MIの合弁会社を設立へ、新物質開発など支援

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2021年5月17日

 ENEOSはこのほど、新物質開発・材料探索を加速する高速の汎用原子レベルシミュレータを提供する合弁会社の設立について、Preferred Networks(PFN)と合意したと発表した。出資比率はPFN:51%、ENEOS:49%。

汎用原子レベルシミュレータで計算された触媒表面の例
汎用原子レベルシミュレータで計算された触媒表面の例

 両社は2019年度に戦略的な協業体制の構築に合意しており、AI技術を活用したマテリアルズインフォマティクス(MI)分野での革新的事業創出を検討してきた。新会社では、今夏をめどに、両社の知見をもとに開発した高速の汎用原子レベルシミュレータをクラウドサービスとして提供していく予定だ。

 両社は今回、材料探索技術の高速化と汎用性向上を実現するため、従来の物理シミュレータに深層学習モデルを組み込み、原子レベルで材料を再現することで大規模な材料探索を行える汎用原子レベルシミュレータを開発。深層学習モデルの訓練には、スーパーコンピュータを使って物理シミュレーションした膨大な量の原子構造データを使用している。これにより、計算スピードは従来の数万倍に高速化するとともに、領域を限定しない様々な物質に適用可能な汎用性を実現した。

 同協業では、MIのコア技術となる汎用原子レベルシミュレータを提供することにより、様々な材料開発分野での革新的な素材開発を加速させ、イノベーション創出・実現に貢献していく考えだ。