クラレ 米国火災事故を教訓、安全対策を強化

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2020年3月25日

伊藤社長「安全のための設備投資は着実に実施」

 クラレは、先日開催された決算説明会において、米国エバール工場火災に伴う訴訟や今後の安全対策について説明を行った。

 事故は、2018年5月に安全弁から漏れたエチレンガスが引火し発生。その後、当局の調査が行われ、安全設備の改造を実施した。同年9月には主要生産ラインが稼働を開始し、11月末に事故発生ラインが復旧したことで生産体制は正常化している。

 設備復旧と安全対策費用としては、補修や安全対策、また他のプラントへの横展開も含め約4億円程度だった一方、訴訟については、当時現場で働いていた外部委託業者160名が原告として提訴。2019年10月には一部原告と和解し、和解費用100億円を含む特別損失140億円を計上、さらに11月には140名超に対し訴訟引当金340億円の特別損失を追加計上した。今年1月には一部原告と和解(約289億円)が成立したが、残りの原告とは和解交渉が継続している。

 再発防止に向けた取り組みについて伊藤正明社長は、「特に海外プラントにおいて、

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三井化学 新型コロナ対策で支援、終息願い中国に寄付

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2020年3月24日

 三井化学はこのほど、中国での新型コロナウイルス対策の支援として、義援金100万元(約1600万円)を中国赤十字基金会に寄付すると発表した。

 同社は「このたびの中国湖北省武漢市を中心に発生している新型コロナウイルス感染症でお亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、罹患された皆様に心よりお見舞い申し上げます。罹患されている皆様の早期回復と、感染の終息を心より祈念申し上げます」とコメントしている。

トヨタ自動車など10社 中部圏水素利用協議会を発足

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2020年3月24日

 水素利用推進に取り組む民間企業10社(出光興産、岩谷産業、JXTGエネルギー、住友商事、中部電力、東邦ガス、トヨタ自動車、日本エア・リキード、三井住友銀行、三菱ケミカル)はこのほど、中部圏での水素の需要拡大と安定的な利用のためのサプライチェーンの構築を目指し、水素の大規模利用の可能性を検討する「中部圏水素利用協議会」を発足した。産業界全体で横断的に検討を進める日本で初めての取り組みとなる。

 現在、CO2の排出量削減による地球温暖化の抑制が喫緊の課題であり、これを解決するためには、持続可能で低炭素なエネルギー利用の促進が重要となる。そのため日本政府は、水素を将来の重要なエネルギーの1つに位置づけ、「水素社会」の実現に向けた「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定。この中では、当面の目標として、2030年に年間30万tの水素を利用するという大規模な水素供給システムの確立が掲げられている。

 こうした中、水素の製造・供給サイドでは、さまざまな企業により社会実装に向けた新たな技術や方策の実証が進みつつあるが、水素を利用する需要サイドでは、大規模な使い方や水素利用量の拡大についての検討が個社レベルに留まっているのが現状。

 そこで、中部圏で産業界を横断した協議会を立ち上げ、大規模な水素利用の具体的な方策を検討し、供給サイドと連携を図りながら、社会実装に向けた取り組みを進める。

 同協議会では、2020年代半ばからの社会実装開始を目指して、①中部圏での水素受け入れ拠点から需要サイドまでのサプライチェーンの検討②中部圏全体での水素利用量のポテンシャルの試算③各々の需要サイドで受け入れ可能な水素コストの検討④必要な施策と社会実装につながる事業モデルの提案、などに取り組んでいく予定。

 ロードマップの実現に向けては、産業界での技術開発、コスト低減努力のみならず、金融界との連携による資金供給スキームの構築、政府のリーダーシップによる制度・インセンティブ設計、規制改革などの三位一体の活動が必要であり、同協議会はその一翼を担っていく。そして、同協議会の取り組みが中部圏のみならず日本各地に広がっていくよう、政府とも連携して官民一体となって進めていく考えだ。

ヘンケルジャパン 瞬間接着剤の高精度塗布機を発売

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2020年3月24日

 ドイツの化学・消費財メーカー、ヘンケルの日本法人ヘンケルジャパンは、瞬間接着剤の塗布に最適な高精度塗布機「LOCTITE(ロックタイト)PU20ペリスタルテックディスペンサー」を発売した。

LOCTITE PU20 ペリスタルテックディスペンサー
LOCTITE PU20 ペリスタルテックディスペンサー

 従来品の「ロックタイト・ペリスタルテックポンプ」をリニューアルした新製品は、ロックタイト瞬間接着剤や嫌気性接着剤、UV硬化接着剤を高精度に塗布するディスペンサー。一定塗布や繰り返しの定量塗布が行えることから、作業者の熟練度に関わらず均一な塗布が可能になる。

 主な改良点は、塗布方法を最大30まで記憶できるようなり、作業効率を向上させたほか、操作パネルをスイッチにすることで汚れをふき取りやすくし、メンテナンス時間の短縮を図った。

 また、従来品に比べ低価格に設定した。髪ゴムの接着、アルミフランジとシリコーンゴムの接着、プラスチックねじの接着、嫌気性ねじゆるみ止め接着剤の小ねじへの塗布など、精度が求められるさまざまな接着作業に対応する。

作業者の熟練度に関わらず均一な塗布が可能
作業者の熟練度に関わらず均一な塗布が可能

 ほかにも、5000mPa・s以下の低粘度接着剤の連続塗布が行える、黒色チューブが付属するため光硬化性接着剤にも使用できる、外部接続コネクターを使いロボットと組み合わせて自動塗布も可能、など多くの特長を併せ持つ。エアーは不要。重量は3.5㎏(本体:2.2㎏)。

三菱ケミカル DXを加速するため高性能計算機HPCを導入

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2020年3月24日

 三菱ケミカルは23日、研究開発分野のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速するため、今秋に、日本の化学業界でトップクラスの計算処理能力を持つ高性能計算機(HPC:High Performance Computer)を導入すると発表した。

 同社はこれまでも、計算科学技術やマテリアルズ・インフォマティクスを素材・材料開発に用いてきたが、近年の計算機能力やIT環境の発展は目覚ましく、DXの加速のためにはこれを最大限に活用することが不可欠と判断した。

 今回、同社の製品開発に必要な計算に最適化した独自仕様(大規模超並列・大容量メモリ・高並列GPU)のHPCを設計・導入することにより、これまで不可能だった大規模計算や大量バッチ計算、大規模データ解析などを高速に行うことを実現し、研究開発のイノベーションを推進していく。また、HPCの自社運用は、その活用に必要なオープンソースコード利用や自動計算に関するノウハウの蓄積についても大きなメリットをもたらすことが期待される。

 同社は、「常にイノベーションを生み続け、持続的に社会に貢献するワールドクラスの研究開発部門となる」ことをビジョンに掲げ、様々な施策を推進。今後も、最新鋭デジタルインフラや、社内外のパートナーとリアル/バーチャルに繋がる設備の導入などにより研究開発環境の整備を進め、社会課題を解決するイノベーションを追求していく考えだ。

昭和電工 日立化成の株式公開買い付けを24日から開始

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2020年3月24日

 昭和電工は23日、日立化成の株式公開買い付け(TOB)を24日から開始すると発表した。

 同社は昨年12月、各国(日本、中国、韓国、米国、欧州連合、台湾)の競争法に基づく必要な手続きや対応が完了することを条件に、日立化成のTOBを開始することを公表。しかし2月末には、一部の国で審査に時間が掛かっていたため、TOB開始が3月以降になると発表していた。

 こうした中、今回、全ての国の審査が終了したことを確認し、TOB開始の決定に至った。なお、買い付け総額は約9640億円を見込んでいる。

太陽石油 潤滑油販売の成績優秀SS、5部門を表彰

2020年3月23日

 太陽石油はこのほど、2019年度の潤滑油の販売で優秀な成績を収めた店舗を「SOLATOオイルプログラム年間優秀SS」として表彰した。

 この賞は、系列SS向けの潤滑油販売プログラムの一環として実施したオイル販売コンテスト(春期・秋期)、および消費者モニター調査の結果を対象にした5部門で特に好成績を収めた店舗に贈られるもの。受賞SSには、優秀店舗であることを示す店舗掲示用ステッカーとスタンドを贈呈した。

 同社は、来年度も「SOLATOオイルプログラム」として、さまざまな販売施策や知識・技術の向上をサポートする研修などを実施し、SSでのオイル販売促進をトータルサポートしていく。

SEMI 半導体ファブ装置の投資額が21年過去最高に

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2020年3月23日

 SEMIはこのほど、最新の「World Fab Forecast」レポートを基に、半導体前工程ファブ装置の投資額予測を発表した。投資額は2019年の低迷期を脱し、2020年は緩やかに回復、2021年に急激に伸びて過去最高記録を上回る見込みとなっている。

 レポートによると、2020年の投資額は前年比3%増の578億ドルとなり、回復は小幅にとどまる見通しだが、これは主に、2019年下半期から2020年上半期に18%の減少が予想されていたことによるもの。回復が定着し始める今年下半期に状況が改善すると予測している。

 地域別に見ると、中国は、新型コロナウイルスの影響により、2020年のファブ装置投資額は減少すると見られ、昨年11月に発表されたレポートの予測額は下方修正された。ウイルスの影響は今後も続くものの、今年の投資額は前年比5%増の120億ドル以上になり、2021年にはサムスン、SKハイニックス、SMIC、YMTCによる投資が成長をけん引し、前年比22%増の150億ドルに急増すると予測される。

 台湾は、TSMCとマイクロンの投資がけん引し、2020年に約140億ドルの装置投資額で首位となるが、2021年には5%減の130億ドルとなり、3位に転落すると見られる。韓国は、サムスンとSKハイニックスの投資により、2020年の投資額は31%増の130億ドルで2位となり、2021年には26%増の170億ドルで首位に立つと予測される。

 東南アジア(主にシンガポール)も、2020年に堅調な成長により前年比33%増の22億ドルとなり、2021年には26%増となる見通しだ。

 全地域の中で最も装置投資が活発なのは欧州/中東。2020年の投資額は50%以上増加して37億ドルとなり、インテルやSTマイクロエレクトロニクス、インフィニオンの投資を背景に2021年も増加が予想される。

 日本では、2020年の装置投資額の伸びは、ほぼ2%とごくわずかだが、2021年には約4%まで増加し、キオクシア/ウエスタンデジタルやソニー、マイクロンが投資をけん引すると見られる。

 北米の投資額は、2020年は2019年から24%減の62億ドル、2021年にはさらに4%減となり、減少傾向が続く見通しだ。

帝人 熱可塑性炭素繊維複合材がパナソニック製ビデオに採用

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2020年3月23日

 帝人は19日、熱可塑性炭素繊維複合材料(CFRTP)製品である「Sereebo(セリーボ)」が、パナソニックのデジタル4Kビデオカメラ新製品「HC‐X2000」と「HC‐X1500」に採用されたと発表した。

「HC‐X2000」
「HC‐X2000」

 両新製品とも、テレビ放映向けなどプロフェッショナルな現場での映像撮影も可能な「4K60p・10bit」に対応したビデオカメラであり、「HC‐X2000」については、従来の機種と比較し約40%の小型化、約15%の軽量化と、連続撮影時間約4時間35分を実現し、ビデオカメラとしての機動性も持っている。

 一方、「Sereebo」は、製造タクトタイムを大幅に短縮したことで、電気製品や自動車などの部品の量産を可能にした革新的なCFRTP製品。その中でも、今回採用されたのは、帝人のポリカーボネート樹脂「パンライト」をマトリックスとした射出成形向けのもので、ハンドルユニットおよびトップカバー部分に使用されている。

 従来、カメラの筐体やボディの軽量化と強度を両立させるために、チョップドファイバーと呼ばれる炭素繊維が使用されるが、これは繊維長が短いことにより強度特性の担保が課題。

 それに対して「Sereebo」は、帝人独自の樹脂組成技術により、軽量化と高い強度特性の両立のみならず、優れた難燃性も実現する。また、独自の樹脂加工技術により、表面に炭素繊維が浮き出ることがなく、表面外観性にも優れている。こうした特長がパナソニックに高く評価され、共同で成形品の開発を重ねた結果、今回の採用に至った。

 帝人は、精密機器・電気製品など、量産性や強度、軽量化が求められる用途に向けて「Sereebo」の展開を強力に推進し、複合成形材料のリーディングカンパニーとして地位を確立していく考えだ。