ダイセル 新長期ビジョンならびに新中期戦略を策定

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2020年6月9日

 ダイセルは8日、第4次となる長期ビジョン「DAICEL VISION 4.0」と、それに基づく新中期戦略「Accelerate 2025」を策定したと発表した。

 長期ビジョンでは、基本理念の下にサステナブル経営方針を設置。目指すこととして、社会と人々の幸せに貢献(サステナブルプロダクト)、地球や人にやさしい方法で実現(サステナブルプロセス)、働く人がやりがいを実感(サステナブルピープル)、を掲げた。

 4つのトリガーとして、健康(ヘルスケア)、安全・安心(セイフティ)、便利・快適(スマート)、環境を設定し、その下の重点市場に注力する。

 成長&加速戦略では、オペレーションを3段階で表現。Operation‐Ⅰ(OP-Ⅰ)の「原ダイセル」では、現状の事業に加え注力するドメインを含めた領域で、事業構造の転換とアセットライト化を図る。OP‐Ⅱの「新ダイセル」では、事業の再編と既存JVの抜本的見直し、アセットスーパーライト化を図る。OP‐Ⅲの「新企業集団」では、垂直統合型のサプライチェーンに水平方向の統合を視野に入れたクロスバリューチェーンを構築していく方針だ。

 一方、長期ビジョンを踏まえた新中期戦略では、原ダイセル、新ダイセルの実行と新企業集団の実行準備を同時に進めるフェーズとして位置づける。全社戦略として、クロスバリューチェーン実現に向けた取り組みを推進。新企業集団を見据え、組織変更に対し柔軟に組み替え可能なデジタルアーキテクチャを構築。複数の事業を自在に組み合わせて架空の会社(バーチャルカンパニー)を形成し、PL、BSをリアルタイムに把握し、アセットライト化と収益力を強化する。

 また、ポートフォリオマネジメントでは、従来の68事業を33事業に集約。これまでの素材提供型から、技術・製品・テクニカルサービスを生かし価値提供型事業へのシフトを目指し、各事業を次世代育成、成長けん引、改革事業、基盤事業に分類した。

 また、事業戦略では、4つのトリガー市場に注力。ヘルスケアSBU、メディカルSBU、スマートSBU、セイフティSBU、マテリアルSBU、エンジニアリングプラスチックセグメントで、それぞれありたい姿に向けた方策に取り組み、価値提供を加速する。機能別戦略では、事業創出力として、R(研究)でシーズを掘り起し、D(開発)で事業化力を磨き、さらにProactive IP(技術・知財)で事業を強くしていく。

 プロダクションでは、現場の力を結集し、バーチャルカンパニーでパートナーに価値を提供する。さらに、デジタルトランスフォーメンションや人事改革にも取り組む考えだ。これらの戦略により、2025年の経営目標としてROIC10%、EBITDA1000億円超、営業利益は最高益更新を掲げた。

 同社は、この新ビジョンと新戦略を新たな指針とし、国際社会や地球環境をめぐる諸問題、AIやIoTの活用による急速な技術の進歩、さらには、今回の世界的なウイルス感染症によっても大きく変化する社会情勢に柔軟に対応し、事業活動を通じて、持続可能な社会の実現と企業グループの成長の両立を図っていく考えだ。

三井化学 海洋ごみ削減を目標に国内外で清掃活動一元化

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2020年6月8日

 三井化学は、これまで事業所ごとに行ってきた清掃活動を発展させ、昨年度からはグループ全体の取り組みとして新たな展開を始めた。

清掃活動写真1 本社での活動(神奈川県・鵠沼海岸)
本社での活動(神奈川県・鵠沼海岸)

  「三井化学グループクリーンアップキャラバン」と銘打ち、海洋ごみの削減につながる清掃活動を実施。本社を含む全国各地の工場や関連会社、また米国・中国・シンガポールの海外拠点関連会社からも多くの従業員らが参加した。2019年度は、延べ3682人が参加し、累計で6万391㎏のごみを回収した。

 従来から実施してきた事業所周辺の清掃活動にとどまらず、「NPOや行政が企画するクリーンアップへの参加」「会社のイベントとしてクリーンアップを企画・実施」「地域のイベントへの参加後にクリーンアップを実施」など、活動の幅を広げ参加者が自発的に取り組める工夫を凝らした。

 

シンガポール6社合同の活動(パーシル・リス公園)
シンガポール6社合同の活動(パーシル・リス公園)

  三井化学グループは、リサイクルやバイオマス製品の拡充といったプラスチック戦略の下、循環経済への転換を目指している。今後もプラスチック戦略を推し進め、ごみを流出させない、流出したごみは回収し適切に処理する、そして河川や海に流出したごみを回収する活動を継続していく。

 専用ウェブサイト(https://jp.mitsuichemicals.com/special/clean-up_caravan/index.htm)では、活動内由生や動画、海洋ごみ問題のパイオニア・JEANの小島あずさ理事からのメッセージなどを公開中だ。

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許に対する中国訴訟2件で勝訴

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2020年6月8日

 三菱ケミカル(MCC)は5日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する中国特許に対し、中国企業2社(Shield社と英特美光電社)が特許の無効を訴えていた行政訴訟について、裁判所がその訴えを退け、特許の有効性を支持する勝訴判決を得たと発表した。Shield社との第2審では原審と同様、特許の有効性が支持され、今回の判決により勝訴が確定したことになる。

 赤色蛍光体は、通称SCASNまたは1113蛍光体と呼ばれる窒化物系の蛍光体。高い輝度と信頼性からLED用として最も広く使用されており、MCCが製造販売している赤色蛍光体は、LEDメーカー各社から多くの支持と評価を受けている。同特許は、この赤色蛍光体とそれを用いたLEDデバイスなどを広くカバーする基本特許であり、今回の2つ判決ではMCCとNIMSが共有する重要な知的財産権の有効性が中国の司法により改めて支持された。

 中国はLEDデバイスの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスでも最大生産量を誇る。その中国で中国企業2社の主張を全面的に退け、同特許の有効性が支持された今回の2つの判決は、長年中国で積極的に投資、事業展開を行ってきたMCCにとって非常に意義深いもの。また、蛍光体産業のみならず白色LED産業全体にとっても重要な意味を持ち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がることが期待される。

 今後もMCCとNIMSは自社・他社の知的財産権を尊重し、他社が知的財産権の無効を主張しまたは侵害するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を取る考えだ。

東レ 中計3年間の戦略、実行すべき課題に注力

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2020年6月8日

日覺社長「コロナ禍も成長機会を捉え事業拡大」

 東レは、今後10年先を見据えた長期経営ビジョン〝TORAY VISION 2030〟を策定し、それを踏まえた中期経営課題〝プロジェクトAP‐G 2022〟(2020~22年度)をスタートさせた。すでに総括的な説明を行っていたが、改めて事業別の説明会を2日間にわたりオンラインで開催した。

 初日に挨拶に立った日覺昭廣社長は、「中長期的な東レグループの在るべき姿は明白であり、実行すべき課題はコロナ禍によって大きく変わるものではない」とコロナ禍による不透明な状況下で中計を発表した理由を述べた。そして「コロナ終息が

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中外製薬 新型コロナ対策を支援、国内医療関係者に寄付金

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2020年6月5日

 中外製薬はこのほど、新型コロナウイルス感染症の治療や感染予防に従事する日本国内の医療関係者を支援するため、寄付金を拠出した。日本財団LOVE POCKET FUND「新型コロナプロジェクト」に4000万円、東京都「守ろう東京・新型コロナ対策医療支援寄附金」に1000万円で、寄付総額は5000万円となっている。

住友商事 中国江蘇省無錫市でEMSの新工場を共同で設立

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2020年6月5日

 住友商事はこのほど、100%子会社で、電子機器の製造受託サービス(EMS)を行うスミトロニクスを通じ、大日光・エンジニアリングと共同で、中国・江蘇省無錫市にEMS事業を担う新工場を設立すると発表した。

 無錫市は、1000社以上の日系企業が進出している、中国を代表する電子情報産業の集積地。中国では、自動車や家電製品の国内需要が増加しており、EMSの需要も拡大基調にある。特に車載分野では、より高品質でコスト競争力の高い電子機器の基板実装が求められる。

 新工場は、スミトロニクスの子会社であるスミトロニクス上海と大日光・エンジニアリングの子会社であるトロア無錫が共同で設立し、今月の稼働開始を予定。トロア無錫は、車載機器や家電製品などの基板実装・製品組み立てに強みがある。新工場は、スミトロニクスが初めて中国国内に保有する自社工場であり、スミトロニクス上海の強みである家電製品や産業機器のEMSに加え、車載分野にも注力する。

 なお、スミトロニクスグループが独自開発した工程管理システムCIMSを新工場にも導入することで、工程管理とトレーサビリティを徹底し、高品質かつ信頼性が高い製品をグローバルに提供できる体制を構築し、車載EMSへのニーズに対応する。

 住友商事は、1990年代にEMS事業に参画し、スミトロニクスを通じて、海外8カ国10拠点でEMS事業を展開。新工場の設立・運営を通じ、中国の華東地区の車載・家電分野でのEMS需要を取り込みや、収益基盤の拡大を図るとともに、車載EMS体制の確立と、民生分野の生産の自動化、省人化などの生産革新を目指す。また、車載分野に加え、今後需要が高まる産業分野、医療分野、環境インフラ分野などのビジネスの取引拡大にも取り組んでいく考えだ。

 

サンエー化研 独自技術で新製品に注力、収益改善を目指す

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2020年6月5日

 サンエー化研は4日、2020年3月期の決算概要と今後の取り組みなどについて都内で説明会を開催した。昨年度の連結業績は減収減益。

今後の施策を説明する、山本明広社長
今後の施策を説明する、山本明広社長

 主要製品を見ると、電子レンジ対応食品包材「レンジDo!」は前年並み、医薬・医療用包材の高防湿PTP包装用フィルム「テクニフィルム」や剥離紙分野のFPC(フレキシブルプリント基板)用工程紙などは売上を伸ばした。

 その一方で、エアー緩衝材「エアロテクト」、表面保護フィルム「サニテクト」「PAC」「SAT」などは振るわず、全体的に原材料費上昇分の価格転嫁の遅れや対面業界の不振、主力ユーザーからの受注減少が響く形となった。

 2021年3月期の業績は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行を受け、取り巻く事業環境の不透明感から予想を見送った。先行きの見通しづらさはあるものの、同社は独自の加工技術を最大限に生かし、新製品開発や品質向上を行い、収益改善を目指していく方針だ。

 その一例として、山本明広社長は

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住友化学 中計進捗、最終年度の目標達成が困難

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2020年6月5日

岩田社長「環境悪化に加えコロナ不況で正念場に」

 住友化学は、今後の持続的成長向け3つのドライバー、農薬事業の拡大、医薬新製品の上市、高機能製品の販売拡大に注力する。

 先日、オンラインで開催された経営戦略説明会において岩田圭一社長は「中計最終年度の目標であるコア営業利益2800億円の達成は極めて困難だ。次期中計(2022~24年度)に達成できるように体勢を立て直す」意向を示した。昨年度の業績は、市況下落などの影響を受け減収減益となり、今年度は業績予想を未定としている。

 岩田社長は「コロナ影響を加味する前は、

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出光興産 コロナ対策支援、地方自治体にフェイスガード寄贈

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2020年6月4日

 出光興産はこのほど、100%子会社である出光ユニテックが、新型コロナウイルス感染症対策支援として、地方自治体などへ3万枚のフェイスガードを寄贈する取り組みを始めたと発表した。

 出光ユニテックは感染症治療にあたる医療従事者の医療資材、防疫用品不足による窮状支援、行政サービス体制の維持に努める地方自治体の感染防止対策支援として、同社の製品が活用できるフェイスガードを事業所が所在する姫路市、千葉県、その他公益社団法人へ今月2日から順次寄贈している。

 フェイスガードには、そのシールド部分に出光ユニテックの製品である高透明ポリプロピレン製シート「スーパーピュアレイ」が使用されている。

 出光グループは今後とも、合成樹脂加工製品をはじめとする製品の安定供給を通じ、社会貢献と地元貢献を積極的に行っていく。

 

三菱ケミカル 知財に関するコロナ感染症対策支援宣言に参画

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2020年6月4日

 三菱ケミカルはこのほど、新型コロナウイルス感染症対策の支援のため、「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の趣旨に賛同し参画した。

 同宣言は、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を目的とした開発・製造・販売などの行為に関しては、権利者が保有する特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利行使を行わないことを表明するもの。これにより、宣言の対象となる知的財産権に対する侵害調査やライセンスを受けるための交渉などを行う必要がなくなり、迅速かつ最善の開発および製造が可能となる。

 同社はこの活動に賛同し、一定期間、新型コロナウイルス感染症のまん延終結を唯一の目的とした行為に対しては対価や補償を求めることなく、保有する特許権・実用新案権・意匠権・著作権の権利行使を行なわないことを宣言することとした。宣言の具体的な内容は、ウェブサイト(https://www.gckyoto.com/covid19)で確認できる。

 同社は今後も、政府の策定する行動計画に基づき必要な対策を実行するとともに、政府や業界団体をはじめとする関係者と連携を図りながら、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めていく考えだ。