旭化成は4日、リチウムイオン二次電池(LIB)用セパレーターの製造・販売会社ダブル・スコープ(東京都品川区)と、韓国にあるその連結子会社W‐SCOPE KOREAを共同被告として、先月29日、特許権侵害訴訟をソウル中央地方法院に提起したと発表した。
同訴訟は、旭化成が所有するLIB用セパレータに関する韓国特許(特許第10‐0977345号)に基づき、ダブル・スコープなどが製造・販売する電池用セパレーター製品の韓国での製造・販売差止と損害賠償を求めるもの。
2020年2月5日
2020年2月4日
2020年2月4日
2020年2月3日
ランクセスは持続可能性への取り組みを一層強化するため、1月1日付で「持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)」に加盟した。WBCSDは持続可能な発展を目指すグローバル企業団体で、会員企業のCEOが主導し、協働で調査や提言活動などを行っている。
中心となる活動プロジェクトは6つあり、例えば「気候変動・エネルギー」や「循環型経済」などのプロジェクトを通して、国連の持続可能な開発目標(SDGs)の実現を目指している。WBCSDの会員企業数は約200社にのぼり、これらの企業の総従業員数は1900万人、総売上高は8兆5000億米ドルになる。
ランクセスのマティアス・ツァハトCEOは「持続可能性への取り組みは、様々な形で当社の事業目標を強化する。例えば、資源利用効率の向上、ステークホルダーとの良好な関係性、リスク意識の向上、長期的にメリットのあるコスト構造の構築などに確実につながっていく」と述べている。
同社はこの数カ月、持続可能性に一層の焦点を当てた事業活動を行っている。昨年11月には、2040年までにクライメイト・ニュートラル(気候中立)を目指すと発表した。また、12月には自社のリボルビング・クレジット・ファシリティの金利条件を、持続可能性の評価基準に関連づけて定めることにしている。
2020年2月3日
東洋紡はこのほど、国際連合が提唱する「国連グローバル・コンパクト(UNGC)」に署名し、1月22日付で参加企業として登録されたと発表した。これに併せて、UNGCに署名している日本企業などで構成される「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン」への加入も行った。
UNGCは、各企業・団体が責任ある創造的なリーダーシップを発揮することによって、社会の良き一員として行動し、持続可能な成長を実現するための世界的な枠組み。
UNGCに署名する企業・団体は、「人権の保護」「不当な労働の排除」「環境への対応」「腐敗の防止」に関わる10の原則に賛同し、その実現に寄与することが求められている。
同社は、創業者・渋沢栄一の精神を受け継いだ企業理念「順理則裕」(じゅんりそくゆう=なすべきことをなし、ゆたかにする)の下、社会課題の解決に役立つ事業に注力することで、自らも成長を目指してきた。
今後は企業理念の実践を一層推し進めるために、UNGCの10原則に則った取り組みを強化し、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2020年2月3日
旭化成は31日、iPSアカデミアジャパンとライセンス契約を締結しているiPS細胞技術に関する特許について、原許諾範囲を拡大する変更契約を締結したと発表した。なお、同特許はiPSアカデミアジャパンが京都大学より許諾されているもので、旭化成は2018年にライセンス契約を結んでいた。
今回の変更契約により、原許諾範囲である外傷性関節軟骨損傷を適応とする治療用途に加え、全世界での変形性関節症と半月板損傷を適応疾患とする治療用途を対象とした、iPS細胞技術に関する特許の非独占的通常実施権と、軟骨分化誘導技術に関する特許の独占的通常実施権を取得。
これにより、旭化成は、当該特許権が及ぶ全世界で、変形性関節症や半月板損傷などを適応とするiPS細胞由来の再生医療等製品を独占的に研究開発・製造販売する権利を保有し、iPSアカデミアジャパンに対して、契約一時金と開発段階に応じた開発マイルストーンを支払い、販売後は、販売額に応じたロイヤルティと販売額の目標達成に応じた販売マイルストーンを支払う。
軟骨分化誘導技術とは、iPS細胞などの多能性幹細胞を、特殊な培養条件によって軟骨細胞に分化させるとともに、細胞外マトリクスを生成させ軟骨様組織を作製する技術。
今回の変更契約では、適応範囲の拡大のみならず、iPS細胞から軟骨様組織(軟骨パーティクル)を製造する技術に加えて、板状の軟骨を製造する特許技術についても許諾対象に追加される。
今後については、旭化成は引き続き、京都大学iPS細胞研究所の妻木範行教授との共同研究を推進し、外傷性に限らない関節軟骨損傷を適応とするiPS細胞由来の再生医療等製品の実用化に向けて、製造技術の確立を進めていく。
同社は「軟骨の再生医療技術を研究開発プラットフォームに加えることにより、当社グループの整形領域における取り組みをさらに強化していくことができるものと期待している」とコメントしている。
2020年1月31日
2020年1月31日
住友化学はこのほど、中国湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスの感染拡大について、「罹患された皆さまと、感染拡大により生活に影響を受けられている地域の皆さまに、心よりお見舞いを申し上げます」とコメントするとともに、同社グループ従業員の安全確保の観点から、実施する対応策を決定したと発表した。
実施されるのは、①中国国外から湖北省への渡航禁止②中国国外から中国全土(湖北省を除く)への渡航延期③中国国内から武漢市への出張禁止④私用を含めた中国渡航者に対する帰国後の体調不良時の医療機関への相談・受診の徹底⑤中国グループ会社等へのマスク提供などの支援⑥住友化学投資(中国)での「新型コロナウイルス対策本部」の設置―6六項目。
住友化学グループにとって、中国は極めて重要な事業拠点の1つとなっている。中国グループ各社の操業については、中国当局の指示に従うとともに、従業員の安全確保を図った上で、引き続き顧客への供給責任を果たすために、最大限の努力を尽くしていく考えだ。
2020年1月31日
帝人グループはこのほど、電気自動車(EV)のフォーミュラカーレース「ABB FIAフォーミュラE選手権」(フォーミュラE)に参戦しているレーシングチーム「エンビジョン・ヴァージン・レーシング・フォーミュラEチーム」(EVR)を支援すると発表した。2月15日に開催されるメキシコ大会から公式にサポートを開始する。
「フォーミュラE」は、国際自動車連盟(FIA)が、環境問題に関する啓蒙やEVの普及促進を目指して2014年から主催しており、昨年11月に開幕した今シーズンで6シーズン目を迎えた。低騒音で排気ガスを出さないEVによるレースであることから、世界の大都市を中心に各国の市街地で開催されている。
今回、支援を決めた英国に本拠地を置くレーシングチームEVRは、「フォーミュラE」の創設初戦から参戦。「地球温暖化に挑むレース」をチームのミッションとして掲げ、モビリティの持続可能性を追求しつつ、継続的に優れた成績を収めている。
帝人グループは、EVRへの支援や協力、他の協賛企業との連携などが、次世代の自動車に必要とされる軽量・高強度でデザイン性に優れた部品の開発につながる技術や知見を得る好機と捉え、この機会を通じて関連業界でのテイジンブランドの認知度向上を図っていく。
今後、車体向けの軽量で高強度の素材や、ドライバーの快適性向上に寄与する素材・製品の開発や提供などに取り組むことで、新たなビジネスの可能性を模索していく考えだ。
鈴木純社長CEOは、「帝人グループは、地球温暖化への意識啓発を図る手段として、電気自動車によるカーレースに参戦を続けるEVRを支援する。サポートを通じて将来のEVに求められる技術やノウハウを蓄積することにより、環境規制の強化に対応できる車体軽量化の実現に向けたソリューション提案力を強化していく」とコメントしている。
2020年1月31日
東亞合成は30日、同社グループの新中期経営計画「Stage up for the Future」(2020~22年度)を発表した。「素材と機能の可能性を追求し、化学の力で新しい幸せをあなたへ届けます。」との企業理念の下、新製品・新事業の創出による持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す。
前中計で注力してきた新製品開発と積極的な設備投資を継続するとともに、新事業創出と研究開発の機能をより一層強化することで、高付加価値製品事業のさらなる拡大を図っていく。基本方針として、①高付加価値事業の拡大②将来を支える「第四の柱」事業を含む新ビジネスユニットの創出③基盤事業の強靭化―を掲げた。
重要施策では、新事業創出機能と研究開発機能の強化、瞬間接着剤などの海外展開推進、デジタルトランスフォーメーション(DX)による競争優位性拡大と機能強化、成長戦略の担い手となる人材の確保と育成、サスティナブル経営の推進・ステークホルダーとの共存共栄に取り組んでいく。
最終年度(2022年度)の数値目標は、売上高1630億円、営業利益170億円、高付加価値製品比率47%。設備投資額は高付加価値製品の投資に注力するとともに、基幹化学品事業の設備更新と工場自動化、情報関連の投資を強化し、3年累計で440億円とした。
海外展開では、ポリマー・オリゴマー事業、接着材料事業、高機能無機材料事業を中心に高付加価値製品事業の積極的な海外展開を推進し、海外売上高比率20%超を狙う。