デンカはこのほど、連結子会社のアクロス商事を2020年4月1日に「YKアクロス」に商号変更すると発表した。
アクロス商事は、無機工業製品・有機工業製品および工業樹脂などの販売を行っている。デンカは、グループの商事部門での経営資源の有効活用と経営の効率化、販売面でのシナジー最大化、国内外の営業力の強化を目的に、アクロス商事と子会社であるYKイノアスを来年4月1日に合併する予定で、これに伴い商号変更を行う。
2019年11月12日
2019年11月12日
三菱ケミカルホールディングスは11日、数理最適化技術の積極的な活用・普及を目的として、先端技術・事業開発室のデジタルトランスフォーメーション(DX)グループ内に、数理最適化CoE(Center of Excellence)を発足したと発表した。
CoEとは、特定の分野に集中して高度な研究・開発活動を展開し、人材育成やビジネス創出の核となる集団・拠点を指したもの。数理最適化CoEでは、数理最適化技術やビジネス・アナリティクスの考え方を活用し、生産や物流など事業活動の最適化に取り組み、エネルギーマネジメントやグローバルサプライチェーンマネジメントの最適化をはじめとする、従来からのDXの取り組みの強化と加速を図る。
具体的には数理最適化CoE発足により、「業務変革による利益の最大化」と「共通技術基盤と推進体制の確立」を見込んでいる。「業務変革による利益の最大化」では、最新の技術を取り入れて、事業・地域を横断した視点で業務変革を推進し、運用の定着化による持続的な利益の最大化を図る。
一方、「共通技術基盤と推進体制の確立」では、同社グループ内に分散する要員を集約して組織間連携を強化するとともに、適用技術や方法論を共通化する。また、外部の知見を有効活用して検討を加速していく。
同社グループでの最適化実現の必要性は、事業のグローバル化や組織横断的な事業の拡大に伴い、年々増加している。加えて、近年のIT環境(ハードウェア、ソフトウェア)や数理最適化アルゴリズムの急速な進化により、データ利活用の環境が整備されつつあることから数理最適化技術の適用可能性が高まっており、その積極的な活用・普及が重要になっている。
同社は2017年にDXグループを設置し、事業活動の様々な場面でAIやIoTを活用して事業の革新や効率化に取り組んでいる。その一環として今回、数理最適化CoEを発足する。今後も、社内外の資源を活用してDXに取り組み、さらなる事業強化を目指していく考えだ。
2019年11月11日
三井化学はこのほど、第2回「がんアライ宣言・アワード」の金賞(ゴールド)を受賞し、10月29日に開催された表彰式で同賞を授与された。昨年に続く2度目。がんアライ宣言・アワードは、がんを治療しながら働く「がんと就労」問題に取り組む民間プロジェクト「がんアライ部」(代表発起人:岩瀬大輔、功能聡子)が、創設した新たな表彰制度。
がん罹(り)患者の味方「アライ(ally)」であることに加え、がんとともに働きやすい企業であることを宣言した上で、具体的な取り組み内容を添えて応募した企業の中から優れた取り組みを表彰するもの。社会でノウハウを共有することで、がん罹患者が治療を受けながら生き生きと働くことができる社会を目指している。
今回の金賞受賞は、半日単位で特別休暇を取得できるように制度を拡充し、通院によるがん治療をしやすくしたことや、既存の在宅制度をリニューアルし、治療と仕事の両立目的でも取得を可能にしたテレワーク制度の導入が高く評価された。同社は今後も、「社員一人ひとりが生き生きと働ける会社」を目指し、Diversity(多様性)とInclusion(包含・協働)の推進に積極的に取り組んでいく。
2019年11月11日
三菱ケミカルとJXTGエネルギーはこのほど、茨城県鹿島地区での石油精製事業と石油化学事業のさらなる連携強化に向けて、両社共同出資による有限責任事業組合(LLP)を設立することを決定した。名称は「鹿島コンプレックス有限責任事業組合」で、11月中旬の設立を予定。出資比率は両社50%ずつ、代表者はJXTGエネルギーが派遣する。
三菱ケミカル・茨城事業所とJXTGエネルギーが、グループ会社である鹿島石油と鹿島アロマティックスを通じて運営する鹿島製油所は、これまで、石油コンビナート高度統合技術研究組合事業(RING事業)への参画などを通じて連携を図ってきた。
こうした中、国内における石油製品需要の構造的減少やアジア域内の石油化学プラントの新規立ち上げといった事業環境の変化を踏まえ、今回、更に踏み込んだ連携の検討を進めることにした。
設立するLLPにおいては、石油精製から石油化学製品を製造する一連の工程を通じて、原料や製造プロセスの更なる効率化施策や、ガソリン基材の石化利用と石油化学製品(誘導品を含む)の生産最適化についての検討を深化させ、両事業所一体とした操業最適化により国際競争力強化を目指す。
さらに、持続可能な環境・社会の実現を追求する機運が高まる中、循環型社会形成への貢献をLLPの検討テーマに据え、廃プラスチックを石油精製・石油化学の原料として再生利用するケミカルリサイクルの技術検討に取り組んでいく。
2019年11月7日
東洋紡は、海水淡水化プラントから排出される濃縮海水を効率的に利用する新しい膜技術の実用化に向け、先月9日にサウジアラビアの海水淡水化公団(SWCC)と、東洋紡の連結子会社であるAJMCとともに、共同実証実験の実施に関する覚書を締結した。
実用化を目指すのは、「ブラインコンセントレーション(塩水濃縮)膜」=BC膜=と呼ばれる、高濃度の海水を処理するための新しい膜技術だ。東洋紡が長年培った中空糸型逆浸透(RO)膜の技術を応用したもの。BC膜を活用することで、海水淡水化プラントで真水を製造する過程で排出される濃縮海水を、希釈された海水とさらに高濃度な濃縮海水とに分離できる。
希釈された海水は、海水淡水化プラントで再利用し、造水量を増加させ、高濃度の濃縮海水からは、蒸発・結晶化工程を経て、効率的な有価物の回収が期待されている。BC膜技術の実用化により、濃縮海水を余すことなく再利用する無排水化の実現に向けた取り組みを支援していく考えだ。
雨水や地下水に乏しい中東地域では、海水から飲料水を作り出す海水淡水化プラントが多く稼働しており、中でもサウジアラビアでは、厳しい気候や人口増加、経済成長を背景に旺盛なプラント需要がある。
東洋紡は、1980年代から海水淡水化プラント用として中空糸型RO膜を長年にわたり供給してきた。現在、中空糸型RO膜が作り出す真水は1日あたり約160万t、640万人分の使用量に相当する。
今回の覚書締結を受け、3者はSWCCのアル・ジュバイル海水淡水化プラントに設置される実証実験装置の運転を開始する予定。BC膜の基本特性を把握するとともに、運転ノウハウを確立し、早期の実用化を目指す。
2019年11月7日
大日本住友製薬はこのほど、英国のロイバントサイエンシズとの間で、戦略的提携に関する正式契約を締結したと発表した。
投資総額は30億ドル(約3300億円)で、同戦略的提携には、ロイバントの子会社5社の株式取得、他の子会社6社の株式取得に関するオプションの獲得、ロイバント株式の10%以上の取得、ヘルスケアテクノロジープラットフォームの取得が含まれている。
大日本住友は「中期経営計画2022」の中で、収益の柱である米国での非定型抗精神病薬「ラツーダ」の独占販売期間終了後も持続的な成長を実現するため、「成長エンジンの確立」と「柔軟で効率的な組織基盤づくり」を基本方針として掲げ、事業基盤の再構築に取り組んでいる。
ロイバントは、機敏性と起業家精神を重視したバイオファーマ会社である「Vant」を複数設立し、革新的な医薬品とテクノロジーを患者に迅速に提供することにより、健康に寄与することを目指している。各Vantは、独特な手法による人材の採用やテクノロジーの導入を通じて研究開発と販売の効率化に取り組んでいる。
大日本住友は、戦略的提携により、2022年度までに上市が期待され将来的にブロックバスターとなりうる開発品を含む、多数のパイプラインを獲得することに加え、グループ全体のR&D生産性の向上、デジタルトランスフォーメーションの加速を図り、中長期的な成長を目指す。
2019年11月7日
2019年11月7日
2019年11月6日
カネカとセブン‐イレブン・ジャパンは、11月5日から順次「セブンカフェ」のアイスコーヒーとアイスカフェラテで、PHBH製ストローの使用を開始した。対象店舗は北海道・北陸・関西・中部・四国・九州・沖縄の約1万店となる。
両社は共同で「カネカ生分解性ポリマーPHBH」を用いた製品の展開に取り組んできた。PHBHを使用したセブンカフェ用のストローは、8月から高知県内のセブン‐イレブンで先行導入したが、さらなる環境対応を推進するため、エリアを拡大することにした。
プラスチック素材の製品は、暮らしにとって便利で欠かせないものになっている一方、適切な処理がなされないことによって、マイクロプラスチックとして海中に漂い、生態系や人々の健康へ影響を与える懸念が高まっている。
PHBHは、カネカが開発した100%植物由来のバイオポリマーで、幅広い環境下で優れた生分解性を持つ。特に近年では、マイクロプラスチックによる海洋汚染が世界的な社会問題となっており、生態系への影響が懸念されているが、PHBHは海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」を取得しており、海洋汚染低減に貢献する。
カネカは今後も、セブン&アイ・ホールディングスとPHBHを使用した各種製品の開発を進め、環境汚染問題にソリューションを提供していく。
2019年11月6日
三井化学と名古屋大学はこのほど、ヒトの眼に近い眼球モデルを搭載した眼球手術訓練シミュレーター「Bionic‐EyE」が、2019年度グッドデザイン賞(主催:日本デザイン振興会)を受賞したと発表した。高い技術に加え、医療従事者の技術向上や、将来的な医療用ロボットの性能向上への貢献が高く評価された。
同シミュレーターは、東京大学と共に行った、内閣府の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)によるオープンイノベーションで開発。三井化学の材料技術と、名古屋大学未来社会創造機構・新井史人教授と小俣誠二特任助教の精密工学技術に、東京大学眼科教室・相原一教授の医学的知見や、東京大学工学研究科・光石衛教授と原田香奈子准教授の医療ロボット技術を組み合わせた。
ヒトの眼球の特性を研究し、材料を層状に構成することで、数ミクロンの非常に繊細な組織である白目の感触を忠実に再現。難易度の高い緑内障の手術スキルを画期的に向上させることに貢献している。
緑内障は失明原因の第1位。患者が増加する中、緑内障手術時の白目の薄切りと縫合という難易度の高い手術には、若手医師の早期育成が喫緊の課題となっている。従来の訓練では、ヒトの眼球より硬いブタの眼球を使用するなど、訓練の有効性や衛生面、動物愛護の観点からも問題があった。