BASF 米生産拠点でアタパルジャイトの能力増強

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2019年6月5日

 ドイツの大手化学メーカーBASFはこのほど、アタパルジャイト製品の供給を増強するため、プロセスの改善を実施した。

 フロリダ州クインシーにある生産拠点では、粗粒ゲルと細粒ゲル、顆粒材料の製粉能力・製品包装能力の拡大に加え、輸送能力を向上した。

 この数年間、特に建設とインフラ開発が増加している新興国では、アタパルジャイトに対する需要の増加に対応することが困難だったが、供給体制の増強により、高品質なアタパルジャイトベースの材料を安定して供給することが可能になった。

 同社はまた、季節的な需要の急増に対応するため、倉庫管理システムを改善した。これにより、繁忙期でも、世界中の顧客に製品を提供することができる。

 アタパルジャイトは、マグネシウム‐アルミニウムケイ酸塩から成る、採鉱された針状の粘土鉱物。アタパルジャイトという名称は、鉱物が発見された米国ジョージア州アッタプルガスに由来している。

 同社はこの地域でアタパルジャイト鉱山を操業するとともに、アッタプルガスから約30km南に位置するフロリダ州クインシーに製造施設を持ち、フロリダ州とジョージア州にある7000ha以上の鉱山と製造施設の大半を所有している。

 同社のアタパルジャイト製品は、分散性や高温耐久性、耐塩性、耐アルカリ性、高い吸着性、脱色性などの優れた特徴を持つ。

 主力ブランドの「アタゲル」「マイクロソーブ」は、建設や塗料、鋳造、触媒、動物用飼料、掘削泥土、農業、オイル濾過、吸着剤など、多様な用途に使われている。

 また、自動車のブレーキパッドなどの摩擦材に使用される「エムコー66」、医薬品や化粧品に使用される「ファルマソーブ」などの特殊品も提供している。

 

クラレ 自動車向け製品の販売加速、デトロイト事務所を開設

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2019年6月5日

 クラレはこのほど、北米で自動車分野の市場開発・販売を加速させるため、米国ミシガン州ノバイにデトロイト事務所を開設したと発表した。

 米国の主要自動車メーカーが本社を構え、また多くの自動車部品メーカーが集積する自動車産業の中心地であるデトロイトに事務所を設けることで、高耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」をはじめとするクラレの自動車向け製品の販売を加速する。

 「ジェネスタ」は同社が世界に先駆けて原料モノマーから自社開発した耐熱性ポリアミド樹脂で、耐熱性、耐薬品性、低吸水性などの特長を保有。

 スマートフォンやパソコン、車載電装部品に使われるコネクタなどの電気・電子用途、LED反射材用途のほか、車両軽量化のニーズが高まる自動車分野でも、ギア部品や冷却部品、燃料部品などの金属代替用途で拡大が進んでいる。

 

クラレ 銅張積層板「ベクスターFCCL」の量産試験設備を導入

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2019年6月5日

 クラレは4日、鹿島事業所(茨城県神栖市)内に、液晶ポリマーフィルム「ベクスター」を用いた銅張積層板「ベクスターFCCL」の量産試験設備を新たに導入し、サンプル出荷を開始すると発表した。

 同社では、西条事業所(愛媛県西条市)で昨年着手した「ベクスター」の生産能力増強を完了しており、今回の鹿島事業所での設備導入後の両事業所合計の生産能力は、2020年後半に180万㎡/年となる見込み。

 液晶ポリマーフィルムは、優れた誘電特性と低吸水性、多層回路への積層加工性といった特長を生かし、スマートフォンのなど電子機器類や、車載向け高速通信デバイスの電子回路基板として、今後さらなる市場拡大が見込まれる。

 同社は次世代通信規格5Gの普及などで、今後の拡大が予想される高周波用基板材料の需要に対応するため、生産能力を順次増強する予定だ。

 なお、「ベクスターFCCL」は、5日から7日まで東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2019(第49回国際電子回路産業展)」に出展を予定している。

三菱ケミカル スイス子会社が米エンプラ加工企業を買収

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2019年6月5日

 三菱ケミカルは4日、連結子会社である三菱ケミカルアドバンスドマテリアルズ(MCAM社:スイス・チューリッヒ)が、米国のエンジニアリングプラスチック加工メーカー、アドバンスド・ポリマー・テクノロジーズ(APT社:カリフォルニア州)を完全子会社化したと発表した。MCAM社の米国子会社(デラウェア州)が、APT社の全持分を6月3日付で取得した。

 エンプラ製品の製造・販売を行うMCAM社は、スイスに本社を置き、米国やドイツ、日本など世界21ヵ国に生産拠点をもつ。

 一方、APT社は2002年の設立以来、独自のポリマー加工技術を用いたエンプラ製品により、北米やアジア地域を中心に、半導体・航空・防衛・エネルギー・医療といった多岐にわたる産業に対してソリューションを提供してきた。社員数は約30名。

 MCAMグループは今回の買収を通して、両社の有する最先端の射出成形・押出成形技術でのシナジーや市場ネットワークの相互活用などにより、さらなるグローバル事業基盤の強化を図る考えだ。

 

BASF 色測定技術を強化した分光光度計を日本で導入

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2019年6月4日

 ドイツの大手化学メーカーBASFの自動車補修用塗料のプレミアムブランド「R‐M」は、色測定技術を強化した「カラートロニック 12/6」分光光度計を、日本で導入する。

 12光線による測定技術で正確な色を識別し、完全な一致率を実現する。カラーカメラが6枚のカラー写真に基づき、メタリック/パール仕上げを見分けることで、ターゲットにより近いカラーに調整可能。

 新機能の1つは温度警告で、自動車が長時間、直射日光にさらされていた場合に表示される。高温環境が測定自体に影響する可能性があるため、この機能によって色の測定の信頼性がこれまで以上に高まる。

 測定データはワイファイを介してワークステーションに容易に送信できることから、ペインターは、車の入庫後すぐに、顧客の前で色測定が行える。また、データベースに保存されたジョブを分光光度計にアップロードし、分光光度計で処理することも可能。

 ワークステーションでは、最新ソフトウェアのカラー・エクスプローラーとショップ・マスターを使い、測定されたデータを既存のカラーデータベースと比較。測定した色にできるだけ正確に一致するよう、色の調整ができる。

 新たに開発されたアルゴリズムは、ターゲット色に合わせた補正に役立つ。エキスパートビューでは、色をスペクトルカーブの形式で表示できる。デバイスの電源を入れるたびに、キャリブレーションが自動的に実行されるなど、装置のメンテナンスと信頼性も向上した。

 手動キャリブレーションは、月1回だけ行う。バッテリーの再充電も以前より速くなった。デバイスが破損した場合は、保証サービスが適用されるため、迅速な交換が可能だ。

 

積水化学 ZEH供給率で目標を大幅に上回る7割達成

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2019年6月4日

 積水化学工業の住宅カンパニーはこのほど、2018年度の新築戸建て住宅のZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)供給率が、北海道を除き73%となり、自社目標の55%を大幅に上回ったと発表した。

 2017年度に鉄骨系商品2階建て商品と3階建て商品で、順次国が定めるZEHの強化外皮基準を標準で満たせるように外皮性能を強化した。これにより、大幅にZEH供給率を伸長させることができた。

 鉄骨系商品のZEH対応仕様として、「高断熱アルミ樹脂複合サッシ」を採用したほか、基礎と天井の断熱に寒冷地エリアの断熱仕様を一般地で標準化した。

 また、太陽光発電(PV)のパネル1枚当たりの発電効率を向上させ、これまで難しかった小規模住宅の顧客にもZEHの対応範囲を拡大。

 さらに、今年1月には木質系商品について、矩形の屋根パターンのみに限られていた片流れ屋根のバリエーションを拡充し、大容量PVの搭載を可能にした。これにより木質系の小規模住宅や積雪地でも、ZEH仕様の提案が可能になった。

 同社はZEHの推進だけでなく、大容量のPVと大容量蓄電池を搭載した「エネルギー自給自足型住宅」を推進している。

 ZEHは家電や調理の消費エネルギー量を除いたエネルギー収支ゼロを目指しているが、同社のエネルギー自給自足型住宅は、実際の生活で使う消費エネルギー量の全てを含め、エネルギー収支ゼロを目指している。

 同社では環境に優しく、経済性と災害時の安心を両立させた住宅をより多くの顧客に提供するため、今後も同住宅の開発・普及に取り組む。

 なお、今年度の同住宅の自社目標は、現在の目標値である60%を、20ポイント以上上回ることを目指す。

三井化学 子会社2社が日化協から「安全優秀賞」を受賞

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2019年6月4日

 三井化学はこのほど、100%子会社の三井化学東セロと三井化学アグロが、日本化学工業協会(日化協)から「安全優秀賞」を受賞し、24日に表彰を受けたと発表した。

 三井化学は「安全はすべてに優先する」との経営方針のもと、安全活動を国内外の関係会社へ展開している。今回の受賞は、製造・研究開発に従事する従業員が全員参加で、安全意識向上・安全活動に取り組んだ結果、無災害を継続していることが評価されたもの。

 三井化学東セロ安城工場(愛知県安城市)では、無災害記録時間が239万時間、無災害年数21年を継続中。一方、三井化学アグロ農業化学研究所野洲地区(滋賀県野洲市)は、無災害記録時間が305万時間、無災害年数18年を継続中である。

 三井化学グループでは、今後もグループを挙げて安全活動を実施し、化学産業への持続的発展と社会に貢献していく。

昭和電工 日化協の安全最優秀賞を小山事業所が受賞

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2019年6月4日

 昭和電工は3日、小山事業所が日本化学工業協会による安全表彰において安全最優秀賞に選定されたと発表した。同賞は、化学業界での自主的な保安・安全衛生の推進の一環として、優れた安全活動を実施し模範となる事業所を表彰する制度。

 同事業所は、「安全操業は社会貢献企業を目指す当社の最重要テーマ」であることを基本理念に掲げ、事業所で働く全員が協力して安全衛生活動を推進。

 設備の本質安全化による潜在リスクの低減、危険体感訓練とその後のフォローによるPDCAを回し安全人間づくりの活動に取り組んでいる。

 この結果、無災害記録900万時間、無災害年数7年を継続。設備と人の安全操業両面から企業風土、安全文化を確立している点が評価され、今回の受賞に至った。

 また、昭和電工の100%子会社である昭和ファインセラミックスは、安全優秀(特別)賞を受賞。ヒヤリハット、リスクアセスメント、危険予知の3つの基本となる活動に実直に取り組み、無災害記録205万時間、無災害年数27年を継続している。

 同社グループは安全とコンプライアンスを基盤とし、経済的価値・社会的価値を創造することによる持続可能な社会への貢献を目指している。今後もグループ一丸となり安全に対するさらなる意識向上と活動の充実を図っていく。

住友化学 温暖化対策ランキングの化学業種で1位を獲得

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2019年6月3日

 住友化学は30日、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が実施した「企業の温暖化対策ランキング」第10弾「素材産業①」編で、日本の化学企業37社の中で第1位に選定されたと発表した。

 WWFは世界約100カ国で活動している地球環境保全団体。日本支部のWWFジャパンは、日本企業による温暖化対策を後押しすることを目的に、各企業の取り組みを同一指標で業種横断的に評価する「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトを、2014年から実施している。

 このほど発表された「素材産業①」編で、同社はパリ協定に沿った長期的なビジョンを掲げた上で気候科学に基づく目標を設定し、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」による認定を取得していることなどが高く評価され、第1位となった。

 同社は気候変動問題を社会が直面する最重要課題の1つと捉え、その解決に向け、総合化学企業として培ってきた技術力を生かし、温室効果ガス削減などに積極的に取り組んでいる。

 環境負荷低減に資する同社グループの製品や技術を「スミカ・サステナブル・ソリューション」として認定する制度を、2016年から実施しているほか、2017年には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)がまとめた「気候変動に関する情報開示を促進する提言」をいち早く支持した。

 同社グループは「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、引き続きグループ一丸となって、気候変動問題をはじめとする社会課題の解決に取り組んでいく。

三井化学 タイでPPを増強、自動車軽量化ニーズに対応

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2019年6月3日

 三井化学は31日、ポリプロピレン(PP)コンパウンドのグローバルでの需要拡大に対応するため、タイの合弁会社グランド・サイアム・コンポジッツで、生産設備を増設すると発表した。

 マプタプット工業地区に、年産1万3000tの設備を増設する。2020年5月に完工、6月に営業運転を開始する予定。

 同社グループは現在、世界8地域(日本・米国・メキシコ・欧州・タイ・中国・インド・ブラジル)に製造拠点を、5地域(日本・米国・欧州・タイ・中国)に研究拠点を持ち、自動車の軽量化に貢献する高品質なPPコンパウンドの生産・販売・研究体制を強化している。

 現在、環境規制の強化による自動車の軽量化ニーズが世界中で高まっており、ニーズに合致したPPコンパウンドを使用した、バンパーやインパネ材などの需要が年々増加している。

 今回の増強により、拡大するアジア市場での供給力を強化するとともに、グローバルな供給体制を拡大し、アジア拠点の自動車メーカーと部品メーカーに対し、高品質な製品を安定的に提供する。

 同社グループは、世界的に拡大する需要を的確にとらえ、重点分野の1つであるモビリティ事業のさらなる事業拡大を進めていく。