クラレ タイ法人などとブタジエン誘導品への投資を決定

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2018年12月27日

 クラレは26日、タイでのブタジエン誘導品生産プラント建設に関して投資決定を行ったと発表した。同社はタイ・PTTグローバルケミカル社、住友商事とともに、2016年9からタイでのブタジエン誘導品の製造販売事業について詳細事業化調査(フィージビリティ・スタディ)を実施してきた。

 今回の投資は、3社が出資した合弁会社、クラレGCアドバンスト・マテリアルズを通じ、タイのラヨン県マプタプット、石油化学コンプレックス内のヘマラ・イースタン工業団地に新プラントを建設するもの。

 投資内容は、高耐熱性ポリアミド樹脂・PA9T(生産能力1万3000t/年)、水素添加スチレン系エラストマー・HSBC(同1万6000t/年)。クラレは今回の発表に合わせ、同プラントに隣接を予定するイソブチレン誘導品・MPD(3-メチル-1,5-ペンタンジオール)生産設備の建設も決定した。生産能力は5000t/年。いずれの設備も2021年末の完工を目指す。

 クラレの投資額は、3設備で約400億円。なお、各製品の製造販売は、PA9TとHSBCはクラレGCアドバンスト・マテリアルズが行い、MPDはクラレ100%子会社のクラレ・アドバンスト・ケミカルズ(タイ)が行う予定。

三菱ケミカル 四日市事業所でLIB向け電解液プラントを能増

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2018年12月27日

 三菱ケミカルは26日、四日市事業所(三重県四日市市)のリチウムイオン二次電池(LIB)向け電解液の生産能力を増強すると発表した。

 来年1月に着工し、2020年12月末の完工を予定。現在の1万1000t/年から1万6000t/年に増強する(リチウム一次電池向け、電解コンデンサー向け電解液の生産能力を除いた数値)。

 旺盛な需要に対応するため、製造ラインのデボトルネッキングや製品出荷・輸送の効率化製品検査工程でのデジタル化投資などで、5000t/年の能力増強を実施。さらに今回の投資により、安全・品質管理レベルの一層の向上を図る。

 国内外で電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)の市場は急速な拡大を見せている。日本国内では、すでに乗用車の総販売台数の約25%が電動化されており、今後も着実にこの傾向が進むと見込まれる。

 同社のLIB向け電解液は、低温環境下でも高い出力性を保ち、添加剤の技術によって電極での副反応を抑える。耐久性に優れ安全性も高いことから、日米欧を中心とする市場の車載用電池向けに多くの採用実績がある。

 同社は今後も、グローバルに生産販売体制を強化し、車載用LIB向け電解液のリーディングカンパニーとして業界をけん引していく考えだ。

JXTGネルギー 「未来創生2号ファンド」に出資

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2018年12月26日

 JXTGエネルギーはこのほど、ベンチャーキャピタルのスパークス・グループによる「未来創生2号ファンド」に出資することを決定したと発表した。

 「未来創生ファンド」はスパークスを運営者とし、トヨタ自動車と三井住友銀行を加えた3社の出資で、2015年11月から運用を開始。AI・ロボット・水素の分野で、革新的な技術を持つ有望ベンチャー企業を多数発掘してきた。

 JXTGエネルギーが出資する未来創生2号ファンドは、この3分野に「電動化」と「新素材」を新たな投資対象に加え、今年8月から運用を開始している。

 自動車産業にはCASEと呼ばれるコネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化の4つの変革の波が押し寄せており、これまで以上に革新的な技術やビジネスモデルが誕生するなど、新規事業創出の可能性が広がっている。

 未来創生2号ファンドの投資対象には、自動車産業に関連する新技術をもつベンチャー企業も含まれている。このため、同社はファンドに出資することで、モビリティ関連の新技術や市場動向など、広範な情報をタイムリーに入手することが可能となり、事業戦略への活用と新規事業の早期創出につながると判断した。

 同社は、JXTGグループの行動基準の1つである「価値ある商品・サービスの提供」の下、今後も国内外のベンチャー企業との連携を図り、革新的な技術と有用な商品・サービスの開発・提供を通じて、国内外の社会課題の解決に貢献し、顧客の満足と信頼獲得に努めていくとしている。

BASF 未来型コンセプトカーを中国企業と共同開発

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2018年12月26日

 BASFはこのほど、中国・広州汽車工業集団の研究開発センター(GAC R&D Center)と共同開発した、2人乗り電気自動車(EV)のコンセプトカー3台を初公開した。同社が中国の自動車メーカーと協力して、コンセプトカーを開発したのは今回が初めて。

BASFとGACのコンセプトカー
BASFとGACのコンセプトカー

同コンセプトカーは、中国のドライバーの多様なニーズに応える未来的デザインを取り入れて、GAC R&D Centerが設計し、BASFが素材とデザインに関する用途開発の促進やアイデアを提供したもの。先月に行われた広州国際モーターショー2018で発表された。

 開発にあたっては、BASFのデザインプラットフォーム「デザインファブリーク」が高度な試作をサポート。総合的な空気清浄ソリューションからシートファブリック、ボディパネルやEVのバッテリーパックに使用される素材まで、同社の革新的なソリューションが、アイデアをソリューションへと転換した。

 また、両社が共同開発した車体用の外装塗料が、各コンセプトカーのユニークな個性を際立たせている。3台のコンセプトカーの特徴と、使用したBASFの素材・ソリューションは以下の通り。

 ①「2US」:シニアドライバー用に設計。乗降車が容易な回転式のシートベースが特徴。「ウルトラミッド・アドバンストN」で作られたプラスチック製のギアにより、水平方向に九十度回転するシートの操作がスムーズに行える。

 ②「2U」:個性的なスタイルを求める女性向けに設計。「ウルトラミッド・ビジョン」で作られた半透明のトリム部品を使ったユニークなシートデザインなど、様々な可能性を秘めた車。助手席シートに施した毛皮のような表面は、「Adsint TPU」3Dプリントソリューションで実現した。

 ③「2ALL」:操作の容易さやメンテナンス費用の低減など、カーシェアリング特有のニーズに対応するデザイン要素を複数備える。例えば、「エラストランHPM」で作られたフロントバンパーは耐傷性に優れ、熱可塑性ポリウレタン発泡粒子「インフィナジー」で作られたシートの背もたれや底面のクッションは、快適性と堅牢性を併せ持つ。

クラレ EVAエマルジョン事業からの撤退を決定

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2018年12月26日

 クラレは25日、エチレン・酢酸ビニル共重合(EVA)エマルジョン「パンフレックス」事業から撤退することを決定したと発表した。

 同社はEVAエマルジョン事業を継続するにあたり、製品コストの低減や高付加価値品の拡販により、採算改善に注力してきた。しかし、厳しい市場環境が続く中、今後も事業継続可能な収益を確保していくのは困難と判断した。

 同製品は、2020年6月末日で生産を終了し、同年9月末日で販売を終了する予定としている。

東ソー 「研究・技術報告」最新刊を発刊しHPでも公開

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2018年12月25日

 東ソーはこのほど、最新の研究開発成果を紹介する「東ソー研究・技術報告」第62巻を発刊した。

 有機合成化学協会の企業冠賞「東ソー・環境エネルギー賞」を受賞した京都大学の藤田健一教授、ゼオライト研究の権威である広島大学の佐野庸治教授が寄稿した総合報文(2編)のほか、研究開発部門による報文(11編)、技術資料(6編)を収録している。

 また、同社は研究開発を行うにあたり、持続可能な開発目標(SDGs)の考え方を取り入れ、サステナブルな社会を目指し開発を進めている。報文・技術資料の製品・開発品がSDGsのどのゴールを目指しているかを分かりやすく整理すると同時に、ロゴを付与した。

 主な収録タイトルは巻頭言「世界一革新的な研究・技術開発力の創出に向けて」(田代克志専務執行役員)、総合報文「有機分子の触媒的脱水素化を基軸とする効率的有機合成ならびに水素貯蔵・水素製造」(藤田教授)、「ゼオライト水熱転換法による高耐久性ゼオライトの合成およびNH3‐SCR触媒への応用」(佐野教授)、報文「新規卵巣明細胞癌マーカーTFPI2の臨床的有用性」「非天然型立体構造抗体検出技術の開発」「エチレンのオキシ塩素化触媒における劣化要因の解析と寿命予測への利用」など。

 同誌は1957年の創刊以来、同社グループの研究所や技術センターなどの研究開発部門によるテクニカルレポートとして、報文や技術資料、投稿論文要旨、講演リスト、特許情報、製品紹介など多岐にわたる内容を掲載してきた。

 最新巻とバックナンバーは、同社のホームページで閲覧することができる。

 

JXTGホールディングス 関係会社2社が吸収合併

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2018年12月25日

 JXTGホールディングスはこのほど、JXエンジニアリング(横浜市中区)と新興プランテック(横浜市磯子区)の経営統合について、最終的な合意に達したと発表した。

 同社が主要株主の新興プランテックを吸収合併存続会社、子会社のJXエンジニアリングを吸収合併消滅会社とする吸収合併により、両社を経営統合する。

 JXエンジニアリングの普通株式をもつ株主には、同社の普通株式一株に対し、新興プランテックの普通株式9.2株を割り当てる。合併により交付する株式数は、794万1072株の予定。

 同日開催の各社の取締役会決議に基づき、3社間で経営統合契約を、JXエンジニアリングと新興プランテックとの間で吸収合併契約をそれぞれ締結した。

 新会社は7月1日に発足する予定で、名称は「レイズネクスト」。本社は新興プランテックの所在地とし、社長には同社の吉川善治社長が就任する予定。

 統合新会社は経営統合後、JXエンジニアリングの技術力と新興プランテックの営業チャンネル、施工管理能力、協力会社ネットワークを統合することによる競争力の向上などを通じて、事業規模の拡大とスケールメリットによる利益率の改善を図る。これにより、2025年3月までの累計で、統合効果として売上高200億円以上、経常利益20億円以上の実現を目指す。

 3社は9月28日に「経営統合に関する基本合意書」を締結し、協議を進めてきた。今後はJXエンジニアリングと新興プランテックの臨時株主総会での承認と、関係当局からの許認可の取得を経て、経営統合となる。

 なお、同日付のプレスリリースでは、統合期日(効力発生日)を2019年4月1日の予定としていたが、統合に向けた準備期間を確保することが望ましいと判断し、各社の取締役会の決議によって、同年7月1日になった。

三菱ケミカル 子会社2社を合併し樹脂加工の事業基盤を強化

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2018年12月25日

 三菱ケミカルはこのほど、グループ会社の油化電子(東京都中央区)とダイアモールディング(滋賀県長浜市)が来年4月1日付で合併し、「MCCアドバンスドモールディングス」として発足すると発表した。合併後の本社は油化電子の所在地とする。

 油化電子はカーボンナノチューブ応用部品などの精密電子機構部品、歯科・医療検査容器などの成形部品、カラープリンター中間転写ベルトなどを含めた機能フィルム、LEDモジュールを中心とした光学部品など、幅広い事業を展開している。

 一方、ダイアモールディングは自動車・車載分野と家電分野で、射出成形部品を金型開発から成形・塗装・組み立てまで一貫した生産体制のもと、加飾技術を強みとして高品質な製品を製造している。

 両社の事業を統合することで、油化電子の強みである高分子複合技術・精密加工技術・高機能化技術に、ダイアモールディングが強みとする製造管理技術・加飾技術を融合し、プラスチック加工業界で確固たる地位を確立する。

 さらに顧客の要望に応えるソリューションを提供し、三菱ケミカルグループのフォーカスマーケットであるモビリティやメディカルなどの分野で、付加価値の高い製品を中心に事業基盤のさらなる強化を図る。

 

積水化学 東京工場跡地で進めるまちづくりの名称を決定

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2018年12月25日

 積水化学工業は21日、同社の東京工場跡地(埼玉県朝霞市)で進めるまちづくりについて、まち全体の名称を「あさかリードタウン」、戸建て街区を「スマートハイムシティ朝霞」に決定したと発表した。

 同社は今年5月に、「SEKISUI Safe & Sound Project」を公表し、住宅ブランド「セキスイハイム」による約130戸の戸建て住宅分譲、集合住宅、商業施設などからなるまちづくりに取り組んでいる。

 来年春に戸建て住宅の分譲を開始し、2020年度を目途に同まちづくり全体の完工・まちびらきを予定している。

 名称の「リードタウン(Leadtown」とは、「~へ導く」を意味する「Lead to」と「town」を掛け合わせた造語。地域や居住者の暮らしを今よりも一歩リードできる街を目指したいとの思いから、「あさかリードタウン」と命名した。

 また、「Lead」は、同まちづくりの4つの特長を表すキーワード「Leaf:緑と暮らせるまち」「enjoy:愉しく過ごせるまち」「always:いつまでも安心を目指すまち」「days:毎日守られたまち」の頭文字でもある。

 朝霞市は第5次朝霞市総合計画で、「自然・環境に恵まれたまち」「子育てがしやすいまち」「安心・安全なまち」「つながりのある元気なまち」という4つの基本概念を掲げている。

 積水化学は、4つのキーワードにそって、緑被率25%以上の確保、3つの公園を設置、大型商業施設を誘致、保育所の設置、災害に強い地下インフラの整備、タウン&ホームセキュリティへのIoT先端技術導入などを行い、朝霞市の基本概念の実現を目指す。

 なお、今回の発表に合わせ、「あさかリードタウン」専用ウェブサイト(http://www.bunjou816.jp/file/asaka/)の公開をはじめた。

 

川崎重工 旋回式スラスタの累計生産が1000台を達成

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2018年12月21日

 川崎重工はこのほど、船舶用推進装置である「川崎レックスペラ」の累計生産が1000台を達成したと発表した。

 川崎レックスペラは、型式がKST‐180ZF/A1(標準シリーズ)、駆動動力1471kW、プロペラ径2.2m、水平方向が360度で、任意の方向に推進力を得られる全旋回式推進機であり、推進機・舵の機能を備えている。高い操船性を得られることから、主にタグボートやサプライボート、特殊作業船、自己昇降式作業台船(SEP船)などに採用されている。

 同社は1975年に川崎レックスペラの開発に着手し、1983年に生産を神戸工場で開始した。

 その後、市場要求に応えるためラインアップを拡大し、現在、標準シリーズは11型式(410~4500kW)、水中交換式は4型式(3800~6500kW)、昇降式は5型式(590~3000kW)を生産している。

 2013年1月に播磨工場内に専用工場を立ち上げ、生産能力を強化した。2018年には、推進性能の向上による省エネ化、船内でのメンテナンス性の容易化、優れた環境性能という特長をもつ最新モデルのKSR‐E型(標準シリーズ)を開発し、初受注している。

 同社は、今後も顧客の多種多様なニーズに応えていくため、経済的で信頼性に優れた川崎レックスペラの開発・生産を通じて、世界の海運・海洋事業に貢献していく考えだ。