BASF ヘキサンジオールの生産能力を50%以上増強

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2018年9月14日

 BASFはこのほど、ドイツ・ルートヴィッヒスハーフェンのフェアブント拠点(統合生産拠点)で、1,6‐ヘキサンジオール(HDO)の生産能力を50%以上増強すると発表した。

 これにより、2021年の稼働開始以降は同拠点と米国・テキサス州フリーポートの製造拠点を併せて、HDOの最大年産能力が7万t以上になる見込み。

 HDOは、最終製品に耐加水分解性や柔軟性、粘着性、耐候性を与えることで、多くの用途で付加価値を生み出す。自動車産業をはじめ、木材・皮革のコーティング、ポリウレタン樹脂、接着剤、化粧品などの生産に使用されている。

 近年では、エポキシ樹脂システムを形成する際に必要な反応性希釈剤の製造にも使用され、最新の風力発電設備に使われるローターブレードなどを効率的に製造する上でも役立っている。

 同社の欧州での中間体事業を担当するミカエル・ブリット=シニア・バイスプレジデントは「今回の投資により、BASFはこれまで以上に柔軟性と信頼性をもって顧客に提供することができる。ルートヴィッヒスハーフェンの生産能力増強で得られる増産分により、主に欧州の強固な顧客基盤に貢献していくとともに、急成長を続けるアジア市場へも対応していく」とコメントしている。

三菱ケミカル 成都に機能性樹脂製品の新製造拠点

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2018年9月13日

 三菱ケミカルは12日、中国・四川省の省都である成都市に、機能性樹脂製品の新たな製造拠点を設置すると発表した。

 8月に現地法人の菱化功能塑料(成都)を設立。自動車内装表皮などに適した、スラッシュ成形用PVCコンパウンドの生産を来春開始する予定だ。

  三菱ケミカルは現在、中国の沿岸部に位置する江蘇省・蘇州市と常熟市の2カ所に機能性樹脂の製造拠点を保有。自動車や電線、建材など多岐にわたる用途向けに、PVCコンパウンド(スラッシュ成形用を含む)、熱可塑性エラストマー、フィルム接着層用ポリオレフィン材料などを生産している。

 中国の自動車向け機能性樹脂市場は堅調に拡大し、中でも意匠性や質感に優れるPVCコンパウンドは、自動車内装向けに今後高い需要の伸びが期待されている。成都市は自動車向け部材などの製造拠点の集積が進んでおり、同市に新たな機能性樹脂製造拠点を設けることで、旺盛な需要の取り込みを狙う。

 また将来的には、同様に需要の伸びが予想される、食品・医療・光学分野向け製品の生産も検討していく予定だ。

 

JSRトレーディング ハノイの現地法人が営業開始

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2018年9月13日

 JSRは12日、連結子会社であるJSRトレーディングが、ベトナムの首都ハノイに現地法人「JSR Trading Vietnam」を設立し、営業を開始したと発表した。

 経済成長著しいベトナムでは、今後、自動車関連企業の進出による石油化学関連の産業発展が期待されている。

 JSRトレーディングでは以前から、金属容器事業の販売・調達先としてのビジネスの基盤作りに努めてきた。

 今回のベトナム現地法人設立により、自動車部品市場の興隆を見据えた販売強化と、金属容器事業を中心とした現地ビジネスの一層の強化を図っていく考えだ。

JXTGエネルギー オリンピックデーラン新潟大会に出展

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2018年9月13日

 JXTGエネルギーはこのほど、新潟市で22日に開催される、「2018オリンピックデーラン新潟大会」に「ENEOSブース」を出展すると発表した。

 日本オリンピック委員会(JOC)が主催するランニングイベント「オリンピックデーラン」は、国際オリンピック委員会が定めるオリンピックデー(6月23日)を記念して、1987年から毎年全国で開催されている。

 同イベントは、参加者がオリンピアンやパラリンピアンとともに、MOVE(体を動かす)、LEARN(学ぶ)、DISCOVER(発見する)の3つの要素を持つ様々なプログラムに取り組むことにより、オリンピックやスポーツの楽しさに親しむと同時に、オリンピズムやオリンピックバリューに触れることが目的。

 オリンピズムとはスポーツを通じて心身を向上させ、さらには文化・国籍など様々な差異を超え、友情・連帯感・フェアプレーの精神で理解し合うことで、平和でよりよい世界の実現に貢献すること。オリンピックバリューとは、「エクセレンス(卓越性)」「フレンドシップ(友情)」「リスペクト(敬意)」といったオリンピックの価値のことである。

 今年はすでに3回開催され、延べ9684人が参加した。4回目となる「新潟大会」では、オリンピアンとのジョギングに加え、陸上競技やテコンドーなどのオリンピック実施競技体験コーナー、サッカードリブル競走、バレーボールレシーブでオリンピアンと対戦する企画などが実施される。

 また、同社キャラクターのエネゴリくんも登場し、JOCと一体となって「2018オリンピックデーラン」を盛り上げていく。会場内に設置した「ENEOSブース」では、オリジナルグッズやフォトスポットを用意する。

 同社は東京2020ゴールドパートナー(石油・ガス・電気供給)として、「ENERGY for ALL」を合言葉に、すべての人に「熱いエネルギー」を届ける様々な活動を展開し、東京2020大会の成功に貢献していく。

クラレ イソプレン事業で売上1000億円超を目指す

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2018年9月12日

 クラレはイソプレンカンパニー事業で、タイ新工場がフル操業になる2026年に、1000億円超の売上を目指す。11日に開催した定例会見で、同工場の概要と、同カンパニーの注力製品である耐熱性ポリアミド樹脂「ジェネスタ」の事業展開を説明した。

タイ新工場への期待を述べる伊藤社長
タイ新工場への期待を述べる伊藤社長

 同工場では、タイの石油化学メーカーであるPTTGC社・住友商事との合弁により、ジェネスタを年産1万3000t、「セプトン」を同1万6000t、クラレ単独でイソプレン誘導品のMPDを同5000t生産する。

 イソプレンカンパニー長兼エラストマー事業部長の阿部憲一取締役常務執行役員は、同工場建設の背景として、各製品の市場が拡大し販売量も伸長していることから、2020年近傍には現有の生産設備がほぼフル稼働になる見込みであることを挙げた。

 また、国内ナフサクラッカーの減少により、国内で原料のブタジエンとイソブチレン調達を増やすことが困難なこと、ジェネスタを生産しているのは世界で1社だけなので、顧客から2拠点での生産を求められていたことも、海外で生産を決めた理由として挙げた。

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JXTGエネルギー 「ENEOSヴィーゴ」の販売を9月で終了

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2018年9月12日

 JXTGエネルギーはこのほど、ハイオクガソリン「ENEOSヴィーゴ」の販売を、9月末で終了することを決定したと発表した。10月1日から、ENEOSのSSでは「ENEOSハイオクガソリン」を販売する。

 同社はエンジンの吸気弁やインジェクターの清浄性能を持つ、オリジナル商品ENEOSヴィーゴを、製油所・油槽所に専用タンクを配備するなど独自の供給体制を構築し、2002年から販売してきた。

 しかし、物流環境が大きく変化しており、現状の体制でENEOSヴィーゴの安定供給を継続することは困難であると判断し、販売を終了することにした。

 どちらの製品もサルファーフリー保証であるが、ENEOSヴィーゴがエンジン吸気弁やインジェクターに付着した汚れを徐々に削減するのに対し、ENEOSハイオクガソリンはエンジン吸気弁に新たな汚れが付着することを防ぐという、性能の違いがある。

JXTGエネルギー 川崎製油所と川崎製造所の組織を統合

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2018年9月11日

 JXTGエネルギーはこのほど、川崎市川崎区で石油・石油化学製品を生産・製造する川崎製油所と川崎製造所の組織を来年4月1日に統合し、事業所名を「川崎製油所」とすることを決定したと発表した。

 国内石油製品の構造的な需要減退やアジアを中心とした国際競争が激化するなど、石油業界を取り巻く環境が一層厳しさを増している。

 同社は昨年4月のJXエネルギーと東燃ゼネラル石油との経営統合により、国内16カ所に製油所・製造所を保有して以来、川崎地区においては独立した2つの組織を維持しながら、統合シナジーを追求してきた。

 こうした中、さらなる効率運営、安全・安定操業の高い次元での実現に向け、川崎製油所と川崎製造所の組織を統合することを決定。これにより、石油精製・石油化学が高度に連携・垂直統合された川崎製油所は京浜臨海地区の一大生産拠点となる。

 同社は今回の組織統合により、中期経営計画で掲げている50億円の統合シナジー効果の実現に向けた取り組みを加速させ、同所の国際競争力強化を推進していく方針だ。

 なお、統合後の主な精製・製造能力は、原油処理能力:日量23万5000バレル、エチレン製造能力:年産99万t、プロピレン製造能力:同69万4000t、パラキシレン製造能力:同35万tとなる。

東洋紡 敦賀事業所の火災が鎮火

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2018年9月11日

 東洋紡は10日、敦賀事業所第二で今月6日に発生した火災について、7日に公設消防から鎮火宣言が出されたと発表した。

 現時点での物的被害では、エアバッグ用原糸や「ブレスエアー」、衣料用ナイロンなどを製造する設備が被災し、約2万6000㎡が焼失した模様。

 事業所外への影響については調査中だが、福井県のモニタリングによれば、工場の敷地境界では、大気汚染に係る物質は環境基準以下となっている。また、火災事故の原因や製品出荷への影響についても調査中としている。

帝人フロンティア 「プルミエール・ヴィジョン」に出展

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2018年9月11日

 帝人フロンティアは10日、フランスのパリで19~21日に開催される、世界最大規模のファッション素材見本市「プルミエール・ヴィジョン」に出展すると発表した。

 同展示会は年2回開催されており、今回は57カ国から1964社が出展予定。約6万人の来場が見込まれている。同社として7回目の出展となる今回は、「ソロテックス」と「デルタピーク」を中心としたエコフレンドリーな素材群と、今回の展示会テーマである「日常における機能ファブリック」に沿った、秋冬向けファッション素材を展示する。

 ソロテックスはバネ状の分子構造により、ソフトな新感触、快適なストレッチ性、独特な風合いをベースとしたしなやかさを兼ね備え、形態回復性、寸法安定性、発色性に優れるポリトリメチレンテレフタレート(PTT)繊維。

 今回の出展では、形状記憶素材「ソロテックス サイネックス」やウール調素材「ソロテックス フルフラン」など、様々なソロテックスのバリエーションを紹介するとともに、バイオ由来成分を含むことから、環境負荷を抑えたエコフレンドリーな素材としても提案する。

 一方、デルタピークは物性・機能・品位の高次元融合を実現した次世代型ファブリック。緻密でフラットな特殊構造により、多くの機能性を併せ持つことが高く評価されており、グローバルスポーツアパレルなどに幅広く採用されている。

 今回の出展では、軽量嵩高性とソフトな風合いを兼ね備えた特殊四層構造素材「デルタ フリーモ」や、生地表面に優れた撥水機能、裏面に吸水機能を併せ持つ次世代快適スウエット素材「フリーモ PRO」など、アスレジャーからカジュアルまで、ライフスタイルに合わせたパフォーマンスファッション素材を提案する。

 同社では今回の出展を通じて、欧州を中心とする新規顧客の開拓や素材の認知度向上を図るとともに、テイジンブランドの存在感をより一層高めていく考えだ。

三菱ケミカル カーボンクラッドロールが未来技術遺産に

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2018年9月11日

 三菱ケミカルとサンレイ工機(千葉県白井市)はこのほど、共同で2012年に製造したカーボンクラッドロール(製品名「カーボリーダー」)が、国立科学博物館が選定する「未来技術遺産」に登録されたと発表した。

 同製品は三菱ケミカルのピッチ系炭素繊維素材を用いた、直径350mm×長さ9200mmの世界最長のフィルム製造用ロールで、長尺のカーボンロールとしては世界で初めてサンレイが製造した。

 鉄やアルミなど従来の金属材料を使ったロールは、その重さからロール自体がたわみ、高速回転時に発生する振動などが避けられず、フィルム製品のしわや傷が発生する要因となっていた。

 一方、三菱ケミカルのカーボンクラッドロールは、軽量でロールの真円度・円筒度が高く、ロール自体の重さのバランスも高い精度で保たれているため、ロールのたわみが少なく、振動が抑えられ、フィルムの品質向上・生産性向上コスト低減に貢献できる。

 未来技術遺産は日本で「科学技術の発達上重要な成果を示し、次世代に継承していくうえで重要な意義を持つ科学技術史資料」と「国民生活、経済、社会、文化の在り方に顕著な影響を与えた科学技術史資料」の保存を図るとともに、科学技術を担ってきた先人たちの経験を次世代に継承していくことを目的に、国立科学博物館が実施している登録制度。2008年から毎年実施され、これまでに二百四十件の資料が登録されている。

 今年は新たに19件が登録された。通常、未来技術遺産は製造から十年以上経過されたものが選出されるが、三菱ケミカルのカーボンロールは、登録されている全259件の中で最も新しいものになる。