トクヤマ 中計進捗順調、昨年度ROA9.5%

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2019年5月17日

 トクヤマは、決算会見において中期経営計画(2016~2020年度)の進捗について説明した。横田浩社長は「中計5年計画の3年が経過した。経営指標としてROA(総資産利益率)10%を目指しているが、昨年度は9.5%まで上昇してきた」とし、総資産回転率が目標値を若干下回っているものの、売上高営業利益率は目標値を上回っており、進捗は順調だとした。

 D/Eレシオについても、0.8倍と目標値1.0倍を下回り目標水準を達成している。3年間の営業利益増減では、「原燃料コストの増加があったものの、TMSB(トクヤママレーシア)の譲渡に加え、増販や価格是正、また徳山製造所のコストダウンにより、2016年度から利益は大幅に改善した」との見方を示した。

 次に、重点課題の成果と施策について説明。組織風土の改革では、「当社にとって最も大きなポイントだが、まだ道半ばだ」とし、今後も社外人材の積極登用や、「残業ゼロ」といった働き方改革に注力していく。事業戦略の再構築では、AI・IoTの活用による業務やプラント運営の効率化に取り組み、発電所の燃焼効率最適化などを図る。今後の課題として、データ解析ができる人材の育成を工場内で展開していくことを挙げた。

 続いて、成長事業の取り組みを説明。ICT関連製品では、半導体ウェハ用原料、フォトレジスト用現像液、半導体精密洗浄、CMP用原料、放熱材などについて戦略を示した。ヘルスケア関連事業では、これまで医薬品原薬・中間体や医療診断、眼鏡関連材料に注力してきたが、「創薬分野に進出する。大学との共同研究により有機合成の新しいプロセスを開発しており、創薬の大幅なコストダウンに貢献できる」と明らかにした。

 このほかにも、病気を治すという観点に加え、病気になりにくい体づくりのため「保つ・防ぐ」分野に開発のパワーを注いでおり、人だけでなく、家畜やペットへの品揃えを進めている。また、歯科材料では2月に北米で新製品の大々的なキャンペーンを打ち、製品が不足していることから大増産を計画。

 横田社長は「ヘルスケア関連製品はラインアップが充実してきた。2018年度の売上高は230億円だったが、2025年度には550億円以上を目指していきたい」との意気込みを示した。

 一方、セメントや化成品などの伝統事業の取り組みでは、徳山事業所の競争力強化に力を注ぐ。市場の伸びが期待できない中、収益を上げていくためコスト削減を図っており、最終年度の目標値40億円に対し昨年度は37億円を達成した。

 今年度については、「計画を前倒しで達成してきたが45億円を目指す。最終的には50億円にしていきたい」とし、さらなる上積みを図っていく方針だ。

 

JNC CPフィルター設備を守山に増設、1.5倍能増

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2019年5月16日

 JNCは15日、子会社のJNCフィルター守山事業所に「CLEAL」CPフィルター生産設備を増設すると発表した。

 JNCフィルターは日本国内、欧米でのおう盛な需要増に対応するために、守山事業所のCPフィルター工場に新たに1ラインを増設する。

 工事着工は今年8月、運転開始は来年6月を予定。同工場では現在、2ラインが稼働中だが、今回の新ライン増設により約1.5倍の生産能力となる。

 「CLEAL」CPフィルターは、塗料・インキや自動車塗装向けなどの産業用途、リチウムイオン電池、CMP材料などの電子材用途などに使用されている。

 同製品は、JNCファイバーズで製造しているポリプロピレン/ポリエチレン(PP/PE)の複合繊維で構成される不織布が主原料。

 PP/PE複合繊維は加熱により繊維同士が融着し、安定した三次元網目構造を形成する。この特徴により、ろ過中にフィルターの構造変化が起きにくく、ろ過圧が安定することから目詰まりしにくい性能で、塗料など比較的高粘度溶液のろ過に適したフィルターだ。

 CPフィルター工場で生産されるフィルターは、CPフィルター、CPHフィルター、GFフィルターの3種類で、新ラインでも3種類のフィルターを生産する。

 同社の強みである、ポリオレフィン、原綿、不織布、フィルターの一貫生産体制を生かし、日本国内をはじめ、さらなるグローバル展開を進めていく考えだ。

帝人 AMEDとフレイル創薬の委託研究開発契約を締結

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2019年5月15日

 帝人は14日、フレイル創薬に関し、日本医療研究開発機構(AMED)と委託研究開発契約を締結し、産官学連携の研究開発を本格的に開始したと発表した。AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)に申請していた「フレイルの予防薬・治療薬の研究開発」が、昨年10月に採択されたことを受けたもの。

 対象となる〝フレイル〟は、2014年に日本老年医学会が提唱した「加齢に伴う予備能力低下のため、ストレスに対する回復力が低下した状態」を表す概念で、要介護状態に至る前段階として位置づけられている。

 健康長寿社会の実現に向けて、積極的な介入が必要と考えられている一方で、現状では有効性の確立した医療用医薬品が存在していない。同社では世界初となるフレイルの予防薬・治療薬の開発に取り組んでいく考えだ。

 今後は、CiCLEの支援のもと、大阪大学大学院、東京大学、神戸医療産業都市推進機構、国立循環器病研究センター、オリエンタル酵母工業、島津製作所、Meiji Seikaファルマ、帝人ファーマと共同で、革新的な創薬開発を進めていく。

 日本は高齢化率が25%を超える超高齢社会を迎えており、2023年には2000万人以上が75歳以上の後期高齢者になると推定されている。また、健康寿命は平均寿命に比べて男性で約9年、女性で約12年も短く、その対策が課題となっている。

昭和電工 保湿機能を高めた新規の化粧品原料を開発

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2019年5月15日

 昭和電工は14日、新しい化粧品材料として糖誘導体「Moistol(モイストール)」を開発し、販売を開始すると発表した。

 同製品は、保湿効果が知られるイノシトールにオリゴ糖を付加したイノシトールオリゴ糖で、保湿効果を増強し機能性を高めたもの。十分な水溶性をもち、化粧水や美容液をはじめクリームやゲルにも配合できる。また、皮膚の細胞間脂質であるセラミドの産生を促進する働きがあり、角層のバリア機能を高め、水分ロス量を抑制する効果がある。

 「モイストール」を1%含む化粧水を8週間塗布する臨床試験を実施したところ、被験者の頬部の角層水分量の増加と水分ロスの抑制、肌荒れの改善が確認された。これらの保湿効果に加え、表皮細胞を用いた試験では、紫外線による炎症を抑制する効果や、PM2.5をはじめとする大気汚染により起こるダメージから保護する効果があることも分かり、イノシトールにはないアンチポリューション効果が期待されている。

 なお「モイストール」は、今月15~17日にパシフィコ横浜(横浜市西区みなとみらい)で開催される「化粧品産業技術展」(ブース番号:C7‐4)に出展を予定。

 同社は、中期経営計画「The TOP 2021」の中で、化粧品原料事業を含む機能性化学品事業を〝変わる〟事業ポートフォリオに位置づけ、積極的な事業拡大を図っている。今後も高機能化粧品原料を拡充し、ユーザーの期待に応えていく考えだ。

JSR LCD用新規配向膜を開発、低温焼成が可能に

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2019年5月14日

 JSRは13日、液晶ディスプレイ(LCD)の基幹材料である配向膜で、LCD製造での低温焼成を可能にするグレードを新規に開発し、販売を開始したと発表した。

 従来のLCD用配向膜は、ポリイミドやその前駆体が主な原料ポリマーだが、同配向膜の生産にはN‐メチルピロリドン(NMP)といった、高沸点・高極性の溶媒が必要だ。

 また、LCDを長時間駆動させる高い信頼性を実現するために、配向膜には化学的に安定した構造が求められ、顧客の生産ラインでは、200℃以上の高温焼成が必要となる。

 今回開発した原料は、化学的に安定した構造である有機多環化合物で構成されているため、同原料を使用した新規配向膜でのLCD生産プロセスで、低温焼成が可能になる。

 さらに、NMPではなく一般的な有機溶剤を用いても、溶解度が高く、良好な基板塗布性を実現することができる。

 同配向膜は、すでに一部顧客製造ラインでLCD生産適用可能との評価を得ており、150~200℃の低焼成温度で実用化できることが実証されたことで、今後、販売を拡大していく。

 次世代技術となる8K放送の普及に向けては、高精細・高輝度を実現する新たなLCDが必要で、今回開発した新規配向膜は、コスト・輝度・精細度で高性能なLCDの実現に寄与する。

 また、今回開発した原料ポリマーは、配向膜にとどまらず、層間絶縁膜やカラーフィルター用材料でも低温焼成実現に寄与するため、新規材料のプラットフォーム原料となる。

 今後、さまざまな新規材料を取り揃えて、それらを組み合わせることにより、LCDの高性能化を提案していくことで、LCD材料のさらなる高付加価値化も進めていく。

 なお、今回の新規配向膜と原料ポリマー開発では、同社が積極的に推進するデジタリゼーションに対応したデータ解析やシミュレーションを活用することにより、従来、顧客の生産ラインでの試作を繰り返さなければ発見できなかった課題を未然に解決することにより、研究開発のスピードアップにもつなげている。

 低温焼成を実現することで、LCDの製造工程で、電力消費が減少し、環境負荷低減に貢献することも期待される。

 

三菱ケミカル 生分解性プラスチック製ストローが採用

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2019年5月14日

 三菱ケミカルは13日、生分解性プラスチック「BioPBS」を用いたストローが、ワシントンホテルに採用されたと発表した。

 今月、ワシントンホテルのすべてのホテルや飲食店などの施設で、既存のストローから切り替えた。

 「BioPBS」は同社が開発して基本特許を持ち、同社とタイのPTTグローバル・ケミカル社が折半出資するPTT MCCバイオケムが製造する植物由来の生分解性プラスチック。自然界の微生物によって水とCO2に分解されるため、自然環境への負荷が少ないという特徴を持つ。

 ワシントンホテルは、マドラーのプラスチック製から木製への変更、客室へのアメニティ設置廃止など、プラスチックごみ削減活動に積極的に取り組んでいる。

 ワシントンホテルで年間約12万本使用するストローを、「BioPBS」を使ったストローに切り替えることで、さらなる石油由来プラスチックごみの削減を図る。

丸紅 ポルトガルの水道事業会社を完全子会社化

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2019年5月13日

 丸紅はこのほど、INCJ(旧産業革新機構)と共同で2014年に買収した、ポルトガルの水道事業会社であるAGS社について、INCJが保有する全株式を追加取得し、完全子会社化したと発表した。

 丸紅による海外水道事業の完全子会社化は、チリ水道事業会社に次ぎ2例目であり、欧州では初となる。

 AGS社はポルトガル最大手の水道事業会社の1つで、ポルトガルで19社、ブラジルで3社を傘下に持ち、約150万人に対し水道サービスを提供している。

 また、これら水道事業運営に加え、豊富なO&M(水道資産の運転管理、保守点検を行うサービス)案件の実績を生かし、無収水削減を含む水道資産管理サービスの提供、上下水道施設管理システム(アセットマネジメントシステム)の開発・販売にも取り組んでいる。

 2014年の買収以降、丸紅は、そのネットワークを活用した潜在顧客との橋渡しや、保有するチリやフィリピンの水道事業会社や、丸紅傘下水道事業会社との連携などを行ってきた。AGS社の事業が順調に進捗する中で、丸紅は水道事業への取り組みを一層強化するため、今回、完全子会社化に至った。

 丸紅はアジア、欧州、中南米、中東で、上下水道事業から水処理施設の建設工事請負、BOT、運転保守管理に至るまで、幅広い水事業を展開している。

 水不足やインフラ老朽化によるサービス水準の低下、資産更新コストの増大など、世界的に水に関する社会課題が多様化している状況下、今後も豊富な経験と保有資産のノウハウをベースに「水の総合サービスプロバイダー」として、顧客と共に水に関する社会課題を解決していく考えだ。

 

昭和電工 統合基幹業務システム刷新、来年1月から運用

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2019年5月13日

 昭和電工はこのほど、SAP SE社製の統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「SAP S/4HANA」を導入し、来年1月から運用を開始することを決定したと発表した。

 同社は2000年に「SAP R/3」を導入し、経営改革を推進してきた。後継となる「SAP S/4HANA」へ刷新し、黒鉛電極・HD事業など、グローバル化が進む同社グループのグローバル経営の情報プラットフォームを構築する。加えて、経営戦略である「CUSTOMER Experienceの最大化」のため、マーケティング機能を強化する。

 今回の情報インフラ投資額は約40億円。ERPには生産・物流・販売・会計・調達など、さまざまな一次情報が蓄積される。国内だけでなく、アジア・欧州・米国など、グローバルに展開する各拠点の情報を一元管理することを目指し、同システムの導入を決定した。

 高度な販売予測や損益シミュレーションに活用することで、正確・迅速な経営判断につなげる。さらに、全社横断型のCRM機能を導入し、新たな事業機会の創出につなげていく。CRMとは、顧客の購買行動履歴などのデータを基に、より満足度の高い製品・サービスを提供するためのマネジメント手法のこと。

 同社は今年から開始した中期経営計画「The TOP 2021」で、「CUSTOMER Experienceの最大化」を経営戦略とし、それを支える事業基盤強化の1つとして「AI/IoT活用」を掲げている。

 今後、同システムに蓄積された情報をAIなどの活用により分析し、グループ経営の一層の効率化、製品とサービスが融合した優れたソリューションの提供を目指す。

東ソー 指名・報酬諮問委員会設置を取締役会で決議

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2019年5月13日

 東ソーは、指名・報酬諮問委員会を設置することを、9日開催の取締役会で決議したと発表した。コーポレト・ガバナンス強化の一環として、取締役・監査役・執行役員の指名・報酬などに関する公正で透明性の高い手続きを行うため、取締役会の諮問機関として設置する。

 同委員会の審議事項は①取締役候補・監査役候補の指名に関する株主総会議案事項②代表取締役の選定・解職に関する事項③役付取締の選定・解職に関する事項④業務執行取締役の選定・解職に関する事項⑤執行役員の選任・解任に関する事項⑥役付執行員の選定・解職に関する事項⑦代表取締役社長の後継者計画(育成を含む)に関する事項⑧取締役・執行員の報酬などに関する事項⑨その他指名・報酬に関する事項。

 取締役社長を含む委員3人以上で構成し、その過半数は独立社外取締役とする。委員の選定は6月26日開催予定の第120回定時株主総会後の取締役会で行う。