日本化学工業協会はこのほど、第9期「日化協LRI(長期自主研究)」の支援対象となる研究課題を11月16日~12月15日の期間で募集する。今回の募集は日化協が指定する6つの研究テーマに対する提案依頼書(RfP)による募集となる。新たな採択テーマ数は3~4件を予定しており、採択された研究課題には1件あたり年間最大1000万円の助成を行う。
RfP指定テーマは、①動物実験代替法の開発②新規な課題を解決するための試験法の開発③ヒトへのばく露に関する研究④環境へのばく露に関する研究⑤新しい特性をもつ化学物質の安全性評価⑥化学物質法規制における安全性評価を推進する評価法の開発の6つ。なおRfPの背景や研究範囲に関する詳細は、LRIウェブサイト(https://www.j-lri.org/)の「研究者の皆様向け」から「研究募集」を参照のこと。
化学物質が人の健康や環境に及ぼす影響に関するLRIは、国際化学工業協会協議会(ICCA)の主導の下、日米欧3極が連携して進めている化学業界の自主的活動で、日化協では2000年から本格的に取り組んできた。これまで、OECDなど国際的なガイドラインへの提案や政府が行う研究プロジェクトにLRIの研究成果が活用されるなど一定の効果を挙げている。一方、化学物質を取り巻く環境は、化学品管理規制の整備・強化や化学物質の安全に関わる新しい課題の発現など、常に変化している。
日化協では、社会のニーズや業界が抱える課題の解決に向けた具体的な研究に絞ったLRIを推進しており、第8期(2020年3月~2021年2月)は、合計13件の研究課題がLRIによって進められている。化学業界は、事業活動による社会への貢献に加え、LRIによる研究の支援・推進を通じ、地球環境や人々の暮らしを守り、持続可能な社会の構築に向けた使命を果たしていく。