NEDOと福島県 低炭素水素の利活用拡大の協定を締結

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2020年7月7日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県はこのほど、「低炭素水素の利活用拡大に関する連携・協力に関する基本協定」を締結した。

 福島県浪江町で再生可能エネルギー(再エネ)を使った水素製造実証に取り組むNEDOと、「再生可能エネルギー先駆けの地」の実現に向けて再エネの導入拡大と関連産業の育成・集積を進めている福島県が包括的な協定を締結することで、①再エネ由来水素の活用およびそれを通じた再エネ導入の推進と研究開発に向けた相互協力、②再エネ由来水素および福島県内の再エネの広報・啓発活動、を連携・協力して進めていく。

 なお、期間は6月19日から2022年3月末まで。すでに、福島県が設置した、あづま総合運動公園(福島市)とJヴィレッジ(楢葉町)にある純水素型燃料電池に、今年3月に開所した世界最大級の再エネ水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」から水素を供給し、施設内の一部電力供給を開始している。

石化協 新体制スタート、3つの重点項目に注力

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2020年7月6日

コロナ禍での安定供給、新常態への対応も課題に

 石油化学工業協会は、定時総会において選任された和賀昌之新会長(三菱ケミカル社長)を中心とする新体制がスタート。コロナ禍で先行き不透明感が強まる中、3つの重点項目である①保安・安全の確保、②事業環境の基盤整備、③グローバル化対応の強化に引き続き取り組み、石化産業と社会の持続的成長を目指していく方針だ。なお、副会長には、住友化学の岩田圭一社長、出光興産の松下敬副社長、東ソーの山本寿宣社長の3名が選任されている。

和賀昌之会長
和賀昌之会長

 2日に開催されたオンラインによる就任会見の中で和賀新会長は、「足元の世界経済は、新型コロナの感染拡大により深刻な影響を受け急速に悪化している。各国で段階的に経済活動の再開が進められているが、

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東ソーなど 東大に次世代ジルコニア関連の講座を開設

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2020年7月3日

 東ソー、東京大学大学院工学系研究科、ファインセラミックスセンター(JFCC)、ワールドラボの4者はこのほど、東京大学に「次世代ジルコニア創出社会連携講座」を設置したと発表した。なお、設置期間は5年間(2020年7月1日~2025年6月末)で、費用は7億1800万円を見込んでいる。

 最先端ナノ構造解析と新規焼結体開発を担う東京大学と、粉末開発製造を行う東ソーに加え、卓越したセラミックス計算材料科学技術を持つJFCC、高度なセラミックス組織制御技術を有するワールドラボとの協業により、従来のセラミックス素材の概念を覆す、ジルコニアセラミックスの飛躍的な特性向上実現と、その技術分野を支える人材育成を目指す。

 ジルコニアは様々な分野で実用化されているが、その機能発現のメカニズムには未解明点が多く残されており、材料特性を決める因子を解明し、原子レベルから組織を制御することで飛躍的に機能が向上する可能性がある。この社会連携講座では、最先端の電子顕微鏡・計算材料科学・焼結技術を駆使してジルコニアの本質を理解し、その知識を応用して機能を極限にまで高める研究を行う。

 具体的にはジルコニアの持つ強くてしなやかな力学特性、柔軟な加工性、固体でありながら酸素イオンを通すイオン伝導性、高い屈折率から生まれる高透光性の4つの特性を追求。これにより金属並みの力学特性と加工性、新たなクリーンエネルギーのための超高速イオン伝導性、新たな光学材料開発のための高透光性を実現させ、加えてそれらの機能を融合させることでジルコニアの新展開を狙う。同時に、高度な材料開発研究が推進できる有能な人材の育成・輩出により、社会の諸課題の解決に向けた技術開発を加速し、持続可能型未来社会の実現に貢献していく考えだ。

 東ソーは、世界で初めて高純度ジルコニア粉末を工業化し、各種構造部材、審美性に優れる歯科材料など様々な用途への利用を進めることで、ジルコニア市場形成進展に寄与してきた。また、東京大学と東ソーは、過去20年にも及ぶ共同研究を実施し、ジルコニアの本質である結晶相変態機構の解明、画期的な超高耐久性ジルコニア焼結体の開発など世界に先駆けて多くの成果を挙げている。

東ソー 次世代ジルコニア

 

 

ジェトロ コロナ禍からの中国経済、実態を推察

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2020年7月2日

先行き不透明な状況、月次統計は改善傾向を示す

 日本貿易振興機構(ジェトロ)はこのほど、「コロナ禍からの中国経済の立ち上がりをみる」と題し、ジェトロ・アジア経済研究所・新領域研究センター主任調査研究員の箱崎大氏によるオンライン講座を開催した。

箱﨑大主任調査研究員 
箱﨑大主任調査研究員

 箱崎氏は「コロナショックと言えば、流行や終息の時期も中国が先行している。中国経済はどれほど落ち込み、また本当に景気回復が始まっているのかを知りたいと考えた」と、レポートを書いた理由を述べた。

 中国のGDP(消費、投資、純輸出で構成)の推移を見ると、コロナショックが起きる前の2017~18年は、消費と投資によって6%台を達成。しかし2019年は様相が変わり始め、純輸出が成長に寄与し始めた。箱崎氏は、「輸入が減ったことで成長が押し上げられており内容が良くない」と、すでに景気が

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プラ循環協 新会長に三菱ケミカル社長の和賀昌之氏が就任

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2020年6月22日

 プラスチック循環利用協会は18日、通常総会・臨時理事会を開催し、森川宏平会長(昭和電工社長)の任期満了による退任に伴い、和賀昌之氏(三菱ケミカル社長)を選任した。

和賀昌之新会長
和賀昌之新会長

 和賀新会長は就任にあたり挨拶文を発表し、「わが国では、循環型社会構築に向けた自治体、関係業界、NPO、市民の方々などの弛まぬ努力により、廃プラスチックが、マテリアルリサイクル、ケミカルリサイクル、エネルギー回収(サーマルリサイクル)で有効活用が図られ、その有効利用率は今や84%に達している。これは世界トップクラスに位置し、わが国のリサイクルへの取り組み意識の高さを示しているものと言える」と指摘した。

 ただ、「世界全体を見渡すと、有効利用されている割合は未だ低い。また、不適正な処理のため世界全体で年間数百万tを超える陸上から海洋へのプラスチックごみの流出があると推計され、地球規模での環境汚染が懸念されている」とし、世界では「持続可能な開発のための2030アジェンダ」を共通目標として、廃プラの資源循環体制の早期構築や、海洋プラごみによる汚染防止を実効的に進めることが必要であり、国内では昨年策定された「プラスチック資源循環戦略」に加え、G20大阪サミットで合意された「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」を実行に移すことが求められているとの認識を示した。

 一方で、「プラスチックの使用自体に厳しい目を向ける向きもある。プラスチックの生産・使用・廃棄・再利用の全体像をしっかりと分析し、ライフサイクル全体を通したプラス面についても十分に目を配る必要がある」と強調した。

 同協会の活動としては、昨年に引き続き①LCA(ライフサイクルアセスメント)基礎データの提供とリサイクル技術などのLCA評価、②プラスチックフロー図の作成と精度アップ、③環境教育支援の3つの事業をコアとして各種事業を実施し、資源効率性向上と3Rの推進に貢献していく。併せて、「循環型社会形成に向けた内外の動向への対応を行う。特に、漂流プラやマイクロプラなどの海洋ごみ問題については、化学産業やプラスチック関連産業が協力して対応していくため、「海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)」に共同事務局である当協会も積極的に関与する」との方針を示した。

 

三井化学 日化協の「安全優秀特別賞」を受賞、無災害継続が評価

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2020年6月15日

 三井化学はこのほど、同社の研究開発拠点である袖ケ浦センター(千葉県袖ケ浦市)が、日本化学工業協会(日化協)の「安全優秀特別賞」を受賞したと発表した。日化協安全優秀賞は、化学業界での自主的な保安・安全衛生推進の一環として、安全の模範となる事業所や研究所を表彰する制度。

(左から)井尾博文研究開発企画管理部安全・環境GL、柴田真吾常務執行役員・研究開発本部長、伊藤潔研究開発企画管理部長
(左から)井尾博文研究開発企画管理部安全・環境GL、柴田真吾常務執行役員・研究開発本部長、伊藤潔研究開発企画管理部長

 同社は「安全はすべてに優先する」との経営方針の下、安全活動を国内外の拠点・関係会社へ展開している。今回の受賞は、研究開発に従事する従業員が全員参加で、安全意識向上と安全活動に取り組んだ結果、無災害を継続していることが評価されたもの。日化協・安全表彰のうち研究所を対象にした賞では最高賞となる。

 現在、無災害記録時間は4497万時間、無災害年数は32年2カ月を継続中。同研究施設は、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングの成長3領域を中心に、精密合成技術やポリマーサイエンス、競争力ある製造プロセス技術による高機能・高品質の新規素材開発を担う。同時に、保有技術と素材をベースとしたソリューション提供型のテーマを推進し、顧客課題の解決を図っている。

 今後も、グループを挙げて安全活動を実施し、化学産業への持続的発展と社会に貢献していく。

石化協 「APIC2020インド大会」が来年に延期へ

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2020年6月11日

 石油化学工業協会は10日、新型コロナウイルスの感染拡大により延期されていた「アジア石油化学工業会議2020・インド大会」(APIC2020)が、インド協会主催による「APIC2021」として来年5月に開催すると発表した。

 なお、新しい日程や開催都市、会場に関しては、現時点では未定。今年9~10月をめどに決定する予定で、決まり次第、改めて同協会のウェブサイト(https://www.jpca.or.jp/)で案内する。

三菱ケミカル 赤色蛍光体特許に対する中国訴訟2件で勝訴

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2020年6月8日

 三菱ケミカル(MCC)は5日、物質・材料研究機構(NIMS)と共有する赤色蛍光体に関する中国特許に対し、中国企業2社(Shield社と英特美光電社)が特許の無効を訴えていた行政訴訟について、裁判所がその訴えを退け、特許の有効性を支持する勝訴判決を得たと発表した。Shield社との第2審では原審と同様、特許の有効性が支持され、今回の判決により勝訴が確定したことになる。

 赤色蛍光体は、通称SCASNまたは1113蛍光体と呼ばれる窒化物系の蛍光体。高い輝度と信頼性からLED用として最も広く使用されており、MCCが製造販売している赤色蛍光体は、LEDメーカー各社から多くの支持と評価を受けている。同特許は、この赤色蛍光体とそれを用いたLEDデバイスなどを広くカバーする基本特許であり、今回の2つ判決ではMCCとNIMSが共有する重要な知的財産権の有効性が中国の司法により改めて支持された。

 中国はLEDデバイスの最大の生産国であり、赤色蛍光体の主用途である白色LEDデバイスでも最大生産量を誇る。その中国で中国企業2社の主張を全面的に退け、同特許の有効性が支持された今回の2つの判決は、長年中国で積極的に投資、事業展開を行ってきたMCCにとって非常に意義深いもの。また、蛍光体産業のみならず白色LED産業全体にとっても重要な意味を持ち、今後の両産業の健全な発展と秩序維持に繋がることが期待される。

 今後もMCCとNIMSは自社・他社の知的財産権を尊重し、他社が知的財産権の無効を主張しまたは侵害するようなことがあれば、看過することなく適正な対応を取る考えだ。

プラ工連 新会長に住友化学社長の岩田圭一氏が就任

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2020年6月4日

 日本プラスチック工業連盟は先月28日、書面決議による第72回定時総会・第56回理事会を開催し、姥貝卓美会長(三菱ケミカル特別顧問)の任期満了による退任に伴い、新会長に岩田圭一氏(住友化学社長)を選任した。

 岩田新会長は就任にあたり挨拶文を寄せ、同連盟の重点課題として、「循環型社会実現に向けた取り組み」と「国際標準化活動」の2点を挙げた。

 循環型社会の実現では、「今回の新型コロナウイルスの世界的感染拡大では、特に衛生性の観点から、医療現場をはじめとする社会基盤を支える素材として、プラスチックの重要性が再認識された。その一方で、プラスチックの有効利用を促進し、資源循環体制を構築することは喫緊の課題である」と現状を分析。

同連盟が昨年発表した「プラスチック資源循環戦略」を軸に、①科学的データに基づく情報発信②再生材の利用推進③ケミカルリサイクルの社会実装実現④バイオプラの利用推進⑤廃PETボトルなどの100%回収―を目指して取り組んでいくとした。海洋プラごみ問題に向けた宣言活動も継続していく。

 国際標準化活動では、日本のプレゼンス維持と日本提案の規格開発推進に積極的に取り組み、企業の新規市場展開を支援につなげていく。中でも「近年特に重要性が増しているプラスチックのリサイクル、海洋生分解性プラやマイクロプラなどに関連した規格開発にも注力していく」(岩田新会長)考えを明らかにした。

 また、来年度から始まる同連盟の4カ年計画に触れ、「変化する社会のニーズを踏まえ、より実効性のあるものにしていくために、今年度は会員の方々のご意見も広くお聞きしながら議論していく」(同)との方針を示した。