NEDO 再生可能エネルギー熱のコスト削減へ、開発に着手

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2019年7月29日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は、再生可能エネルギー熱の利用に関するコスト低減技術の開発に着手する。今年度から5年間の計画で、地中熱利用システムの低コスト化や、太陽熱などの利用システム高度化に取り組む。

 地中熱利用システムの低コスト化技術開発では、地中熱交換器やヒートポンプ、掘削機などの設計、試作機の製作と地中熱利用システムの制御システムのシミュレーション、評価・定量化シミュレーションを行う。

 太陽熱などの利用システム高度化技術開発については、要素技術の開発、機器設計、試作機の製作と一部再生可能エネルギー熱利用システムの制御システムのシミュレーション、評価・定量化シミュレーションを行う。

 テーマごとにシステムの導入に関わる上流から下流までの事業者などを集めたコンソーシアム体制を組み、実用化技術の確立とコスト低減技術開発を進めるとともに、その成果の普及方策の策定まで一貫した事業として実施する。

 また、関係省庁・業界団体との情報交換を定期的に行い、研究開発課題やコスト目標を盛り込んだロードマップを作成する。

 地中熱をはじめとする再生可能エネルギー熱は、分散型エネルギーの1つとして重要な役割を果たす可能性があるとされている。しかし、設備導入コストが高いことや認知度が低いこと、熱エネルギーの供給を担う人材十分に育っていないことなどの課題があり、再生可能エネルギー熱の利用は十分に広がっていない。

 そこで、NEDOは2014年度から2018年度まで「再生可能エネルギー熱利用技術開発」事業を実施。コスト低減を目的とした地中熱利用技術と各種再生可能エネルギー熱の利用について、蓄熱利用などを含むシステムの高効率化、評価技術の高精度化などに取り組んだ。その結果、トータルコスト20%削減の目標を達成することができた。

 今回の技術開発では、2030年までに地中熱や太陽熱などの再生可能エネルギー熱利用システムのトータルコストを、30%以上低減することを目指す。

工学院大学 8月に八王子キャンパスで科学イベントを開催

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2019年7月29日

 工学院大学は8月24、25日に「第26回工学院大学わくわくサイエンス祭 科学教室」を、同大学八王子キャンパスと附属中・高校キャンパス(八王子市中野町2665―1)で開催する。

 科学教育の普及を目的とした社会貢献事業で、さまざまな分野の演示実験を用意した学生・生徒が説明し、「科学の面白さ」を子どもたちに伝える。全87テーマを用意する予定。

 主なものとしては「熱気球を作って、あげてみよう!」「ミニチュアハウスを作ってみよう」「スライム作り」「小麦粉粘土で遊ぼう!」「小さな雷を見てみよう!」などが考えられている。

 対象は未就学児から一般まで。参加無料で事前予約は不要だが、一部演示テーマは事前申し込み制。詳細はホームページ(https://www.kogakuin.ac.jp/science/)を参照。

 この科学教室は1994年から行われており、毎年7500人以上が来場する多摩地域最大級の科学イベント。先生役として演示を担当する学生・生徒たちにとっては、企画・運営や教える側を担うことで、企画力・技術力・コミュニケーション能力を高める機会となる。

 一方、子どもたちにとっては、「大学生・中高生のお兄さんお姉さん」に気軽に質問でき、科学への興味を伸ばすことが期待される。また、教育連携校(高校)からの参加も年々増え、今年は都立多摩科学技術高校が初参加する。

 

ダイセル セルロースで金沢大学に共同研究講座を設置

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2019年7月26日

 ダイセルは25日、同社の主力事業であるセルロース分野での新規商材創出を目標に、金沢大学との共同研究講座を同学内に設置すると発表した。

 ダイセルと金沢大学は、昨年7月に包括連携協定を締結し、複数の共同研究を実施してきた。今回、新たに共同研究講座「先導科学技術共同研究講座」と同研究室を金沢大学内に設置し、ダイセルが特任教員2名を派遣する。

 共同研究講座は、大学が施設や設備を、企業が教員と研究費を提供して共同研究を行うことで、その成果の社会実装と産業展開を目指す研究・教育制度。近年、多くの大学がこの制度を導入している。

AEPW 国際フォーラムを開催、官民一体で課題解決へ

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2019年7月24日

 Alliance to End Plastic Waste(AEPW:廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス)は22日、都内で日本初となる国際フォーラムを開催し、関係者約520名が参加した。

国際フォーラムの会場
国際フォーラムの会場

 海洋プラ問題について国際的取り組みが必要となる中、今年1月、化学、プラ加工、消費財、小売り、廃棄物管理などプラスチックバリューチェーン全般に携わる世界各国の企業で構成される非営利国際団体AEPWが発足。今後5年間で総額15億ドルを投じ、インフラ開発、イノベーション、教育、クリーンアップの4つの主要分野で廃棄プラ問題に取り組む計画を発表している。

 開会の挨拶で三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長は、「気候変動と同様に

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AEPW 三菱ケミカルHD越智社長「日本が廃プラ問題に積極的に関与」

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2019年7月23日

 Alliance to End Plastic Waste(AEPW:廃棄プラスチックを無くす国際アライアンス)は22日、都内で日本初の国際フォーラムを開催。その後に記者会見を行った。

フォーラムに出席した(左から)岩田圭一住友化学社長、越智仁三菱ケミカルHD社長、ヴァージニー・ヘリアスP&G副社長、淡輪敏三井化学社長
フォーラムに出席した(左から)岩田圭一住友化学社長、越智仁三菱ケミカルHD社長、ヴァージニー・ヘリアスP&G副社長、淡輪敏三井化学社長

 P&Gチーフ・サステナビリティ・オフィサーのヴァージニー・ヘリアス副社長はAEPWについて「全世界グローバル企業40社が(5年間で)15億ドルをコミットしている環境における廃棄プラスチックを無くすための世界最大規模の取り組みだ」として活動内容を説明した。

 同アライアンスはプラスチックの製造、加工、使用、廃棄物管理などバリューチェーン全体からさまざまな企業が参加。4つの主要分野として①インフラ開発②廃プラ収集とリサイクル増加により使用済みプラの価値を創造するイノベーション③実際に行動を起こすために企業・政府によるコミュニティに対する教育・啓発活動④海への流出を防ぐため河川などのクリーンアップを挙げている。

 戦略を下支えする3つの基本原則として、プラは有用な資源であり再利用が必要、廃棄プラを環境に流出させないことで経済的な効果を生み出す、成功を収める上で必須となる官民連携といったコラボレーションの重要性を示した。

 続いて三菱ケミカルホールディングスの越智仁社長が、AEPWに

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SEMI 今年の世界半導体製造装置市場は18%減と予測

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2019年7月22日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMIはこのほど、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催中の「SEMICON West 2019」で、今年年央の半導体製造装置市場予測を発表した。

 今年(暦年)の半導体製造装置(新品)販売額は527億ドルとなり、過去最高の645億ドルを記録した昨年からは18.4%の減少となる。ただ、来年は反転し、11.6%成長の583億ドルに拡大する見込み。

 この最新予測には、地政学的リスクなどから発生している足元の設備投資の下方修正や、不確実性の増大を反映している。

 今年の装置カテゴリー別予測では、ウェーハプロセス処理装置市場が19.1%減の422億ドル、その他の前工程装置(ファブ設備装置、ウェーハ製造装置、マスク/レチクル製造装置)が4.2%増の26億ドル、組み立ておよびパッケージング装置が22.6%減の31億ドル、テスト装置が16.4%減の47億ドルを見込む。

 地域別では、台湾が今年21.1%成長の123億ドルとなり、世界最大の装置市場となる見通し。中国(117億ドル)は昨年に引き続き2年連続で世界第2位、韓国(92億ドル)は設備投資の抑制により第3位へと順位を落とすと見られる。

 成長率では、台湾と北米(成長率8.4%:63億ドル)は前年よりプラスだが、それ以外の地域市場はマイナスとなる見通しだ。

 一方、来年の装置市場は、中国の旺盛なメモリ投資新規プロジェクトにより回復すると予測され、上位3カ国については、1位に中国(145億ドル)が浮上し、2位に韓国(117億ドル)、3位に台湾(115億ドル)となり、日本の装置販売額は46.4%増の90億ドルとなる見通しだ。

 2020年にマクロ経済が改善し、貿易の緊張が緩和されれば、さらに上振れする可能性もある。

日本化学工業協会 「戦略的情報開示とESG投資」勉強会を開催

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2019年7月17日

 日本化学工業協会のSDGs部会は12日、都内において「戦略的情報開示とESG投資(化学企業は、投資家に評価される情報開示を十分にしているか?)」をテーマに勉強会を開催し、関係者約90名が参加した。

 地球環境問題が深刻化する中、2015年にパリ協定やSDGsが採択され、環境・社会・企業統治に対する企業の対応が投資の判断材料になってきている。第1部では、化学企業が強みとする環境や社会への取り組みを戦略的な情報開示に役立てることを目的に、各省庁の担当者が説明を行った。

 環境省の「環境情報と企業価値に活用するための考え方に関する報告書」は、機関投資家を念頭に、環境情報を企業価値評価に役立てるための基本的な考え方を整理。環境情報の見方(第2章)では、投資家が

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NEDO 機械設計で人を補助するAIソフトの開発に着手

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2019年7月16日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の技術戦略研究センター(TSC)は12日、製造業での設計開発工程の効率化につながる「AIを活用したシステムデザイン(AASD)技術」分野について、最新動向や課題、市場予測をまとめた「TSC Foresight」レポートを公表した。

NEDO・TSCの三島良直センター長
NEDO・TSCの三島良直センター長

 同日に開催された記者会見で、TSCの三島良直センター長は「AI技術では、中国や米国が非常に先行しており、日本は周回遅れの状態だが、今回のレポートの技術分野については、わが国がかなり先んじて進めていくことができる分野だ。AIの技術関連の論文や特許などで有利に立っている」との見解を述べ、今後の技術開発への期待感を示した。

 製造現場での生産性向上のためのツールとしてAI(人工知能)の応用が期待される中、近年は多品種化・短サイクル化による工数増大やベテラン作業者の退職など、製造業のさまざまな状況の変化により、設計開発工程についても開発者の作業負荷が増大している。

 NEDOは、開発者が「モノの形を作る」といった本質的な作業に集中できるようにするために、AIが

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東ソー 東京大学にゼオライト関連の社会連携講座を設置

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2019年7月16日

 東ソーは12日、東京大学大学院工学系研究科と、同研究科に次世代の吸着・分離用途、環境浄化等の触媒用途での高機能ハイシリカゼオライトの創出と高効率合成プロセスの開発を目指す、「規則性多孔体の革新的合成プロセスの構築」社会連携講座を6月1日に設置したと発表した。期間は2022年5月31日までの3年間で、経費総額は6500万円を見込んでいる。

 同研究科の大久保達也教授、脇原徹准教授の研究室は、ゼオライトを中心とする多孔体の先進的研究を国内外でリードしており、ゼオライトの結晶化機構解析、新規結晶化技法の開発などの分野で多数の研究成果を挙げている。

 東ソーでは、長年にわたり工業用ゼオライトの技術開発に取り組んできた。さらなる事業機会の創出と事業拡大を図る上で、顧客ニーズに応え続けるためには、従来にない発想のもとで、材料設計の重要工程であるゼオライト結晶化技術を深化させることが必要となる。

 今回設置した社会連携講座では、専任教員・専任研究員による集中研究を複数年にわたり実施し、緊密な産学連携体制のもと、省エネルギーや環境負荷低減へのキーマテリアルとなる高機能ハイシリカゼオライトの高効率合成手法の開発を推進する。

 また、同研究で得られた成果を踏まえて、学部・大学院講義で、同分野の合成と応用の最先端分野を講義し、次世代を担う人材の育成を行う。

 東ソーは合成ゼオライトメーカーとして、ユニークな機能性無機材料であるハイシリカゼオライトの潜在力を最大限に引き出し、社会の諸課題の解決に向けた技術開発を加速することで、持続可能な社会の実現に貢献していく。

住友商事 ベトナム港湾・ロジスティクス大手企業へ出資

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2019年7月12日

 住友商事はこのほど、海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)および鈴与とともに、ベトナムでの港湾ターミナル運営事業への参画を目的に、現地に設立した合弁企業を通じて、港湾事業とロジスティクス事業のリーディングカンパニーであるジェマデプト コーポレーション(GMD社)に10%出資参画した。

 ベトナムでは、急速な経済成長に伴う消費市場の拡大や米中貿易摩擦の影響を追い風とした「チャイナ・プラスワン」による生産拠点移管を受け、物流需要が拡大。

 2017年のコンテナ貨物取扱量は1200万TEU(20フィートコンテナを1単位)超で、今後はGDP成長率6.5%(国際通貨基金予測)を超える割合で成長すると見込まれている。2025年には約2300万TEUまで増加し、産業基盤としての物流インフラのさらなる拡大が期待される。

 GMD社は港湾事業とロジスティクス事業をコア事業とする、同国トップクラスの民間企業。ナムハイ港、ナムハイディンブー港、ナムディンブー港(ハイフォン市)、ユンクワット港(クワンガイ省)、フックロン港(ホーチミン市)、ビンズオン港(ビンズオン省)や建設中のジェマリンク深海港(バリアブンタウ省)を含む計7カ所の港湾ターミナルを運営している。

 昨年のコンテナ貨物取扱量は170万TEUで、取扱量は全国シェアの12%を占めており、同国内のコンテナターミナル運営事業者では第2位の事業規模。

 ロジスティクス事業分野では、ディストリビューションセンター、トラック輸送、重量物運送、船舶輸送、空港貨物ターミナルなどの多岐にわたる事業を手掛けている。

 住友商事は、同参画にあたりGMD社と業務提携契約の締結および取締役を派遣し、関係強化を図る。GMD社の成長に寄与するとともに、すでにベトナムで展開する物流事業や工業団地事業を中心とした港湾の後背地事業などとの連携を進める。

 また、IoT技術をソリューションの軸とした、物流コスト・時間の最適化、環境負荷の低減、貨物のセキュリティの向上などを可能にする広域スマートロジスティクスの実現を目指す。

 住友商事は、JOIN、鈴与とともに、同参画を皮切りにさらなる物流効率化の実現を通じ、工業団地入居企業を含むベトナム国内事業者と地域の利便性・競争力の向上を促すことで、ベトナムおよび周辺国の経済活性化と発展に貢献する。