サンエー化研は3日、2018年度(2019年3月期)の決算概要と今年度の業績予想について都内で説明会を開催した。
2018年度の連結業績は減収減益だった。スマートフォン市場の減速や採用機種のモデルチェンジなどにより光学用表面保護フィルムの受注が減少したほか、エアー緩衝材や剥離紙、テープ基材などの受注も振るわずに減収。
損益面では、
2019年6月4日
2019年6月3日
住友化学は30日、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン)が実施した「企業の温暖化対策ランキング」第10弾「素材産業①」編で、日本の化学企業37社の中で第1位に選定されたと発表した。
WWFは世界約100カ国で活動している地球環境保全団体。日本支部のWWFジャパンは、日本企業による温暖化対策を後押しすることを目的に、各企業の取り組みを同一指標で業種横断的に評価する「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトを、2014年から実施している。
このほど発表された「素材産業①」編で、同社はパリ協定に沿った長期的なビジョンを掲げた上で気候科学に基づく目標を設定し、「Science Based Targets(SBT)イニシアチブ」による認定を取得していることなどが高く評価され、第1位となった。
同社は気候変動問題を社会が直面する最重要課題の1つと捉え、その解決に向け、総合化学企業として培ってきた技術力を生かし、温室効果ガス削減などに積極的に取り組んでいる。
環境負荷低減に資する同社グループの製品や技術を「スミカ・サステナブル・ソリューション」として認定する制度を、2016年から実施しているほか、2017年には気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)がまとめた「気候変動に関する情報開示を促進する提言」をいち早く支持した。
同社グループは「事業活動を通じて人類社会の発展に貢献する」を経営理念に掲げ、引き続きグループ一丸となって、気候変動問題をはじめとする社会課題の解決に取り組んでいく。
2019年6月3日
三井化学は31日、ポリプロピレン(PP)コンパウンドのグローバルでの需要拡大に対応するため、タイの合弁会社グランド・サイアム・コンポジッツで、生産設備を増設すると発表した。
マプタプット工業地区に、年産1万3000tの設備を増設する。2020年5月に完工、6月に営業運転を開始する予定。
同社グループは現在、世界8地域(日本・米国・メキシコ・欧州・タイ・中国・インド・ブラジル)に製造拠点を、5地域(日本・米国・欧州・タイ・中国)に研究拠点を持ち、自動車の軽量化に貢献する高品質なPPコンパウンドの生産・販売・研究体制を強化している。
現在、環境規制の強化による自動車の軽量化ニーズが世界中で高まっており、ニーズに合致したPPコンパウンドを使用した、バンパーやインパネ材などの需要が年々増加している。
今回の増強により、拡大するアジア市場での供給力を強化するとともに、グローバルな供給体制を拡大し、アジア拠点の自動車メーカーと部品メーカーに対し、高品質な製品を安定的に提供する。
同社グループは、世界的に拡大する需要を的確にとらえ、重点分野の1つであるモビリティ事業のさらなる事業拡大を進めていく。
2019年6月3日
三井化学は31日、半導体リソグラフィー(露光)分野で世界ナンバーワンのオランダASML社と、EUV(極端紫外線)ペリクル事業のライセンス契約を締結したと発表した。
ASML社からEUVペリクルに関するライセンスを受けることで、EUVペリクルの生産権と生産販売権を取得する。新設備を岩国大竹工場内に今月に着工し、2020年6月の完工、その後、顧客の承認などを経て、2021年第2四半期までの営業運転開始を目指す。
これにより、世界に先駆けてEUVペリクルを商業化する。また、両社は世界市場で、EUVペリクルを通じた事業拡大と次世代製品の開発を進める。
三井化学は半導体の製造で必須となる露光工程の防塵カバーのペリクルを、1984年に発売して以来、半導体の微細化に合わせたペリクルの改良と、製品品質の向上に努めてきた。
現在、第5世代移動通信システム(5G)に代表されるデータの超高速化、高機能化のニーズが高まっており、さらなる半導体の微細化が求められているが、そのためには、従来の露光工程とは全く異なる技術導入が必要となる。それを実現するのがEUV露光機と、その防塵カバーのEUVペリクルである。
ASML社は半導体の露光機メーカーでは世界最大手で、EUV露光機とEUVペリクルを開発した唯一のメーカー。三井化学ケミカルが高品質のEUVペリクルを市場に供給することで、EUV露光技術の普及にも貢献し、急速な拡大が期待される今後の半導体需要に対応する。
同社グループは、EUVペリクルをはじめ、ICT関連事業の拡大と、新たな高機能分野への技術革新の推進を目指すとともに、多様化するニーズに対応したソリューションの提供と、個々の事業の競争力を通じて、グローバル市場で持続的な成長を実現していく。
2019年6月3日
2019年6月3日
2019年5月31日
2019年5月30日
2019年5月30日
プラ廃棄問題が共通認識、循環経済への貢献図る
5月16~17日に台湾・台北で開催されたアジア石油化学工業会議(APIC2019)は、世界各国から関係者1201名が参加。
「スマート石油化学プロセス-より良い世界を可能にする持続可能な解決策」をテーマに、今後のアジア市場の需給見通しやエネルギー・原料動向、またプラスチック海洋ごみ問題解決を含めたサーキュラーエコノミー(循環経済)への対応など、化学産業が取り組むべきさまざまな課題について活発な議論が交わされた。
近年、アジア地域のおう盛な需要を背景に好況を享受してきた石化業界は、米中貿易問題を発端に中国経済が減速したため、昨年後半から一気に環境が悪化した。中長期的には市場成長が見込まれているものの、各国では石化設備の新増設が立ち上がりつつあり、需給悪化に懸念が広がっている状況だ。
そうした中、アジアの石油化学工業が発展するためには、AI・IoT技術を活用したコンビナートの高度化や、社会に貢献できる製品開発が必要であるとの提言がホスト国からなされた。
一方、海洋ごみなどプラ廃棄が世界で問題視され、化学企業を見る目が厳しくなっている。各国協会の代表スピーチでも、持続可能な社会の実現に向け、リサイクルをはじめとした循環経済に貢献する取り組みの必要性が示された。日本は、以前から取り組んできた廃プラの回収や適切な処理の重要性を訴えている。
石化業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、アジア各国の石化産業が置かれている現状をレポートした。
2019年5月29日