NEDO 機能性化学品の生産で連結フロー合成法に着手

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2019年7月8日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、多品種の機能性化学品生産に対応する、オンデマンド型連続精密生産プロセスの構築に着手した。

 高性能な触媒と省エネルギーな分離精製法について研究開発を進め、大幅な省エネルギーと、廃棄物排出量やコストの削減が見込める革新的生産プロセスを実現するとともに、海外に依存している機能性化学品生産の国内回帰を目指す。

 具体的には、機能性化学品の分野で、従来主流の生産方式であるバッチ法から、日本が強みをもつ不均一系触媒(=固体触媒)の技術を用いた省エネルギーで効率的な連結フロー合成法への転換を図る。

 原料を投入する固体触媒を充填した反応モジュールと、生成物を取り出す分離・精製モジュールを連続的に組み合わせることで、生産プロセスを一連の工程にして自動制御する。必要に応じてモジュールを組み替えれば、多種多様な機能性化学品の製造が可能になる。

 これにより、触媒との分離操作が不要になるなど、分離・精製に要するエネルギーが減少し、オンデマンドで必要な量の製品が無駄なく生産可能となる。

 機能性化学品は、有機化学品や合成樹脂、香料や溶剤といった中間化学品。樹脂・ゴム成形品、化学肥料・農薬、電子材料など、機能性材料の原料となるため、多くの最終化学品や製品の付加価値を高める重要な生産物に位置づけられる。同プロジェクトを通じ、日本の化学産業の競争力強化を推進していく。

 委託予定先は、産業技術総合研究所、東京理化器械、東和薬品、富士フイルムと東京大学。事業期間は2019年度から2025年度。初年度の事業予算は2億円となっている。

 

 

BASF 高純度PESUを英の水処理装置会社が採用

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2019年7月8日

 BASFはこのほど、「ウルトラゾーンE6020P」が、英国ロンドンの水処理装置メーカーのペンテェア社に採用されたと発表した。

 ペンテェア社は同製品を使用して、病院や保健所、ホテルなどの公共施設向けのろ過システム用クロスフロー膜を製造する。ポリフッ化ビニリデン(PVDF)のような、UF(限外ろ過)膜に一般的に使用される他の材料とは対照的に、「ウルトラゾーンE6020P」は、高流量と狭い孔径分布を持つ。

 これにより、UF膜は飲料水の基準に合わせ、寄生虫・細菌・ウィルスまで確実に除去するため、ろ過後に飲料水をさらに過塩素化する必要がなく、深刻な健康問題につながる、水道管内のレジオネラ菌やシュードモナス菌などの病原性水系細菌の汚染を防ぐ。

 「ウルトラゾーンE(ポリエーテルスルホン=PESU)」は、ゲルとオリゴマーの含有量が少ない、安定的な膜製造プロセスを確実にする高純度材料。

 酸や次亜塩素酸ナトリウム、カセイソーダなどに対する耐薬品性に優れているため、汚れにくく洗浄も容易だ。繊細な細孔構造を損なうことなく、過熱蒸気(134℃)、エチレンオキシド、ガンマ線による反復滅菌ができる。劣化することなく、広いpH範囲(0~13)で使用できる。

 米国食品医薬品局(FDA)と欧州の反復使用時の食品接触に関する基準に準拠しており、飲料水向けだけでなく、食品加工用途にも使用可能。幅広い用途に向けて、「E6020P」のほか、「E2020P」「E7020P」などのラインアップを揃えている。

 ペンテェア社は「E6020P」だけでなく、上流から下流までの給水ライン全体、特に公共施設の配水システムに使用されている原水膜や、病院の感染対策用の特定用途向けのフィルターなど、幅広いクロスフロー水処理にBASFの「ウルトラゾーンE」を採用している。

ランクセス ブラジルで高性能プレポリマーの製造を開始

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2019年7月8日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスはこのほど、ブラジルのポルトフェリース拠点で高性能プレポリマーの製造を開始したと発表した。

ブラジルのウレタン製造拠点
ブラジルのウレタン製造拠点

 同社のウレタンシステムズ(URE)ビジネスユニットは、ブラジルと南米市場への取り組みに注力しており、これによりプレポリマーの製造能力の拡大を図るだけでなく、同拠点の最先端の研究室で用途開発と技術サービスを提供することになる。

 UREビジネスユニットは、キャストエラストマーと塗料、接着剤、シーラントの専門知識を持ち、世界のポリウレタン業界に製品を提供するシステムプロバイダー。ポートフォリオには、従来のウレタンプレポリマーと低遊離イソシアネートプレポリマー、特殊水系ポリウレタン分散剤(PUD)が含まれる。

 また、顧客のニーズを満たす完全なシステムを設計するため、キャストエラストマー向けの触媒と硬化剤、塗料、接着剤、シーラント向けの技術を提供している。

 特に溶媒フリー、モノマーフリープレポリマーシステム、使いやすいブロックド架橋剤に重点を置いており、ブラジルや米国、インド、中国、オーストラリア、イタリア、英国などの主要経済地域で、製造施設と用途開発センターを運営している。

大日本印刷 環境配慮パッケージでCO2削減2500tを突破

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2019年7月8日

 大日本印刷(DNP)は5日、環境配慮パッケージの出荷を通してCO2排出量を2500t以上削減したと発表した。

 同社が開発した「DNP植物由来包材バイオマテック」の、2018年度の1年間の出荷量からCO2削減量を算定したところ、石油由来の包材を使用した場合に比べ、CO2排出量が2500t以上減少したという結果を得た。これは、17万8000本のスギなどの森林が1年間で吸収するCO2量に相当するという。

 同社は、「持続可能な原料調達」「CO2の削減」「リサイクルの推進」という3つの価値を起点に、循環型社会の実現を目指しており、環境負荷の低減につながるパッケージシリーズ「GREEN PACKAGING」を展開している。

 同シリーズの柱の1つが、「DNP植物由来包材バイオマテック」シリーズ。サトウキビから砂糖を精製した際の副産物(廃糖蜜)やトウモロコシなど、植物由来原料を一部に使用することで、石油資源の使用量を削減する。

 植物は生育の過程で、光合成の際にCO2を空気中から取り込むため、パッケージ使用後の焼却時に出るCO2と相殺することが可能(カーボンニュートラル)で、製品のライフサイクル全体でのCO2削減に有効だ。

 同製品は、石油由来のプラスチックフィルムと同等の物性を持ち合わせており、食品や日用品など誰もが手に取る商品に使用できることから、石油由来のプラスチックフィルムと比べて、CO2排出量を製品のライフサイクル全体で約10%以上削減する。

 DNPは、2010年に「バイオマテックPEフィルム」を、2012年に「バイオマテックPETフィルム」を開発するなど、ラインアップを増強している。同シリーズの拡販でさらに環境配慮を進め、2020年度には5000t以上のCO2削減を目指す。

 

 

 

丸紅 再生可能エネルギー売買のためオークションPF開発事業に参入

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2019年7月8日

 丸紅は5日、今月1日に、再生可能エネルギーを売買するためのオークションプラットフォームを開発するWePower UAB社(WePower社)との間で、普通株転換権付融資拠出に関わる契約書を締結したと発表した。

 WePower社は、2017年にリトアニア共和国で設立されたスタートアップ企業。ブロックチェーン技術を活用し、再生可能エネルギーの調達を望む法人消費顧客と、再生可能エネルギー発電事業者をオークション形式でマッチングすることにより、容易に電力売買契約の締結を可能とするプラットフォームを開発している。

 現状は契約締結までにさまざまな手続きを経るため、長い時間と弁護士費用などのコストが発生するが、このプラットフォームにより、法人消費顧客は電力消費量の多寡にかかわらず、短期間で安価な再生可能エネルギーを調達でき、また、将来的な需要変動時に購入した余剰分を売却するなど、より柔軟な電力調達が可能になる。

 一方、発電事業者は、昨今期限終了の動きが進んでいる固定価格買取制度などの再生可能エネルギー振興策に代わる、安定した収入を確保することができる。

 現在、WePower社は、多数の再生可能エネルギー案件の開発が見込まれる豪州での事業化に注力しているが、今後は豪州以外の地域へのビジネス拡大も検討。

 丸紅は、世界各国に有する発電事業や電力小売事業、電力業界・市場に関する知見を活用し、WePower社のビジネスモデルの世界展開を後押しすることで、再生可能エネルギーの普及に貢献していく。近年電力業界でも、WePower社のようなスタートアップ企業が革新的なサービスを創出している。

 今後も丸紅は、スタートアップ企業との連携を積極的に検討し、業界における既存の枠組みを超えて、社会課題の解決につながる新たな価値創造を目指す。

 

石化協 森川会長が改めて「保安・安全の確保」に言及

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2019年7月8日

 石油化学工業協会(石化協)は4日、定時総会・理事会終了後の懇親パーティーを開催し、あいさつを行った森川宏平会長(昭和電工社長)は「安定供給責任を果たす意味でも、保安・安全の確保が全てに優先する最重要課題」と述べ、会員各社に引き続き事故・災害ゼロに向けた取り組みを求めた。

 また、石油化学コンビナートの国際競争力を維持・向上させていくため、定修のあり方について、関連業界と連携し、関係省庁・当局にも相談しながら検討を進めていくとした。

 一方、化学産業にとって喫緊の課題である海洋プラスチック問題については、G20大阪サミットで、2050年までに新たな汚染をゼロにする「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」が共有されたこと、G20エネルギー・環境大臣会合で、海洋プラスチックごみ対策実施枠を創設して、各国の政策状況に応じて自主的に取り組むことが合意されたことに言及。今後、同問題に関しては、国内外の関係機関と連携して、科学的知見を蓄積しつつ、海外、特にアジア地域に対して情報発信をしていく方針を示した。

 森川会長は最後に「当協会は引き続き、

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ダイセル 人事(7月1日)

2019年7月5日

[ダイセル・人事](7月1日)▽解兼Daicel Safety Systems(Systems)Co.,Ltd.董事長Daicel Safety Technologies(Jiangsu)Co.,Ltd.董事長、専務執行役員特機・MSDカンパニー担当Daicel Safety Systems America,Inc.Chairman榊康裕▽Daicel Safety Systems(Jiangsu)Co.,Ltd.董事長Daicel Safety Technologies(Jiangsu)Co.,Ltd.董事長、執行役員特機・MSDカンパニー長川口尚孝(8月1日)▽特機・MSDカンパニーパイロ事業開発部長、同カンパニーMSD事業部主席部員山田良平▽同カンパニー同部主席部員今井隆雄▽同、同カンパニー特機事業部事業推進部主席部員竹内弘樹▽同、同カンパニーMSD事業部調達部主席部員酒井俊行▽同カンパニー同部主任部員、同カンパニー特機技術開発センター技術開発室長湯谷洋司。

 

帝人フロンティア 抗菌防臭機能のタオル寝具、3アイテムを発売

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2019年7月5日

 帝人フロンティアはこのほど、抗菌防臭機能をもつタオル寝具「エアクール」シリーズの販売を開始すると発表した。タオルケットとフィットシーツ、ピローカバーの3アイテムで、2日からテイジン公式オンラインショップ「くらし@サイエンス」で販売を開始し、その後、テレビ通販やインターネット通販でも販売する。

 「エアクール」シリーズの特長は、グループ会社の東邦テキスタイルが展開する抗菌防臭糸「サンクローネ」を使用することにより、黄色ブドウ球菌やモラクセラ菌などの雑菌の増殖を抑制し、汗によるニオイや部屋干しによる生乾き臭の発生を抑えること。

 「サンクローネ」には抗菌剤が練り込まれているため、洗濯を繰り返してもニオイを抑制する効果が持続する。また、タオルケットは部分的に網の目状のクロスメッシュ織りとしており、空気が通る隙間ができることから、体との間にこもる熱を外に放出する。

 さらに、フィットシーツとピローケースは、周囲にゴムを使用しているため、敷ふとんやマットレス、枕に上からかぶせるだけで装着が可能で、着脱が容易になっている。

 タオルケット・フィットシーツ・ピローカバーのいずれも、素材はパイル部分(サンクローネ)が綿50%・レーヨン50%、地糸部分は綿100%。色はミントグリーンとラベンダーの2色。

 価格(税別)は、タオルケットのシングルが6980円、セミダブルは8480円、ダブルは9980円。フィットシーツはシングルが6580円、セミダブルが7980円、ダブルは9280円。ピローカバーは1580円。販売目標は今年度が2000万円、来年度には3000万円となっている。