東レ 航空機CFRP向け真空圧成形プリプレグを開発

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2019年4月19日

 東レは18日、新たに航空機一次構造部材向け真空圧成形プリプレグを開発したと発表した。新規プリプレグは中間素材として、オートクレーブを使用せずに高品位で力学特性に優れた炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形体を得ることができる。

 複合材料研究所の吉岡健一所長は、「今回の開発ポイントは2つだ。1つ目は

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東洋紡 セラコン用離型フィルムのコーティング加工設備を増設

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2019年4月19日

 東洋紡はこのほど、敦賀事業所において、2021年春をめどにセラミックコンデンサ(セラコン)用離型フィルムのコーティング加工設備の2号機を増設すると発表した。現在、今夏の稼働予定で1号機を建設中だが、車載用セラコン需要の急増に対応するため、増設を決定し生産体制の強化を図る。

1号機と2号機が設置される工場棟(建設中)
1号機と2号機が設置される工場棟(建設中)

 セラコンは、電流を調整したり、電気を一時的に蓄積したりする汎用的な電子部品として、さまざまな電子回路に搭載されている。スマートフォンの高機能化や、IoTやAIの普及・進展により市場が拡大しており、2017年度に約7000億円だった市場規模は、2023年度には1兆4000億円に達することが見込まれている。

 同社は、ハイエンド品と位置づけられる超小型(0.6㎜×0.3㎜以下)セラコン用離型フィルムに関して、原反の製造から離型層のコーティング加工まで一貫して行える唯一のメーカー。平滑性に優れたフィルムを製造する独自技術と、高度なクリーン環境を維持できる加工技術を保有している。

 セラコン市場の拡大する中、敦賀事業所に工場棟を新設し、今夏にも離型フィルムのコーティング加工設備の1号機を稼働する予定だった。今回、自動車の電装化や電動化の急ピッチな進展により、セラコンの自動車への搭載数が急増していることなどを受け、2号機の増設を決定した。

 同社は1号機と2号機に総額で60億円を投資し、生産体制を強化。2023年度までに売上高の倍増を目指す。

住友化学 高機能材料開発へ米バイオ技術企業と提携

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2019年4月18日

 住友化学は17日、米国のバイオ技術スタートアップ企業であるザイマージェン社と、新しい高機能材料の開発に向けた複数年の業務提携に合意したと発表した。この協業を通じて、 両社は先端産業で高度化する顧客のニーズに対応するための新規材料開発に取り組む。

 電子機器メーカーや消費者は、洗練されたディスプレイと新たな機能を備えた、より小さく軽く、エネルギー効率に優れた安価なデバイスを求めており、その需要はますます高まっている。

 このため、電子機器メーカーはこれらの次世代電子機器向けの新しい材料を探しているが、材料開発にあたっては、コストや製造技術面から、従来の石油化学以外の手法も取り入れる必要が生じている。

 ザイマージェン社は、AIやロボットによるオートメーションラボ、最先端のゲノミクスが融合した技術基盤を持っており、生物学的手法を通じた持続可能で再生可能な新規化合物を創出することができる。

 一方、住友化学は、マーケットインのサプライチェーンの構築を通じて、主要な電機メーカーに高品質なエレクトロニクス材料を供給している。

 革新的技術を持つザイマージェン社と、高い素材開発力を持ち、エレクトロニクス分野のリーディングサプライヤーである住友化学が協力することで、価格競争力と優れた特性を備える高機能材料の開発が可能となり、エレクトロニクス分野などのさらなる発展につながることが期待できる。

 開発を予定する高機能材料は、ディスプレイ用の光学フィルム、傷に強いハードコート材料、フレキシブル基板向け材料、接着剤などが挙げられる。これらの新規材料は、次世代の高機能製品を生み出すための一助になることが見込まれる。

 両社は今後、エレクトロニクス分野にとどまらず、さまざまな産業分野で「不可能を可能にする」高機能材料の開発を進めていく。

 

昭和電工 人事(4月9日)

2019年4月17日

[昭和電工・人事](4月9日)▽解石油化学事業部有機化学品部長佐藤喜久雄(4月10日)▽同事業部同部長、執行役員同事業部長兼オレフィン部長大分コンビナート管掌福田浩嗣。

 

カネカ 生分解性ポリマー製品をセブン&アイと共同開発

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2019年4月17日

 カネカはこのほど、セブン&アイ・ホールディングスと共同で「カネカ生分解性ポリマーPHBH」(PHBH)を用いた各種製品の開発を進め、まずは2019年秋をめどにセブン‐イレブンなどで展開する「セブンカフェ」用のストロー用途で導入を開始すると発表した。

製品例
製品例

 カネカは研究開発型素材メーカーとして、イノベーティブな技術を発展させたユニークな製品による地球環境問題の解決策をセブン&アイHDに提案し、共同でサスティナブル社会の実現を目指すことに合意している。

 プラスチック素材の製品は、暮らしにとって便利で欠かせないが、適切な処理がなされないことによって、海中に漂うマイクロプラスチック(MP)が生態系や人々の健康へ影響を与える懸念が高まっている。

 このように環境に配慮した素材に関心が高まる中で、容器や包装材などについて環境負荷低減を継続的に行っているセブン&アイHDより、「PHBH」の海水中で生分解する点が評価され、両社共同で製品の展開に取り組んできた。

 「PHBH」は、カネカが開発した100%植物由来のバイオポリマーであり、幅広い環境下で優れた生分解性を有している。

 特に近年では、MPによる海洋汚染が世界的な社会問題となっており、生態系への影響が懸念されているが、「PHBH」は海水中で生分解する認証「OK Biodegradable MARINE」(30℃の海水中で、生分解度が6カ月以内に90%以上になること)を取得しており、海洋汚染低減に貢献する。

 カネカは美しい環境を次世代に引き継いでいくため、新素材の開発によって環境汚染問題に貢献していく考えだ。

SEMI 2018年は過去最高、半導体製造装置の販売額

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2019年4月17日

 マイクロ・ナノエレクトロニクス製造サプライチェーンの国際工業会であるSEMI(米国カリフォルニア州)はこのほど、半導体製造装置(新品)の2018年世界総販売額が、過去最高の645億ドルに達したと発表した。2017年の566億2000万ドルから14%増加した。

 地域別では、韓国の装置販売額が177億1000万ドルを記録し、昨年に引き続き世界最大市場となった。中国の販売額は131億1000万ドルで、台湾を抜いて初めて世界第2位の市場となった。3位の台湾の販売額は101億7000万ドル。

 年間の装置販売額は、中国と日本、その他地域(主に東南アジア)、欧州、北米で増加したが、台湾と韓国は減少した。2018年の4位以下の順位である日本、北米、欧州、その他地域は前年と同じだった。

 装置分類別では、ウエハープロセス用処理装置が15%、その他前工程装置が9%、テスト装置が20%、組み立ておよびパッケージング装置が2%と、いずれも世界市場販売額が増加した。

 

東洋紡 新素材・包装分野で米社とパートナーシップ契約

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2019年4月17日

 東洋紡はこのほど、世界トップレベルのベンチャーキャピタルであるPlug and Play(米国カリフォルニア州)と、新素材・包装分野でのパートナーシップ契約を締結し、5月1日より活動を開始すると発表した。

 Plug and Playは、革新的なスタートアップ企業と、最先端技術の活用を望む企業とのマッチングを図っており、自動車・IoT・フィンテックなどさまざまな分野で事業支援を行っている。

 今回のパートナーシップ契約では、米国シリコンバレーのPlug and Play本部に東洋紡の従業員が常駐し、新素材・包装分野に関する当社の知見や、Plug and Playが発掘・育成したスタートアップ企業について情報交換を行う。東洋紡の技術が応用できるスタートアップ企業を見つけ、協業機会の創出を図ることが狙いだ。

 これまで東洋紡は、合成繊維の開発から蓄積された、高分子の重合・変性・加工やバイオなどのコア技術によって、高機能製品を世に送り出してきた。

 これらのコア技術を生かし、今回のパートナーシップ契約で出会ったスタートアップ企業とのオープンイノベーションを推進することで、新規事業を開拓し、これからの社会に役立つ製品開発を進めていく。

デンカポリマー 業務用専門展に環境対応製品を出展

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2019年4月17日

 デンカの連結子会社でプラスチック食品容器メーカーのデンカポリマーは、17~19日に東京ビッグサイトで開催される、国内最大級の食材・機器・容器の業務用専門展「ファベックス」に、新素材の機能性食品容器を出展する(西館1ホール・ブース番号:1P‐46)。

 出展するのは、新開発バイオプラスチック「プラピス」を加工・成型した食品容器と、高強度BOPS(二軸延伸ポリスチレンシート)を加工・成型した食品容器「クリアリード」。

 「プラピス」は、デンカのグループ会社・東洋スチレンが開発した、デンプンなどの植物由来プラスチック素材であるポリ乳酸(PLA)と、ポリスチレンを複合させた原料を使用する業界初のバイオプラスチック素材。PLAを25%以上使用することで、石油由来品の使用量を抑えた。また耐薬品性や耐油性、耐熱性にも優れることから、幅広い用途での使用が期待されている。

 他方、「クリアリード」は、デンカが開発した高強度BOPSを素材にした新開発の容器。従来のBOPS製容器と比較して5%、A-PET(非晶性ポリエチレンテレフタレート)製容器と比較して35%の軽量化を実現した。これらの新開発容器により、石油由来のプラスチック削減と輸送コストの低減を通じたCO2排出量の削減に貢献していく考えだ。

 デンカグループは、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に向けて新たな製品・技術の開発に取り組んでいる。合成樹脂の素材からデンカポリマーの加工・成型までグループ内で一貫した技術開発力をもつ強みを生かし、グループの総合力で、地球環境負荷低減につながるプラスチックの効率的な利用を促す新たなソリューションを提案していく。

昭和電工 大分コンビナート内で液化炭酸ガスの量産開始

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2019年4月17日

 昭和電工は16日、連結子会社である昭和電工ガスプロダクツが、大分石油化学コンビナート内の大分工場で液化炭酸ガスの製造設備を新設し製品出荷を開始したと発表した。

 昭和電工ガスプロダクツでは、主力の川崎工場と四日市工場をはじめとする各製造拠点で液化炭酸ガス、ドライアイスを製造していたが、大分工場の設備稼働により、液化炭酸ガスの供給能力は年間1万5000t増加する。

 液化炭酸ガス・ドライアイスは飲料・食品、工業向けなど幅広い産業で使用される製品。原料である炭酸ガスは石油精製や製鉄所、アンモニア製造工程で発生する副生ガスから製造されるが、国内での石油精製とアンモニア生産の縮小により原料の供給源が減少し、業界全体で製品の需給が慢性的に逼迫している。

 そうした中、これまでは長距離輸送による供給やドライアイスの輸入調達により全国の顧客への安定供給を維持してきたが、さらなる安定供給体制を確立する。同設備の新設により、昭和電工ガスプロダクツは大分石油化学コンビナートでの12番目の構成会社になった。

 なお同事業は大分市企業立地促進助成制度と、地域未来投資促進法に基づく経済産業省の地域経済牽引事業の認証を受けている。同設備を安定稼働させ地域の顧客へ安心・安定した製品を提供するとともに、地域経済の発展へ貢献していく。

ランクセス コーティング向け製品群を拡充

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2019年4月17日

 ドイツの特殊化学品メーカーのランクセスは、コーティング業界向けの製品ポートフォリオを拡充している。

 水系システムの配合用原料では、ガラス繊維のサイジング、プラスチックコーティングから、繊維の表面仕上げや自動車塗装まで、幅広い用途向けの製品をラインアップした。

 その中で注力製品として挙げられるのが、特殊水性ブロックドイソシアネート分散剤「トリクシーンアクア」シリーズと、水系ポリウレタン分散剤「ウィトコボンド」ブランドだ。

 「トリクシーンアクア」シリーズは、水系コーティングシステム用の架橋剤・接着促進剤。コーティングとサイジング製剤の化学的・機械的耐性を高め、最終製品に優れた性能と耐久性を付与する。

 ブロックドイソシアネート基のため、他の遊離製品に比べ安定しており、ヒドロキシル官能性アクリルやポリエステル、ウレタンなどの多様な相補的水性樹脂を、1K・2Kシステムに配合することができる。

 繊維加工でも効果を発揮し、「トリクシーンアクアBI220」を、スポーツ・ファッション衣類の撥水仕上げ剤用の接着促進剤として使用することで、優れた耐久性を実現する。

 また、「トリクシーンアクアBI201」は、自動車用クリアコート向けの架橋剤として使用でき、耐チッピング性と外観の向上をもたらす。

 一方、「ウィトコボンド」は水系コーティングや、硬質あるいは柔軟な基板の仕上げなど、 さまざまな用途に使用することができる。

 製品群には最大60%の固形分を含む高固形分製品、低・無共溶媒分散液、アルキルフェノールエトキシレートやノニルフェノールエトキシレートなどの非イオン性界面活性剤を含まないグレードなどがある。

 中でも高固形グレードは、ガラス繊維のサイジングで、複合素材加工での繊維とフィラメントの優れた結合と、最終製品に卓越した物理的特性を提供する。

 例えば、ポリエステルベースの「ウィトコボンド374‐13」は、チョップドストランド製造のための完全性と、多くの熱可塑性・熱硬化性母材への良好な接着性をもたらす。

 さらに、「トリクシーンアクア」シリーズの新製品「トリクシーンアクアBI202」と組み合わせることで、高度な複合素材に使用されるガラスストランドと、種々の樹脂母材との接着を強化する。

 同社では「ランクセスの水系システムにより、塗料業界の顧客は、例えば揮発性有機化合物(VOC)の厳格化する規制に対応できるだけでなく、最新の用途ニーズを満たす高性能製品を開発することができる」としている。