三菱ケミカル 植物由来の因子で細胞培養、共同研究を開始

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2021年11月18日

 三菱ケミカルは17日、バイオベンチャー企業であるネクスジェン(東京都品川区)との間で、植物由来の細胞増殖因子を使った細胞培養手法などの開発に関する試験・研究基本契約を締結したと発表した。

 先進医療として注目を集める再生医療では、患者またはドナーから採取した幹細胞を培養し、目的の組織や臓器に増殖・分化誘導するための、細胞培養周辺材料が重要な要素の1つになる。近年の再生医療技術の進歩に伴い周辺材料の開発も進んでいるが、従来の細胞培養は主にウシ胎児から採取した血清を材料としており、安定供給や動物由来の病原体の混入するリスクに加え、動物倫理上の課題も抱えている。

 三菱ケミカルは、これらの課題を解決するために、植物を活用した細胞増殖因子の生産についての研究に注力する中、幹細胞による次世代再生医療イノベーションの開発に取り組むネクスジェンと連携することにより、医療現場や顧客企業が求める高度な品質を満たす製品開発につなげていく。共同研究を通じて、植物を利用して生産した細胞増殖因子の有用性・安全性を示すとともに、臨床向けに安定した品質と供給を実現させる生産システムの構築を目指す。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略に基づき、社会課題解決に貢献する成長事業群の1つと位置づけられた、再生医療などの「医療進化」に貢献する研究を進めている。再生医療をより安全で安価なものとし、従来の市場になかった製品を提供することで、治療困難な疾患にも再生医療を適用できる環境を実現し、誰もが健康で生き生きと暮らせる社会づくりに貢献していく。

SEMI シリコンウェーハ出荷面積、2024年まで成長

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2021年11月17日

 SEMIは半導体向けシリコンウェーハ出荷面積について、旺盛な成長が2024年まで持続するとの予測を発表した。2021年は、ロジック、ファウンドリ、メモリーの各分野がけん引し、前年比13.9%増の約140億平方インチとなり、過去最高値を記録する見通し。来年以降の成長率は、2022年が6.4%、2023年が4.6%、2024年が2.9%、を予測している。

 SEMIの市場調査統計部門市場アナリストのイナ・スクボルスワ氏は、「半導体の様々な最終市場からの旺盛な長期的需要によって、シリコンの出荷面積は大きく拡大している。この成長の勢いは今後数年間持続することが予測されるが、マクロ経済の回復スピードが鈍化した場合や、需要拡大にウェーハの生産能力の増設が間に合わない場合は、成長が抑制されるかもしれない」と述べている。

 なお、これらの予測数値は、ウェーハメーカーからエンドユーザーに出荷された、ポリッシュドウェーハとエピタキシャルウェーハを集計したもの。ノンポリッシュドウェーハと再生ウェーハは含んでいない。

東ソー 徳山動物園へ大型液晶モニターとフェンスを寄贈

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2021年11月17日

 東ソーはこのほど、徳山動物園(山口県周南市)に、大型液晶モニターと移動動物園用フェンスを寄贈したと発表した。

徳山動物園に寄贈

 同社は、毎年「東ソーグループ夏休み子ども劇場」として、周南市内の子どもたちに夏休みの思い出となる映画を上映してきたが、今年度は、コロナ禍もあり開催を中止。そのため、周南市のランドマークとしても重要な役割をもつ徳山動物園に寄贈を行った。

徳山動物園に寄贈した大型液晶モニターなど

 大型液晶モニター2台(DVDレコーダー2台、モニター鑑賞用スツール20脚)は、イベント時のプレゼンテーション動画の視聴や、通常時には自然学習館で活用される。移動動物園用フェンスは、市内の体験イベントで利用される予定。

 同社は、寄贈品が多くの子どもたちの情操教育に役立てられ、地域社会に貢献できるとともに、同社グループのCSR活動の充実にもつながることを期待している。

旭化成 水島製造所が高圧ガス保安経済産業大臣表彰受賞

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2021年11月17日

 旭化成はこのほど、製造統括本部である水島製造所(岡山県倉敷市)が、令和3年度高圧ガス保安経済産業大臣表彰の「優良製造所」を受賞した。

高圧ガス保安経済産業大臣表彰「優良製造所」 を受賞した水島製造所

 同表彰は、経済産業省が高圧ガス保安に関し、高圧ガスによる災害防止のため不断の努力を重ね著しい成果を収めた事業所や、長年にわたり極めて顕著な功績を上げた保安功労者などに対し表彰する制度。

 今回、水島製造所は、高圧ガス製造施設の設備構造、製造方法に関し、保安上の措置が特に優れている「優良製造所」として表彰を受けた。特に、事故防止のための保安管理活動について、「安全」「人材育成」「設備管理」を三本柱として活発に活動し、保安に影響を与える危険源に対して様々な手法を活用し網羅的にリスク低減に努めている点や、製造現場へのIoTなど先進的な技術の導入による改善の取り組みなどが高く評価された。

 なお、同製造所は昭和50年に旧旭ダウ水島工場(現旭化成)として受賞しており、今回は2度目の受賞となる。

東海カーボン 中国・カーボンブラック子会社の株式売却

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2021年11月17日

 東海カーボンはこのほど、完全子会社である東海炭素(天津)の全株式について、Cabotの中国子会社に譲渡することを決定し、株式譲渡契約を締結したと発表した。

 東海カーボンは、中国のカーボンブラック需要に対応するため、2004年に中国・天津市の天津経済技術開発区に東海炭素(天津)を合弁で設立。2013年には、全持分を取得し完全子会社化するなど、高品質なカーボンブラックの供給を通じて、タイヤ、工業用ゴム部品メーカーを中心とする顧客の要望に応えてきた。しかし、中国市場の競争激化に加え、環境規制の強化による操業規制など、事業環境は年々厳しさを増している。

 こうした状況を踏まえ、東海カーボンは、中期経営計画に沿い事業ポートフォリオの最適化(選択と集中)を進める中、様々な観点から経営資源の再分配について検討し、東海炭素(天津)の事業売却を決定した。

 なお、これに伴い第4四半期(10-12月期)に特別損失約25億円を計上、通期業績予想も純利益のみ95億円(前回予想比25億円減)に下方修正している。

三井化学 「インケム東京」に環境製品・高機能材を出展

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2021年11月17日

 三井化学は、17~19日に東京ビッグサイト(南展示棟)で開催される、化学とプロセス産業用プラントの総合展示会「INCHEM TOKYO 2021(インケム東京)」に、三井化学グループとして、三井化学産資と三井化学ファインとともに出展する。

 グループのもつ環境負荷低減や機能性向上に貢献する高機能材料を展示。世界唯一のユニークな合成パルプ「SWP」、コアテクノロジー・中空繊維化技術によりプラスチック原料の使用量を減らした不織布「シンテックス」「エアリファ」、耐候性や防カビ性に優れながらも木の香りまでも楽しめる木材保護塗料「ノンロット」、液晶性調光ガラス・フィルム用の「二色性色素」など、新技術や新製品の紹介を予定する。

 展示エリアは、構成展示会「機能性材料展(イノベーション・プロダクツ)」内。ブース番号は、S3-F02。

総合化学大手 4-9月期業績、各社利益が伸長

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2021年11月17日

販売数量増と市況上昇が要因、ROSも大幅改善

 総合化学大手5社(三菱ケミカルホールディングス、住友化学、三井化学、旭化成、東ソー)の上期(4-9月期)業績は、コロナ禍で厳しい状況となった昨年同期に比べ、大幅に利益が伸長した。 

 昨年度後半からの自動車生産の回復や巣ごもり需要が拡大したことで、各製品の出荷が好調となったことが背景にある。特に、ボラティリティが高いとされる素材セグメントの利益が大きく伸長したことで、各社のROS(売上高利益率)の改善につながった。

 各社の利益を見ると、コア営業利益(IFRS)では、三菱ケミHDは前年同期比186%増の1561億円、住友化学は同178・4%増の1489億円、三井化学は同408%増の943億円となり、営業利益では旭化成が同47%増の1131億円、東ソーが同270%増の653億円と、揃って大幅な増益となっている。

 中でも石化事業は、

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ダウとラルフローレン 変革的な綿の処理プロセスをオープンソース化

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2021年11月16日

 ダウとラルフローレンはこのほど、ダウが開発したカチオン性イオン綿繊維処理技術繊維加工技術「エコファスト ピュア サステナブルテキスタイル トリートメント」を使用した、サステナブルで効果的な綿の染色方法を説明する詳細なマニュアルを発表した。

 これにより、両社は新しい革新的な染色プロセスをオープンソース化し、繊維業界での採用を促進するとともに、環境へプラスの影響をもたらすサステナブルで効率的な綿繊維染色システムの標準化を支援する。

 マニュアルでは、プロセスを段階ごとに説明し、「エコファスト ピュア」を、既存の染色装置で使用する方法を詳しく紹介している。「エコファスト ピュア」を最初に採用したラルフローレンは、新しいオンデマンド染色プラットフォーム「カラーオンデマンド」の一環として、この技術を綿繊維染色工程で最適化および導入するために、ダウとパートナーを組んだ。

 従来の繊維染色プロセスでは、世界の廃水の約20%にあたる数兆リットルの水が毎年必要とされる。「エコファスト ピュア」を使い繊維を前処理することで、色や品質を犠牲にすることなく、処理薬品を最大90%、水を最大50%、塗料を最大50%、エネルギーを最大40%削減できる。

 ラルフローレンは今年初め、自社のSCへのオンデマンド染色の組み込みを開始。2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会にいて、米国選手団向けのコレクションの一環として、「エコファスト ピュア」を使用した初めての製品を発表した。

 オンデマンド染色は、水不足や綿繊維染色による汚染に取り組むために設計された複数段階のシステムであり、世界初の拡張可能なゼロ廃水の綿繊維染色システムを長期的に実現する、という明確な目標を示すもの。ラルフローレンは、2025年までにオンデマンド染色を使用して、固体綿製品の80%以上を染色することを目指している。

エレファンテック 常勤監査役に元TFLの野田氏が就任

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2021年11月16日

 エレファンテックは15日、常勤監査役(外部)に元トヨタフリートリース(TFL、現トヨタモビリティサービス)取締役・常勤監査役の野田一彦氏が11月4日付で就任したと発表した。

 野田氏は、独立した客観的な立場から取締役の職務執行を監査することで、不祥事などを防止するとともに、企業の健全で持続的な成長を確保し、社会的信頼に応える良質なガバナンス体制の確立に携わる。また、そのキャリアを生かし、エレファンテックの事業拡大などへの貢献が期待されている。

 野田氏は1980年にトヨタ自動車販売(限トヨタ自動車)に入社。豊田通商などを経て、2011年にTFLに出向。同社の取締役、常勤監査役などを歴任した。