クラレ、「ランドセルは海を越えて」 アフガンで配付開始

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2021年11月19日

 クラレはこのほど、毎年実施している国際社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」を通じて全国から寄せられた使用済みランドセルの配付を、アフガニスタンで開始した。今年は全国から約7800個のランドセルが集まり、7月初旬に横浜港を出港。同国ジャララバード(ナンガハール州の州都)にクリニックと事務所を置くアフガン医療連合の協力の下、先月5日から配付がはじまった。

ランドセルをプレゼントされたアフガンの子ともたち。全国から寄せられたランドセルの配付が始まった

 まずは同州バティコット郡の女の子や男の子たちのもとに、色とりどりのランドセルが届けられた。ランドセル用素材として7割以上のシェアを誇る人工皮革「クラリーノ」を生産するクラレは、2004年に同活動を開始。使い終わったランドセルをノートや鉛筆などの学用品と一緒に、アフガニスタンの子どもたちにプレゼントしている。18年目を迎え、これまでに14万個以上のランドセルが海を越えて、アフガニスタンの子どもたちに希望とともに届けられた。

ダイセル 多孔質酢酸セルロース微粒子、学会で発表

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2021年11月19日

 ダイセルはこのほど、オンライン開催された「国際化粧品技術者会連盟(IFSCC)メキシコ中間大会2021」の中で、新規グレード多孔質酢酸セルロース微粒子のポスター発表を行った。

 近年マイクロプラスチックの海洋汚染が問題視され世界的に規制が進み、化粧品分野でもサステナブルな素材が求められている。しかし、天然由来の微粒子素材は硬く、一般的に感触に課題があるとされている。

 同社は、天然由来で生分解性のある酢酸セルロースを独自技術で真球にし、サステナブルかつ柔らかい感触の微粒子(TS‐CA)の開発に成功。今回の大会では既存品よりもさらに柔らかい真球で多孔質酢酸セルロース微粒子(Porous‐TS‐CA)の開発を発表した。

 この多孔質酢酸セルロース微粒子は油の吸収性が高く、余分な皮脂を吸収することでファンデーションの皮脂崩れ防止性を向上させるなど、機能性の向上が期待できる。多孔質酢酸セルロース微粒子を化粧品に配合することで、柔らかい触感、ファンデーションの化粧持ちの向上と同時にサステナブルな製品を提供できる。

 同社は今後、さらなる感触改良や新たな機能性の開発を進め、「美と健康」に貢献する化粧品素材の開発を進めていく。

日本酸素 テキサス州で液化炭酸ガスなど製造設備を新設

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2021年11月19日

 日本酸素ホールディングスはこのほど、米国事業会社であるMathesonの100%子会社であるCCPIが、Enlinkと原料ガスの供給契約を締結し、テキサス州に液化炭酸ガス・ドライアイスの製造設備を新設すると発表した。

 Mathesonでは主力産業ガス製品品目の拡充と新規事業領域への進出を目的に、2014年にCCPIを買収し、北米の炭酸ガス・ドライアイス事業に本格参入した。現在は北米で生産拠点13カ所を含む45カ所の事業拠点で炭酸ガス事業を展開。今回、テキサス州のEnlinkからシェールガス由来の原料ガス供給を受け、同州ブリッジポート市に新たに液化炭酸ガスプラントとドライアイスの製造設備を建設し、2024年前半の完成を予定している。

 CCPIは、米国中西部、南部、北東部に生産拠点をもっており、都市部を中心とした食品産業向け炭酸ガス・ドライアイスの旺盛な需要に対応している。また、南部には、テキサス州とアーカンソー州に炭酸ガスプラントとドライアイス製造設備を保有しているが、同地区でも食肉加工・食品運搬用途での液化炭酸ガス・ドライアイスの需要が増加しており、南部での安定供給を図るため、新たに製造設備を建設する。Mathesonでは引き続き、全米での炭酸ガス・ドライアイス供給事業をさらに強化していく。

東レ ラージトウ炭素繊維、メキシコで生産設備を増強

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2021年11月19日

 東レは18日、米国の子会社Zoltek(ミズーリ州セントルイス)でのラージトウ炭素繊維の生産設備増強を決定したと発表した。Zoltekのメキシコ工場の生産設備を現行の年産1万3000tから2万tに増強する計画。設備投資額は約1億3000万USドル(約140億円)で、2023年の生産開始を予定している。

 Zoltekは、ハンガリー工場で年産1万5000tのラージトウ炭素繊維を生産しており、メキシコ工場増強後の生産能力は全体で約3万5000tに拡大する。

 近年、環境負荷が少ない再生可能エネルギーが注目されており、中でも風力発電の新規導入が進んでいる。またブレード(発電翼)には、発電効率向上を目的に、長尺・軽量化要求が強まっており、比重が低く、強度・剛性が高い炭素繊維の使用比率が増加傾向にある。

 こうした状況を背景に、産業用途での要求特性を満たすラージトウ炭素繊維は、今後も中長期的な市場成長が見込まれている。今回、メキシコ工場の生産設備を増強することで、より強固な安定供給体制を確立し、拡大するラージトウ炭素繊維の需要を確実に取り込む構えだ。

 Zoltekは今後も、米国、ハンガリー、メキシコに生産拠点をもつ強みを生かし、風力発電翼用途を中心とするグローバルな需要拡大に対応していく。

丸紅 オマーンでグリーン水素・アンモニアを製造

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2021年11月18日

 丸紅はこのほど、オマーンの国営石油会社OQ社のグループ会社、グローバルな産業ガス会社Linde社のグループ会社、アラブ首長国連邦ドバイ首長国のエンジニアリング会社Dutcoグループ傘下の会社との間で、オマーン南部サラーラ地域での再生可能エネルギー由来の電力を利用したグリーン水素・グリーンアンモニア製造に係る技術面・商務面の事業化調査の枠組みを定める共同開発契約に調印した。

 丸紅は、日本を含む世界19カ国で持分容量約12GWの発電資産を保有・運営し、中東地域ではオマーンの発電容量105㎿の太陽光発電所を含む4件の太陽光発電事業に参画している。これら事業で得られた知見・経験をもとに、今回のプロジェクトを通じて、中東地域の豊富な再生可能エネルギー由来の電力を利用したグリーン水素とグリーンアンモニアの製造・利活用事業を実現させ、クリーンかつサステナブルな水素・アンモニアバリューチェーンの構築を目指す。

太陽ホールディングス 高周波対応熱硬化型フィルム、JPCA賞に

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2021年11月18日

 太陽ホールディングス(HD)はこのほど、子会社である太陽インキ製造が、「新規樹脂を用いた高周波対応熱硬化型フィルム」で第17回JPCA賞(アワード)を受賞したと発表した。

 同フィルムは、太陽HD研究部門と太陽インキ製造が5Gの高周波帯域で使用される電子機器向けに共同で開発、既存の電子回路基材用フィルムで課題となる伝送損失を大幅に下げることを可能にしている。

 5Gの普及に伴い、ミリ波帯で信号ロスを低くするための新しい基材用フィルムが求められている。伝送損失は誘電体損失と導体損失からなるが、誘電体損失は基材の誘電損失に比例し、基材の誘電率の二分の一乗に比例して大きくなる。

 誘電損失および誘電率が低く、また高温高湿下でも誘電損失の上昇が少ないフィルムとして、これまでPPEやLCPといったフィルムが提案されてきた。しかし、熱可塑性であるため、異方性をもつ、線膨張係数が大きい、熱変形しやすいなど、加工性や信頼性に課題があった。

 この課題を解決するために両社は、電気特性に優れる熱可塑性樹脂PPEを変性した、新しい熱硬化型樹脂を合成。これを活用して適正に配合することで、電気特性、加工性、信頼性に優れた高周波対応熱硬化型フィルムを開発した。この熱硬化型フィルムは、これまでと同等の加工性や信頼性をもちながらも、熱可塑性PPEの強みである優れた電気特性を併せもつことから、5G向けの電子回路基材や層間絶縁材などにより適している。

 今回、選考委員会による応募論文審査の結果、JPCA賞(アワード)を受賞した。なお、太陽インキ製造は、昨年に続き2回目の受賞となる。

大陽日酸 2つの充填工場を集約、省力化設備に置き換え

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2021年11月18日

 大陽日酸はこのほど、北九州地区と千葉地区のシリンダーガスの充填工場について、高圧ガス工業との共同運営による充填工場の集約、ならびに省力化設備へのリプレースを実施することに合意したと発表した。

 北九州、千葉の両社のシリンダーガス充填工場は共に老朽化が進んでいる。両社の設備を集約することで、更新の二重投資を避けるとともに、シリンダーガスの生産性と品質管理の向上を実現するため、両社がもつ技術を結集し、医療用酸素の自動充填をはじめとする省力化システムを備えたシリンダーガス充填工場を建設し共同で運営することとした。

 北九州地区では、大陽日酸の関係会社である北九州日酸と高圧ガス工業の小倉工場の生産を統合するために、共同運営会社を2022年4月1日に設立する予定。効率的な生産体制を備えた新工場を建設し、同年7月1日の稼働開始を見込んでいる。

 一方、千葉地区では、両社が共同運営をしている東洋高圧ガスに大陽日酸の関係会社である千葉日酸の生産を集約する。充填工場も省力化システムを備えた設備にリプレースし、2022年5月1日の稼働を予定している。

太陽石油 水素菌のバイオジェット燃料、共同研究を開始

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2021年11月18日

 太陽石油は17日、CO2資源化研究所(UCDI社)とバイオジェット燃料の原料であるイソブタノール製造に関する共同研究契約を締結したと発表した。CO2を原料とするSAF(持続可能な航空燃料)製造に向けた研究を共同で開始する。

 世界的に脱炭素化が加速しており、各社に対応が求められている。航空輸送分野についてもバイオマスや廃食油などを原料としたSAFの製造、供給が進んできた。しかし、これらの燃料は食糧との競合、水資源や地球環境保全への影響、原料確保といった様々な課題があり、大量生産には不向きな状況にある。

 こうした中、課題解決として、CO2から燃料を製造するカーボンリサイクルへの期待が高まっている。UCDI社は、増殖速度が非常に速い「UCDI水素菌」を開発し、水素とCO2を原料としたイソブタノール生成に関する基盤技術・特許をもつ。今回の共同研究では、UCDI社の基盤技術と太陽石油の石油精製に関する知見を融合し、水素とCO2を原料としたSAF製造の実証化に向けた技術開発を実施していく。

 太陽石油は2050年のカーボンニュートラル社会の実現に貢献すべく、バイオ原料の利用や生物機能を活用したサステナブルな燃料・化学品原料の供給に向けた検討を推進。今後も、地球環境と調和した有望な事業領域の拡大に積極的に取り組んでいく考えだ。

三菱ケミカル 植物由来の因子で細胞培養、共同研究を開始

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2021年11月18日

 三菱ケミカルは17日、バイオベンチャー企業であるネクスジェン(東京都品川区)との間で、植物由来の細胞増殖因子を使った細胞培養手法などの開発に関する試験・研究基本契約を締結したと発表した。

 先進医療として注目を集める再生医療では、患者またはドナーから採取した幹細胞を培養し、目的の組織や臓器に増殖・分化誘導するための、細胞培養周辺材料が重要な要素の1つになる。近年の再生医療技術の進歩に伴い周辺材料の開発も進んでいるが、従来の細胞培養は主にウシ胎児から採取した血清を材料としており、安定供給や動物由来の病原体の混入するリスクに加え、動物倫理上の課題も抱えている。

 三菱ケミカルは、これらの課題を解決するために、植物を活用した細胞増殖因子の生産についての研究に注力する中、幹細胞による次世代再生医療イノベーションの開発に取り組むネクスジェンと連携することにより、医療現場や顧客企業が求める高度な品質を満たす製品開発につなげていく。共同研究を通じて、植物を利用して生産した細胞増殖因子の有用性・安全性を示すとともに、臨床向けに安定した品質と供給を実現させる生産システムの構築を目指す。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる中長期経営基本戦略に基づき、社会課題解決に貢献する成長事業群の1つと位置づけられた、再生医療などの「医療進化」に貢献する研究を進めている。再生医療をより安全で安価なものとし、従来の市場になかった製品を提供することで、治療困難な疾患にも再生医療を適用できる環境を実現し、誰もが健康で生き生きと暮らせる社会づくりに貢献していく。