東レの4-12月期 減収減益も通期予想は上方修正

,

2021年2月10日

 東レは9日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比14%減の1兆3642億円、事業利益36%減の670億円、営業利益64%減の362億円、純利益63%減の279億円となった。新型コロナの感染拡大による生産活動・消費行動の停滞に加え、国際的なサプライチェーン分断による経済混乱で、大幅に落ち込んだ。また米国子会社の減損損失を計上した。

 事業分野ごとに見ると、繊維事業は減収減益。国内外の生産活動・消費行動停滞の影響で、衣料用途は各国のロックダウンや過剰な流通在庫で需要が低迷し、産業用は一般資材用途が低調に推移した。医療用白衣地やマスク用の不織布需要の増加と自動車関連の回復の動きが見られたが、総量の減少はカバーできなかった。

 機能化成品事業は減収増益。樹脂事業は生産活動停滞の影響を受けたが、第3四半期には自動車と中国経済の回復で好調に推移。ケミカル事業は基礎原料市況が回復傾向だ。フィルム事業はLIB用セパレータフィルムが市況価格低下の影響を受けたが、ポリエステルフィルムは光学用途や電子部品関連で好調に推移。電子情報材料事業は回路材料は低調だったが、第3四半期は有機EL関連の需要が増えた。

 炭素繊維複合材料事業は減収減損。一般産業用では風力発電翼用途が堅調だったが、航空宇宙用途は民間旅客機のビルドレートの減少が影響した。

 環境・エンジニアリング事業は減収増益。水処理事業は一部地域への出荷に新型コロナの影響があったが、逆浸透膜などの需要はおおむね堅調。国内エンジニアリング子会社でエレクトロニクス関連装置は減少したが、建設子会社の大型工事案件進捗や不動産物件の完工で収益計上した。

 ライフサイエンス事業は減収増益。医薬事業は経口そう痒症改善薬が後発医薬品発売と薬価改定の影響を受けた。医療機器事業は医療機関での不急手術先送りの影響がある中、ダイアライザーは国内外で堅調だった。

 なお、通期業績予想は、業績動向と事業環境などを踏まえ、売上収益を前回発表比100億円増の1兆8700億円、事業利益を同100億円増の900億円、純利益を同50億円増の390億円に上方修正した。

三井化学の4-12月期 減収減益も市況高などで収益改善

,

2021年2月10日

 三井化学が9日に発表した、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比15%減の8574億円、コア営業利益は13%減の522億円、純利益は7%増の330億円だった。

中島一取締役常務執行役員CFO
中島一取締役常務執行役員CFO

 同日にウェブ開催した決算説明会で、中島一取締役常務執行役員CFOは今期までの状況について、「上期(4-9月期)ではコロナの影響による需要の鈍化に加え、基盤素材はナフサ価格の下落に伴う在庫評価損の影響を受けた。しかし、3Q(10-12月期)になると、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

旭化成の4-12月期 マテリアルの改善が顕著

,

2021年2月10日

半導体工場火災で特損計上、純利益は下方修正に

柴田豊副社長

 旭化成は9日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比3%減の1兆5367億円、営業利益8%減の1295億円、経常利益9%減の1323億円、純利益23%減の800億円となった。同日開催されたオンライン会見の中で、柴田豊取締役兼副社長執行役員は、「10-12月は前年同期比で増収増益となった。マテリアルセグメントで自動車関連の市場や石化製品市況が回復し、住宅セグメント、ヘルスケアセグメントも上期から好調さを維持した」としたが、

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

ニチバン 4-12月期決算(8日)

,

2021年2月9日

[ニチバン/4―12月期決算](8日)単位100万円、カッコ内は対前年同期増減率。▽連結=売上高31,151(▲7.5%)、営業利益1,706(▲34.6%)、経常利益1,838(▲31.9%)、純利益1,168(▲29.9%)。

 

帝人の4-12月期 自動車を中心に回復傾向が継続

, ,

2021年2月9日

 帝人は8日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比6%減の6097億円、営業利益6%減の452億円、経常利益10%減の429億円、純利益11%減の268億円となった。電話会見で園部芳久代表取締役専務執行役員CFOは「売上高はコロナ下で医療用防護具の供給拡大による売上貢献があった一方、マテリアル事業での自動車・航空機用途の需要減、 “帝人の4-12月期 自動車を中心に回復傾向が継続” の続きを読む

AGC 12月期決算(5日)

,

2021年2月8日

[AGC/12月期決算](5日)単位100万円、カッコ内は対前期増減率。▽連結(国際会計基準:IFRS)=売上高1,412,306(▲7.0%)、営業利益75,780(▲25.4%)、税引前利益57,121(▲25.0%)、純利益32,715(▲26.4%)。

クレハの4-12月期 増収減益だが通期予想は上方修正

,

2021年2月8日

 クレハは5日、2020年度第3四半期(4-12月期)の連結業績(IFRS)を発表した。売上収益は前年同期比微増の1057億円、営業利益44%減の146億円、税引前利益43%減の149億円、純利益43%減の118億円となった。機能製品事業の販売回復の兆しなどで売上げは前年並み。原燃料価格の低減と新型コロナ感染拡大に伴う活動経費の縮小でセグメント営業利益は増加したが、前年同期計上の本社別館の土地売却益93億円のため減益となった。

 セグメント別にみると、機能製品事業は減収減益。機能樹脂分野は、PPS樹脂とシェールオイル・ガス掘削用途向けPGA(ポリグリコール酸)樹脂加工品は減収だが、リチウムイオン二次電池用バインダー用フッ化ビニリデン樹脂の増加で増収。PGA事業の損失増加と持分法適用の米国合弁事業の利益減少などで減益。炭素製品分野は、自動車部品用摺動材と高温炉用断熱材向け炭素繊維の売上減少で、減収減益となった。

 化学製品事業は増収増益。医薬・農薬分野は、慢性腎不全用剤が減少したが、農業・園芸用殺菌剤の売上増により増収増益。工業薬品分野は、無機・有機薬品類の売上減少で減収減益だった。

 樹脂製品事業は減収増益。コンシューマー・グッズ分野は、家庭用ラップとフッ化ビニリデン釣糸の売上増で増収増益となり、業務用食品包装材分野は、熱収縮多層フィルムなどの売上減少と、前年度のブローボトル事業の譲渡により減収減益だった。

 建設関連事業は減収増益。建設事業は、公共工事の増加と民間工事の中止や延期の結果、営業利益は前年同期並みだった。

 その他関連事業は増収増益。環境事業は、産業廃棄物処理と処分の増加で、増収増益となった。運送事業は売上、営業利益とも前年同期並み。病院事業は売上が減少し、営業損失が増加した。

 なお、通期連結業績予想を上方修正した。LiB用バインダー向けフッ化ビニリデン樹脂と環境事業の増加、販売費と一般管理費の減少などで、売上収益は20億増の1400億円、営業利益20億増の165億円、税引前利益25億増の170億円、純利益18億増の133億円を見込んでいる。