チッソの4-6月期 営業利益は3000万円の黒字に

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2020年8月25日

 チッソは24日、2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算を発表した。売上高は前年同期比18%減の304億円、営業利益3000万円(同7億8000万円増)、経常損失3億円(同8億円増)、純損失16億円(同18億円増)となった。

 セグメント別に見ると、機能材料(液晶材料など)は売上高同37%減の55億円。液晶材料は、新型コロナの影響による巣ごもり需要からモニター、モバイルなどの中小型用液晶パネル用途の販売が増加したものの、大型テレビや車載用途などの需要が減少したほか、液晶パネルメーカーでの事業の戦略転換による影響を受け、出荷が低調となった。

 加工品(繊維製品、肥料など)は売上高2%減の143億円。繊維製品は、国内で除菌シートやマスクなどの新型コロナ対策関連の需要が急速に拡大したことなどから、原綿および不織布の出荷が伸長した。肥料は、施肥作業の省力化が評価されている被覆肥料の出荷は堅調だったが、顧客の在庫調整の影響により化成肥料の出荷が低調だった。

 化学品(アルコール、樹脂など)は売上高47%減の34億円。オキソアルコールは、原料ナフサ価格の下落による影響で販売価格が低下したことに加え、生産設備の大型定期修理の実施により出荷が減少した。また、ポリプロピレンは、新型コロナの影響により自動車関連の需要が低下した。

 商事事業は売上高31%減の40億円。主力のポリプロピレンの出荷が低調だった。電力事業は62%増の19億円。全13カ所の水力発電所について、FIT活用に向けた改修工事計画を進めており、第1四半期の期間中、4月に8カ所目となる白川発電所の工事が完了し、新たに営業運転を開始した。

 その他(エンジニアリングなど)は売上高88%増の14億円。エンジニアリング事業は、石油化学関連設備にかかる手持案件の工事が順調に進捗した。

 なお、通期業績予想については、新型コロナウイルス感染症による影響の長期化などにより、現段階では合理的な予想値の算定を行うことは困難であると判断し未定としている。

 

ENEOSの4-6月期 減収減益も通期は増益を見込む

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2020年8月24日

 ENEOSホールディングスの2020年度第1四半期(4―6月期)連結決算(IFRS)は、営業利益が前年同期比57%減の210億円、在庫影響除き営業利益は21%増の832億円だった。原油価格の下落に伴う、エネルギー事業での在庫評価損失622億円の発生に加え、石油・天然ガス開発事業では販売価格が低下し大幅な減益となった。 

田中常務執行役員
田中常務執行役員

 また、コロナ禍による人の移動の減少に伴い、ジェット燃料をはじめとした石油製品の販売が減少。金属事業では、チリ・カセロネス銅鉱山での感染対策により人員を抑制して操業していることから生産が減少した。 

 これらのコロナ影響による悪化要因はあったものの、在庫影響除き営業利益は、タイムラグを主因とした国内石油製品マージンが堅調に推移したことや、子会社NIPPOの不動産開発事業での大型案件売却、テレワークなどの普及による通信需要の増加に伴う電子材料の増販、コスト削減による経費減少などにより増益となった。

 売上高は39%減の1兆5462億円。エネルギー事業での減収が大きく、販売数量の減少や原油価格の下落に伴う販売価格の低下が響いた。最終損益は49億円の赤字となった(前年同期は174億円の黒字)。

 12日に都内で決算説明会を開催。田中聡一郎常務執行役員は今年度の見通しについて、

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三井化学 通期予想を上方修正、不織布需要が拡大

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2020年8月21日

1Qはモビリティ、基盤素材振るわず減収減益に

 三井化学の2021年3月期第1四半期(4-6月期)の連結決算(IFRS)は、コロナ禍による需要鈍化やナフサ価格急落による在庫評価損が響き、大幅な減収減益となった。売上収益は前年同期比26%減の2545億円、コア営業利益は同98%減の6億円となり、最終損益は23億円(同149億円減)の赤字だった。

中島取締役常務執行役員CFO
中島取締役常務執行役員CFO

 今年度の通期業績については、新型コロナウイルス感染症の影響など依然不透明な状況は続くが、中島一取締役常務執行役員CFOは、「各セグメントの現時点での想定しうる状況をあらためて精査した結果、前回発表値を上回る利益が確保できる見通しとなった」とし、各収益項目を上方修正した。売上収益は1兆1700億円(前回予想比250億円増)、コア営業利益400億円(同50億円増)、親会社所有者帰属の当期利益270億円(同70億円増)を見込む。

 13日にオンラインによる決算説明会を開催。中島CFOは上方修正の理由を期初予想時からの

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東亞合成の上期 減収減益も高機能無機材料は伸長

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2020年8月20日

半導体・抗ウイルス需要追い風に基盤強化を図る

 東亞合成の2020年上期(1-6月期)の決算は減収減益となった。売上高は前年同期比9%減の658億円、営業利益22%減の57億円、純利益32%減の38億円。コロナ禍による経済活動やモノの動きの停滞、原油・ナフサ価格下落に伴う販売価格の低下など、多方面で影響を受ける結果となった。

開発品の防曇塗料を塗布したフェイスシールドを着用し説明を行う、髙村社長
開発品の防曇塗料を塗布したフェイスシールドを着用し説明を行う、髙村社長

   そんな中、同社の5つの事業セグメントの1つである「高機能無機材料事業」は増収増益と業績を伸ばした。半導体や抗菌・抗ウイルス関連の商材を扱う同セグメントは、売上高は44億円と全体の7%程度だが、営業利益13億円は全体の23%を占め、営業利益率は29%と群を抜く。

 7日に行われた決算説明会で、髙村美己志社長はその要因に触れ、「半導体・電子部品向けでは、イオン捕捉剤と高純度液化塩化水素が好調だった。特にイオン捕捉剤「IXE(イグゼ)」は昨年までは大分苦戦していたものの、

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DICの1-6月期 コロナ影響による出荷減で減収減益

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2020年8月19日

 DICは11日、2020年度上期(1-6月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比11%減の3437億円、営業利益3%減の178億円、経常利益18%減の156億円、純利益21%減の103億円となった。

 オンラインの決算会見の中で、古田修司執行役員・最高財務責任者は「4-6月期にコロナ影響を大きく受け、自動車関連や建設関連で出荷数量が大きく落ち込んだ。5月を底に回復傾向にはあるものの、減収減益となった」と総括した。

 セグメント別に見ると、パッケージング&グラフィックは売上高9%減の1901億円、営業利益9%増の87億円。欧米ではパッケージ用インキが引き続き堅調な出荷となり現地通貨ベースでは前年並みとなったが、 “DICの1-6月期 コロナ影響による出荷減で減収減益” の続きを読む

昭和電工 通期業績予想、利益項目は赤字を見込む

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2020年8月19日

森川社長「環境悪化への抵抗力を自助努力で向上」

 昭和電工は上期(1-6月期)の決算を発表した。売上高は前年同期比31%減の3266億円、営業損失258億円(同1113億円減)となった。また、通期業績予想も、下期から日立化成を組み入れることで、売上高は前年度比6%増9600億円と増収になるが、営業損失300億円(同1508億円減)をはじめ各利益項目は赤字を見込む。

 オンラインによる決算説明会で森川宏平社長は、「鉄鋼生産縮小に伴う黒鉛電極事業の大幅減産やコロナ影響、ナフサ価格下落など特別要因に加え、日立化成統合関連の一時的な支出が重なり、上期決算と通期業績予想は厳しい内容だ」とし、

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