住友化学 サステナビリティ調査でゴールド評価を獲得

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2020年6月5日

 住友化学はこのほど、仏エコバディス社のサステナビリティ調査で、対象企業全体の上位5%の水準に相当する企業が認定される「ゴールド」評価を獲得したと発表した。

 エコバディス社は、グローバルサプライチェーンを通じた企業の環境・社会的慣行の改善を目指して2007年に設立された、企業のESG関連取り組みの評価機関。これまでに世界160カ国、200業種におよぶ企業、約6万5000社を対象に、「環境」「労働と人権」「倫理」「持続可能な資材調達」の4分野での企業の方針・施策・実績について評価を行っている。

 昨今、世界でも多くの企業が、サプライチェーン全体にわたるサステナビリティの実現に注力している。サプライヤー選定についても、ESGの観点から、エコバディス社のサステナビリティ調査による評価結果を選定基準の1つとして参照する動きが広がっており、住友化学グループでも取引先からの要請に応えて同評価結果の開示を行う例が増えている。

 住友化学グループは、今回の評価結果を励みとして、社会から信頼される企業集団であり続けるためにグループ一体となってサステナビリティ推進の取り組みを一層強化していく。そして、これからも事業を通じて持続可能な社会の実現に貢献することで持続的な成長を実現し、ステークホルダーの期待に応えていく方針だ。

住友化学 サステナビリティマーク

三井化学 知床で海洋ごみ清掃活動実施、動画を公開

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2020年2月28日

知床の海岸でフレコン8袋分の漂着ごみを回収
知床の海岸でフレコン8袋分の漂着ごみを回収

 三井化学グループは、サステナビリティ活動の一環として、「世界自然遺産応援プロジェクト」を展開している。

 屋久島、小笠原に続く第3弾は、2005年に世界自然遺産に登録された北海道・知床半島の海岸で実施。同地を抱える斜里町と環境省が主催するクリーンアップ活動に協賛し、三井化学と北海道三井化学の従業員が、漂着ごみや投棄ごみを回収した。このほど、その模様を収めた活動紹介動画をウェブに公開した。

 クリーンアップ活動は昨年10月22日、世界自然遺産の登録地域の中央部、西海岸に位置するルシャ地区で行った。普段は人の立ち入りが禁止されている自然豊かな同地区は、世界有数のヒグマ高密度生息域でもある。清掃活動前にヒグマと遭遇した際の対処法の説明を受け、知床財団のスタッフが遠方に現れたヒグマを監視する中で回収作業が始められた。

 北海道三井化学の平間亮介さんは「出身地が道東なので、知床の海岸をきれいにしたい」、同じく同社から参加した稲熊清伸さんは「今、問題となっている海洋プラスチックごみ問題を、知床の海岸で直に見てみたかった」と、動画の中でそれぞれの参加への思いを語る。

 地元漁業協同組合のボランティアを中心に、総勢34人が参加。漁網やブイなどの漁具や国内外から流れ着いた包装資材、廃タイヤなどフレキシブルコンテナバッグで8袋分(=約8㎥)の海岸ごみを回収した。

 作業を終えた三井化学コーポレートコミュニケーション部の多田祐美さんは、「今後、プラスチックごみをどう処理していくのか、どうリサイクルできるのか、身をもって体験するいい1日になった」と、清掃活動を振り返った。

 三井化学では2015年から、社員と会社が寄付基金を積み立てる共同CSR「ちびっとワンコイン」の枠組みを通じて、海洋ごみ問題のパイオニアであるJEAN(ジーン)の活動を支援しており、現状把握と自分たちができることを考える講演会やワークショップを随時開催している。

 また19年度は全世界の三井化学グループを挙げたクリーンアップキャラバンを実施。今回、知床での海洋ごみ問題の現状を知り、北海道三井化学とともにクリーンアップ活動に参加した。三分55秒の動画は、専用サイト(https://youtu.be/qq_alXVyUsE)や、三井化学のウェブサイトで公開している。

三井化学 サステナビリティ格付けの評価スコアが向上

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2020年2月21日

 三井化学はこのほど、米国のS&Pグローバル社とスイスのロベコサム社による世界の代表的なサステナビリティ格付け「ロベコサム サステナビリティ アワード2020」で、「Industry Mover(インダストリームーバー)」に選定された。

 世界の主要な化学企業108社のうち、評価スコアが上位15%以上、かつ前年度からスコアが最も向上したことに対するもの。

 S&Pグローバル社とロベコサム社は毎年、世界の企業を対象に経済・環境・社会の観点で企業のサステナビリティ評価を行い、「サステナビリティ・イヤーブック」を発行。その中で「インダストリームーバー」を公開している。今回は約4700社が評価を受け、三井化学を含む55社(61業界)が選定された。

 SDGsをはじめとする社会課題の解決に向けて企業への要請が高まる中、同社は化学産業を「社会の基盤と革新を担う存在であり、持続可能な社会に向けて大きな責任を持つ」と位置づける。

 その認識の下、同社グループは「環境と調和した共生社会」「健康安心な長寿社会」を実現するため、環境貢献価値「Blue Value」とQOL向上貢献価値「Rose Value」の提供をはじめとする社会価値創造の取り組みを深化させ、社会と同社グループの持続可能な発展を目指している。

 なお同社は、米S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社とロベコサム社による、ESG投資の世界的な指標「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・インデックス・アジアパシフィック(DJSI AP)」の構成銘柄にも2年連続で採用されている。イノベーションマネジメントや気候変動戦略、水リスク管理の項目について高い評価を受けた。

積水化学 4生産工場に自家消費型太陽光発電設備を導入

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2020年2月4日

中四国セキスイハイム工業太陽光パネル
中四国セキスイハイム工業の太陽光パネル

 積水化学工業はこのほど、住宅カンパニーが、環境負荷低減に向けた施策として、4つの住宅生産工場に自家消費型の太陽光発電設備を導入すると発表した。

 国内8カ所の住宅生産工場のうち、東北セキスイハイム工業(宮城県)、中四国セキスイハイム工業(岡山県)、九州セキスハイム工業(佐賀県)の3カ所は、今月3日までに稼働を開始。来年2月にはさらにセキスイハイム工業関東事業所(茨城県)への導入も予定している。

 住宅カンパニーでは、環境問題と社会課題の解決や盤石な経営基盤の構築を事業の成長力として位置づけ、ESG経営を推進。このような考え方のもと自家消費型太陽光発電設備を導入することで、再生可能エネルギーの自己創出を進め、温室効果ガス排出量の削減と持続可能な社会の構築への貢献を目指す。

 住宅カンパニーではすでに、住宅生産工場で太陽光発電設備を導入しているが、大規模な太陽光発電設備の発電電力はすべて売電にあてており、自家消費を目的とした大規模な太陽光発電設備の導入は今回が初となる。この導入により、四工場合計の年間使用電力量の約37%に当たる約3100Mwhを賄え、約1720t-CO2の温室効果ガス排出量と、約4300万円の電気料金が削減できる見込み。

 また、今回導入する太陽光発電設備には、消費電力に合わせてパワーコンディショナーの出力を制御する出力制御システムを搭載。同システムにより、逆潮流を防ぎつつ発電と消費の効率的なバランスを維持することができる。さらに、4工場すべてで太陽光発電設備の自立運転が可能なため、災害時には、非常用電源として利用できるだけではなく、近隣住民が携帯電話の充電などで利用することも可能だ。

 同社は、住宅生産工場への自家消費型太陽光発電設備の導入を通じて、再生可能エネルギーのさらなる普及をリードし、SDGsで提唱されている「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」「気象変動に具体的な対策を」「パートナーシップで目標を達成しよう」などの目標に取り組み、課題解決への貢献を目指す方針だ。

NEDO インドネシア実証事業、CO2クレジット発行

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2020年1月30日

 NEDOはこのほど、2013~2018年度までインドネシアで実施した3つの実証事業について、温室効果ガス排出削減・吸収を促進する2国間クレジット制度(JCM)プロジェクトとして、クレジットが発行されたと発表した。2013年にJCMを開始して以来、同国との間でNEDOの実証事業として初のクレジット発行となる。

 日本とインドネシアの間で実施されるJCM合同委員会によって承認され、合計CO2排出量3万7836tのクレジットが発行され、日本の貢献分として、そのうち2万6541tを日本政府が獲得した。

 3つの実証事業については、①動力プラント(ボイラー、タービン設備)への運用最適化技術の適用、②石油精製プラントの運転制御最適化による省エネルギー、③インドネシア共和国における携帯電話基地局へのトライブリッド技術導入による低炭素化プロジェクトJCM実証事業、となっている。

 NEDOでは、今後もJCM制度などを活用し、日本の低炭素技術・システムの海外への普及と地球規模での温室効果ガス排出量削減に貢献していく。

プラ循環協 2018年版フロー図と循環負荷情報を公表

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2019年12月25日

 プラスチック循環利用協会は24日、「2018年プラスチック製品の生産・廃棄・再資源化・処理処分の状況」のフロー図を公表した。なお、今年は5年ごとに行う、廃プラ排出事業者を対象としたアンケート調査を実施。各種係数を見直したことで精度が向上した。

2018年マテリアルフロー図
2018年マテリアルフロー図

 2018年の「樹脂生産量」は、前年比35万t減少の1067万tだった。「国内樹脂製品消費量」は同17万t増の1029万tとなったが、これは、マテリアルリサイクル(MR)品が国内に流通したことや、樹脂の輸入量が輸出を大きく上回ったことによるもの。一方、「廃プラ総排出量」は、係数の見直しにより産業系廃棄物となる生産ロスの量が減少し、同12万t減の891万tだった。

 廃プラの排出先の内訳は、「一般廃棄物」が同11万t増の429万tと2年連続で増加。包装・容器の消費量が徐々に増加傾向にある。「産業系廃棄物」は同23万t減の462万tだった。

 処理処分方法別では、MRが同3万t減の208万t、ケミカルリサイクル(CR)同1万t減の39万t、サーマルリサイクル(TR)同21万t減の502万t。「有効利用廃プラ」量は同25万t減の750万tと減少し、「未利用廃プラ」(単純焼却、埋め立て処分)量は同14万t増の142万tと増加した。この結果、廃プラの有効利用率はMR23%、CR4%、TR56%となり、全体では前年と比べ二ポイント減の84%だった。

 減少した要因としては、係数の見直し(一般系と産業系廃プラの埋め立て量が増加し、産業系廃プラのMR利用料と発電焼却量が減少)による3ポイントのマイナスが大きい。前年までの係数であれば、MRとセメント原燃料の利用量増加によって1ポイントのプラスだった。

 MRの最大の利用先である再生材料・製品の輸出量は、2017年末に中国によるプラくずの輸入規制が強化された影響で同39万t減の91万と大幅に減少した。なお、再生材料・製品の生産比率は、2017年までは再生材料が増加していたが、2018年は減少に転じた。

 これは主に中国に輸出していた低品質の粉状・破砕品の生産量が減少した影響によるもの。代わりにペレットなどの再生材料の生産量が増え、それを利用した国内での再生製品の生産量が増加している。

 一方、廃プラの有効利用による2018年のエネルギー削減効果(削減貢献量)は、185PJ(ペタジュール)=一般系廃棄物77PJ、産業系廃棄物108PJ=となった。家庭消費総エネルギー量では304万世帯分に相当する。2017年から33PJ減少したが、MR品の国内利用料が前年に比べ大幅に増加し、MRによる削減貢献量が減少した影響とみられる。

 また、CO2削減効果は1593万t。内訳は一般系廃棄物が567万t(削減効果36%)、産業系廃棄物が1026万t(同64%)だった。家庭からのCO2排出量では370万世帯分に相当する。

ブラスケム バイオPEを宇宙でリサイクル、実証始まる

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2019年12月16日

 ブラジルのブラスケムは、米Made In Space(MIS社)と協業し、高度400㎞の軌道上にある国際宇宙ステーション(ISS)でのプラスチック・リサイクル実証試験を行っている。

ISSで実証運用するバイオPEリサイクル装置03
ISSで実証運用するバイオPEリサイクル装置

 実証用のリサイクル装置は、米バージニア州NASAワロップス飛行施設から、先月2日(現地時間)に打ち上げられた。

 ノースロップ・グラマンのシグナス補給船12号機によりISSに運び込まれた同リサイクル装置は、バイオポリエチレン(PE)の廃棄物を加熱・押出し成形することで、3Dプリンタ用フィラメントに加工するもの。MIS社が装置を開発・製作し、ブラスケムのバイオPEのリサイクル性能を実証する。

 用いられるのは、サトウキビを原料にした「アイム・グリーン」ブランドのバイオPE。両社は2016年から、ISS内で同PE製フィラメントを使用する3Dプリンタの実証を始めているが、今回のリサイクル装置と組み合わせることで、ISSという限られた空間内での資源循環を検証していく。

 MIS社は「地球に依存しない探査を可能にする」を使命に、2010年に設立。微小重力環境下で使用する3Dプリンタの開発と製造を行う。MIS社のチーフエンジニアは、ISSでのリサイクル機能の検証を「太陽系の果てへの探査を可能にする持続可能な製造システムの開発に向けた重要なステップ」と位置づける。

 壊れた部品をマテリアルリサイクルし、新しい部品につくり替える。プラごみを原料に戻し、別の用途へと展開する。宇宙空間で、地球から供給される原料に頼らないリサイクルシステムが実現できれば、将来の宇宙探査に多大な利益をもたらす可能性がありそうだ。

三井化学 軟包材のマテリアルリサイクル実証試験を開始

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2019年11月18日

 三井化学は15日、食品包装に代表される軟包材を対象に、廃プラスチック削減に向けたマテリアルリサイクル(MR)の実証試験を開始したと発表した。

 プラスチック循環利用協会が2017年に発表したプラスチックのマテリアルフロー図によると、日本の廃プラの総排出量は年間約900万tあるとみられ、その削減は大きな社会課題となっている。

 今回対象とする軟包材分野は、同社グループが得意とするポリオレフィン樹脂・フィルム製品の最大用途であり、同社推定では、この約900万tのうち約200万tが軟包材に由来するものとみられる。

 同社は、この軟包材分野での廃プラ削減に注力。その最初の取り組みとして、フィルム加工・印刷工程で発生する廃プラを再資源化し、軟包材用のフィルムとして再利用するための実証試験を、全国グラビア協同組合連合会の協力を得て、今年8月より開始した。

 さらに2020年1月には、印刷済みフィルムをロールtoロールで洗浄・印刷除去する技術を導入し、軟包材向けに安定した品質の再生樹脂の確保と、再度フィルム原料として循環利用する技術を検証する。

JNC 内谷第一・第二水力発電所の大規模改修工事を実施へ

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2019年10月28日

 JNCは25日、熊本県八代市に保有する内谷第一発電所と内谷第二発電所の大規模改修工事を実施すると発表した。投資額は2カ所合計で約80億円、11月に設計に着手し、2023年5月に営業運転を開始する予定だ。

 同社グループは、国内に13カ所の水力発電所(最大出力合計9万6400㎾)、4カ所の太陽光発電所(同1万6000㎾)を持ち、再生可能エネルギーによる発電事業に取り組んでいる。

 同社の水力発電所は、長期計画に基づく老朽対策により、その発電能力を維持してきた。クリーンエネルギーに対する社会的要請が高まる中、同社は発電能力の増強と電力の安定供給を実現するため、水力発電所の改修を順次進めている。

 今回、すでに工事を決定した11カ所の発電所(うち七ヵ所は営業運転開始)に続き、内谷第一発電所と内谷第二発電所についても、大規模改修工事を実施することを決定した。2013年から一連の工事を進めてきたが、今回の案件が最後となる。

 今回の工事では、認可取水量は現状のまま、水車・発電機などを高効率な機器へ更新することで、最大出力と年間発電量のアップを目指す。

 水力発電は、CO2排出量が少なく、環境に優しい貴重な純国産のエネルギー。同社は、これまで培ってきた発電技術を生かし、自然環境、地域社会に配慮した事業活動を行うことで、将来にわたり安定したエネルギーの供給で持続可能な社会に貢献していく。

NEDO 電気・電子機器リサイクル事業をタイで開始

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2019年10月10日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、タイ工業省工場局(DIW)と電気・電子機器廃棄物(WEEE)リサイクルの実証事業を実施することで合意し、基本協定書(MOU)を締結した。

 同実証事業では、タイ国内初となる日本の高度リサイクル技術を用いたWEEEの一貫リサイクルシステムの導入や、タイに適したガイドラインの導入支援に取り組み、廃棄物処理の適正化を後押しする。

 同実証事業は「アジア省エネルギー型資源循環制度導入実証事業」のテーマの1つとして実施。2017年度にタイで実施した実現可能性調査(FS)の結果をもとにステージゲート審査を通過し、2019年度から2年間の予定で実施する。

 WEEEの破砕後に排出されるミックスメタル(プラスチック、ガラス、金属などの混合物)の粒度・比重選別を行うことで、有価物(銅、ステンレス、アルミ、貴金属)を効率よく回収する自動リサイクルシステムを導入し、その有効性を検証する。

 また、タイ国内で処理できない貴金属(金、銀など)と有害廃棄物(鉛、亜鉛など)の混合物を、日本で再資源化することで国際資源循環を実現し、タイをはじめとするアジア諸国でのリサイクルモデルの確立を目指す。

 これと並行して、日本の家電リサイクル法や小型家電リサイクル法を参考にしながら、タイに適した廃棄物処理に関わるガイドラインの検討を共同で実施する予定だ。