三井化学 クリエイターと光で空間を作るレンズを製作

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2019年7月2日

 三井化学は、これまでなかったような新しい視点で「素材の魅力」を分かりやすく伝える、クリエイターとのコラボレーションプロジェクト「Material Meets Creative Team」の第7弾を、広告・クリエイティブの専門誌「月刊ブレーン」8月号に発表した。

 第7弾は同社グループの持つレンズ素材と光学設計技術を組み合わせ、ライゾマティクスの坂本洋一氏とのコラボレーションで、光で空間を作り出すレンズ「optical walls」を製作した(紹介動画:https://youtu.Be/DsmtPiimPtQ)。

 同社はメガネレンズ材料やスマートフォンカメラレンズ材料などの光学材料を保持しており、特に高屈折率メガネレンズのデファクトスタンダード材料「MRシリーズ」では、さまざまなラインアップを保有している。

 今回同社グループのアークが持つ光学設計技術と組み合わせ、光の形状を変化させる「optical walls」を製作した。拡散光のLEDの光が「optical walls」を通過することで、直線光に変換され、何もない場所に光で区切られた空間を創り出す。

 今回の「optical walls」のコンセプトは、これまでのレーザーやプロジェクターを用いた空間演出ではなく、安全性が高く、軽量な新しい空間演出のアプローチを実験すること。今回のレンズ設計を用いることで、軽量な光学パーツで済むため、例えばドローンを使った空間演出などを容易にする。

 なお、プロダクトのアイデアとコンセプトの背景を、特設ウェブサイト・https://www.Sendenkaigi.com/mccr/で後日公開する。

 

ポリプラスチックス 自動車燃料系部品向けにPOM新グレードを開発

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2019年6月26日

 ポリプラスチックスは25日、自動車の燃料系部品向けに「ジュラコンPOM(ポリアセタール)」の新グレード「H140‐54C」を開発したと発表した。

 「ジュラコンPOM」の標準グレード「M90‐44」は、長年、日本とアジアの自動車燃料系部品に採用されてきた。この豊富な採用実績から、同社では各種燃料がPOMに与える影響についての知見と評価方法を確立している。

 一方、欧米では成形性の良さを考慮した、POMの高流動タイプ(MFR14g/分相当)のグレードが採用されている。 そこで、欧米での高流動タイプへのニーズに応え、長年の知見を生かした高流動・高剛性新グレード「H140‐54C」を開発した。

 高剛性化により製品肉厚の薄肉化を狙い、薄肉化によって起こる射出成形時のピーク圧の上昇を、高流動化することによって抑制する。これにより、部品の小型化・薄肉化を図ることができる。

 自動車の燃料系部品とは、燃料タンクに接続されて稼働する部品の総称。燃料系部品には機械特性に加え、 耐燃料性・熱的特性などが求められる。耐燃料性が良好で、長期耐久性に優れる同社の「ジュラコンPOM」は、フューエルポンプモジュールなど多くの燃料系部品に使われている。

 同社では今後も、世界中の顧客のニーズに対応して最適なソリューションを提供することで、顧客のものづくりに貢献していく。

 

積水化成品 微粒子ポリマーで生分解性の新シリーズを開発

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2019年6月25日

 積水化成品工業は24日、微粒子ポリマー「テクポリマー」の新たなラインアップとして、自然環境で分解される生分解性ポリマー微粒子「テクポリマー」EFシリーズを開発したと発表した。

 開発品は、生分解性樹脂からなるミクロサイズのポリマー微粒子で、土壌中または水中で生分解が進む。従来のポリメタクリル酸メチル樹脂(PMMA)粒子に比べ約5分の1という軟らかい粒子のため、滑らかな触感を付与できるほか、優れた光反射性能をもつことから、肌のシミやしわをぼかすソフトフォーカス効果の向上が見込まれる。

 近年、プラスチックによる海洋汚染が深刻化する中、特に、洗顔料や歯磨き粉、ボディーソープに含まれるプラスチック製マイクロビーズによる生態系への影響が懸念されている。

 同社の「テクポリマー」は、独自重合技術を用いた真球状微粒子ポリマー。その特性を生かし、液晶ディスプレイの光拡散材や塗料の艶消し剤など、さまざまな用途に採用されている。化粧品用途では、ファンデーションの滑り性向上や、ソフトフォーカス効果を発揮する添加剤として使われている。

 開発品については来年度からの上市を予定しており、2021年度の「テクポリマー」シリーズ全体での販売目標は、60億円を見込む。これまでも一貫して環境貢献製品を市場に投入してきた同社は、今回開発した生分解性ポリマー微粒子を通じ、自然環境保全の観点から、化粧品用途での採用数を増加させることで、環境リーディングカンパニーとして積極的に貢献していく考えだ。

 さらに、化粧品分野だけでなく、自動車内装材の塗料用途や農薬・土木資材など、他分野への展開を図り、新たな市場開拓を推進していく。

 

帝人フロンティア 超極細繊維を使用の遮熱スポーツキャップを開発

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2019年6月7日

 帝人フロンティアはこのほど、超極細繊維「ナノフロント」を使用した、遮熱性に優れるスポーツキャップ「エアピーク・プロ」を、ビルマテルと共同で開発したと発表した。

 造園土木工事や造園用資材、衣料品の販売などを手がけるビルマテルが、8日からインターネット通販サイトのアマゾンで先行販売を開始する。

 「ナノフロント」を使用した生地は、微細で高密度な構造となっていることから、通常の繊維を用いた生地に比べ、太陽光の中で熱を伝える近赤外線を反射する効果が高いという特徴がある。このため、「エアピーク・プロ」は、従来品である「エアピーク」よりも帽子内の温度上昇を抑制する効果が高く、一般的なスポーツキャップに比べ、帽子内部の温度上昇を約13.5℃抑制する。

 また、ゴムひもによってサイズ調整が可能なので着用感に優れ、ゴムひもや帽子に付けたブランドロゴに反射材が含まれていることから、夜間の視認性にも優れている。さらに、ツバの裏面はダークグレーなので、太陽光の照り返しを抑え、まぶしさを軽減する。

 ビルマテルは2017年から自社開発したスポーツキャップ「エアピーク」を販売。この製品は帽子のツバと頭頂部、側頭部に通気口があることから、帽子内部の換気機能に優れ、一般的な帽子に比べ帽子内の温度や湿度を低減させることができる。しかし、市場では近年の気候変動から、夏場の暑さ対策として帽子内部の温度を、より一層低下させる製品が求められている。

 こうした中、ビルマテルは帝人フロンティアと共同で検討を重ね、従来品である「エアピーク」に「ナノフロント」を使用し、「エアピーク・プロ」の開発に成功した。「ナノフロント」がスポーツ向け帽子に使用されるのは初めて。

 「エアピーク・プロ」の素材はポリエステル100%、色は白、サイズはフリー(55~60cmで調整可能)。標準価格は5800円(税別)で、今年度の販売目標は1000万円、来年度は2000万円。

アイ-コンポロジー 海洋生分解性複合プラ開発、基本技術を提供

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2019年6月6日

 ポリマー複合材ベンチャーのアイ-コンポロジー(東京都品川区)はこのほど、海洋で生分解するプラスチック複合材を開発した。

 海洋のプラスチック汚染が世界的に問題となっている中で、バイオマスフィラーと海洋生分解性樹脂との複合化により、課題であったコスト低減や物性調整が可能となる製造法を把握した。基本技術は取り組みを希望する企業に提供し、日本の素材産業底上げへの寄与を目指す。

 同社は「成形性の優れた次世代先進ウッドプラスチック複合材(i‐WPC)」を製造販売し、真空成形やブロー成形にも成功している。そのほかにも、セルロースナノファイバー複合材を作るなど、ユニークな複合材料の開発を得意としている。一昨年から生分解性複合材料の開発を手掛けており、とりわけ海洋生分解性材料の試作に注力していた。

 なお、海洋生分解性複合プラをはじめとしたバイオマスプラスチックのサンプルは、12~13日に都内で開催の「プラスチック成形加工学会年次大会」の展示ブースで展示される。

帝人フロンティア 超極細繊維使った新タイプの耐切創性手袋を開発

2019年6月6日

 帝人フロンティアはこのほど、ミドリ安全と共同で、外部接触面に超極細繊維「ナノフロント」を使用した耐切創性手袋「カットガード132NF(エヌエフ)」を開発したと発表した。すべりにくさと異物混入防止性を両立した新タイプの製品で、3日からミドリ安全が販売を開始した。

 「ナノフロント」を使用した生地の表面には、ナノサイズの凹凸があり、これにより通常の繊維生地に比べて表面積が大きくなることから、高い摩擦力を発揮。コーティングタイプの手袋と同様のすべり止め効果や作業性が得られ、その効果は水を扱う状況でも持続する。

 ノンコーティングタイプのため異物混入防止性が高く、精密機械や食品加工などの生産現場でも、ウレタン樹脂が混入する心配がない。手袋に厚みができないので、使い捨て手袋の下に着用して使用することが可能。また、すべり止め効果に優れることから、重ねて着用する際も手袋内でずれが生じづらい。

 自動車や精密機械、食品加工などの工場、設備のメンテナンス、建設などの作業現場では、切創事故の防止を目的として耐切創性手袋が広く使われており、最近は特に作業性の向上や、異物混入リスクの排除などの機能を兼ね備えたものが求められている。

 耐切創性手袋には、すべり止め効果を目的に手のひら部分をウレタン樹脂で覆ったコーティングタイプ、使い捨て手袋の下に着用する想定でウレタン樹脂を使用しないノンコーティングタイプがある。しかし、コーティングタイプはすべり止め効果に優れるものの、ウレタン樹脂が剥がれ落ちて異物混入につながったり、手袋の厚みにより作業効率が落ちたりするなどの問題があった。

 一方、ノンコーティングタイプには、すべり止め効果がないため作業がしづらい、使い捨て手袋の下に着用する際に手袋内でずれが生じてしまう、などの問題があった。

 両社は外部接触面に超極細繊維「ナノフロント」を使用することで、すべり止め効果と異物混入防止性を両立した。標準価格は一双750円(税別)。販売目標は2019年度が3000万円、2020年度が5000万円。

三菱ケミカル バイオエンプラが温浴施設用照明セードに採用

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2019年6月4日

 三菱ケミカルは3日、同社のバイオエンジニアリングプラスチック「デュラビオ」が、コイズミ照明の温浴施設用照明セードに採用されたと発表した。先月から販売を開始している。

 照明セードにはガラスのほか、エンプラなどが使われてきたが、ガラスは割れた際に飛散の危険性があることや、エンプラは耐候性が弱く変色しやすいことなど、それぞれ課題があった。

 「デュラビオ」は再生可能な植物由来原料であるイソソルバイドを用いたバイオエンプラで、耐衝撃性・耐候性などの点で、従来の一般的なエンプラに勝る、優れた性能を有している。

 三菱ケミカルは今回、これらの特徴をもちながら、光を拡散することのできる、照明セードに適したグレードの開発に成功した。加えて、新洸化成がもつインジェクションブロー成形技術と組み合わせることで、コイズミ照明の照明セードとしての採用を実現した。屋内外の温浴施設だけでなく、耐久性を必要とする他の照明用途への展開が見込まれる。

 三菱ケミカルは、三菱ケミカルホールディングスグループが掲げる「KAITEKI」の実現に向け、今後も「デュラビオ」をはじめとする植物由来プラスチックの研究開発・用途展開を加速させ、環境にやさしく付加価値の高い製品の供給を通じ、循環型社会の構築やSDGsの達成に貢献していく。

 

東レ 5G向け電子部品に適した低誘電損失PI材料開発

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2019年6月3日

 東レはこのほど、大容量データの高速安定通信技術として普及しつつある5G通信や、自動運転などに用いられるミリ波レーダー向け電子部品に適したポリイミド(PI)材料を開発した。

 5G通信やミリ波レーダーには、従来から使用されている6GHz以下の周波数バンドに加え、ミリ波領域といわれる20GHz以上の新たな周波数帯での通信が必要。この技術の実用化には、高い周波数帯域での通信に適した誘電特性と、半導体実装に耐えられる耐熱性、銅配線との接着性などの物性値を満たす材料開発が求められる。

 フッ素樹脂系やビスマレイミド系などの既存材料は、半導体・電子部品に必要な主要物性値に課題があり、従来のPIは誘電特性に課題があった。高周波において誘電損失を低下させるには、高分子構造において分極を小さくすること(誘電率に対応)と、分極の動きを抑えること(tanδに対応)がカギとなる。

 同社は、長年蓄積してきた機能性PI設計技術を駆使し、精緻な分子設計と極限追求により、電気エネルギーの損失を0.001(20GHz)に抑える低誘電損失PIの開発に成功。LCPなど誘電特性の高い樹脂と比べても高耐熱性、機械物性、接着性の面で優位性があり、また低コスト化も実現した。

 現在、同材料をベースに、感光性付与、シート化などの開発を推進。同材料の適用により電気エネルギーの損失を抑え、大容量データの高速通信安定化や、ミリ波レーダーの距離測定性能向上、部品の小型化などが可能となる。

 同社は、5G通信時代に適した各種樹脂を事業化しており、今回開発した材料を新たにラインアップに加え、次世代の通信技術を支える半導体デバイス、電子部品などでの採用を図っていく。

 なお、新規開発品は滋賀事業場の既存設備で生産を行い、今後、増産や新たなプロセスが必要となれば設備投資を行う予定。事業規模については、5G通信が2020~21年頃に本格化すると見られることから、2022年度に売上高10億~30億円程度を目指していく考えだ。

帝人フロンティア 半導体製造向け超極細繊維の研磨パッドを開発

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2019年5月28日

 帝人フロンティアはこのほど、半導体用シリコンウエハーの製造で、品質の安定とコスト削減の両立を実現する、超極細繊維「ナノフロント」を使用した研磨パッドを開発したと発表した。半導体メーカーとフラットパネルディスプレイメーカーをターゲットとして、今年度中に販売を開始し、2025年度に売上10億円を目指す。

 同社が開発した研磨パッドは、「柔軟性」と「吸水性」のあるポリマーを原料として製造した「ナノフロント」製不織布に、ポリウレタン樹脂を含浸させたもので、多くの特長をもつ。

 ①パッド部分に使用した「ナノフロント」は表面に吸水性があり、繊維間の空隙数が多いことから、パッド表面が砥粒(研磨材の粒子)の付着性と砥粒研磨液の保持性に優れる。

 ②これにより、研磨液の砥粒濃度を下げても、パッドに高い密度で砥粒が付着するため、充分な研磨効率を発揮する。

 ③「ナノフロント」の柔軟性により、シリコンウエハーの鏡面仕上げも同時に行える。

 ④「ナノフロント」を使用した不織布は表面積が非常に広く、液中の砥粒の凝集を抑制する効果があり、研磨品質の安定化に寄与する。

 開発の背景には、近年のスマートフォンやEVなどの普及に伴う半導体の高性能化や低価格化があり、シリコンウエハー製造での品質の安定とコスト削減のニーズが高まっている。

 また、シリコンウエハーに求められる表面の平坦性や鏡面性といった品質特性を発現させるためには、異なる硬度のパッドを使用した研磨作業が必要で、そのために工程が複数にわたらざるを得なかった。

 加えて、シリコンウエハーの製造に使用する砥粒の研磨液が製造コストの中で大きな割合を占めることから、研磨品質を維持しつつ、砥粒研磨液の使用量を削減することが課題となっている。

 同社は今後、さらに「ナノフロント」のポリマーの種類や、ポリウレタンの含浸技術、研磨液との相乗効果などに着目しながら、さまざまな市場ニーズへの対応を目指し、研磨パッドの製品バリエーションを拡大していく。

 

昭和電工 寒冷地でも施工可能なコンクリート構築物修復材を開発

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2019年5月24日

 昭和電工は23日、寒冷地などの低温環境下でもコンクリート製の各種インフラ構築物の補修施工が可能な修復材「ショウリペア CR‐1000シリーズ」「リポキシ CR‐1500シリーズ」を開発したと発表した。

 高度成長期に建設されたインフラ施設は老朽化が進み、建て替えや補修の必要性が高まっている。建て替えは高コストであるため補修のニーズが高いものの、既存の修復材は、低温環境下で各種コンクリート構築物を補修する際は施工後にヒーターで加熱する特別な養生が必要で、寒冷地では冬期の補修作業が困難になる課題があった。

 今回開発した修復材は、いずれも氷点下でも施工後の給熱養生が不要で、既存品の3分の1以下の24時間以内に通常使用できるレベルまで硬化するため、寒冷地での冬期施工、工事期間の短縮による工事費用の削減や、施工箇所の早期解放による利便性の早期回復が期待できる。現在、岩手県遠野市と同市内の建設会社である栄組の協力を得て、同開発品の橋梁補修での有効性を確認する実証実験を実施している。

 同社グループは、すべてのステークホルダーを満足させるという経営理念のもと、「事業活動を通じたSDGs課題解決への貢献」を中核課題の1つに掲げてCSR活動を推進。同開発品はSDGs目標「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献する。

 今後も社会的価値の高い事業・技術開発を推進してさまざまな課題の解決に取り組み、グループ一丸で豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく。なお、これらの開発品は6月5~6日に開催される「建設技術公開EE東北’19」で紹介する(昭和電工ブース:B‐65)。