鈴与商事 ユーグレナの次世代バイオディーゼルを導入

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2021年8月20日

 鈴与商事とユーグレナはこのほど、次世代バイオディーゼル燃料「サステオ」を静岡県で初めて導入すると発表した。鈴与商事は、ユーグレナ社が宣言した「日本をバイオ燃料先進国にする」ことを目指す「GREEN OIL JAPAN」宣言に賛同し、今年7月より自社の宅配水配送車両に「サステオ」を導入する。

(左から)鈴与商事:加藤 正博社長、ユーグレナ社:出雲 充社長
(左から)鈴与商事:加藤正博社長、ユーグレナ社:出雲充社長

 従来型のバイオ燃料は、カーボンニュートラル(CN)の考え方に基づき、CO2を燃焼時に排出しない再生可能エネルギーである一方、化石由来の軽油と5%以下の混合燃料での使用が前提であることに加え、トウモロコシやサトウキビ、パームといった作物を主な原料とするため、食料との競合や森林破壊といった問題が指摘されている。

 今回導入するユーグレナの「サステオ」は、使用済み食用油と微細藻類ユーグレナ(和名:ミドリムシ)などを主原料とし、食料との競合や森林破壊のリスクが低いという点で持続可能性に優れた次世代バイオディーゼル燃料。また、分子構造が軽油と全く同じ(JIS規格・品確法上ともに軽油に該当)ことから、軽油を使用している既存車両のエンジンに使用可能であり、水素や電気といった代替エネルギーへの移行に際して課題となる多大なインフラコストを必要とせず、既存インフラを活用しながら効率的に普及拡大することが可能となる。

 両社は、将来的な自治体や民間企業への展開も視野に、鈴与グループ各社への導入拡大を検討していくとともに、地球環境に配慮した活動を共に推進し、脱炭素化社会、持続可能な社会の実現に取り組んでいく。

東ソー、U/HPLCカラム製品、発売開始から50周年

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2021年8月20日

 東ソーはこのほど、U/HPLC(超高速液体クロマトグラフィーおよび高速液体クロマトグラフィー)カラム製品「TSKgel」が発売開始から50周年を迎えたと発表した。

「TSKgel」カラム

 同社は、1971年に国産としては初となるGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)カラム「TSKgel S」タイプの開発・商品化に成功し発売を開始した。その後も、U/HPLCカラムの開発・商品化を継続し、ほぼすべての分離モードの商品を全世界に販売している。なかでも、SEC(サイズ排除クロマトグラフィー)カラムは製品ラインアップ上の主力と位置づけており、特に1977年に発売を開始した「TSKgel SW」シリーズはバイオ医薬品業界では抗体医薬品の品質管理用途としてファーストチョイスのSECカラムとなっている。

 

 「TSKgel」は、液体クロマトグラフィーの科学技術が進化していく中で、基礎生物学研究、創薬、医薬化学、化学、食品、その他の産業用途など、あらゆるニーズに最適なソリューションを提供している。同社は、ライフサイエンス分野の製品やサービスの提供を通じて、人々の健康と福祉に関する社会課題の解決に貢献できるよう、これからも積極的に取り組んでいく。

高速 GPC 装置「 HLC-8420GPC」
高速 GPC 装置「 HLC-8420GPC」

 

出光興産 変動料金制を活用したEV充電サービスの実証開始

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2021年8月20日

 出光興産は19日、日産自動車、100%子会社であるソーラーフロンティアとともに、独自のダイナミックプライシング(変動料金制)を活用したEV充電サービスの実証事業を開始すると発表した。期間は今年11月~来年1月まで。同実証事業は経済産業省の採択を受けている。

 3社は、EVやPHVなどの電動車の普及がさらに進む将来に向け、電力負荷の低減や平準化を目的として同実証に取り組む。

 再生可能エネルギーを効果的にEV充電に活用することや、電力需要が高まる時間帯を避けた充電を可能にする仕組みを検証し、カーボンニュートラルの達成と持続可能な電力インフラの実現に貢献することを目指す。

 実証概要として、EV「日産リーフ」ならびにEV充電設備をもつ実証参加者を対象に、電力料金の割引額をスマホのアプリ上に提示。再エネの主力電源である太陽光パネルが発電する昼間や、電力需要の低い深夜などにEV充電を促す。

 推奨する時間帯に充電した際には、あらかじめ提示した割引額を電気料金から控除する。これにより、実証参加者の行動変容を分析するとともに、実証参加者へアンケートを実施し、仕組みの実効性とサービスとしての実現可能性を検証する。

 各社の役割として、出光興産は実証事業全体の運営、電気料金メニューの提供、実績集計・分析、日産自動車は実証参加者の募集協力、テレマティクスを使ったEVデータの提供、ソーラーフロンティアは、機器システム構築、機器選定・調達を担う。対象参加者は、東京電力管内のうち、出光興産が指定する工事可能エリアに居住し「日産リーフ」とEV充電設備をもつ個人50人を予定。なお、参加するためには出光興産が提供する電気プランへの切り替えが必要となる。

旭化成 体外診断用医薬品、製販承認を極東製薬に承継

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2021年8月19日

 旭化成ファーマは、呼吸器感染症の迅速診断キット3製品「リボテスト マイコプラズマ」「リボテスト レジオネラ」「リボテスト 百日咳」について、製造販売承認を10月1日付で極東製薬工業に承継すると発表した。10月1日以降は、極東製薬が製造販売元として対象製品を製造販売するとともに、医療機関への製品情報の提供・収集活動を行う。

 両社は今後、「リボテスト」シリーズ3製品の安定供給と製品情報の提供・収集、適正使用の推進に向けた活動が継続されるよう、承継に向けて協働していく。

産総研 透明電極の結晶化抑え透明有機デバイス高性能化

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2021年8月5日

 産業技術総合研究所(産総研)はこのほど、透明酸化物電極(透明電極)を使った透明有機デバイスの性能が透明電極の結晶化を阻害することで大幅に向上することを見出だした。窓のように透明性が要求される場所へも透明有機デバイス搭載が可能となり、用途が大きく広がる。

 有機デバイスは形状がフレキシブルであるため、皮膚などの複雑な形状の表面へも設置できる電子デバイスとして注目される一方、非透明であるため透明性やデザイン性が求められる用途には適さない。透明電極と組み合わせることで透明化できるが、透明電極を形成する過程でデバイスの電気特性が大幅に低下してしまうという問題があった。透明電極形成時に生じるプラズマや高エネルギー粒子によるデバイスへのダメージ低減に着目し、スパッタリング製膜法も開発されたが、本来のデバイス性能には届いていない。

 一方、透明電極の結晶化度が高いほど電気伝導性が高く性能向上に有利と予測し、透明電極/電荷注入層/有機薄膜/下部電極からなる透明有機デバイスの透明電極の結晶化を試みたが、逆にデバイス性能は低下。解析の結果、結晶化した透明電極の場合、電荷注入層/有機薄膜界面にギャップが形成され、デバイス内の電気伝導を阻害することが判明した。

 結晶化した透明電極では、透明電極内の応力が緩和する際に膜が変形し、膜面方向に微小な変位(位置のずれ)が生じ、電荷注入層下面と有機薄膜の上面が形状的に合致しなくなるので、電荷注入層/有機薄膜の界面に微細なギャップが形成されることが明らかとなった。

 一般に、酸化物薄膜の膜内応力は膜の結晶性を下げると低減することから、透明電極製膜中に結晶化を阻害する微量のガスを導入したところ、膜内応力は約4分の1に低減。これで有機電界発光デバイスを作製したところギャップは無くなり、電流/電圧特性と発光特性は大幅に改善した。

 今後、透明電極内の応力のさらなる低減と透明有機デバイスの高性能化に取り組むとともに、長期間使用時の耐久性など実用面の検討を行い、実用化に向けた研究を引き続き行っていく。

 

旭化成 JRの鉄道網を活用した生鮮品物流システム開始

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2021年8月5日

 旭化成はこのほど、同社のクラウド型生鮮品物流ソリューション「Fresh Logi(フレッシュロジ)システム」を用いて、JR東日本水戸支社の鉄道網を活用した貨客混載・鮮度保持物流を構築したと発表した。これにより、朝収穫された生鮮品が午後には販売可能となることから、水戸支社沿線地域の活性化や、鉄道利用による低コストかつ低環境負荷での鮮度保持輸送の提供を目指していく。

Fresh Logi 密閉ボックス

 昨今、コロナ影響による旅行客の減少に伴い、地方の産品の販売に影響が及んでいる。またサステナビリティの観点から、フードロス削減やモーダルシフトによる省エネ化の重要性が増しており、旅客鉄道を物流に利用する取り組みが開始されている。

センサーにより密閉ボックス内外の温湿度、内部のCO2濃度、位置情報や衝撃の検知などが可能

 同システムで用いられる「Fresh Logi 密閉ボックス」は、センシングによって輸送・保管環境(青果物の輸送・保管温度・湿度・ガス組成など)を可視化。さらにインフォマティクス技術を活用して青果物の鮮度を推定・予測する。両社は、同システムと旅客車両輸送を組み合わせることで、より鮮度を保ったまま旅客車両で生鮮品を輸送できる物流網を構築した。

折り畳み時

 産品の高付加価値化、トレーサビリティ向上による消費者への安心・安全・品質の提供、旅客車両の有効活用による輸送の省エネ化と輸送力強化などを実現し、沿線の生産者にとって新たな販売機会の創出につながることが期待される。なお初回は、今月5日の朝に茨城県内で収穫される「とうもろこし」を輸送。同日内にJR品川駅構内にある「NewDays」品川中央で販売される予定だ。

 旭化成は、今回の取り組みを通じてフードサプライチェーンの見える化およびトレーサビリティの向上により食の「安心・安全」や「鮮度保持」を追求するとともに、スマート化によるフードロスの削減、環境負荷低減に貢献していく。また、今後も外部との積極的なコネクトを通じ、持続可能な社会の実現に向けた新たな価値の創造・提供に努めていく。

 

マイクロ波化学 マイクロ波で食品解凍、技術開発に着手

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2021年8月5日

 マイクロ波化学は4日、深刻化する食品ロスの解決に向けて、マイクロ波プロセスを活用した解凍技術の開発に着手したと発表した。

 現在、日本における食品ロス量は約600万t(家庭系約276万t、事業系約324万t)と推計されている。事業系の中で約182万tを占める外食産業や食品小売業におけるSDGs目標達成への1つの取り組みとして、近年、冷凍食品の活用拡大が挙げられており、そのラストワンマイルに相当する解凍技術への注目が高まっている。しかし、従来の電子レンジでは、様々な素材が入った弁当などを均一に解凍することが困難だった。

 そこで同社は、

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J&J コロナワクチンの変異株活性と持続性データ発表

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2021年8月4日

 ジョンソン・エンド・ジョンソンはこのほど、同社の1回接種COVID-19ワクチンがデルタ変異株などのSARS-CoV-2ウイルス変異株に対して強力かつ持続的な活性を示すデータを発表した。さらに、免疫応答の持続性は、少なくとも8カ月間持続する。

 bioRxiv(生命科学、医学・生物学分野のプレプリントアーカイブ)に投稿された2件の報告によれば、アンサンブル試験では重症・重篤な疾患に対して85%の有効性を示し、入院や死亡に対する予防効果が確認された。第1/2a相試験では、同ワクチンによって生じた液性と細胞性の免疫応答、そして感染した細胞を探し出して破壊するT細胞反応は、少なくとも8カ月間持続した。また単回接種により、様々な変異株に対する中和抗体が生成。それは経時的に増加し、8カ月後の平均中和抗体価は29日後の値を上回った。

 その中には、感染性のより高いデルタ変異株、部分的に中和抵抗性のあるベータ変異株、ガンマ変異株、そしてアルファ、エプシロン、カッパ、D614Gなどの変異株やSARS-CoV-2の野生株が含まれている。

 同ワクチンは、米国では2月に緊急使用許可を、欧州委員会では3月に条件付き製造販売承認を取得し、世界保健機関(WHO)からは3月に緊急使用リストが発行され、WHOの予防接種に関する戦略的諮問委員会から暫定的に推奨された。他にも世界各国で多くの承認が得られ、各国での規制当局への申請も進行中だ。

出光興産 カーケア商品の新プライベートブランド誕生

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2021年8月4日

 出光興産はこのほど、子会社であるアポロリンクが、全国のサービスステーション(SS)で販売するプライベート商品のブランドを「ZERIOUS(ゼリオズ)」に一新し、今夏より順次SS店舗での提供を開始すると発表した。

新ブランド「ゼリオズ」 キャビンフィルターとワイパー
新ブランド「ゼリオズ」 キャビンフィルターとワイパー

 「ゼリオズ」は、アポロリンク社内の公募により選定した造語。初のプライベートブランドとしてユーザーに最上のカーケア商品を提供していきたいという思いを込め、①Zeroth(一番最初)、②Zenith(究極・頂点)などを語根とした名称を決定した。

 「ゼリオズ」は、キャビンフィルター、ワイパー、エンジン清浄剤、オイルフィルター、バッテリー、タイヤの6商材で展開。商品ごとの市場ニーズを踏まえ、より高品質・高性能な商品を提供する「Premium」と、新車に標準装備されている商品と同等の性能をもった「Standard」の2ラインで提供していく。なお、「Premium」は黒とゴールドを基調とした高級感のあるデザインを、また「Standard」は赤とグレーを基調として、出光興産で4月より展開しているアポロステーションブランドとの調和を図った。

 アポロリンクは、「ゼリオズ」ブランドの展開による商品・リテールサポートのほか、最適な提案と正確な作業が出来る人材を育成することで、今後もユーザーのトータルカーライフを支えていく。

竹中工務店など 炭素繊維強化プラを南極観測施設に活用

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2021年8月3日

 竹中工務店と国立極地研究所はこのほど、2022年度から南極内陸部のドームふじ近傍に、屋根の骨組み(架構)に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を活用する氷床掘削施設を設置し効果の検証を開始すると発表した。現在策定中の南極地域観測第Ⅹ期6カ年計画(2022~2027年度)において、南極内陸部(沿岸から約1000Km)のドームふじ近傍での氷床コア(アイスコア)掘削が予定されている。

 掘削施設の建設に必要な部材は、南極観測船「しらせ」で日本から南極大陸沿岸の昭和基地へ輸送し、その後、昭和基地からドームふじへ雪上車で数週間かけて運搬する必要がある。また、現地での組み立ては、限られた人数の観測隊員により進められる。これらのことから、建物の強度を維持しつつも、輸送や組み立ての効率化のために部材の軽量化を図ることが重要な課題となる。

 さらに、現地は年平均気温がマイナス50℃を下回る厳しい気象環境にあり、部材に使用される素材は低温に強いことが必須条件。こうした課題の解決を図るため、両者は、CFRPの①軽量、②高強度、③伸び・縮み・変形しにくい、④錆びない、などの特長を生かし、輸送にかかるエネルギーの削減、現地での組み立ての簡易さ、現地の過酷な気象環境への対応といった観点から、南極の内陸施設におけるCFRPの活用に向けた共同研究を、2019年から推進してきた。

 今回の実証試験では、南極のドームふじ近傍に設置する掘削施設の屋根架構にCFRP素材の部材を適用し、部材軽量化による効果を検証するもので、今年12月に昭和基地まで輸送した後、2022年度にドームふじ近傍の掘削地点に設置、その後、2028年まで現地で経過観察を行う予定だ。

 CFRPは、一般炭素鋼(鉄)と比べて重量が5分の1と軽量でありながらも5倍の引張強度をもつ。試作の結果、屋根架構にCFRPを用いた場合には、従来の鉄骨屋根と比較し約40%の重量削減を見込めることが判明した。これにより、現地で組み立てを行う観測隊員の負担を軽減するとともに、部材の輸送・組み立てにかかるエネルギーを大幅に削減することが期待され、これらの効果は脱炭素社会の実現にも寄与すると考えられる。

 国立極地研究所は今後、南極に設置するほかの観測施設へのCFRPの活用を検討する。一方、竹中工務店は、CFRPの建設利用に関してさらなる検討を進めるとともに、一般建築に向けた適用も推進していく。