独自技術で高精細と低コスト実現、採用拡大図る

東レは12日、新たに軟包装EB(電子線)オフセット印刷用に特化した水なし平版「IMPRIMA FR」を開発し、10月に上市すると発表した。同社は、コンバーター、インキメーカー、印刷機械メーカーとの連携を強化し、軟包装水なしEBオフセット印刷のトータルソリューションを提案することで、今年度中の実用化を目指していく考えだ。
食品包装に使用されるフィルムの印刷には、グラビアやフレキソが採用されるケースが多い。しかし、
2021年10月14日
独自技術で高精細と低コスト実現、採用拡大図る
東レは12日、新たに軟包装EB(電子線)オフセット印刷用に特化した水なし平版「IMPRIMA FR」を開発し、10月に上市すると発表した。同社は、コンバーター、インキメーカー、印刷機械メーカーとの連携を強化し、軟包装水なしEBオフセット印刷のトータルソリューションを提案することで、今年度中の実用化を目指していく考えだ。
食品包装に使用されるフィルムの印刷には、グラビアやフレキソが採用されるケースが多い。しかし、
2021年10月13日
産業技術総合研究所(産総研)と日亜化学工業は、LEDを使用した全方向に可視波長全域の光を放射する標準光源の試作品を共同開発した。照明産業の持続的な発展への貢献と、照明光源の評価の高精度化が期待される。
照明光源の明るさの指標である全光束は、標準光源との比較測定で決定される。標準光源には、主に白熱電球形の標準電球が使われるが、全方向光放射に適した形状のフィラメントやガラスバルブなどは熟練職人の手作りである上、LED照明の普及による白熱電球生産の縮小・停止の影響もあり、代替の標準光源が必要とされている。
標準光源には光強度の安定性や再現性、可視波長全域をカバーするスペクトル、光を全方向に放射する配光性が求められるが、これら全てを高い次元で満足する代替光源はまだない。
両者は産総研の「スペクトルの定量的精密測定・解析技術」と日亜化学工業の「高度なLED製造技術」を組み合わせ、可視波長全域の光を前面に放射する標準LEDを2016年に開発。そこで培われた光強度安定化技術とスペクトル最適設計技術に特殊な光学系を組み込むことで、可視波長全域の光を全方向に均等に放射する全方向形標準LEDの試作品の開発に成功した。
複数のLED素子と蛍光体の組み合わせを最適化し、広い可視波長範囲と安定した光強度、十分な光量を得た。温度制御機構で発光部の温度を一定に保つことで、連続点灯、複数回繰り返し点滅、周囲の温度変化に対する光強度の変動は、既存の標準電球と同程度だ。また、光を後方に導くキャップ型の光学系を組み込み、標準電球のフィラメント形状に起因する細かな凸凹のない、滑らかで均等に全空間に広がる配光を得た。
こうして全光束測定用の標準光源として理想的な配光特性を実現できた。市販の電球形LEDランプの全光束測定を想定し、それと同程度の大きさだ。今後は、全光束値と光源の大きさのバランスを見極めつつ、必要な全光束値を得るための点灯電流レベルに応じた放熱機構を最適化し、実用化を目指す。また全方向形標準LEDでの測定精度を上げるため、全光束や分光測定方法の高度化を進める考えだ。
2021年10月13日
SABICはこのほど、難燃性PC樹脂が中国Realme社のスマートフォンのバッテリー用エンクロージャーの成型素材に採用されたと発表した。
新たに施行された消費者用電気機器向け安全規格「ICE62368-1」では、リチウムイオン電池などの危険を伴うエネルギー源は安全装置に封入し、使用者にエネルギーが伝わらない必要があり、より高性能な難燃材料が求められる。
ポリカーボネート(PC)シロキサン共重合樹脂をベースにした「LNP ELCRES(エルクレス)EXL7414」は、0.6㎜厚でUL-94規格V-0の難燃性に準拠。Realme社のスマートフォン「C25」に搭載された、急速充電可能な高出力6000mAHリチウムイオン電池のカバーに採用された。
同スマホの薄型(約9.6mm)軽量(約209g)設計に対応した薄肉射出成形部品で、「EXL7414」の薄肉難燃性、薄肉成形を可能にする優れた流動性とリリース性、落下損傷に耐える高い低温延性(マイナス40℃)、紫外線硬化塗装にも対応する高耐薬品性が貢献している。標準的PCに比べてサイクルタイムは短かく、安全重視の一環として、非塩素・非臭素系難燃剤を使用している。
SABICは、世界的に厳しさを増す規制に迅速に対応しコンプライアンスに準拠できるよう、特殊材料の開発を続けていく。画期的な素材ポートフォリオの拡大にとどまらず、動きのはやい業界のアプリケーション開発を後押しするために、豊富な技術サービスと専門知識を提供していく考えだ。
2021年10月13日
三井化学東セロはこのほど、衛生・抗菌フィルム「パルフレッシュ」の抗ウイルス効果を確認したと発表した。日本繊維製品品質技術センターの検査により、人の体温に相当する35℃の環境下で、同フィルム表面のウイルスを99.98%以上減少させることが確認された(測定方法:ISO21702を準用)。
今回の検査結果を受け、「抗菌、抗ウイルス」の付加価値を付与できることから、今後は使い切り手袋や、粘着加工フィルムによるドアノブ、エレベーターボタンのカバーなど、生活商材への用途展開を訴求していく考えだ。
「パルフレッシュ」は、抗菌・抗ウイルス性を発現させる特殊成分を含んだポリオレフィンベースのフィルム。抗菌・抗ウイルス性発現の仕組みは、表面の成分がウイルスのタンパク質膜を破壊すると考えられている。また、包装袋の内面、外面でもヒートシール性能をもち、かつ柔軟性が高く加工しやすいといった特長もある。
これまでは、主に鮮度保持包材として食品包装に使用され、フードロス削減に貢献。食品衛生法(日本)、FDA(米国)、GB(中国)に適合し、抗菌フィルムとしてもSIAA(抗菌製品技術協議会)に登録されるなど、高い安全性を備えることから、リンゴ輸出用袋や真空加熱野菜、宅配野菜などへの採用実績も多い。
2021年10月13日
帝人フロンティアはこのほど、抗ウイルス性能と抗菌・防臭性能を併せもつ寝装寝具向けのポリエステル原綿を開発し、「ウイルサラバ」ブランドとして展開していくと発表した。
同社は昨年7月より、抗ウイルス性能をもつカーテン向けのテキスタイルとして「ウイルサラバ」を販売していたが、コロナ禍において抗ウイルス性能に対するニーズが拡大。ただ、ポリエステル原綿に抗ウイルス剤を均一に付与することは難しく、これまで抗ウイルス性能をもつ寝装寝具向けのポリエステル原綿が上市されたことはなかった。
こうした中、同社は、抗ウイルス剤を原綿に均一に付与できる生産と加工の技術を開発。原綿に適した抗ウイルス剤を用いることで、安定的に抗ウイルス効果を発揮する寝装寝具向け原綿の量産化を世界で初めて実現した。来年春夏向けに布団や枕、クッション用中綿として販売を開始する。
特長として、①高い抗ウイルス性能を発揮、②中空でランダムなスパイラル構造で嵩高・軽量性を実現、③リサイクルポリエステル繊維「エコペット」を使用しており環境にやさしい、などがあげられる。
同社は今後、この素材を使用した布団や枕、クッション、カーテンおよびラグなどの製品も開発し、抗ウイルス性能をもつインテリア・寝装寝具向けの素材から製品に至るまでの総合ブランドとして「ウイルサラバ」を展開していく。「ウイルサラバ」原綿として、2021年度に売上高3700万円、2025年度に売上高1億5000万円を目指す。
2021年10月13日
大陽日酸とJFEスチールはこのほど、合弁で運営しているJFEサンソセンター(大陽日酸60%、JFEスチール40%)の福山工場に、空気分離装置を建設することを決定したと発表した。投資金額は100億円で、稼働時期は2023年12月末を予定している。生産能力は、酸素ガスが4万8000N㎥/h、窒素ガスが8万2000N㎥/h、液化アルゴンが1580N㎥/hとなっている。
JFEサンソセンターの福山工場は、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)構内で各種産業ガスの製造を行っており、同製鉄所へパイピングにより産業ガスを供給するとともに、大陽日酸の顧客へ窒素ガス、液化ガスを供給している。
今回、JFEスチール西日本製鉄所(福山地区)への酸素ガス・窒素ガス・アルゴンガスの安定供給ならびに大陽日酸への高品質製品の供給を図るため、省エネルギー型の最新鋭空気分離装置を建設することを決定した。
2021年10月12日
産業技術総合研究所(産総研)は、東京大学とみやぎヘルスイノベーション(宮城県仙台市)と、中鎖トリグリセリドを含むケトン食の摂取によりデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)モデルラットの病態が改善することを発見した。
DMDはジストロフィン遺伝子の変異が原因の遺伝性筋疾患で、全身の筋力が次第に低下する進行性の難病。主な症状は運動機能の低下で、歩行機能の喪失や呼吸・心機能の障害が生活の質(QOL)や寿命に大きく影響する。日本の患者数は3000~4000人と推定され、平均寿命は30~40歳だ。
薬物療法や遺伝子治療でも効果的な治療法は確立されていない中、最近、ケトン体が筋衛星細胞(幹細胞)の増殖を促進する可能性が報告。ケトン食は体内のケトン体濃度を上昇させ、筋の再生を促進する可能性があるが、古典的ケトン食は炭水化物やタンパク質の含量が少なく、低栄養性筋萎縮による筋力低下が懸念され、DMD患者の食事療法には適さないとされる。
同研究グループは、体内のケトン体濃度を効率的に高めつつ、低栄養性筋萎縮を誘発しない食事療法の開発を目指し、中鎖トリグリセリドを含み炭水化物やタンパク質を多く含むケトン食を開発。ジストロフィン遺伝子に変異をもつDMDモデルラットに離乳時点から摂取させ3カ月、9カ月齢で筋力などを評価した。
3カ月齢で筋萎縮と筋壊死が有意に抑制され、9カ月齢で筋線維化と筋力低下が抑制された。摘出した筋の組織学的調査でも、筋萎縮の抑制が確認された。筋萎縮抑制効果は、病態進行初期の筋壊死の抑制によるものと考えられる。また筋の再生をつかさどる筋衛星細胞の増殖の促進も3カ月齢で有意に高く、筋の壊死や線維化の抑制だけでなく、筋衛星細胞による再生促進による病態改善が確認された。
この知見から、DMDの新たな治療法の開発や病態進行メカニズムの解明が進むと期待される。今後、ケトン食によるDMD治療効果のさらに詳細なメカニズムを明らかにするとともに、ヒトDMD患者に対するケトン食の有効性 について検証を進める予定だ。
2021年10月12日
デンカはこのほど、5G通信向けに伝送損失を低減し、高速・大容量通信の実現に欠かせない最先端機能性セラミックス「デンカ溶融シリカ(DF)低誘電正接タイプ」を本格的に市場投入したと発表した。
同製品は東京ビッグサイトで開催される「電子機器トータルソリューション展2021(JPCA Show)」(10月27~29日)に展示する。
5G移動通信ならびにミリ波帯電磁波の利用は、スマホのみならず、高速・大容量である特色を生かした遠隔医療や防災、農業・製造現場の効率化など幅広い分野に導入が進み、持続可能な社会の実現に重要な役割を担っている。
これに伴い、飛躍的に増加する通信の量・質の低下を最小限に留め伝送するための低伝送損失・低誘電正接の配線材料の開発が強く求められてきた。
こうした中、同社は、樹脂や銅箔・ガラスクロスのみならず、フィラーにおいて低伝送損失を達成するために同製品を開発。半導体封止材向け絶縁フィラーとして国内外のユーザーから高い評価を得ている「デンカ球状溶融シリカ(FB・SFPグレード)」をベースに、均一な球状と粒度分布はそのままに独自の表面処理改質を施したことで、同社比で約40~50%の誘電正接低減を実現した。5G通信実現に寄与する材料として、主に通信用樹脂材料(樹脂基板・封止材など)向けに展開し、SDGsに掲げる産業と技術革新の基盤をつくることに貢献していく。
同社は創業以来培ってきた無機材料の高温焼成・窒化反応・粒径制御等の基盤技術を元に、球状溶融シリカをはじめ、窒化ケイ素、窒化ホウ素(BN)、球状アルミナ、蛍光体などの様々な機能性セラミックスを製造し、これらの製品は半導体・電子機器、風力発電、通信基地局、自動車等に幅広く使用されている。
昨年には高熱伝導材料「デンカ球状マグネシア」を投入。さらに今後は球状チタン酸バリウムなどの新規機能性セラミックスや低誘電有機絶縁材料(LDM)、LCPフィルムなどの開発も進めていく。
2021年10月12日
三井化学は11日、自己密着性とガス透過性を発現できる新素材「溶剤系特殊ポリオレフィンコート剤」(開発品)の市場開発を開始したと発表した。
同コート剤の特長の1つは「自己密着性」。基材に塗布して乾燥成膜後、コート面同士を重ねて人の力で数秒押すだけでコート剤同士がくっつく。また温度をかけるほど、より密着する特性がある。この特性を生かし、衣料への用途展開の可能性を検討しており、従来の面ファスナーでは困難であった歪曲面への適用や、縫製の手間・脱着時の異音の解消に加えて、素材の質感を発揮できるデザイン設計に貢献していく考えだ。
一方、もう1つの特長の「ガス透過性」では、ポリメチルペンテン(PMP)のガス透過性を維持しつつ、ヒートシール性を付加する。PMPフィルムと同コート剤の組み合せは、一般フィルムと同様に液体や菌などは通さず気体のみを透過する。その上で特定のガスを選択的に高く透過するため、ヒートシールパッケージにも適した素材となる。細胞培養キットの保護用途、医療用器具のパッケージ、特定ガスの分離膜といった産業分野などの用途を想定している。
三井化学は同コート剤の訴求と用途開拓を図るため、「ものづくりパートナーフォーラム大阪2021」(梅田ハービスホール:10月28日)をはじめ、「高機能プラスチック展」(幕張メッセ:12月8~10日)、「コンバーティングテクノロジー総合展2022」(東京ビッグサイト:2022年1月26~28日)などへの出展を予定する。
2021年10月11日
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)はこのほど、産業技術総合研究所(産総研)、九州大学と共同で人工知能(AI)と分子シミュレーションを組み合わせた世界初の解析技術を開発し、液晶がナノ構造化する際の新たな現象を発見した。
プラスチックや合金、加工食品などの固形物の多くは、液状物から固形物へ冷却して加工。液晶や溶液、ポリマー、生体材料などは冷却プロセスで多彩な構造を形成し、機能や性能を左右する。冷却プロセスの理解は重要だが、ナノ構造や生成速度などの定量的説明はできていない。
今回、「超先端材料超高速開発基盤技術プロジェクト」での計算・プロセス・計測の三位一体による有機・ポリマー系機能性材料開発の高速化への取り組みの一環で、新たな解析技術を開発。冷却前の分子構造の中から、冷却後の構造に似たナノ構造だけを精密に抜き出すことで、ナノ構造のサイズや生成のしやすさが解析できる。
構造生成のきっかけとなるナノ構造、臨界核(CN)、より生成しやすくサイズの小さな2種類のナノ構造を発見。CNは3段階のプロセスを経て生成することが示唆された。ナノ構造サイズがCNを超えると構造生成が始まり超臨界核になるとされるため、超臨界核の数の時間的変化を観察。その生成は3段階に分かれ、段階を踏むごとに生成速度が上がることが分った。
超臨界核に成長できずに分裂したCN(残留クラスター)数の変化を見ると、超臨界核の生成タイミングと一致する3つのピークがあったことから、超臨界核の生成は、CNではなく残留クラスターが中心となって起こることが分った。この解析技術は物質によらず、またナノ構造の生成プロセスだけでなく成長や構造パターンの形成を経た固形化まで適用できる。
液晶のほか溶液やポリマー、生体材料などの精製プロセス、結晶化プロセスなどが高精度で観察でき、製品性能を左右する結晶の大きさや純度など材料の構造パターンを最適化する「コツ」をつかむことが可能になる。高機能材料創製のための材料性能向上や開発期間短縮につながることが期待される。