日本ペイントホールディングス 抗ウイルス・抗菌ブランド開発、家庭用塗料で発売

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2020年9月25日

 日本ペイントホールディングスはこのほど、最先端のペイントテクノロジーを採用した抗ウイルス・抗菌製品向けの新ブランド「PROTECTON(プロテクトン)」を開発したと発表した。家庭用から工業用まで、抗ウイルス・抗菌製品を順次開発していく。

 第1弾製品は日本初のDIY・家庭用の抗ウイルス・抗菌性水性塗料「プロテクトン インテリアペイントプレミアム」で、通販サイト「ニッペホームオンライン」限定で発売開始した。室内光に反応する光触媒による抗ウイルス・抗菌機能で塗膜表面のウイルスや菌を抑制し、超低臭気・防カビ機能で室内の空気をキレイにする。同社試験では、塗膜表面のウイルス感染価は4時間で99.9%以上減少、黄色ブドウ球菌数は8時間で99.9%以上減少した。

 同社グループは、今年5月より抗ウイルス対策など社会の課題解決に資する塗料・コーティング技術と商品開発を加速し、東京大学との産学協創協定の下、抗ウイルス技術や感染拡大終息後の新たな社会課題解決に向けた技術開発に着手した。塗料・コーティング・表面処理技術の開発を加速し、製品・サービスを提供することで、「ニューノーマル(新常態)」の安心・安全を届けることに貢献していく考えだ。

 

帝人 水溶性食物繊維を使用した商品、機能性表示が許可

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2020年9月25日

 帝人はこのほど、機能性食品素材として展開している水溶性食物繊維「イヌリア」使用の商品「発酵するナチュラルイヌリン」について、消費者庁に「整腸」に関する機能性表示食品の届け出を行い受理されたと発表した。これにより、同社の責任により、商品に「腸内のビフィズス菌を増やす」「腸内フローラを良好にする」「お腹の調子を整える」などの表示をすることが可能となった。

 健康志向の高まりから発酵食品の需要が増える中、「腸内のビフィズス菌による発酵・増殖に利用される」という表現で機能性表示食品の届け出が受理されたのは初となる。

 帝人は大腸内での発酵が健康に重要であることに注目し、機能性食品素材事業として、2016年よりスーパー大麦「バーリーマックス」、2018年から水溶性食物繊維「イヌリア」を展開。今回、機能性表示食品として届け出た「発酵するナチュラルイヌリン」は、これまで販売してきた商品「発酵する食物繊維」をリニューアルしたもので、10月末の発売を予定している。また、今後の展開として、今回の知見をもとに、「イヌリア」を使用した食品で機能性表示を希望するメーカーに対しては、届け出のサポートを行っていく計画だ。

 帝人のヘルスケア事業は、1人ひとりが生まれてから最後の日を迎えるまでの人生を支えることを目指しており、今後も機能性食品素材事業で世界中の人々の「QOL」の向上に貢献していく。

 

日本触媒 データサイエンスを駆使、高性能SAPを開発

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2020年9月25日

 日本触媒は24日、データサイエンス(DS)を駆使して、吸収量や吸収速度などの機能を従来比で10%以上高めた新しい高吸水性樹脂(SAP)の開発に成功したと発表した。

SAP開発にデータサイエンスを導入
SAP開発にデータサイエンスを導入

 SAPの主用途である紙おむつは、新興国では子供向け、先進国では大人向けを中心に需要が世界で拡大。紙おむつに求められる、ドライ感、もれない、かぶれない、コンパクトである、といった性能の実現にはSAPが重要な役割を果たしている。

 同社は1985年にSAPを製品化して以来、継続的に新製品を開発してきたが、近年の多様化、高度化するニーズに対応できる研究開発、商業化のスピードアップが課題となっていた。そのため、経験と勘に依存することの多かったSAPの研究開発にDSを導入し、顧客ニーズを的確に反映した製品設計から商業化までを迅速に行い、顧客へ提案する体制を整備した。現在では全てこの手法で新製品の開発を行っている。

 SAPには、体重が加わった想定での加圧下および無加圧下の吸収量、吸収速度、液の拡散状態などの性能向上が求められる。これに対し同社は、これまで蓄積してきた紙おむつ性能とSAP性能の相関性や合成時の挙動解析、SAPの表面制御技術をデジタル情報化し、これにディープラーニング(機械学習)やインフォマティクスなどDSを駆使することで、性能を10~20%アップすることに成功。開発期間も従来の約半分程度に短縮された。

 姫路製造所をはじめ世界各地の生産拠点でこの新規SAPを生産し、2025年には全体の4割に高めていく計画。同社は、新規SAPを世界で展開することで、おむつ使用者の様々なニーズに応えていく考えだ。なお、今年6月にデータサイエンス&インフォマティクス推進室を発足。SAPをはじめとして、洗剤原料、アクリル酸触媒など、様々な製品分野でDSの活用を推進している。

 

 

 

東レ 車載コンデンサ用OPP新世代グレードを開発

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2020年9月25日

PCU小型化に貢献、xEVの設計自由度が向上

 東レは、電動車(xEV)向け車載コンデンサ用高耐熱・高耐電圧二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム「トレファン 新世代グレード」を開発し、本格生産を開始した。

オンライン記者会見 フィルム研究所 長田 俊一所長 大倉 正寿研究主幹
フィルム研究所長田俊一所長(左)、 大倉正寿研究主幹

 新グレードを使用したコンデンサをxEVのパワーコントロールユニット(PCU)に適用することで、PCUの小型化、耐熱性向上、高効率化が可能となり、xEVの設計自由度や燃費向上に大きく貢献することができる。新世代グレードは、従来品に対しアドバンテージがあることから、ハイエンドのゾーンを中心に拡販を行い、主力製品に育てていく方針だ。

 同社の「トレファン」は、強靱性・電気特性・機械的特性といった優れた特徴をもち、一般工業用・包装用・コンデンサ用などに広く利用されている。その主力用途の1つであるフィルムコンデンサは、

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ヘンケル 低温塗工ホットメルト接着剤、国内で本格展開

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2020年9月24日

 ドイツの化学・消費財メーカー、ヘンケルの日本法人ヘンケルジャパンはこのほど、低温塗工タイプの包装用ホットメルト接着剤「TECHNOMELT SUPRA COOL(テクノメルト・スープラ・クール)」シリーズの日本での本格展開を今月から開始すると発表した。

低温塗工タイプの包装用ホットメルト接着剤『TECHNOMELT SUPRA COOL』シリーズ
低温塗工タイプの包装用ホットメルト接着剤「TECHNOMELT SUPRA COOL」シリーズ

 同社コンシューマーグッズ事業部は、一部顧客を対象に昨年より「スープラ」シリーズの低温塗工グレードである同製品の販売を開始。「スープラ」シリーズの高い接着性や糸引きの低減などを維持しながらもノズル詰まりの原因となる熱安定性をさらに向上させ顧客評価も高いことから、段ボールケースやカートンの組み立て接着剤用途を中心に、本格的な販促活動を行っていく考えだ。

 同製品の特長は、一般的な製品の塗工温度が180℃であるのに対し、130~150℃の温度領域での使用が可能なこと。ホットメルト接着剤の高温加熱での時間経過による変色は、ノズル詰まりの原因である炭化物の発生に起因するが、「スープラ・クール」シリーズは低温塗工ができるため炭化物の発生が抑制される。また、塗工温度が低いため、火傷リスクが低減され、安全性、作業環境の改善に寄与。電力消費量を削減することから、エネルギー削減・CO2排出量削減につながり、サステナビリティにも貢献する。

 販路開拓に当たっては、コロナ禍で新規顧客との対面での対応が難しい側面もある。こうした中、同社では「スープラ・クール」シリーズのメリットを分かりやすく紹介した動画を作成。同社の話では、新規顧客や販売店のへの直接営業だけでなく「オンラインでの打ち合せや動画投稿サイトYouTubeの自社チャンネルを活用し、積極的にアピールしていく」とのこと。

 ヘンケルジャパンの中でも、特に同製品を扱うコンシューマーグッズ事業部は「よりサステナブルな製品・テクノロジーを顧客に案内していく」ことに注力する。「スープラ・クール」シリーズの環境貢献性やトータルコスト削減などの新機能を訴求し、国内で本格展開していく。

『TECHNOMELT SUPRA COOL』シリーズは、低温塗工によりノズル詰まりの原因である変色を伴う炭化物の発生を低減
「TECHNOMELT SUPRA COOL」シリーズは、低温塗工によりノズル詰まりの原因である変色を伴う炭化物の発生を低減

 

出光興産 風力発電の長寿命化、潤滑剤設計がNEDO事業に

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2020年9月24日

 出光興産はこのほど、同社が提案する「風力発電機の長寿命化に向けたマルチスケールトライボ解析・実験による最適潤滑剤設計」が、NEDOの助成事業として採択されたと発表した。

 潤滑剤の性能(耐摩耗性・長期安定性)向上を図り、洋上風車の軸受や歯車で使用する潤滑剤の平均交換頻度を現状の5年から15年へと3倍に延長することで、機械の長寿命化を実現する新技術開発を行う。なお、事業期間は、2020~2022年度の3年間。

 NEDOの「風力発電等技術研究開発/風力発電高度実用化研究開発/風車運用・維持管理技術高度化研究開発」事業では、日本の洋上風力発電の導入拡大に向け、国内風車のダウンタイムと運転維持コストの低減、さらに発電量向上を目指した技術開発を行うことで発電コスト低減を目指すもの。今回の事業では、洋上風車の運転維持コストを低減する各コア技術の開発を目的とする。

 同社は、「風車運用・維持管理技術高度化研究開発」事業の中で、兵庫県立大学および岡山大学と協働し新技術開発として、洋上風車の軸受や歯車のメンテナンスフリー化に寄与する潤滑剤の最適な分子構造の創出と実証を行う。

 新技術開発は、これまで潤滑剤開発で培ってきた基材最適化技術・評価方法をベースにし、そこに兵庫県立大学のシミュレーション技術とMI(マテリアルズインフォマティクス)技術を駆使したスーパーコンピューターによる大規模実証計算を利用。データに基づく理論的根拠による最適な基材の分子構造や潤滑剤の組成を予測する。基材候補には、両大学で開発した、摩擦・摩耗の低減に寄与する複数の新材料(トライボナノマテリアル添加剤)も対象に加える。

 出光興産は、これまでも技術立脚型のグローバル潤滑油メーカーとして新しい価値創造に取り組んできた。今回の採択を受け、洋上風力発電の導入拡大に向けた日本発の新技術開発をさらに推進する考えだ。

NEDO実証事業 体制図
NEDO実証事業 体制図

 

ENEOS 生分解性グリースを発売、エコマーク認定を取得

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2020年9月24日

 ENEOSはこのほど、大林組と共同開発した、生分解性をもつシールドマシン用のテールシールグリース「シールノックBD」を発売すると発表した。一般商品として10月から発売を開始する。

 都市部の地下鉄やリニア新幹線、また海底などのトンネル工事では、地上の建築物や地中の埋設物に影響を与えることなく大深度を掘削でき、同時にトンネル本体を施工するシールド工法が採用されている。同工法では、施工中にトンネル内に地下水や土砂が入らないよう、シールドマシンとトンネル本体外壁の隙間にグリース(テールシールグリース)を充填するが、トンネル本体外壁と地山間に留まり、地下水に触れることで地中に拡散されるといった課題があった。

 今回開発した「シールノックBD」は、微生物により成分が分解される生分解性をもつため、土壌汚染や地下水汚染などの環境負荷低減への貢献が可能。地球環境に優しいことが評価され、テールシールグリースとして初めてエコマーク商品として登録されている。また、トンネル工事の安全性を確保するために、これまで商品化してきたテールシールグリースの高い止水性能を維持したまま、生分解性付与に加え、圧送性能を向上させることにも成功した。

 ENEOSは、グループ行動基準の1つに「価値ある商品・サービスの提供」を掲げる。今後も、環境に配慮した商品の開発・提供を通じて、顧客の満足と信頼獲得に努めていく考えだ。

シールノックBDの外観と荷姿
シールノックBDの外観と荷姿

デンカ ベルギーでノロウイルスワクチンの臨床試験を開始

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2020年9月24日

 デンカは23日、グループ会社であるドイツのアイコン社が、ベルギーでノロウイルスワクチンの第Ⅰ相臨床試験を開始したと発表した。

 今回の臨床試験はアイコン社で開発中のノロウイルスワクチンを健康な成人へ投与した際の安全性と免疫原性を評価することが目的。アイコン社はベルギーの保健当局に治験届けを今年2月に提出しており、当局の承認のもと同国内のヘント大学病院ワクチンセンターで実施する。

 現在、デンカグループではアイコン社を中心に同社の技術プラットフォーム「magnICON(マグニコン)」によりノロウイルスワクチンや検査試薬に使われる原料などの研究開発を推進。研究開発の進展に伴い、研究開発・製造などの中核拠点を建設するため、アイコン社近傍のハレ市ヴァインべルク キャンパス技術団地に約5万㎡の用地を今年3月に取得した。

 デンカグループは経営計画の中でヘルスケア事業を重点3分野の1つと位置づけ、感染症対策としてインフルエンザワクチンや新型コロナウイルスを含む各ウイルス抗原の迅速診断キットなどの製品を供給している。

 デンカはアイコン社での研究開発を積極的に支援し、有効な予防法や治療方法が確立されていないノロウイルス感染症のワクチン開発を進め、人々のQOL向上に貢献していく。

クラレ カルゴン社のベルギー拠点で再生炭設備を増設

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2020年9月24日

 クラレは23日、使用済み活性炭を再生した再生炭の世界的な需要拡大に対応するため、米国子会社カルゴン・カーボン社の欧州拠点の1つであるベルギー・ケムバイロン社のフェルイ工場に生産設備を増設すると発表した。増設分の生産能力は年産1万1000tで、2022年下期の稼働を予定している。

 活性炭は、瀝青炭やヤシ殻などを原材料として加工した、表面に微細孔をもつ炭素材料で、微細孔の大きさや形状によって、様々な用途に使用されている。

 クラレが2018年に買収した瀝青炭ベース活性炭のグローバルトップメーカーであるカルゴン・カーボン社は、使用済み活性炭を高温熱処理して再び性能を回復させる活性炭の再生事業についても世界有数の地位を占めており、1974年に稼働を開始したベルギー・フェルイ工場は、欧州での再生事業の中核工場となっている。

 活性炭は近年、水・大気の浄化など環境関連用途で広く使用され、特に欧州では環境規制強化や天然資源の持続的利用、CO2排出量削減などの環境意識の高まりを追い風に、排出ガス処理、排水浄化などの工業用途で再生炭の需要が拡大している。

 同社は今回、ベルギー・フェルイ工場に工業用途向け再生炭生産設備を増設することで、引き続きグローバルに安定した活性炭の供給体制の拡充に取り組み、環境問題へのソリューションを提供していく。

三菱ケミカル アセテート繊維の環境負荷度を可視化へ

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2020年9月24日

 三菱ケミカルは23日、アセテート繊維「ソアロン」のサステナビリティへの新たな取り組みとして、「SOAGREEN PROGRAM」を開始したと発表した。同製品の環境負荷度を数値化・分類し、客観性をもたせることで「可視化」を図るのが狙い。

 「ソアロン」は、木材パルプを原料とする半合成繊維で、国内のみならず、海外でもサステナブル素材として注目されている。同社はこれまで、同製品の原料調達からテキスタイル製造までの各段階でサステナビリティを担保するために、「Bluesigh」認証など各種第3者認証を取得してきたが、個々のテキスタイル商材は糸構成や生産プロセスも多様で、それぞれの環境負荷度を客観的に示す評価基準がなかった。

 三菱ケミカルは今回、こうした個々に異なるテキスタイル商材の環境負荷度の可視化を図るため同プログラムを策定。設計・製織/製編・染色といった生産段階ごとに、内容・工程・手法を検証し、「ソアロン」専用に設定した独自の評価基準に基づき採点評価、各商材を等級化して3つのクラス「SOAGREENレベル」に分類する。商材ごとに環境負荷度を示すことで、顧客の素材評価に際し、従来の「素材感」や「品質」などに加え、新たにサステナビリティ視点での検討も可能になる。

 同社は今回の取り組みを通じ、個々の商材の改善に向けたポイントもより明確化することが期待できることから、「ソアロン」商材群全体のサステナビリティのさらなる向上を目指す考えだ。