北海道コカ・コーラ 自動販売機に抗ウイルス・抗菌施工を開始

, ,

2020年7月14日

 北海道コカ・コーラボトリング(札幌市)はこのほど、同社の自動販売機・ディスペンサーへの訪問時のアルコール消毒に加え、ヤマモトホールディングス(千葉県松戸市)の抗ウイルス・抗菌ガラスコーティング「Dr.ハドラスコーティング」による抗ウイルス・抗菌施工を実施すると発表した。 

商品取り出し口 塗布施工イメージ
商品取り出し口 塗布施工イメージ

 消費者の安全・安心につながる取り組みとして、今月上旬より行う。対象は北海道全域の自動販売機(缶、PET機、カップ機)とディスペンサー2000台。公共性の高い施設(公共交通機関、病院、福祉施設など)から始め、順次拡大する予定。抗ウイルス・抗菌ガラスコーティングを商品選択ボタン、コイン・札投入口、おつり返却口、商品取り出し口などに塗布施工し、「SIAAマーク」(抗菌製品技術協議会)を貼り付ける。

 「Dr・ハドラスコーティング」は、対象物に塗布すると、空気中の水分と反応してナノレベルの超薄膜・緻密・高純度無機ガラス膜を作り、ウイルスや菌の増殖を抑制し接触感染を予防する。浸み込む物以外ほとんどの物にコーティング可能で、紫外線に強く、防汚・防キズ効果もあり、使用環境にもよるが5年間持続する。産学連携研究によるもので、今年3月に「SIAAマーク」を取得した。

実施済みステッカー
実施済みステッカー

 今回の施工は同社が行うが、建物内のドアノブやエレベーターの押しボタン、ベンチ、テーブルなどあらゆるものの除菌・抗菌に使用できるため、今後は取引先などへのサービス提供事業として拡大する予定。

 同社は「北の大地とともに」をスローガンに、どさんこ企業として北海道の魅力向上、地域課題の解決、子どもたちが将来の地球の姿を考える場の提供、安全で安心な地域づくりの応援など、事業活動を通じて継続的に推進する考えだ。

日本製紙 ストローレスの学校給食用牛乳パックを発売

,

2020年7月14日

 日本製紙はこのほど、ストローレス対応学校給食用紙パック「NP‐PAK‐mini School POP」を開発、9月から発売すると発表した。

 市場ニーズの高いストローレス化に対応した紙製牛乳容器で、開けやすく飲みやすいよう、上部構造に工夫をこらしてある。脱プラスチックの潮流拡大の中、プラスチックストローは海洋プラゴミの象徴の1つ。同社は紙ストローも製造・販売するが、今回、市場ニーズの高い「ストローそのものの不要な紙パック」に視点を変えた。

 給食用ミニカートンは、通常のゲーブル(屋根型)容器と異なり、屋根部の隙間が狭く指を入れにくい。「School POP」(POP:Push、Open、Pull)は、屋根型の下部を押して開き引き出すと容易に開封でき、独自の罫線による注ぎ口の傾斜で液がスムーズに流れて飲みやすい構造。ストロー孔も、子供の成長段階やその他要因にあわせて残してある。また、従来型充填機にも対応する。

 全国の学校給食用紙製牛乳パックは年間約14億個で、樹脂使用料は約700t(ストロー1本0.5g換算)。例えば1000万本の学校給食牛乳用ストローは樹脂約5t、PETボトル約50万本に相当する。

 同社は、「紙でできることは紙で」を合言葉に、再生可能資源である「木」を原料とし、リサイクル可能な「紙」に新たな機能を付与した多彩な製品を提供している。今後も紙の利用シーン拡大に努める考えだ。

富士フイルム 肌弾力改善の新成分をナノ乳化で高浸透化

, ,

2020年7月14日

 富士フイルムはこのほど、肌の弾力性に影響する立毛筋の機能向上成分として、黒胡椒由来の血行促進成分「テトラヒドロピペリン」をナノ乳化した「ナノテトラヒドロピペリン」を開発したと発表した。

 毛穴のゆるみや肌のたるみについて、毛穴の収縮を担う立毛筋の機能低下のメカニズムや肌の弾力性への寄与に着目。組織透明化技術によりヒト立毛筋の3次元可視化に成功した。

 立毛筋は毛根に絡まり、かつ表皮・真皮境界の基底膜まで伸びており、毛穴とともに肌組織全体にも関わることを示唆。ヒト立毛筋中の老化マーカータンパク質「プレラミン」の染色観察により、加齢とともに立毛筋が老化することを確認した。立毛筋を構成する平滑筋細胞をコラーゲンゲル内で培養し観察した結果、年齢が高いほどコラーゲンの収縮が低下(肌弾力が低下)することが分かった。筋力低下のマーカー、細胞骨格タンパク質「αSMA」の蓄積も見られた。

 さらに、黒胡椒由来の血行促進成分「テトラヒドロピペリン」によりαSMAの蓄積が改善することを発見。油溶性の「テトラヒドロピペリン」を立毛筋に効率的に届けるために、皮脂となじみのよい「イソノナン酸イソノニル」と組み合わせてナノ乳化することで、浸透性は従来のオイル乳化物の約1.4倍に向上し、実際の皮膚への浸透性も確認した。

 今後、今回開発したナノ乳化物「ナノテトラヒドロピペリン」を、毛穴が目立たないハリのある肌へ導く機能性化粧品に応用していく予定だ。

AGC 次世代パワー半導体酸化Gaウェハの実用化を加速

, , ,

2020年7月14日

 AGCはこのほど、次世代パワー半導体材料開発会社ノベルクリスタルテクノロジー(NCT:埼玉県狭山市)への追加出資を決定した。これにより、2023年のの実用化に向けて開発スピードをさらに加速させる考えだ。

4inch 酸化ガリウム基板(販売中)4inch 酸化ガリウム基板(販売中)
4inch 酸化ガリウム基板(販売中)

 NCTは、タムラ製作所と情報通信研究機構(NICT)により2015年に設立されたベンチャー。17年にはタムラ製作所との共同で、世界初の酸化ガリウムエピタキシャル膜使用のトレンチMOS型パワートランジスタを開発。4インチまでの酸化ガリウムウェハの開発・製造・販売にも成功し、100%近い世界シェアを持つ。

 パワー半導体は、サーバー、自動車、産業用機械、家電製品など様々な電気・電子機器の電力制御を行う電子部品。電力制御モジュールの省エネ化、軽量・小型化に直結するため、低電力損失で耐電圧・大電流特性に優れた半導体材料が求められている。酸化ガリウムはシリコンと比較し、3000倍以上のパワー半導体性能指数(電力損失指数)を持つ次世代パワー半導体材料で、競合のSiC(炭化ケイ素)やGaN(窒化ガリウム)と比べても、より高電圧・大電流で使用できる可能性がある。

6inch 酸化ガリウム基板(開発中)
6inch 酸化ガリウム基板(開発中)

 同社はNCTの高い技術力に、同社がガラス製造で培った高温溶解、研磨加工、洗浄などの無機材料量産技術を生かし、酸化ガリウムの早期量産化と、さらなる高品質化、大型化を目指す。

 AGCグループは、経営方針「AGC plus」でエレクトロニクス事業を戦略事業の1つと位置づけている。成長が見込まれる半導体関連事業に積極的に開発・投資し、半導体産業の発展に貢献していく考えだ。

ENEOS 国内初、サービスステーション(SS)を活用したVPP実証を計画

, ,

2020年7月14日

 ENEOSはこのほど、次世代型エネルギー供給・地域サービスの提供を目指して、国内初となるサービスステーション(SS)での実証を含む、同社のエネルギーリソースを活用したヴァーチャルパワープラント(VPP)の実証に取り組むと発表した。

 同社は、再生可能エネルギー(再エネ)の利用拡大および分散型エネルギー社会の到来を見据え、分散電源の活用を中心とした次世代型エネルギー供給・地域サービス事業を成長事業の1つと位置づけている。蓄電システムや自家発電設備などのエネルギーリソースを制御するVPPの実証に取り組むことにより、再エネ導入に伴う、電力需給バランス調整に関する知見を早期に取得し、電気事業の収益力向上を目指す。

 今年度、①SSでの太陽光発電の発電量を有効に活用するような蓄電池の充放電、制御最適化の実証、②製油所・製造所に保有する自家発電設備の稼働余力を活用する実証、③EVおよびEV充電器の最適な制御を目指す実証、④産業用蓄電システムを活用した実証、など4つのカテゴリでの実証を計画。また、今年6月には、蓄電池事業で先行している英国の蓄電池ファンドへ出資を行うなど、VPP事業に関わる知見・ノウハウの獲得を積極的に行っている。

 同社は今後も、低炭素・循環型社会の実現に向けて、エネルギーサービスプラットフォームの構築に積極的に取り組んでいく考えだ。

昭和電工 イソシアネートモノマーの応用が接着学会技術賞に

, ,

2020年7月14日

 昭和電工は13日、日本接着学会より「2020年度第42回日本接着学会技術賞」を受賞したと発表した。同社の「イソシアネートモノマーと粘接着・塗料分野の応用」が、粘接着剤・塗料業界に対する樹脂のデザイン・機能の向上を実現し、業界に貢献したことが評価された。

 受賞対象であるイソシアネートモノマー「カレンズ」は、各種の物質と容易に結合するイソシアネート基と、共重合や光・熱硬化が可能なアクリル基を同一分子内に持つ同社独自の製品。ポリマーに添加・反応させると短時間かつ効率よく光硬化性を付与できる機能と、アクリル共重合体のモノマーに用いると低温でイソシアネート硬化を可能にする機能を備える。

 「カレンズ」は、粘接着用途では粘度上昇や副生物の生成なく簡便に合成でき、光硬化性も高いため近年のUV‐LED化に合致した製品開発が可能。また塗料分野では、簡便にイソシアネート基を樹脂構造中に挿入できるため、低温で硬化でき省エネルギー化に貢献できるほか、低温硬化型イソシアネートブロック体も合成できる。塗料の水系化・高機能化のトレンドにも合致し、機能性高分子分野のキーマテリアルとして幅広く採用されている。

 同社グループは、「個性派企業(収益性と安定性を高レベルで維持できる個性派事業の連合体)」を実現し、「世界トップレベルの機能性化学メーカー」となることを目標としている。今後も独特な化学構造と機能を持つ「カレンズ」シリーズの安定供給体制と提案力強化により、顧客の開発サポートを通じて事業を拡大し、個性派事業の確立を目指す考えだ。

 

高エネ研など 結晶構造の自動解析精度、熟練者超え

, , , ,

2020年7月13日

 高エネルギー加速器研究機構(高エネ研)と総合研究大学院大学、産業技術総合研究所(産総研)は共同で、数理最適化の一手法であるブラックボックス最適化手法を用いて、物質・材料研究に必要不可欠な粉末X線回折(PXRD)パターンの解析を自動化・高効率化する手法を開発した。これにより、熟練者を超える解析精度と解析速度だけでなく、従来の手法では得られない結晶構造候補の発見も可能になった。

 物質・材料の機能と性質の多くは結晶構造で決まるため、その詳細な解析は、様々な物理現象研究や高機能材料開発の出発点となる。最も広く利用されている分析手法は、PXRD法だ。その測定結果には結晶構造情報以外のパラメータも多く含まれるため、結晶構造解析のためのパラメータ調整(リートベルト精密化法、仮定した結晶構造から計算した回折パターンと実測パターンが一致するようにパラメータを調整)には膨大は労力を要し、人的・時間的コストが問題となる。熟練者でも1日に1件であり、データ解析の自動化や効率化が求められている。

 今回、リートベルト精密化法が機械学習のハイパーパラメータ最適化問題(複数のパラメータ設定の最適化)と類似していることに着目。これに有効なブラックボックス最適化手法(アルゴリズム)をリートベルト精密化法に応用して、PXRDパターン解析を効率化する手法を開発した。これにより、熟練者を超えるフィッティング精度、つまり測定データとシミュレーション結果の高い一致精度がありながら、ノートPC使用で1時間程度にまで時間を短縮。また、従来からの熟練者の典型的な手順では到達できなかった結晶構造の候補を発見することにも成功した。

 この手法により、結晶構造解析のほか、電子顕微鏡、X線顕微鏡、X線吸収微細構造(XAFS)など様々な計測機器によるデータ解析の自動化が可能となり、計測と解析とを統合した計測機器開発に活用されると考えられる。そして、物質・材料の研究現場でのハイスループットで高精度な材料データを取得するという課題を解決し、世界最先端の研究開発プラットフォームが構築されることが期待される。

太陽インキ製造 高周波対応新シードフィルムで初受賞

, , , ,

2020年7月13日

 太陽ホールディングスはこのほど、子会社の太陽インキ製造(埼玉県嵐山町)が「高周波対応配線形成用新シードフィルム」で「第16回JPCA賞」を受賞したと発表した。

高周波対応配線形成用新シードフィルムの外観
高周波対応配線形成用新シードフィルムの外観

 同賞は日本電子回路工業会が主催・運営する「第50回国際電子回路産業展」の出展者を対象とした、電子回路技術および産業の進歩・発展に貢献した製品・技術への表彰制度として2005年に創設されたもの。今回、太陽インキ製造にとって初の受賞となる。

 同開発品は次世代通信規格5Gの高周波帯域用の電子機器向けにDICと共同開発したもので、ナノメタルからなるシード層を両面にコートしたフィルム。5Gの普及に伴い、使用周波数帯域であるSub6やミリ波帯で高周波信号をロスなく伝送する銅配線技術が重要となる。高周波であるほど電流は銅配線表層しか流れず、表層が平滑でなければ伝送損失が増す。そのため、配線の表面や側面を平滑にする銅配線形成技術が求められている。

本開発品による銅配線形成例
本開発品による銅配線形成例
銅配線の厚み=8μm 斜め配線L/S=10/10 縦配線L/S=8/8(um)

 従来の銅シード・モディファイドセミアディティブプロセス(MSAP)では、シード層の銅のエッチングにより銅配線も溶解し、表面や側面の凹凸が大きくなる課題があった。今回シード層を銅以外の金属とすることで、エッチングによる銅配線の溶解をなくし、表面や側面が平滑なファインパターンが得られた。主な用途として、低損失の高周波伝送配線、高品質アンテナ、高精度配線・高密度配線などが期待できる。

戸田工業 EV向け非接触給電用フェライトシートを製品化

, ,

2020年7月13日

 戸田工業はこのほど、厚膜超大判フレキシブルフェライトシートに関し、量産製造も視野に入れた開発設備を導入し、EV向け非接触給電用途へのサンプルワークを開始したと発表した。

EV向け非接触給電システム用厚膜超大判フレキシブルフェライトシート
EV向け非接触給電システム用厚膜超大判フレキシブルフェライトシート

 同社は、長年培った酸化鉄・フェライト技術で、フレキシブルフェライトシートの特許・製造ノウハウを保有。スマートフォン搭載のNFCアンテナ用フレキシブルフェライトシートのパイオニアとして、2006年から本格量産を開始、17年からは同用途の非接触給電用フレキシブルフェライトシートの本格量産を開始した。現在は大竹事業所(広島県大竹市)をマザー工場に、グループ企業や提携企業を含め世界最大規模の供給能力を持つ。

 近年はEV向けにも非接触給電の採用が進み、方式も世界的に固まりつつある中、EVの出荷台数増加を背景に、非接触給電システムの開発・製品化が加速している。EV用の大電力送受信には、フェライト材料の一層の高性能化と大型・厚膜化が必要であり、韓国子会社・TODA ISUのMn‐Zn系フェライトと、日本のフレキシブルフェライトシートの開発・製造ノウハウの融合を目指している。

 フェライトはセラミックスのため、振動による割れや欠けが課題となり、EⅤ用に通常使用されるプレス成形のフェライトではアンテナコイル用の大判化が困難といった問題がある。

スマートフォン用薄膜フレキシブルフェライトシート
スマートフォン用薄膜フレキシブルフェライトシート

 戸田工業のシート成膜技術によるフレキシブルフェライトシートは耐衝撃性が高く超大判も製造可能。現在20cm×10cm(フェライト厚み1~2mm)シートのサンプルワークを開始し、今後20cm×30cm(同1~4mm)の製造を目指している。EV向け非接触給電システムのインフラが整備されて市場が拡大すると予測される2025年を目標に、年間100万台規模の供給能力を構築し、事業拡大を図る考えだ。

 

クラレ 小6の就きたい職業1位はスポーツ選手と保育士

, ,

2020年7月13日

 クラレが今春小学校を卒業した子どもと、その親を対象に行った「将来就きたい職業」「就かせたい職業」のアンケート調査によると、男の子が就きたい職業の1位は昨年に続き「スポーツ選手」、女の子の1位は4年ぶりに「保育士」となった。

 男の子が就きたい職業1位の「スポーツ選手」の内訳は、野球(35.0%)、サッカー(33.8%)、バスケットボール(7.5%)、eスポーツ(5.0%)が上位にランクイン。野球が昨年トップのサッカーをわずかに上回り、昨年初めて登場したeスポーツは0.7ポイント上昇し、人気度がさらに高まった。

 2位には昨年3位の「医師」、3位には昨年6位の「大工・職人」と、いずれも過去最高順位を記録。特に「大工・職人」は、子どもにも人気のDIYをテーマにしたテレビ番組や動画配信の影響もあり、ものづくりを職業にしたいと考えるきっかけになっていると見られる。4位「研究者」、5位「エンジニア」と続いた。

 女の子の2位は昨年3位の「看護師」。4位「医師」、5位「薬剤師」といずれも順位を上げており、上位5つのうち医療職が3つを占めた。人の健康を守る仕事に関心が高まっているようだ。3位には「パティシエ・パン屋」が入り、8位「美容師」、12位「デザイナー」と、かわいいものや美しいものを作りだす仕事に、女の子が抱く憧れがうかがえた。

 その一方で、昨年1位の「教員」は6位に順位を下げた。男の子の保護者が子どもに就かせたい職業は、昨年に続き圧倒的人気で「公務員」が1位となり、2位「エンジニア」、3位「医師」と続いた。女の子の保護者が就かせたい職業の1位は、昨年に続き「看護師」だった。3位「薬剤師」、4位「医療関係」、5位「医師」と、上位に4つの医療職がランクイン。2位には「公務員」が入り、昨年4位から順位を上げた。

 調査は今年3月に小学校を卒業した子どもとその親のうち、使い終わったランドセルをアフガニスタンの子どもに贈る、同社の社会貢献活動「ランドセルは海を越えて」キャンペーンに協力した人を対象に行った。有効回答は男の子とその親が各478人、女の子とその親は各543人だった。