汎用4樹脂 4月の国内出荷は3カ月連続で全樹脂がプラス

2021年5月28日

 業界筋によると、4月の汎用4樹脂の国内出荷は、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)とも前月に引き続き前年を上回る結果となった。前年は、第1回目の全国的な緊急事態宣言のもと、個人消費ならびに製造業、サービス業において急速な減速をきたした。それに対し今年は、生産活動が上昇基調で推移していることや、消費マインドも持ち直し傾向が続いている。LDPEではフィルム分野の復調が続くとともに、HDPEはパイプ分野、PPでは射出成形分野の出荷増加が目立った。PSは、ほぼ全用途で前年実績を上回っている。

 4月の出荷合計を品目別に見ると、LDPEは

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石化協 4月のエチレン生産は17%増、稼働率95%に

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2021年5月28日

 石油化学工業協会が27日に発表した主要石化製品18品目生産実績によると、4月のエチレン生産は前年同月比17.4%増の54万6200tとなった。前年同月は2プラントで定修があったが、今年は定修がゼロだったことが背景にある。また、稼働プラントの平均稼働率は95.3%となり、フル稼働を維持している。

 他の17品目については、

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三井化学 高屈折レンズ材を能増、米・中市場拡大に対応

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2021年5月28日

 三井化学は27日、世界トップシェアを誇る高屈折メガネレンズモノマー「MR」の生産能力増強を決定したと発表した。

『MR』を生産する大牟田工場の全景
「MR」を生産する大牟田工場の全景

 既存プラントのある大牟田工場(福岡県大牟田市)で設備新設とデボトル増強を行い、中国を中心としたアジアでの高機能品ユーザー層の拡大や、北米でのポリカーボネート(PC)素材からの置き換え需要などに対応していく考えだ。2023年10月の商業運転開始を予定。生産量については、既存、能増分ともに非公開としている。

 「MR」は独自の重合技術により、高屈折率・高アッベ数・軽量かつ高耐衝撃性を実現したチオウレタン系樹脂(硫黄を含むウレタン)のメガネレンズ材料。粘りのあるチオウレタン系樹脂により、薄くても割れにくく、アッベ数が高いことからレンズ度数を上げても色にじみが少なくクリアな視界が得られる特長をもつ。

伸長する高屈折メガネレンズ需要に向け『MR』を拡販
伸長する高屈折メガネレンズ需要に向け「MR」を拡販

 同社は、グローバルで拡大する高屈折メガネレンズ需要の確実な獲得を目指している。米国市場では、会員制大手量販店の米コストコが「MR」を使用したメガネレンズを標準採用するなど、PC素材からウレタン素材への切り替えが進んでおり、今後も長期的な成長が見込まれている。

 三井化学は、引き続きビジョンケア材料事業を通じ、QOV(視界品質)をコンセプトに、視力矯正から、目の健康と快適さまで、より良い視界を追求する製品開発に取り組んでいく。

日化協 カーボンニュートラルに向けスタンス策定

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2021年5月28日

GHGの排出削減、サプライチェーン全体で貢献

 日本化学工業協会はこのほど、「カーボンニュートラル(CN)への化学産業としてのスタンス」を策定した。

森川会長
森川会長

 定例会見において森川宏平会長(昭和電工社長)は「CNは化学業界の貢献ももちろんだが、社会全体で達成すべき目標だ。化学産業は自らの生産活動に限定して直接排出ゼロを設定するのではなく、製品・サービスを通じてサプライチェーン全体での排出削減に貢献していくべきだ」と語った。

 そして、

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ABS樹脂 4月の出荷は24%増、7カ月連続でプラスに

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2021年5月27日

 日本ABS樹脂工業会がこのほど発表した出荷実績によると、4月の総出荷量は前年比24%増の2万9100tだった。7カ月連続でプラスとなったが、再び3万tを割り込んでいる。国内出荷が同15%増の1万9400t、輸出が同48%増の9700t。輸出は昨年9月以降、8カ月連続で2桁台の伸びが継続しており、海外市場での旺盛な需要が続いている。

 4月の国内出荷を用途別で見ると、車輌用が

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DIC 軟包装フィルムのリサイクル、製パン会社と協業

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2021年5月27日

 DICは25日、大手製パンメーカーと共同でパン包装に使用するプラスチック由来の廃棄軟包装フィルムの再生資源化に向けて、マテリアルリサイクル(MR)の実際のプラントへの実装による再利用の検証を今夏より開始すると発表した。

パンの軟包装フィルム 再利用の工程
パンの軟包装フィルム 再利用の工程

 プラスチックは高い利便性から多くの用途で利用される一方、廃プラによる環境負荷が問題視され、その有効活用が国際的な課題になっている。MRは世界的に推進されているものの、日本では廃プラ総排出量891万t(2018年度)に対して、23%の208万tに留まる。

 軟包装フィルムは、包装材としての機能を満たすため印刷インキや接着剤など複層構造で成形。従来のMRの手法では、印刷インキなどが着色されたペレット(プラスチック樹脂)に再生加工されるため、再利用可能な用途が限定されていた。

 DICは、軟包装フィルムの加工および印刷工程で発生する廃棄軟包装フィルムを対象に、新たに導入する印刷インキ除去技術を用いて、着色されていないリサイクルペレットに戻し、新たな用途へ再生させる資源化検証を大手製パンメーカーと共同で開始する。プラント検証は、プラリサイクルを手掛ける外部の協業パートナーと共に実際のプラントへの再生工程に実装。脱インキ・原料化(造粒)・成形加工・再利用の各工程での最適化に取り組む。これにより高度なMRを実現し廃棄フィルムの再生用途を拡大する。

 同社グループは、世界的な社会課題である廃プラや海洋プラ問題に対し、サステナビリティ戦略として対応すべき領域を定め、取り組みを強化。食品包装などのパッケージ素材については、ポリスチレン、フィルム、インキ、接着剤などの素材がプラスチックのMR特性に及ぼす影響について基礎的な研究を行い、地球環境のサステナビリティに貢献するパッケージソリューションの提供を目指している。再資源化の取り組みでは、エフピコとのケミカルリサイクルの協業検討を開始するなど、関連する他業界との連携も強化している。

 DICは、今回の協業により軟包装フィルムの高度な再資源化を図り、プラごみ問題の解決やプラ資源の循環社会の実現を目指す。

 

三菱ケミカル 自動車関連技術・製品デジタル展示会を開催

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2021年5月27日

 三菱ケミカルは26日、自動車関連事業の技術・製品のデジタル展示会を開催すると発表した。期間は今月26~7月2日まで。同社は「未来のクルマをお客様と創りたい」という想いから、次世代自動車に求められる技術とソリューションを提案するため、デジタルマーケティングに注力。今回、自動車関連技術・製品を紹介するウェブページを新設し、あわせてデジタル展示会を実施する。

デジタル展示会
デジタル展示会

 デジタル展示会は、カヤック社が開発した「オンラインイベントプラットフォーム Remobiz(リモビズ)」を活用。オンライン上で顧客とのビデオ通話などを実施し、顧客に対するサポート力の強化を図る。アクセスは、リモビズ(https://mcc-ams.re-mo.biz/)、自動車関連技術・製品ホームページ(https://mcc-ams.com/)まで。

JSRトレーディング PVC・ニトリルの使い捨て手袋を輸入販売

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2021年5月27日

 JSRトレーディングは26日、ディスポ(使い捨て)タイプのPVC(塩化ビニル樹脂)手袋とニトリル手袋の輸入販売を開始したと発表した。コロナ禍により世界的に公衆衛生の意識が高まる中、同社は、各種衛生用品のニーズが増加していることに対応した。

PVC手袋
PVC手袋

 PVC手袋は、極薄仕上げで手にピッタリフィットする特長をもち、介護など衛生が求められる作業や清掃作業などに使用される。

 ニトリル手袋は、耐油・突き刺し強度・耐久性に優れ、機械作業、食品加工、調理、水産加工、給油などに使用される。

ニトリル手袋
ニトリル手袋

三菱ケミカルなど 「IBM Q」で有機EL励起計算に成功

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2021年5月27日

 三菱ケミカル、JSR、日本IBM、慶應義塾大学は26日、「IBM Qネットワークハブ」(慶應大量子コンピューティングセンター内)で以前から取り組んでいた「量子コンピューターを用いた有機EL発光材料の性能予測」の研究プロジェクトで得られた成果に関する論文が、世界的に権威のあるNature Research出版社の専門誌「npj Computational Materials」に掲載されたと発表した。

IBM 量子コンピューター
IBM 量子コンピューター

同研究プロジェクトは、有機EL発光材料の1つであるTADF材料の励起状態エネルギーの計算を実施するため、三菱ケミカルとIBMが主導し、JSRや慶應大と共に取り組んできた。従来から量子コンピューターによる計算は実機特有のエラーの発生が課題となっていたが、今回、同プロジェクトではエラーを低減させる新たな測定手法を考案し、計算精度を大幅に向上させることに成功した。量子コンピューター実機を用いて実用材料の励起状態計算に成功したのは、世界初の成果となる。

 今後、実機の計算能力の進化と共に従来以上に精密な計算を行えるようになり、より発光効率の高い材料設計に寄与することが期待される。同研究チームは今後も、量子コンピューターを幅広い材料開発に用いるための研究を進めていく。

三井化学 EUVペリクルの商業生産開始、微細化に対応

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2021年5月27日

 三井化学26日は、EUV(極端紫外線)に対応した次世代の半導体フォトマスク防塵カバー「EUVペリクル」について、世界に先駆け商業生産を開始したと発表した。半導体のさらなる微細化や顧客の技術革新要請に対応することで、世界市場に向け生産を行っていく考えだ。生産量は公開していない。

「EUVペリクル」。岩国大竹工場で商業生産を開始した
「EUVペリクル」。岩国大竹工場で商業生産を開始した

 同社は2019年、半導体リソグラフィー分野で世界ナンバーワンのオランダASML社から、EUVペリクル事業のライセンス契約を受け、その設計と技術に基づき同製品の生産設備を岩国大竹工場(山口県和木町)に新設した。

 データ通信を超高速化する第5世代移動通信システム(5G)の導入により、スマートフォンの一層の高機能化と半導体の高性能化が求められる中、先端デバイスに使われる半導体では、回路線幅7㎚以下の超微細化が必要なことから、それに伴い超短波長であるEUV露光技術の採用が本格的に拡大している。

EUV露光機のイメージ図
EUV露光機のイメージ図

 三井化学は、ICT分野を成長市場としてフォーカスし強化策に注力、モビリティ、ヘルスケア、フード&パッケージングに続く第4の成長領域の柱を目指し取り組みを加速させている。今後もICT分野関連製品群への積極投資を展開していくと見られる。

 三井化学は、露光工程の防塵カバー「ペリクル」を1984年に発売して以来、半導体の微細化に合わせたペリクルの改良と製品品質の向上に努めてきた。ペリクルで培った異物管理などの生産ノウハウがEUVペリクルの生産にも生かされており、引き続きEUV露光機の進化に合わせ、同製品の技術改良・革新をASML社と共に取り組んでいく。