東亞合成の上期 減収減益も高機能無機材料は伸長

, ,

2020年8月20日

半導体・抗ウイルス需要追い風に基盤強化を図る

 東亞合成の2020年上期(1-6月期)の決算は減収減益となった。売上高は前年同期比9%減の658億円、営業利益22%減の57億円、純利益32%減の38億円。コロナ禍による経済活動やモノの動きの停滞、原油・ナフサ価格下落に伴う販売価格の低下など、多方面で影響を受ける結果となった。

開発品の防曇塗料を塗布したフェイスシールドを着用し説明を行う、髙村社長
開発品の防曇塗料を塗布したフェイスシールドを着用し説明を行う、髙村社長

   そんな中、同社の5つの事業セグメントの1つである「高機能無機材料事業」は増収増益と業績を伸ばした。半導体や抗菌・抗ウイルス関連の商材を扱う同セグメントは、売上高は44億円と全体の7%程度だが、営業利益13億円は全体の23%を占め、営業利益率は29%と群を抜く。

 7日に行われた決算説明会で、髙村美己志社長はその要因に触れ、「半導体・電子部品向けでは、イオン捕捉剤と高純度液化塩化水素が好調だった。特にイオン捕捉剤「IXE(イグゼ)」は昨年までは大分苦戦していたものの、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

東洋紡 SOMPOのESG構成銘柄に12年連続で選定

, ,

2020年8月19日

 東洋紡はこのほど、SOMPOアセットマネジメントが設定する「SOMPOサステナビリティ・インデックス」の構成銘柄に選定されたと発表した。同インデックスは、ESG(環境・社会・ガバナンス)に優れた約300社によって銘柄が構成され、年金基金や機関投資家向けに運用する「SOMPOサステナブル運用」に採用されている。

 SOMPOサステナビリティ・インデックス選定銘柄は、SOMPOリスクマネジメントが実施する「ぶなの森 環境アンケート」や、インテグレックスが実施する「インテグレックス調査」の結果に基づいて毎年見直しが行われており、東洋紡はESGに関する取り組みが評価され、今回、12年連続の選定となった。

 同社グループは、創業者・渋沢栄一の座右の銘の1つである「順理則裕」(じゅんりそくゆう:なすべきことをなし、ゆたかにする)を企業理念として堅持し、CSV(共有価値の創造)に絶えず取り組んできた。近年ますます高まる時代の要請に応え、経済的価値と社会的価値双方の向上を目指した経営をこれまで以上に加速させていく考えだ。

 今年5月には「素材+サイエンスで人と地球に求められるソリューションを提供し続ける」ことをビジョンに掲げ、重要課題(マテリアリティ)を特定。このマテリアリティへの取り組みを通して「SDGs(持続可能な開発目標)」が目指す持続可能な社会の実現に貢献していく。

 

 

出光興産 「こども参観」をオンラインで開催、4カ国をつなぐ

,

2020年8月19日

 出光興産はこのほど、4カ国(日本、シンガポール、韓国、ベトナム)7拠点をつなぎ、小中学生を対象としたオンライン「こども参観」を実施した。

参加者は自宅で視聴
参加者は自宅で視聴

 「こども参観」は、仕事と家庭を両立する社員が男女ともに増えている中、親子のコミュニケーション促進と、子育て世代への職場の理解を深める機会の創出を目的に2019年より実施。今年はコロナ禍の状況下ではあるものの、今できる範囲の中で工夫し継続することが必要と考え、次世代育成支援として、こどもが親の働く企業や社会を知る機会の創出を目的に、オンラインでの開催を決定した。

安全に配慮した場所からSSの現地中継(ベトナム)
安全に配慮した場所からSSの現地中継(ベトナム)

 国内4拠点、海外3拠点から社員のこどもたち19人が参加。製油所・石油化学工場をもつ千葉事業所からエネルギーの安定供給や安全管理の重要性を紹介するとともに、ハノイ事務所(ベトナム)からは燃料販売での日本と海外のサービスステーション(SS)の違いなどを紹介した。質疑応答ではこどもたちから、海外のSSに関する疑問や、24時間操業している製造現場への率直な質問が飛び交った。

宇部興産 セメント工場の大型トレーラーがミニカーで発売

, ,

2020年8月18日

 宇部興産はこのほど、セメント工場で活躍している大型車両・ダブルストレーラーが、ダイキャスト製ミニカー「トミカ」シリーズ(タカラトミー)として9月19日より発売されると発表した。

 ダブルストレーラーは、セメント原材料である石灰石や中間材料のクリンカーを輸送する大型車両。「日本一長い私道」として知られる全長31.94kmの「宇部興産専用道路」を通って山口県内陸部の美祢市の工場と瀬戸内海沿岸の宇部市の工場を1日に10往復しており、1台のトラクターがトレーラー2台をけん引する3両編成となっている。全高約3.6m、全長約34mの車両1編成で1度に最大88tもの石灰石やクリンカーなどを輸送できる。

 日本では法令により公道を走行することができる車両の大きさなどが厳しく制限されているため、ダブルストレーラーは一般の公道を走行することができないが、同専用道路は一般の工場構内道路などと同じ私道であるため走行することが可能。

 トミカのデザインにあたっては、ダブルストレーラーの塗装に使われている色見本に合わせて専用の車体色を再現したほか、トレーラー部分に入った大型のUBEロゴも実車に配置されたバランスに合わせて調整し、細部まで実車に忠実に作り込んでいる。パッケージから取り出してトラクターと2両のトレーラーを連結すると全長19cmと、トミカとしては非常に大型のモデルとなり、全長約34mの車両の迫力をトミカに凝縮している。

 ダブルストレーラーは山口県の同社の敷地内でのみ走行しており、一般の人の目に触れる機会は多くない。しかし、建物や橋、ダムなど世の中のインフラ整備に欠かせないセメントを生産する事業で大切な役割を果たしている。

 宇部興産は、「トミカを通して、子どもや家族の方々に日本の素材産業の現場とその役割に少しでも関心を持ってもらいたい」とコメントしている。

 なお、発売場所は、全国の玩具専門店、百貨店・量販店などの玩具売り場、トミカ専門店「トミカショップ」、インターネットショップ、タカラトミー公式ショッピングモール「タカラトミーモール」(www.takaratomymall.jp)など。

 トミカ(ロングタイプ)「No.129 宇部興産 ダブルストレーラー」
トミカ(ロングタイプ)「No.129 宇部興産 ダブルストレーラー」

東レ サプライチェーンで共有する品質データ基盤を構築

, ,

2020年8月18日

 東レはこのほど、NECとの共同により製品の品質検査情報をデジタルデータで収集・共有する品質データ基盤を構築したと発表した。

 あらゆる産業でデジタル化が急速に進展する中、製造業でもデジタル技術を活用し、信頼性向上と業務効率化の両方を実現することが国際競争力を強化していく上で重要になっている。

 こうした中、NECでは製造業の競争力の源泉である品質管理の向上を目的に、IoTやAIなどを活用した品質DX(デジタルトランスフォーメーション)を立ち上げ、品質管理のデジタル化を支援してきた。これは、製造現場の人や設備に係る情報だけでなく、原料、委託品の検査情報をデジタル化して管理するもの。さらに、取引先などと検査データを共有、分析することで、サプライチェーンを通じた品質向上に貢献する。

 一方、東レはこれまでも、工場内の様々な検査機器から、品質検査情報をデジタルデータとして自動収集する取り組みを推進。今回の両社による取り組みは、この品質DXのソリューションの1つである品質データ基盤を用いることで、東レグループの品質保証体制を強化するものとなる。

 具体的には、検査機器から抽出した、製品の品質検査情報をデジタルデータとして収集・保存し、その上で、NECとともに構築した品質データ基盤を通じてこれらの情報をサプライチェーン上で共有。この共有プロセスには人手が介することはなく、品質検査情報の信頼性向上と品質保証業務の効率化につながる。

 また、検査結果の過去情報を同基盤に集約しているため、品質の傾向を見える化し、グラフ形式で確認することが可能。この傾向を顧客と共有することで、顧客は自社製品の品質調査の際にこのデータを活用することができる。例えば、示された品質傾向のデータを活用して、JISの異常判定ルールに則った異常検知を行うことができ、分析の負荷が軽減される。

 東レグループでは、すでに生産拠点の一部でこの品質データ基盤を導入し、品質検査情報の信頼性向上と品質保証業務の効率化に取り組んでいる。今後は共有範囲を顧客などグループ外へも拡げることで、サプライチェーンを通じた品質管理レベルの向上を目指す。

 一方、NECは、IoTやAIなど先端技術を活用したソリューションの提供を通じて、品質管理・品質保証に係る課題の解決に取り組み、データの利活用による日本のものづくり産業の国際競争力強化を支援していく。

NECの品質データ基盤が目指すイメージ
NECの品質データ基盤が目指すイメージ

 

アジア石化市況 エチレン前週並みの790ドル

2020年8月18日

ベンゼンは米国トラブルで急騰、SMは弱含み

 アジア地域の7月第5週の石化市況では、エチレンは下値ステイ、上値20ドル安の790~810ドル/tでの取引となった。下値は2週連続で800ドル/tを割り込んでおり、ここにきてタイト感がなくなりつつある。その背景として、ポリエステル市場が低調に推移する中、原料エチレングリコールなど誘導品の需要が弱含んでいることが挙げられる。

 ナフサとのスプレッドも、

このコンテンツを閲覧するにはログインが必要です。お願い . あなたは会員ですか ? 会員について

クラレ 床面用「ソーシャルディスタンステープ」を発売

, , ,

2020年8月17日

 クラレはこのほど、面ファスナー「マジックテープ」などを開発・製造・販売する子会社のクラレファスニングが、ループカーペット用の標識テープ「ソーシャルディスタンステープ」を9月に発売すると発表した。ウイズコロナの新しい生活様式が広がる中、オフィスや商業・公共施設などで床面からソーシャルディスタンスを注意喚起し、密集を防ぐ。

床面から密集を注意喚起。製品は3タイプ
床面から密集を注意喚起。製品は3タイプ

 「マジックテープ」を使用した同新製品は、ループ型の構造が多いオフィスカーペット(タイルカーペット)に、テープのカギ状フックがループに引っかかることでくっつき、脱着も容易。使用場所に応じた長さに切り分けることができる。

 図柄は「距離をとりましょう」(赤色)、「#Keep distance」(青色)、「#ソーシャルディスタンス」(緑色)の3タイプだが、他の標語での受注生産も対応可能とのこと。サイズは幅5cm×長さ5m巻き。初年度の販売目標として、1億円を目指す。

 「マジックテープ」は、裏面に補強用としてウレタンなどのバックコート剤を使用しない環境に優しい製法で製造。素材はポリエステル100%で、優れた耐水性・耐候性をもつ。繊維の安全性を証明する「エコテックススタンダード100」の認証を取得している。

 『ソーシャルディスタンステープ』使用例
「ソーシャルディスタンステープ」使用例

 新型コロナウイルス感染防止対策に関連し、同社の「マジックテープ」への引き合いや照会が急増。その中でもソーシャルディスタンスを注意喚起する床用標識製品への問い合わせが多く寄せられたことから、世の中に必要とされる同新製品の開発・販売に至った。

帝人 「エコペット」でコラボ、アメニティバッグに採用

, , , , ,

2020年8月17日

 帝人はこのほど、使用済みのペットボトルをマテリアルリサイクルで再生したリサイクルポリエステル繊維「エコペット」が、富士屋ホテル(神奈川県箱根町)の宿泊者向けアメニティバッグに採用されたと発表した。全館の耐震化とリニューアル工事を終えた富士屋ホテルのグランドオープンに合わせ、7月15日から同アメニティバッグが宿泊者に提供されている。

帝人フロンティア『エコペット』と小松マテーレ『オニベジ』のコラボで生まれた環境に配慮したアメニティバッグ
帝人フロンティア「エコペット」と小松マテーレ「オニベジ」のコラボで生まれた環境に配慮したアメニティバッグ

 今回採用されたのは、上市25周年を迎える帝人フロンティアの「エコペット」の不織布を、小松マテーレがもつ国産玉ねぎの外皮色素(ケルセチン)による染色加工技術「ONIBEGIE(オニベジ)」で染色した環境配慮型素材。企業行動憲章に「環境問題に積極的に取り組む」ことを掲げる富士屋ホテルが、帝人フロンティア、小松マテーレ両社の地球環境に対する方針と、環境にやさしい同素材を高く評価し、このたびの採用となった。

 帝人フロンティアは、環境戦略「THINK ECO」に基づき、衣料から産業資材まで幅広い用途で、リサイクルをはじめとする地球環境にやさしい活動を実践。SDGs(持続可能な開発目標)の目標の1つである「持続可能な生産と消費」に貢献するため、廃棄物の削減やリサイクルなど、資源の有効活用に資する社会システムの普及を推し進めている。

 今後もこうした取り組みを積極的に推進し、さらに「地球にやさしい企業」を目指すとともに、小松マテーレとの協業により「エコペット」と「オニベジ」を組み合わせた製品ラインアップを拡充することで、多様な用途に向けた環境配慮型ソリューションを展開していく考えだ。

東ソー コロナ検査試薬、体外診断用医薬品で販売開始

,

2020年8月17日

 東ソーは7日、新型コロナウイルス(SARS‐CoV‐2)検査試薬「TRCReady SARS‐CoV‐2」を体外診断用医薬品として、同日から販売を開始したと発表した。

新型コロナウイルス検査試薬「TRCReady SARS-CoV-2」
新型コロナウイルス検査試薬「TRCReady SARS-CoV-2」

 同製品は、同社の自動遺伝子検査装置「TRCReady‐80」の専用試薬。生体試料を検体として新型コロナウイルスを高感度かつ簡便な操作で、約40分程度での検出が可能なもの。検査作業の効率化、医療・検査従事者の作業負担を大幅に軽減でき、感染拡大防止や検査体制の拡充への貢献が期待されている。

 同検査試薬は、先月末に体外診断用医薬品製造販売承認を取得し、医療機関や検査施設に向むけた販売準備を進めていた。1箱24テスト分で販売する。