三井化学の4-9月期 市況高で増収増益、通期は最高益

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2021年11月8日

 三井化学が5日に発表した2022年3月期第2四半期(4-9月期)の連結決算(IFRS)は、売上収益が前年同期比39%増の7435億円、コア営業利益は同5.1倍の943億円、純利益は同7.7倍の739億円と、大幅な増収増益となった。

中島一取締役常務執行役員CFO

  その要因に、中島一取締役常務執行役員CFOは「コロナ影響からの回復と海外市況の上昇」を挙げた。

 数量面では、各セグメントはコロナ禍からの需要回復に伴い販売が大きく改善。自動車用途やビジョンケア・歯科材の販売が堅調に回復する中、ICT関連材料や農薬は引き続き販売を伸ばした。ビスフェノールAの海外市況は、需給環境がひっ迫したことから高水準を継続。

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インドPVC輸入 7月は13カ月ぶり10万t割れ

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2021年11月8日

市況高騰で買い控えに、日本はシェア2位を回復

 貿易統計によると、インドの7月の塩ビ樹脂(PVC)輸入は、前年同月比15.3%減の8万9800tとなった。新型コロナ感染拡大によるロックダウンの影響で輸入量が落ち込んだ昨年6月(5万8600t)以来、13カ月ぶりに10万tを割り込んでいる。

 その背景として、PVCの市況が急激に上昇したことで、需要家が買い控えの姿勢を強めたことが挙げられる。春先は、米国寒波の影響で世界的な玉不足となり、需要家が玉確保に動いたため、インドの輸入量も5月(18万1100t)にかけて急増。しかし、市況が大幅に上昇したことで製品価格への転嫁が難しくなり、需要が一気に減少したことで、7月の輸入量は9万tレベルにまで低下する結果となった。

 7月の輸入を国別でみると、

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旭化成の4-9月期 マテリアルがけん引し過去最高益

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2021年11月8日

工藤幸四郎取締役常務執行役員

 旭化成は5日、2022年3月期第2四半期(4-9月期)の連結業績を発表した。売上高は前年同期比19%増の1兆1810億円、営業利益47%増の1131億円、経常利益54%増の1192億円、純利益95%増の913億円となった。

 オンライン会見の中で、工藤幸四郎取締役常務執行役員は、「マテリアルの需要回復や石化製品の市況が上昇したことに加え、ヘルスケアも人工呼吸器の販売数量減少を補い前年並みを維持した。売上高および営業利益以下の利益項目は、第2四半期として過去最高となった」と総括した。

 海外売上高比率もマテリアル領域において海外経済が復活したことや、住宅領域で買収した海外企業が寄与したことで、49.1%に拡大しており、

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JSR ポリマー型抗菌成分、糸・不織布で性能を確認

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2021年11月8日

ポリマー型抗菌成分添加の糸と不織布

 JSRは5日、国立感染症研究所と共同開発した薬剤耐性菌に効果を発現するポリマー型抗菌成分を、糸および不織布に添加し抗菌性能を確認したと発表した。

 作製した糸および不織布は、黄色ブドウ球菌と大腸菌を99.9%以上低減。さらに糸では新型コロナウイルスとネココロナウイルスに対して99%以上のウイルスの数を低減させる効果が認められた。

 ポリマー型抗菌成分は、高い耐熱性と両親媒性による樹脂との良好な相溶性がある。そのため、既存の加工プロセスを用いて、ポリプロピレン(PP)のマルチフィラメントによる紡糸、メルトブローン法による不織布、溶融押出法によるフィルムの作製が可能。

 また、既存の汎用プラスチック(PP、ABS樹脂、ブタジエンゴム、アクリル樹脂、ポリウレタン、3Dプリンター用樹脂)を製造する際に使用する添加剤として活用することもできるため、医療現場における院内感染抑制や在宅医療や介護現場での衛生状態の向上に貢献することが期待される。

 同社は今後、ポリマー型抗菌成分が含まれる汎用プラスチックのSIAA「抗菌マーク」の取得に向けた申請を予定している。

太陽石油 Bリーグ琉球のホームゲーム全試合に観戦招待

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2021年11月5日

 太陽石油は、プロバスケットボールBリーグに所属する「琉球ゴールデンキングス」の全ホームゲーム(2021~2022シーズン)において、毎試合24席を「太陽石油/南西石油 しまんちゅハッピーシート」として県内の小・中・高校生、養護学校および社会福祉施設の皆様を招待する活動に取り組んでいる。

太陽石油、Bリーグ琉球のホームゲーム全試合に観戦招待

 この活動は、南西石油(沖縄県中頭郡西原町)を買収したことを機に、2017年度より沖縄県で継続している社会貢献活動の一環。今年度からは、長らく沖縄の地で石油事業を営む南西石油とタッグを組み、「太陽石油/南西石油(太陽石油グループ)」の2社体制で、プロスポーツ観戦体験などを通じて同県内の児童・学生らの健全な心の育成を目的とした本活動に取り組む。

 さらに、県民により親しみを感じてもらうために、従来の〝メセナシート〟から「しまんちゅハッピーシート」に名称を一新。沖縄アリーナで開催されたBリーグの開幕戦では、初回として24名を招待。試合終了後には、コート上で記念撮影を行った。同社は今後も、沖縄県の次世代を担う児童・学生らの支援に取り組んでいく。

DIC 抗菌・抗ウイルスニスを拡充、SIAA認証取得

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2021年11月5日

SIAA認証を取得した抗菌・抗ウイルスニス

 DICは4日、子会社のDICグラフィックスが、グラビア・フレキソ・オフセットの各印刷用インキに対応した抗菌ニスおよび抗ウイルスニスについて、抗菌製品技術協議会(SIAA)の認証を取得し、製品のラインアップを拡充したと発表した。

 新型コロナウイルス感染症の拡大以降、生活空間における衛生面のニーズが高まっており、人々が手に触れる食品や日用品などのパッケージやカタログなどの印刷物においても、感染症予防対策として抗菌性や抗ウイルス性が求められている。

 DICグラフィックスでは、今年5月にパンなどの食品包装フィルム向けの表刷用グラビアインキ「グロッサBM」と組み合わせた抗菌ニスの販売を開始。今回、食品などのフィルム表刷用途に加え、紙器用途に対応した抗菌・抗ウイルスニスを開発した。既に一部製品でSIAA認証を取得し、今後も順次取得する予定。

 同社は今後もさらに、抗菌・抗ウイルス製品のラインアップを拡充する予定だ。

帝人 パラ系アラミド長繊維、リサイクル技術を開発

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2021年11月5日

 帝人は4日、アラミド事業を展開するテイジン・アラミド(オランダ)が、パラ系アラミド「トワロン」長繊維のリサイクル技術を開発し、長繊維からリサイクル長繊維を再生するパイロット生産に成功したと発表した。同社は、2024年の販売開始を目指し、今後もリサイクル長繊維の改良を重ねていく方針だ。

 テイジン・アラミドは、自社製品において持続可能な社会の実現に貢献する取り組みとして、これまで20年以上にわたり、長繊維状の「トワロン」を用いた使用済み最終製品を回収し、パルプ状にリサイクルして再利用する事業を展開している。

 近年は、「トワロン」使用による環境への影響を定量化できる独自の換算システムの導入や、バイオ由来原料を使用した「トワロン」生産技術の開発を行い、さらに今年には、「トワロン」」のライフサイクルにおけるCO2排出量を約30%削減(2014年対比)した。

 こうした中、今回、使用済みの「トワロン」長繊維を再び長繊維にする技術を開発し、パイロット生産に成功した。今回の技術は、回収された使用済み最終製品に用いられた繊維を短く切断し、さらに細かく刻んだものをバージン原料と合わせて溶融し紡糸したもの。これにより再生品の性能は、バージン品とほぼ同等であることが確認されており、同社はこのリサイクル長繊維に関する技術特許を出願中だ。

 また技術開発に伴い、工業・産業向けケーブルメーカーであるファイバー・マックス社(オランダ)、および海運・漁業向けロープメーカーであるハンプジャン社(アイスランド)と連携し、リサイクル長繊維を9割以上使用した最終製品での実証試験を進めている。

 同社は、パートナー企業や顧客企業との連携を一層強化し、アラミドを使用した様々な用途の最終製品を回収してリサイクルを推進していく。

OPPフィルム 9月の国内出荷、前年同月比6.0%増

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2021年11月4日

 日本ポリプロピレンフィルム工業会がこのほど発表した需給実績によると、9月のOPP(延伸ポリプロピレン)フィルムの国内出荷は、前年同月比6.0%増の1万8900tと、5カ月連続でプラスとなった。ただ、前月比でも11.5%増とプラスに転じている。

 用途別で見ると、

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ティエラポニカ 川崎水族館で循環型水耕栽培を展示開始

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2021年11月4日

カピバラとスタッフ。左からカワスイの青山さん、吉本さん、有馬律雄館長、ティエラポニカの北村さん、有富グレディ社長、田畑さん、松村さん

 バイオベンチャー企業群・ちとせグループのティエラポニカは、カワスイ川崎水族館(神奈川県川崎市)とタッグを組み、同館での「循環型水耕栽培」の展示を始めた。

 具体的には、ティエラポニカがもつ微生物活躍型栽培技術を活用することで、同館展示の草食動物、カピバラの排泄物を微生物の働きで分解し、水耕栽培に適した「有機養液」に転換。その有機養液を肥料に水耕栽培で育てたコマツナやチンゲンサイ、レタスなどをカピバラにエサとして与え、館内での循環を生み出していく。

ティエラポニカの有富社長(右)とカワスイの有馬館長。水耕栽培設備の4つコンテナで生育中のコマツナ(左側上下2段の2つ)とチンゲンサイ

 水耕栽培への家畜糞尿など有機原料の活用は、化学肥料の使用を抑え、循環型社会への歩みを進めることが期待される。両者は循環型水耕栽培を通じてSDGs(持続可能な開発目標)達成を推進するとともに、来館者が生き物同士のつながりや循環型社会への取り組み、有機養液栽培という新規な技術に触れることにより、環境と調和した市民生活の在り方、それを支える技術に対する興味、関心がより高まっていくことを目指す考えだ。

 カワスイはアクア・ライブ・ネイチャーが運営する水族館。「世界の美しい水辺」をテーマに、同市を流れる多摩川からアジア、アフリカ、南米アマゾンの熱帯雨林まで、世界の様々な環境に暮らす生き物を最先端の技術を駆使し展示している。

 今回の新たな展示をカピバラのエサやり体験やバックヤード見学ツアーに組み込むことで、来館者が楽しみながら循環について学ぶ機会を提供していく。「循環型水耕栽培」の展示は、来年3月までを予定する。