ENEOS 晴海に国内44カ所目の水素ステーションを開所

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2020年10月26日

 ENEOSはこのほど、同社44カ所目の商用水素ステーションを都市ガス改質型オンサイト方式で東京・晴海(中央区)に開所した。12日にオープンした「東京晴海水素ステーション」は、燃料電池自動車(FCV)と燃料電池バス(FCバス)に水素を供給する。

東京晴海水素ステーションの外観
東京晴海水素ステーションの外観

 同社は、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の選手村地区エネルギー事業者として、大会期間中を含む2021年度末まで(第1期)は、選手村からほど近い晴海4丁目の立地で同ステーションを運営し、大会終了後の2022年度以降(第2期)は、選手村跡地の市街地再開発地区付近に移転して水素供給事業を展開する。

 第1期(水素製造能力:300N㎥/h)となる大会期間中は、大会車両のFCVへの水素供給拠点の主軸を担う。また、今月1日からプレ運行が始まった新規交通システムBRTのFCバスにも水素燃料を供給する。同BRTは、晴海地区など臨海部と都心を結ぶバス高速輸送システムで、臨海地域での交通需要の増加に速やかに対応し、地域の発展を支える新たな公共交通機関だ。

 第2期(同:600N㎥/h)では、純水素型燃料電池を地区全体に配置し、水素から作った電気や熱を住宅や商業施設に供給する。そして、その純水素型燃料電池には、同ステーションで製造された水素がパイプラインにより供給される。

 同社は、大会車両への水素供給を通じて東京2020大会の運営を献身的に支えるとともに、大会後のレガシーとなる新たなまちづくりについても、水素の製造・貯蔵、車両および街区への水素供給を通じて、「都市の低炭素化・省エネルギー化・レジリエンス強化」に貢献していく考えだ。

ダイセル 真球微粒子でピッカリングエマルションを開発

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2020年10月26日

 ダイセルは23日、酢酸セルロース真球微粒子「BELLOCEA」を使ったピッカリングエマルションを開発したと発表した。

顕微鏡で拡大した「BELLOCEA」
顕微鏡で拡大した「BELLOCEA」

 ピッカリングエマルションとは、液体同士、もしくは液体と気体が接する面(界面)に固体の粒子を吸着させることで、液体の乳化(ねばりけのある状態)を安定させる技術。乳化には界面活性剤と呼ばれる物質を使用するのが一般的だが、ピッカリングエマルションによる乳化は、界面活性剤よりも乳化している物質が分離しにくい(安定性が高い)とされる。

 酢酸セルロース真球微粒子「BELLOCEA」は、同社の長年の主力製品である酢酸セルロースを独自の技術で加工した真球状の微粒子。酢酸セルロースは自然に存在する「酢酸」と、植物由来の「セルロース」を原料とした環境にやさしい素材で、土壌やコンポスト(廃棄物中)のほか、海洋でも生分解されることが確認されている。

ピッカリングエマルションの光学顕微鏡画像
ピッカリングエマルションの光学顕微鏡画像

 同社は今回、「BELLOCEA」をピッカリングエマルションに応用することに成功。「BELLOCEA」は、ボディクリームやクリームファンデーションなどへ配合することで、高い乳化安定性と柔らかな肌触りを付与する。同社は、天然由来で環境にやさしい「BELLOCEA」によるピッカリングエマルションを、界面活性剤に代わるサステナブルな乳化法として、化粧品業界などに展開していく。

 なお「BELLOCEA」の開発は、環境省の委託事業に採択されている。同省の「令和2年度脱炭素社会を支えるプラスチック等資源循環システム構築実証事業」に「自然回帰性原料による合成系微粒子代替に関する実証」として採択されたもので、原則3年以内の実施期間で社会実装に取り組む。そして実証事業の下で製品開発をさらに加速させ、環境にやさしい原料という、化粧品業界への新たな選択肢を提示する。

 同社は今後も、人々の「美と健康」に貢献する、サステナブルな化粧品素材の開発を進めていく考えだ。

 

 

ダイセル シリコーンオイルを透明で増粘させる原料開発

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2020年10月26日

 ダイセルは23日、シリコーンオイルを透明なまま増粘させる化粧品原料「セルモリス SB10」を開発したと発表した。

「セルモリス SB10」 を 1 重量%添加したジメチコン
「セルモリス SB10」 を 1 重量%添加したジメチコン(2CS)

 同社は従来から、様々な液体にとろみを加える増粘剤として「セルモリス SB」シリーズを提供してきたが、今回開発したSB10は、シリコーンオイルの透明性を維持したまま、とろみをつけることができる。また、添加量を調整することで増粘の程度を調整できるほか、低分子の増粘剤であるため、高分子の増粘剤に特有のべたつき感がなく、化粧品に添加しても製品の感触を損ねない。

 これまでは、シリコーンオイルをゲル化することはできても、とろみをつけることができない、白濁する、感触が悪くなるといった課題があった。SB10はこれらの課題に対する解決策となる化粧品向けの素材として展開できる可能性があり、同社は今月開催の国際化粧品技術者会連盟学術大会の中でSB10を発表している。

 ダイセルは今後も、人々の「美と健康」に貢献する化粧品素材の開発を進めていく考えだ。

 

米国ポリエチレン輸出 8月は対前年比5%増加

2020年10月26日

メキシコ向けがトップに、中国向けは勢いが鈍化

 貿易統計によると、米国の8月のポリエチレン(PE)輸出は、前年同月比5.4%増の90万4000tとなった。8月下旬にハリケーンが上陸した影響で前月までの勢いが衰えたものの、90万t台を維持しており、依然として高水準な輸出が続いている。仮にこのペースを維持すれば、今年の輸出量は前年(932万7000t)を大きく上回る1100万t近くにまで到達する見通しだ。

 8月の主な輸出先を見ると、

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旭化成ホームプロダクツ 手荒れを軽減する食器用洗剤の販促を実施

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2020年10月23日

 旭化成ホームプロダクツは、昨年に引き続き〝手荒れ〟が気になるシーズンに向けて、「フロッシュ食器用洗剤」の購入者を応募対象としたプレゼントキャンペーン「#5日間手肌チャレンジ」を実施する。秋・冬に食器洗いで手が荒れるという消費者に「フロッシュ食器用洗剤」を試してもらうことで、〝手肌へのやさしさ〟を自身の手で実感してもらうのが狙い。

「フロッシュ」対象商品例。(左から)重曹プラス、アロエヴェラ、ザクロ、ベビーほ乳びん・食器洗い

 同社によれば、秋・冬のシーズンに手荒れに悩む女性の7割以上が、「手荒れの原因は食器洗い」と認識しており、また食器用洗剤を購入する際には、10人に1人が「手肌へのやさしさをもっとも重視する」など、手荒れへの関心は高い。キャンペーン期間は来年1月31日まで。対象商品の購入者限定で行い、抽選で合計200人に手肌ケアグッズが当たる。

 対象商品は、「フロッシュ食器用洗剤」と「フロッシュベビーほ乳びん・食器洗い」。応募方法には、「インスタグラム」と「キャンペーン特設サイト」の2通りがあり、それぞれ対象商品を5日間使用して実感した感想を投稿する。インスタグラムの場合は画像も添付。詳しい応募方法については、https://www.5daysfroschcp.com/まで。

 「フロッシュ」は環境先進国ドイツ生まれの洗剤。環境と手肌へのやさしさが特長で、環境負荷を抑えるため、容器には100%再生PETを使用している。植物由来の洗浄成分を原料に使うことで、使用後の洗浄成分は、自然界に存在する微生物により水とCO2に分解され、ほぼ100%が自然に還る。また、手肌と同じ弱酸性に加え、ノンアルコール処方のため、手肌の荒れを軽減する。

『フロッシュ食器用洗剤』の手荒れのしにくさを訴求
「フロッシュ食器用洗剤」の手荒れのしにくさを訴求

石化協 9月のMMAモノマー国内出荷は7%増

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2020年10月23日

 石油化学工業協会が22日に発表した9月のMMA(メタクリル酸メチル)の需給実績によると、モノマーの国内出荷は前年同月比7%増の9670tとなった。

 ポリマーの国内出荷は、

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汎用4樹脂 9月の国内出荷はPPとPSが前年比プラス

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2020年10月23日

 業界筋によると、9月の汎用4樹脂の国内出荷は、ポリプロピレン(PP)とポリスチレン(PS)が前年同月比プラス。低密度ポリエチレン(LDPE)は前年並みだったが、高密度ポリエチレン(HDPE)はマイナスとなった。コロナ禍の影響により、前月まで前年割れの状態が続いていたが、ようやく出荷に明るい兆しが見え始めている。

 LDPEはフィルム分野の出荷減少幅が縮小し、HDPEでは中空成形分野などの出荷増が見られている。また、PPは射出成形分野の出荷が前年をわずかに上回ったほか、フィルム分野、押出成形分野などの出荷も増加した。PSはフォームスチレン(FS)向けに出荷が増加し、包装分野、雑貨・産業分野とも増加した。

 9月の出荷合計を品目別に見ると、

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石化協 9月のエチレン生産は9%減、稼働率は93%

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2020年10月23日

 石油化学工業協会が22日に発表した主要石化製品18品目生産実績によると、9月のエチレン生産は前年同月比8.5%減の48万7700tだった。稼働プラントの平均稼働率は92.8%となり、前月から1.0ポイント上昇している。

 他の17品目については、

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帝人 自動車軽量化技術のグローバルプロジェクトに参画

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2020年10月23日

 帝人グループは22日、ドイツ・アーヘン工科大学の関連組織であるAZLアーヘン主催による、自動車などの軽量化に寄与する技術開発のための産学共同のオープンイノベーションプログラム「AZLパートナーネットワーク」に参画すると発表した。

AZLパートナーネットワーク
AZLパートナーネットワーク

 同ネットワークには、現在、各国から約90機関が加盟。熱硬化性・熱可塑性複合成形材料などの高機能材料のエキスパートが集結している。その中で帝人グループは、同ネットワークが今月開始した、EV用のバッテリーボックスの開発・製造に向けた8カ月間のプロジェクトなどに参画する。近未来のモビリティ像として「CASE」が示され、環境負荷低減を目的とした自動車の電動化が進む中、軽量化や多機能化など、自動車を取り巻く環境には大きな変化が予測される。

 帝人は、こうした変化に対応するため、2017年に米国のCSP社を買収して以降、グローバル「ティア1」サプライヤーとして自動車向け複合成形材料事業を展開。また、CSP社のフランス現地法人であるCSPヨーロッパでのSMC(シートモールディングコンパウンド)工場新設、ポルトガルのイナパル社やチェコのベネット社の買収など、複合成形材料事業の拡大を推進しており、昨年には、衝突規制に適合しながら、従来のスチールドアに比べて全体の重量を削減したマルチマテリアルドアモジュールを開発した。

 さらに今年2月には、ドイツに次世代自動車開発に向けた市場開拓と技術調査を担うテイジン・オートモーティブ・センター・ヨーロッパ(TACE)を設立。長年にわたり培ってきた炭素繊維やアラミドなどの高機能素材に関する技術や知見に基づき、新たなアイデアを活用したマルチマテリアルでの提案力強化を図っている。こうした中、同ネットワークの目的が、目指す方向性に合致していることから、プロジェクトに参画することを決定した。

 帝人グループはマルチマテリアルでの部品供給メーカーとして、その地位を一層強固なものにしていく考えだ。

三菱ケミカル 軟質塩ビフィルム、カーテン需要が拡大

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2020年10月23日

コロナ禍の生活様式に対応、低コストで導入可能

 飛沫感染防止用のビニールカーテン素材として、三菱ケミカルグループのダイヤプラスフィルム社の軟質塩ビフィルム「アルトロン」が注目されている。

軟質塩ビフィルム「アルトロン」 吊り下げ式カーテン
軟質塩ビフィルム「アルトロン」 吊り下げ式カーテン

 これまで主に工場や精密機器を製造するクリーンルームなどで使用され〝製造現場の名脇役〟として活躍していた「アルトロン」だが、その優れた性能が評価され、飛沫感染防止用の吊り下げ式カーテンとしての需要が拡大。加工製品販売では、4月以降、前年同月比で数倍から数十倍で推移し、6月以降は特に防炎タイプの受注が増加している状況だ。

 ウィズコロナを前提とした「新しい生活様式」での日常化が進む中、飲食店をはじめ対面接客が必要な施設では、飛沫感染防止策として樹脂製のパーティションが一般化。4月には、コンビニチェーン各社が感染拡大防止策の一環として、レジカウンターへの透明シート設置を発表し、5月には政府の専門家会議が提言の中で、「人と人が対面する場所は、アクリル板・透明ビニールカーテンなどで遮蔽する」と、感染予防の具体例として紹介された。

 緊急事態宣言解除に伴い経済活動が再開されてからは、スーパーマーケットやドラッグストアなどのレジカウンターをはじめ、公共サービス機関の窓口、公共交通機関、オフィスの間仕切りなどにも吊り下げ式の透明ビニールカーテンが使用され、今や、「新しい生活様式」の1つとして目にする機会が増えている。

 吊り下げ式のビニールカーテンは特徴として、アクリル製のパーティションと比べ「設置台が不要」「高さや横幅など必要なサイズを各自で調節できる」「比較的低コストで導入可能」などのメリットがある。特に店舗レジなどでは、顧客と品物のやり取りが発生するため、カウンターに一定の空間が必要となることから、高さ調整に融通のきくビニールカーテンが好まれる傾向だ。

 また、「アルトロン」には、工場の間仕切りやビニールブースなどに使用する汎用タイプのほか、消防法施行令に適合した「防炎」タイプをはじめ、「耐電防炎」「静電防止」「静電防炎」といったニーズに応じて各種ラインアップを揃える。

 一方、こうした中、大阪のショッピングセンターで、客がライターを試しに点火したところ、レジカウンターに設置したビニールシートに引火して火災が発生。消防や自治体では使用に関する注意を呼び掛けており、消防庁からは延焼を防ぐ防炎品の使用が推奨されるようになった。

 ダイヤプラスフィルム社では、引き続き、防炎タイプをはじめとした軟質塩ビフィルム「アルトロン」を必要とするユーザーすべてに供給可能な体制を構築し、新型コロナウイルス感染拡大防止の一助となるよう取り組んでいく考えだ。