カセイソーダ 5月の内需は14%減、輸出は前年比で伸長

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2020年7月8日

 日本ソーダ工業会がこのほど発表したソーダ工業薬品需給実績によると、5月のカセイソーダの内需は前年同月比14.2%減の22万1200tと、昨年5月以降、13カ月連続でマイナスとなった。

 用途別では、

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東洋紡など 使用済みプラ再資源化で共同出資会社を設立

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2020年7月8日

 東洋紡をはじめ、プラスチックのバリューチェーンを構成する12社はこのほど、使用済みプラスチックの再資源化事業に取り組む共同出資会社「アールプラスジャパン」(横井恒彦社長、東京都港区)を設立し、先月から事業を開始した。

アールプラスジャパンのロゴ
アールプラスジャパンのロゴ

 東洋紡のほか、サントリーMONOZUKURIエキスパート、レンゴー、東洋製罐グループホールディングス、J&T環境、アサヒグループホールディングス、岩谷産業、大日本印刷、凸版印刷、フジシール、北海製罐、吉野工業所が参画している。具体的には、ペットボトルを含むその他一般のプラスチックを、直接原料(ベンゼン・トルエン・キシレン・エチレン・プロピレンなど)に戻すケミカルリサイクル技術を推進。油化(熱分解)工程を経由せずにCO2排出量とエネルギー消費を抑えた再資源化プロセスの実用化に挑む。

 東洋紡グループは、創業者・渋沢栄一の精神を受け継いだ企業理念「順理則裕」(じゅんりそくゆう:なすべきことをなし、ゆたかにする)の下、創業以来一貫して社会課題の解決に寄与する事業活動を旨とし、様々な製品・技術を提供してきた。主力のプラスチック製品では、リサイクル樹脂や植物由来原料の使用比率向上に注力するとともに、高い機能性を保持するバイオ樹脂の実用化に取り組むなど、環境負荷を低減する製品・技術の積極的な展開を通じて、持続可能な社会実現への貢献を目指している。

 同社は、米国バイオ化学ベンチャー企業・アネロテック社が開発を進める、木材からポリエステル原料を作る技術に注目。2017年からは、アネロテック社がサントリーグループを中心とした国内外各社とともに実施中の、植物由来原料100%使用ペットボトルの開発プロジェクトに参画した。このプロジェクトで生まれた技術を応用することで、使用済みプラを効率的に再資源化できる可能性が見出だされており、幅広いプラスチックの循環利用に役立つ画期的な手法として普及への期待度が高い。

 今回設立した「アールプラスジャパン」は、アネロテック社とともに、この環境負荷の少ない効率的な使用済みプラの再資源化技術開発を進める。世界で共通となっているプラスチック課題解決に貢献するため、回収プラスチックの選別処理、モノマー製造、ポリマー製造、包装容器製造、商社、飲料メーカーなど業界を超えた連携により、2027年の実用化を目指していく。また、同新会社は今後も広く出資を募る予定で、現在、住友化学なども出資への検討を進めている。

油化(熱分解)工程を省いた新技術による再資源化に挑む
油化(熱分解)工程を省いた新技術による再資源化に挑む

岩谷産業 バイオ3Dプリンティングで業務資本提携を締結

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2020年7月8日

 岩谷産業は7日、細胞を立体的に積層する独自のバイオ3Dプリンティング技術を活用し革新的な再生医療製品の実用化を目指すサイフューズ(東京都文京区)と、再生・細胞医療分野での業務資本提携を締結したと発表した。

サイフューズの細胞製人工血管
サイフューズの細胞製人工血管

 サイフューズは、独創的なバイオ3Dプリンティング技術を血管再生や骨軟骨再生、神経再生などの再生医療に応用するこれまでにない3D細胞製品の開発に取り組んでいる。現在、サイフューズでは、この新たな治療選択肢を1日でも早く多くの患者へ届けることを目指し、細胞のみで作製した細胞製人工血管の臨床試験を開始するなど、3D細胞製品の実用化に向けた開発を進めている。

 今回の業務資本提携を通じて、再生医療などへ向けた製品の実用化を目的として、岩谷産業が培ってきた製造・保管・輸送インフラの技術・知見・ノウハウを最大限に生かし、サイフューズが開発を進める3D細胞製品の事業化を加速していく。

 岩谷産業は、再生・細胞医療分野の基幹インフラを構築することで、新産業の創出と市場発展に貢献していく考えだ。

サイフューズのバイオ3Dプリンタ
サイフューズのバイオ3Dプリンタ

 

 

中国汎用樹脂輸入 5月は需要の回復傾向を反映

2020年7月8日

PEなど汎用品3品目が増加、米国PEも改善

 中国の5月の汎用樹脂輸入は、コロナ禍を脱したことで経済活動が本格的に回復してきたことを反映する結果となった。ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、塩ビ樹脂(PVC)といった汎用品は前年同月比プラスとなり、落ち込んでいたABS樹脂もマイナス幅が縮小している。

 5月の輸入を品目別で見ると、

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NEDOと福島県 低炭素水素の利活用拡大の協定を締結

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2020年7月7日

 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と福島県はこのほど、「低炭素水素の利活用拡大に関する連携・協力に関する基本協定」を締結した。

 福島県浪江町で再生可能エネルギー(再エネ)を使った水素製造実証に取り組むNEDOと、「再生可能エネルギー先駆けの地」の実現に向けて再エネの導入拡大と関連産業の育成・集積を進めている福島県が包括的な協定を締結することで、①再エネ由来水素の活用およびそれを通じた再エネ導入の推進と研究開発に向けた相互協力、②再エネ由来水素および福島県内の再エネの広報・啓発活動、を連携・協力して進めていく。

 なお、期間は6月19日から2022年3月末まで。すでに、福島県が設置した、あづま総合運動公園(福島市)とJヴィレッジ(楢葉町)にある純水素型燃料電池に、今年3月に開所した世界最大級の再エネ水素製造施設「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」から水素を供給し、施設内の一部電力供給を開始している。

DIC コバルトフリー乾燥促進剤で塗料乾燥時間を半減

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2020年7月7日

 DICはこのほど、塗料や印刷インキなどに用いる速乾性能に優れた酸化重合型樹脂の乾燥促進剤(ドライヤー)を開発し、「DICNATE(ディックネート)」シリーズとして上市、サンプルワークを開始した。

乾燥促進剤(イメージ) 
乾燥促進剤(イメージ)

 塗料や印刷インキの硬化や乾燥促進には、ドライヤーと呼ばれる金属石鹸が用いられる。金属石鹸は金属塩と脂肪酸が結合したもので、通常は有機溶剤に溶解するが水には不溶。硬化・乾燥促進には一般的にコバルト(Co)石鹸を用いるが、Coは環境負荷やコストなどの課題がある。

 今回上市した非Co系のドライヤーを使用すると、アルキド塗料の完全硬化に要した時間は、従来のCoドライヤーの約半分であった。同時にコスト削減や環境負荷低減も期待できる。さらに、溶剤系だけではなく水系にも使用できることから、様々なニーズに対応可能である。

 今後アジアや中東、欧米地域などの塗料・印刷インキ業界を視野に、2025年までに売上高10億円を目指す考えだ。

凸版印刷 レトルト対応のデジタルプリント接着剤を開発

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2020年7月7日

 凸版印刷は6日、軟包装のデジタルプリントを汎用のラミネーション機械で加工でき、レトルト殺菌対応製品に使用可能な接着剤を開発したと発表した。今回開発した接着剤を使用することにより、デジタル印刷パッケージの活用範囲が広がり、消費者の多様化するニーズに対応した高付加価値商品の提供が可能となる。

 軟包材を用いた商品パッケージの製造は、コスト面などから専用の機械を用いた大量生産が一般的。しかし近年、消費者のライフスタイルの多様化などにより、商品に対する市場のニーズが多角化し、店頭で他社の類似商品と差別化するためにも、パッケージに求められる役割が増加している。

 同社は軟包装分野で小ロット・多品種生産に最適なパッケージを提供する「トッパンFP(フレキシブル・パッケージ)デジタルソリューション」を展開。また昨今「巣ごもり」需要の影響で、長期保存可能なレトルト食品の消費は増加しており、レトルト食品用パッケージはさらなる需要増が見込まれる。ただ、デジタルプリントでレトルト殺菌用製品を生産する場合、専用の設備が必要で、汎用のラミネーション機械では加工が行えない課題があった。

 こうした中、同社は、レトルト殺菌が可能で汎用のラミネーション機で加工できる接着剤を開発。これにより汎用ラミネーション設備でレトルト殺菌対応製品が製造可能となり、レトルト対応製品にデジタルプリントの特長である小ロット(最低ロット1000枚から)のオリジナルデザイン印刷が可能となった。

 同製品の特長として、①小ロットでレトルト食品パッケージにオリジナル印刷展開が可能、②最低ロット1千枚から対応が可能で、パッケージおよびラベルの余剰品を削減でき、環境負荷が最小となる包装設計が行える、③製版不要のため、複数デザインのパッケージ製造が可能、④情報加工技術を応用し、グラビア印刷と同等の印刷品質を実現、⑤テストマーケティングや数量限定パッケージなど幅広い用途に活用、などが挙げられる。

 同社は、7月から食品やトイレタリー、化粧品業界などの国内市場向けに同製品の提供を開始し、2021年に約3億円の売上を目指す考えだ。

新開発した接着剤によりレトルト対応が可能になった製品サンプル
新開発した接着剤によりレトルト対応が可能になった製品サンプル

 

 

三井化学 マスク用ノーズクランプを増強、コロナ禍対応で

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2020年7月7日

 三井化学は6日、新型コロナウイルス感染拡大防止のためマスク需要が増加していることから、同社100%子会社のサンレックス工業(三重県四日市市)にて、マスク用ノーズクランプ「テクノロート」の生産設備増設を決定したと発表した。

ノーズクランプ
ノーズクランプ

 1ライン増設することにより、三井化学グループのマスク用ノーズクランプの生産能力は2.5倍(年産マスク30億枚相当)になる。新設備の建設には先月からすでに着工しており、今年10月の完工を予定。今後もマスク需要動向により、さらなる増設を検討していく考えだ。

 同製品は、針金と同様に自由に折り曲げたりひねったりすることができる、形状保持特性を持つプラスチック線材。マスクの鼻の部分に使用することで、マスクを顔に密着させる効果を付与する。耐薬品性に優れ、重量は針金の約6分の1と軽量。また樹脂製のため、それ自体が金属探知機に反応せず、食品・医療用製品での金属混入の確認が容易といった利点も備える、三井化学の樹脂材料技術と延伸加工技術により実現した素材。

サンレックス工業外観
サンレックス工業外観

 同社は、新型コロナウイルス感染拡大防止に向けて、今回の「テクノロート」のみならず、マスク用不織布「シンテックスMB」、アイソレーションガウン用不織布「PS‐105‐GW」の供給体制を引き続き強化していく。

 

 

アジア石化市況 エチレン8週続騰820ドル/t

2020年7月7日

芳香族は3製品とも上昇、スチレンモノマー反転

 アジア地域の6月第3週の石化市況では、エチレンは、下値20ドル高、上値5ドル高の820~850ドル/tでの取引となった。これで8週連続での続騰となり、4月の底値(320ドル/t)から500ドル/tも上昇したことになる。中国でエチレン需要が強まる中、定修により供給が絞られていることに加え、ナフサ価格が上昇基調となったこともあり市況が押し上げられている。

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ブラスケム 米で新PPプラント稼働、年産45万t

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2020年7月6日

 ブラジル石油化学大手のブラスケムはこのほど、北米テキサス州ラ・ポルテにあるポリプロピレン(PP)生産設備「デルタ」の建設が完了し試運転を開始したと発表した。 米国市場への供給と世界各国への輸出を拡大し、グローバルビジネス戦略を強化するのが狙い。

米国テキサス州ラ・ポルテの新ポリプロピレン生産設備
米国テキサス州ラ・ポルテの新ポリプロピレン生産設備

 新生産ラインは、同地区にある既存PP生産工場に隣接する。設計に当たっては持続可能性の観点から、CO2排出量や廃棄物の削減、水・エネルギーの効率化、リサイクルなど環境に配慮。最新設備を備え、ホモポリマー、インパクトコポリマー、ランダムコポリマーなど、様々なPP製品のポートフォリオ全体を生産する。推定生産能力は年産45万t。同社が米国に持つ五つの既存PP生産拠点(テキサス州×3、ペンシルベニア州×1、ウェストバージニア州×1)と合わせ、北米全体では年産約200万tとなる。

 新型コロナウイルスの感染拡大により、特に4月と5月に北米のPP産業は大きな影響を受けた。不織布や包装用途での好調な販売は見られたものの、主に自動車などの耐久財分野が振るわず需要は大幅に落ち込んだ。同社は今後について、6月に入り顧客の事業拡大や消費の回復傾向が見られたことから、第3四半期(7-9月期)のPP業績の好転を見通す。新設備では今月から量産テストを始め、需要回復に照準を合わせる形で3Q中の商業運転を目指す。