ベンゼン下落基調を継続 SMは800ドル割れに
アジア地域の2月第2週の石化市況では、エチレンは下値80ドル/t安、上値65ドル/t安の700~770ドル/tでの取引だった。中国発の新型コロナウイルスの感染が国内外に拡大したことを背景に、ここ2週間で140ドル/t安と下落基調を強めている。
スプレッドも
2020年3月3日
2020年3月2日
DICはこのほど、液体の脱気・給気をコントロールする中空糸膜モジュール「SEPAREL」シリーズの生産能力増強を発表した。

水処理などに用いられる大型脱気モジュールの強化を目的に、同社グループのDIC化工・市原工場で、新工場稼働により中空糸膜モジュールの生産能力を従来の1.5倍に拡大した。投資額は約16億円。DICは今回の増強により、中空糸膜モジュール事業の売上高を、2021年には2019年比で約1.7倍の拡大を目指す。
大型脱気モジュールは、水から酸素や二酸化炭素を除去する直径10インチ(25.4㎝)以上の製品。中心部が空洞の繊維である中空糸を束にした膜に液体を通すことで、液中に溶け込んでいる窒素や酸素などの不純物を取り除き、液体の純度を高める。

主な販売先は、半導体や液晶ディスプレイ(LCD)、電子部品の製造工程で用いられる超純水を製造する水処理装置メーカーになる。
富士経済研究所調べによると、大型脱気モジュール市場は半導体や、LCD設備投資の活況、従来の脱気法である真空脱気塔からの置き換え促進により、2017年から2021年で約2.3倍に伸長すると見込まれている。
DICグループは、中期経営計画「DIC111」の中で、環境に配慮した製品や高機能製品を社会へ提供することで、社会貢献と成長の実現を事業方針に据えている。今後も中空糸膜モジュールの市場要請に対応した高機能な製品を提供し、事業規模拡大に注力していく考えだ。
2020年3月2日
コベストロジャパンはこのほど、トヨタ紡織と共同開発した新素材が、トヨタ自動車の電気自動車(EV)コンセプトカー「LQ」に採用されたと発表した。

新素材はコベストロの「Advanced Baypreg F NF」の技術と、トヨタ紡織のケナフ繊維の技術を日本で進化させて共同開発した軽量ケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットで、「LQ」のドアトリムに採用されたことで、世界初披露となった。
EVの普及拡大が見込まれる未来のモビリティで軽量化素材が果たす役割は、これまで以上に重要になることが予想されている。コベストロは世界の自動車産業に向けて長期にわたり革新的な素材を提供してきた。日本市場でも、日本の研究開発拠点であるイノベーション・センター(兵庫県尼崎市)で、自動車の軽量化に貢献する低密度ポリウレタンフォームなど、数多くのサステナブルなソリューションを開発している。
今回の新素材に使用されているケナフはアオイ科の植物で、東南アジアやバングラデシュ、インド、アフリカなど多くの地域で栽培されてきた。
ケナフの特徴は成長速度が速く、短期間で多くの繊維を収穫できること。低価格であるだけでなく、機能性が高いという点で近年注目を集めている。植物バイオマスは代替原料として、自動車業界からの関心がますます高まっている。
今回開発したケナフ繊維強化ポリウレタンコンポジットは、必要な実用強度を持つ基材として、世界で初めて1kg/㎡を切る画期的な材料であり、この複合材を使うことで、従来のドアトリム材に比べ30%以上の軽量化を実現した。材料が軽ければ軽いほど、1回の充電または給油での車の航続距離を伸ばすことが可能になる。共同開発はトヨタ紡織との強い連携の下、2019年9月にリニューアルしたイノベーション・センターで行われた。
住化コベストロウレタン・ポリウレタン事業本部の井戸博章・自動車材料開発部長は、コベストロが推進するサーキュラー・エコノミーと、代替原料の活用を実現する好例を、日本のイノベーション・センターから提供することができたことを強調した上で「トヨタ紡織との新規開発は、特に軽量でサステナブルな自動車のデザインに大きな貢献ができると思う」と述べている。
2020年3月2日
デンカは、27日に大牟田工場(福岡県大牟田市)の新総合事務所「Omuta Innovation Hub(オオムタイノベーションハブ)」が竣工したと発表した。

「Omuta Innovation Hub」は製造部門と間接部門が一体感を高め、業務プロセス改革や働き方改革により、生産性向上を図ることを目的に設立した。
これまで点在していた製造・研究・生産技術部門を集約し、工場のハブ(中枢)として一体的・機能的な運営を実現するとともに、コミュニケーションしやすい未来型のレイアウトを採用し、快適な職場環境を提供していく。
大牟田工場は1916(大正5)年に、大牟田の石炭コンビナート地帯でカーバイドと石灰窒素肥料を製造する、無機化学製品の工場として操業を開始した。その後、高温処理技術や窒化反応技術を発展させ、電子部品や高機能セラミックス製品を生み出してきた。
中でも、デンカの主力商品であるアセチレンブラック、窒化ケイ素、ANプレート、SNプレート、球状シリカ・ アルミナ、蛍光体は、ゼロ炭素社会を目指したxEVに代表される自動車産業や、5Gなどのメガトレンドを見据えた高機能製品として、社会発展と地球環境保全に向けて一層貢献していくものだ。
デンカは「Omuta Innovation Hub」完成を機に、大牟田工場を将来に向けた新たな製品開発を推進していくイノベーションの拠点にするとともに、地域の人たちに貢献できる「世界の工場」として、持続的な成長を目指していく。
2020年3月2日
2020年2月28日

三井化学グループは、サステナビリティ活動の一環として、「世界自然遺産応援プロジェクト」を展開している。
屋久島、小笠原に続く第3弾は、2005年に世界自然遺産に登録された北海道・知床半島の海岸で実施。同地を抱える斜里町と環境省が主催するクリーンアップ活動に協賛し、三井化学と北海道三井化学の従業員が、漂着ごみや投棄ごみを回収した。このほど、その模様を収めた活動紹介動画をウェブに公開した。
クリーンアップ活動は昨年10月22日、世界自然遺産の登録地域の中央部、西海岸に位置するルシャ地区で行った。普段は人の立ち入りが禁止されている自然豊かな同地区は、世界有数のヒグマ高密度生息域でもある。清掃活動前にヒグマと遭遇した際の対処法の説明を受け、知床財団のスタッフが遠方に現れたヒグマを監視する中で回収作業が始められた。
北海道三井化学の平間亮介さんは「出身地が道東なので、知床の海岸をきれいにしたい」、同じく同社から参加した稲熊清伸さんは「今、問題となっている海洋プラスチックごみ問題を、知床の海岸で直に見てみたかった」と、動画の中でそれぞれの参加への思いを語る。
地元漁業協同組合のボランティアを中心に、総勢34人が参加。漁網やブイなどの漁具や国内外から流れ着いた包装資材、廃タイヤなどフレキシブルコンテナバッグで8袋分(=約8㎥)の海岸ごみを回収した。
作業を終えた三井化学コーポレートコミュニケーション部の多田祐美さんは、「今後、プラスチックごみをどう処理していくのか、どうリサイクルできるのか、身をもって体験するいい1日になった」と、清掃活動を振り返った。
三井化学では2015年から、社員と会社が寄付基金を積み立てる共同CSR「ちびっとワンコイン」の枠組みを通じて、海洋ごみ問題のパイオニアであるJEAN(ジーン)の活動を支援しており、現状把握と自分たちができることを考える講演会やワークショップを随時開催している。
また19年度は全世界の三井化学グループを挙げたクリーンアップキャラバンを実施。今回、知床での海洋ごみ問題の現状を知り、北海道三井化学とともにクリーンアップ活動に参加した。三分55秒の動画は、専用サイト(https://youtu.be/qq_alXVyUsE)や、三井化学のウェブサイトで公開している。
2020年2月28日
2020年2月27日
2020年2月27日
2020年2月27日

三井化学は今月16日に開催された、「ファースト・レゴ・リーグ(FLL)2019‐2020」の日本大会に協賛し、ブース展示と化学実験を行った。
9~16歳の子供たちがチーム対抗により、自律型ロボットで課題の攻略を目指す、世界最大規模のロボット競技大会。同社は、同競技会の趣旨「子供たちにこれからの社会に求められる資質・能力を育成する「STEM教育」と「アクティブラーニング」を取り入れながら、社会課題を解決する楽しさを経験する機会を提供する」に賛同し、一昨年から毎年協賛している。
3回目となる今回は、FLL 2019‐2020のテーマ「City Shaper(建築と都市計画)」に合わせ、トンネルなどのコンクリート構造物の長寿命化に貢献するポリウレア樹脂「タフネスコート」(三井化学産資が製造・販売)や、三井化学の樹脂部品採用で軽量化を実現したパワーアシストスーツ(パワーアシストインターナショナルが製造・販売)をブース展示した。

また、同社従業員による「ふしぎ探検隊」の化学実験教室も開催。濃度の異なる色水を試験管に注いでカラフルな水の層をつくり、溶液の比重について学ぶ実験も行い、多くの子供たちが化学の不思議さを楽しんだ。
建造物を長寿命化させる樹脂があることや、液体は同じ体積でも濃さによって重さが違うことを学ぶことで、「子供たちの化学への興味喚起に役立てた」と、同社では考えている。
FLLは、米国のNPO法人ファースト(FIRST:For Inspirationand Recognition of Science and Technology)とレゴ社が主催。日本大会はNPO法人青少年科学技術振興会が主催している。現在、世界98ヵ国以上で実施され、参加生徒数は32万人超える。
子供たちが2~10人でチームを組み、ロボット競技と大会テーマに基づく科学研究のプレゼンテーションを実施。各国大会の上位チームは世界大会への出場権利を得る。
三井化学は今後も、幅広いロボット材料の事業開発を積極的に推進し、「次世代を担う若者や子供たちに、科学・化学に興味を持ってもらい、将来の科学技術を支える人材となってほしい」という思いを込め、様々な活動を実施していく。