【新春インタビュー】出光興産代表取締役社長 木藤俊一氏
2019年1月22日
2019年1月22日
2019年1月17日
━アジアの石化市況が昨年9月以降、下落傾向にあります。
この動きは一時的な調整局面というよりも、ダウントレンドに入ったと見ています。今後、米中貿易摩擦の影響がいろいろな形で出てくる可能性があり、上期のような好環境に戻ることはないでしょう。これまで業界に吹いていたフォローの風が止んだ状態にあり、事業環境の悪化に備え社内の引き締めを図っています。
また、ブタジエン価格については、上期は1700ドル程度と高値で推移していましたが、下期は一転して1000ドル程度に急落しました。
ブタジエンは天然ゴム市況などさまざまな要因の影響を受けるため、今後も乱高下すると見ており、しっかりと製品へ価格転嫁しなければいけません。
上期の高い原料で生産した製品の在庫がなくなりつつあり、下期は挽回できると見ていますが、楽観はできません。
━上期の業績は増収減益となりました。
上期の売上高は過去最高を更新しました。ただ上期後半には、原料のブタジエンが高騰し高い原価の合成ゴムを販売したことに加え、当社の主力製品である光学フィルムでも、スマートフォン(スマホ)の在庫調整の影響を受けたため、営業利益は減益となりました。この2つの要因がなければ、利益がさらに伸長したと見ています。
下期に入って、この2つの課題解決が大きなテーマですが、合成ゴムでは、
2018年8月9日
市場動向を注視、好業績に甘んじることなく成長を追求
━ 信越化学は、好調な業績が続いています。
昨年度はシンテックをはじめ全ての事業が好調に推移したことで、最高益を更新しました。メーカーとしてやるべきこと、すなわち最高の品質の製品を最低のコストで生産し、その製品を適正価格で売り切ることを続けてきた成果です。
相場より高く売れば、お客様の信頼をなくしますし、安く売れば会社の利益を損ねることになります。当社の社員はこれらのことを良く理解しており、全部門の社員が一生懸命努力してくれたことが、良い業績につながったと思っております。
ただ、「山高ければ谷深し」という言葉があるように、良い時ほど最悪の事態を想定しなければなりません。経済環境や市場の動きをよく見て、わずかな変化にも気を付けています。企業は株主の期待に応え利益を上げ続けることが使命であり、経営は結果が全てです。
━ 貿易摩擦問題などの市場への影響が心配されています。
世界情勢は先行き不透明な状況が続いていますが、どんな状況下でも利益を上げることを目指します。私たちが注力すべきことは、
2018年1月13日