台湾の2018年のGDP成長率は、2.7%と前年比0.2ポイント悪化した。台湾区石油化学同業公会(PIAT)の統計によると、2018年の6つの基礎原料と主要25石化中間製品の生産は4.0%増の3189万4000t、輸入は3.4%増の
【アジア石化特集・カントリーレポート】台湾 エチレン生産回復、2019年は需給バランス悪化を懸念
2019年5月30日
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2019年5月30日
2019年5月30日
2019年5月30日
プラ廃棄問題が共通認識、循環経済への貢献図る
5月16~17日に台湾・台北で開催されたアジア石油化学工業会議(APIC2019)は、世界各国から関係者1201名が参加。
「スマート石油化学プロセス-より良い世界を可能にする持続可能な解決策」をテーマに、今後のアジア市場の需給見通しやエネルギー・原料動向、またプラスチック海洋ごみ問題解決を含めたサーキュラーエコノミー(循環経済)への対応など、化学産業が取り組むべきさまざまな課題について活発な議論が交わされた。
近年、アジア地域のおう盛な需要を背景に好況を享受してきた石化業界は、米中貿易問題を発端に中国経済が減速したため、昨年後半から一気に環境が悪化した。中長期的には市場成長が見込まれているものの、各国では石化設備の新増設が立ち上がりつつあり、需給悪化に懸念が広がっている状況だ。
そうした中、アジアの石油化学工業が発展するためには、AI・IoT技術を活用したコンビナートの高度化や、社会に貢献できる製品開発が必要であるとの提言がホスト国からなされた。
一方、海洋ごみなどプラ廃棄が世界で問題視され、化学企業を見る目が厳しくなっている。各国協会の代表スピーチでも、持続可能な社会の実現に向け、リサイクルをはじめとした循環経済に貢献する取り組みの必要性が示された。日本は、以前から取り組んできた廃プラの回収や適切な処理の重要性を訴えている。
石化業界を取り巻く環境が大きく変化する中で、アジア各国の石化産業が置かれている現状をレポートした。
2019年5月24日
ポリフェニレンエーテル(PPE)は、1965年に米ゼネラル・エレクトリック(GE)が発明した。
難燃性や耐熱性、絶縁性、耐衝撃性、軽量性など、機械的・電気的にバランスの取れた性質を持っているが、成形性に劣るため、そのままでは実用にはならなかった。
このため、同社はポリスチレン(PS)やポリアミド(PA)、ポリプロピレン(PP)など他の樹脂とのポリマーアロイ化(変性PPE)することで、汎用エンジニアリングとしての用途を確立した。
当初は家電やOA機器などの筐体を中心に使われていたが、参入企業が増える一方、ABS樹脂やPPなどの難燃性が向上し、変性PPEの代替として使われるようになったことから供給が過剰となり、工場の閉鎖や生産停止が行われた。
その後、特に中国で環境対策のため、国策により電気自動車(EV)と太陽光発電(PV)の導入が進められたことで、変性PPEの採用が進み、この5年ほどは
2019年5月10日
出光興産のシンジオタクチックポリスチレン(SPS)は、スチレンモノマーを原料とする結晶性のポリスチレン(PS)である。
1985年に中央研究所(現・次世代技術研究所)で、同社のコア技術であるメタロセン触媒を使い、世界で初めて合成に成功。97年に千葉事業所で商業運転を開始し、「ザレック」の製品名で展開している。
通常のPSがエチレン鎖にベンゼンがランダムに結合する非晶性構造であるのに対し、SPSはベンゼンが規則的に交互に結合することで、通常のPSにはない性質を発現した。
その特長は、電装用途に求められる耐熱性、低比重による軽量性、電気絶縁性、電波透過性、信号伝送特性、耐水性、耐薬品性など。
エンジニアリングプラスチックであるが、耐熱性は約270℃というスーパーエンプラ並みの融点を実現。軽量性については、エンプラの中で最も軽い樹脂の1つであることから、自動車用途では燃費向上につながる。
そのほか、電気絶縁性は部品の小型化・高電圧化、電波透過性は高周波を使用するレーダーの性能向上、信号伝送特性は通信の大容量化・高速化に、それぞれ貢献する。
「剛性・ねじれという機械的特性にやや難があり、耐薬品性に優れていることで、かえって接着剤などによる接着・接合がしづらい」(機能化学品部SPS課の森川正之課長)という面はあるものの、こうした特長が評価され、用途の6~7割を占める “【わが社のオンリーワン製品2】出光興産 シンジオタクチックポリスチレン” の続きを読む
2019年4月26日
2019年4月1日
地域化と個別化に対応、米国と中国で売上伸ばす
━現在の国際情勢をどう見ますか。
昨年から一貫して言っているのは、米中より欧州のほうが問題だということです。欧州はEUの財政規律とブレグジットで不安定化しており、何か起きた時に、適切な危機対応ができるのかです
世界的にはデット(負債)が積み上がっていて、危険な状況です。中国も米国もそうですが、国の財政と企業のデットがかなり積み上がっています。ただ、崩れる時は崩れるので、問題はその後の対応です。リーマンショックの時は、米国は巧妙に対応した。中国もある程度うまく対応している。これに対し、今の各国の政治に崩れた後の対応力があるのか、不安です。
━米中の技術の覇権争いは今後も続くのでしょうか。
それは間違いなく続きます。ただ、中国にしても
2019年4月1日
新中計1年目に変化を示し、個性派企業へ歩みを進める
━米中貿易摩擦の動きをどう見ますか。
化学産業にとって中国の影響はますます大きくなっています。需要面では化学製品を多く消費する中間層が拡大し、購買力が高まっています。
供給面では、一昨年から政府が強化した環境規制により、環境への配慮に乏しい工場は操業停止に追い込まれ、市況がタイトになりました。
昨年前半まで需要・供給両面の動きから、世界の企業業績に良い影響を及ぼしていましたが、状況に変化が表れています。その要因は中間層の伸びの鈍化、米中の貿易摩擦などが考えられますが、はっきりとは分かりません。
━新年特集でのインタビューの際、景気動向について「遠くに黒い雲が見え始めた」との発言がありました。現在は。
世界経済の先行きが不透明であることは変わらず、黒い雲は
2019年3月29日