東洋紡 エアバッグ用原糸・基布値上げ、来月から実施

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2021年11月15日

 東洋紡は、自動車エアバッグ用の原糸と基布を12月1日出荷分から値上げする、と発表した。改定幅は、「現行価格から15~20%」の値上げ。中国市場向けは「現行価格から15~30%」の上げ幅となる。

 対象製品の主原料のナイロン66は、産業用繊維や自動車部品用途で需要が伸長する一方、ナイロン66樹脂や原料は2月の北米寒波影響などによる供給不足から、原料価格が高騰。また、エアバッグ用基布のコート剤として使用するシリコーン樹脂は、原料の金属シリコンの生産が主要生産地の中国で電力不足により大幅に落ち込んでいることなどを背景に、シリコーン樹脂の需給はひっ迫し価格も大幅に上昇している。加えて、原油・天然ガス価格急騰による製造コスト、米中を中心とする景気回復に伴う人件費、コンテナ輸送などの物流費も上昇を続ける。

 こうしたコスト上昇は、自助努力の範囲を大きく超えていることから、同社は今後も安定した生産、販売、開発体制を維持するために値上げを決めた。

東洋紡 OPP、CPPなど包装用フィルム追加値上げ

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2021年11月15日

 東洋紡はこのほど、包装用フィルム製品の一部を11月21日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、二軸延伸ポリプロピレン(OPP)フィルム、無延伸ポリプロピレン(CPP)フィルム、直鎖状低密度ポリエチレン(L‐LDPE)フィルムの3製品。改定幅は、いずれも「連250円(20㎛換算)」(連:500㎡)。

 同3製品については、8月に続く今年4度目の値上げの発表。上昇が続く原油・ナフサ価格などを背景に、包装用フィルム製品の原料価格が一段と高騰。燃料費や電力費、物流経費、設備維持費用なども上昇しており製造コストを押し上げている。

 同社では徹底したコスト削減を行っているが、前回の価格改定発表以降も原料価格の高騰が続いていることなどから、現在の価格体系では安定的製品供給が困難と判断。追加の価格改定実施を決めた。

帝人フロンティア ポリエステル繊維を値上げ、安定供給を図る

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2021年11月15日

 帝人フロンティアは11日、ポリエステル繊維について、12月出荷分から値上げすると発表した。対象製品はポリエステル繊維(長繊維・短繊維)およびテキスタイルで、改定幅はポリエステル繊維および紡績糸が「40円/kg」、テキスタイルが「1mあたり5%」となっている。

 原油価格の上昇、ポリエステル原料であるPTAやEG、およびポリエステルリサイクルチップの価格上昇、物流費、染色・加工費の高騰などにより製造コストが上昇している。

 同社は、生産効率化や経費削減などにより販売価格の維持に努めてきたが、これらのコスト上昇が自社の合理化努力で吸収できる範囲を超えていることから、製品の安定供給を確保するため、今回の値上げを決定した。

クラレ 中間膜PVBフィルム値上げ、コスト高に対応

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2021年11月15日

 クラレは11日、建築・自動車向け合わせガラス用中間膜について、12月1日出荷分からグローバルで値上げすると発表した。対象製品はポリビニルブチラール(PVB)フィルム「トロシフォル」などで、改定幅は「15%以上」。

 対象製品に関する主要原材料や燃料、物流費用などを含めたコストの上昇は、自助努力によるコスト吸収の範囲を超えてきている。このような状況下、同社は、安定供給を維持するために、価格改定の実施を決定した。

旭化成 ポリアセタール樹脂を値上げ、原燃料価格が高騰

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2021年11月15日

 旭化成は11日、ポリアセタール樹脂「テナック」および「テナック-C」の全品種について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、国内が「40円/kg」、海外が「350USドル/t」「300ユーロ/t」となっている。

 主原料および原燃料価格の高騰により、事業継続に必要なコストが急激に上昇している。同社は、可能な限りのコスト削減努力を継続しているものの、自助努力にて吸収できる範囲を超えていることから、価格改定を決定した。

三菱ケミカル アセトンなど値上げ、原燃料などコストが上昇

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2021年11月15日

 三菱ケミカルは11日、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、ダイアセトンアルコール(DAA)について、11月22日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、アセトンが「26円/kg以上」(荷姿:ドラム缶、石油缶は「36円/kg以上」)、MIBKとDAAがいずれも「33円/kg以上」(荷姿:ドラム缶、石油缶は「43円/kg以上」)となっている。

 原油価格上昇の影響を受け、国産ナフサ基準価格および当該製品の製造にかかる用役費・副原料費は騰勢を強めている。さらに、鋼材費の高騰によるドラム缶価格の上昇も避けられない事態となっている。

 同社は、こうした原燃料価格などの上昇に伴う大幅なコストアップ分を、自助努力のみで対応することは困難と判断し、価格改定の実施を決定した。なお同社は、同製品について、8月に値上げを実施している。

三菱ケミカル ビスフェノールAを再値上げ、原料高に対応

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2021年11月15日

 三菱ケミカルは11日、ビスフェノールA(BPA)について、11月22日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は「15円/kg以上」。

 国産ナフサ基準価格は、原油価格上昇の影響を受けて騰勢を強めている。さらに、当該製品の製造にかかる用役費・副原料費などの諸経費も上昇を避けられない事態となっている。

 同社は、こうした原燃料価格などの上昇に伴う大幅なコストアップ分を、自助努力のみで対応することは困難と判断し、今回、値上げの実施を決定した。なお同社は、8月にも価格改定を行っており、約3カ月ぶりの値上げとなる。

新第一塩ビ 塩化ビニル樹脂を値上げ、採算是正を図る

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2021年11月11日

 新第一塩ビは10日、汎用・ペースト用などすべての塩化ビニル樹脂について、12月1日出荷分から値上げすると発表した。改定幅は、汎用品・ペーストとも「50円/kg以上」。

 塩化ビニル樹脂の国内需要は回復基調にある。また、アジア・アメリカをはじめとした海外需要も堅調で、海外市況も高値で推移している。同社は今年に入り2度の価格修正を実施したが、その後もエネルギー需要の増加を背景に原油・原料ナフサ価格の上昇が続いている。加えて、石炭価格の上昇に伴うユーティリティコストや、生産設備のメンテナンス費用、物流費の増加も続いており、事業収支は一層厳しい状況となっている。

 同社は、引続き全社をあげて合理化への努力に取り組んでいくものの、製品の安定供給体制を維持するためには、採算是正を目的とした価格修正が必須であると判断した。

三菱ケミカル シュガーエステルとポリグリエステルを値上げ

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2021年11月11日

 三菱ケミカルは10日、シュガーエステル製品およびポリグリエステル製品について、12月1日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、「リョートー シュガーエステル」および「サーフホープ SE」が「150円/kg」、「リョートー ポリグリエステル」が「100円/kg」、各種シュガーエステル配合品および各種ポリグリセリンエステル配合品が「配合比率相当」となっている。

 当該製品については、ショ糖、脂肪酸、グリセリンに代表される主要原料および副原料、包材、輸送費などの価格上昇に加え、製造品質維持のための労働力確保、認証維持管理、国内外法規制対応を含む品質保証対応のためのコストも上昇し、事業環境は厳しい状況にある。同社は、コスト削減などを継続的に行ってきたが、自助努力のみで吸収することは困難なことから、安定供給体制を維持、整備するため、値上げせざるを得ないと判断した。