アジア石化市況 エチレン1カ月ぶり1000ドル回復

2022年3月8日

ナフサ高や減産を反映、芳香族3製品も強含みに

 アジア地域の1月第4週の石化市況では、エチレンは前週比55ドル高の1005ドル/tでの取引となった。昨年10月以来の上昇となり、約1カ月ぶりに1000ドル台を回復している。原油・ナフサが上昇基調を強める中、採算の悪化から減産に動いたこともあり、

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三菱ケミカル PMMAレジンとアクリルシートを値上げ

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2022年3月8日

 三菱ケミカルおよび三菱ケミカルメタクリレーツは7日、PMMAレジン「アクリペット」とアクリルシート「アクリライト」の国内価格について、4月1日出荷分から値上げすることを決定し、取引先との交渉を開始したと発表した。改定幅はいずれも「20%」。

 当該製品の国内需要は、コロナ禍において導光板などの巣ごもり需要が堅調に推移し、その他一般用途の需要も回復傾向が続いている。一方で、原料のMMAモノマーは、原燃料価格の高騰などにより製造コストが大幅な上昇を継続。また、国内外における物流費の高騰により、添加剤や梱包副資材などの価格も引き続き上昇していることに加え、工場のメンテナンス費用などのコストも上昇している。

 こうした中、同社は、コスト上昇分を吸収するためこれまで自助努力を続けてきたが、これ以上の負担は極めて困難な状況にあることから、今後も国内顧客へ良質の製品を安定的に供給していくためには、値上げせざるを得ないとの判断に至った。

三井化学 アセトンなど4製品値上げ、原料・用役費高で

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2022年3月8日

 三井化学は7日、アセトン(AC)、イソプロピルアルコール(IPA)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、MIBK類を、3月14日出荷分から値上げすると発表した。

 改定幅は、ACが「39円/kg」(ナフサ上昇分:36円+用役・副原料上昇分:3円)、MIBKとMIBK類は「53円/kg」(同47円+6円)、IPAは「35円/kg」(同29円+6円)。対象製品の主原料であるナフサ価格は、今年1Q(1-3月期)は6万5000円/klを超える勢いで上昇しており、2Q(4-6月期)には8万円/klを上回る価格が見込まれている。また、重油や液化天然ガス(LNG)の価格上昇により、同社の用役費や副原料価格も大幅に上昇している。

 こうしたコストの高騰は自助努力の範囲を超えるものであることから、安定供給体制の維持を図るためにも、価格改定せざるを得ないと判断した。なお、想定したナフサ水準が変動する場合は、さらなる価格改定もあるとしている。

三菱ケミカル フィルム製品を値上げ、コスト上昇に対応

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2022年3月7日

 三菱ケミカルは4日、二軸延伸ポリスチレンシート(OPS)「サントクリア」「ソフトクリア」について、4月1日納入分から値上げすると発表した。改定幅は「10円/kg以上」。

 電力費や燃料費などの製造コストに加え、副資材費や物流費もさらに上昇し、事業の採算を圧迫している。こうした中、同社は、継続的なコスト削減に注力してきたが、これらのコスト上昇分を自助努力のみで吸収することは困難であることから、今後の安定供給体制を維持するため、値上げせざるを得ないと判断した。

KHネオケム 化学品を値上げ、原燃料価格上昇に対応

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2022年3月7日

 KHネオケムは4日、各種化学品について、今月22日納入分から値上げすると発表した。対象製品と改定幅は、オキソ系(オクタノール、オキソコール900、ノナノール、ブタノール、イソブタノール、酢酸イソブチル、オクチル酸、キョーワノイック‐N(イソノナン酸)、ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、キョーワゾールC‐800、キョーワゾールC600M、キョーワノールM、トリデカノール)が「キロ43円以上」、アセトン系(アセトン、アセトン‐P)が「キロ39円以上」、ダイアセトンアルコール(DAA)およびメチルイソブチルケトン(MIBK)が「キロ53円以上」、ブチセルアセテート系(ブチセルアセテート、ブチセノール20アセテート)が「キロ55円以上」、ジオール(オクタンジオール、ブチルエチルプロパンジオール(BEPG)、キョーワジオールPD‐9)が「20%以上」となっている。

 なお、これら以外の少量販売品目も個別に値上げの実施を予定している。第2四半期(4―6月期)の国産ナフサ価格は8万円を超える水準が見込まれている。同社は、現在の急激な原燃料価格の上昇を自助努力で吸収するのは限界を超えており、国内安定供給を維持・確保するためにも、値上げが必要と判断した。

日鉄ケミカル&マテリアル エポキシ製品を値上げ、原料高に対応

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2022年3月7日

 日鉄ケミカル&マテリアルは4日、各種エポキシ樹脂製品について4月1日出荷分から値上げすると発表した。対象製品および改定幅は、ビスフェノールA(BPA)・ビスフェノールF(BPF)系液状/固形エポキシ樹脂が「70円/kg以上」、BPA・BPF系液状エポキシ樹脂蒸留品が「100円/kg以上」、フェノキシ樹脂が「100円/kg以上」、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂が「70~300円/kg」、結晶系エポキシ樹脂が「70~500円/kg」、ハロゲンフリー難燃(リン含有)エポキシ樹脂が「70円/kg以上」。

 国産ナフサ価格は、昨年9月以降も上昇を続け、ベンゼンやフェノールをはじめとする基礎素材の高騰によるエポキシ樹脂の原料価格上昇に歯止めがかからない。また、エポキシ樹脂の主原料であるエピクロロヒドリンは供給タイトが継続し大幅に市況が上昇していることに加え、クレゾールやリン鉱石など供給制限に伴う原料価格の上昇も避けらない状況にある。

 こうした中、同社は、原料安定調達のためには、上昇する原料価格を受け入れざるをえないため、今回、値上げを決定した。なお、今後の原料動向次第では、さらなる価格転嫁の可能性もあり得るとしている。

三菱ケミカル PVA製品群を再値上げ、採算是正を図る

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2022年3月7日

 三菱ケミカルは4日、ポリビニルアルコール(PVA)製品群について、今月14日出荷分から国内と輸出の取引価格を値上げすると発表した。対象製品はPVA「ゴーセノール」、PVA特殊銘柄「ゴーセネックス」および「ニチゴーGポリマー」、ゴーセネックスZ用架橋剤「セーフリンク」で、改定幅はいずれの製品も国内価格が「80円/kg」、輸出価格が「700USドル/t」または「650ユーロ/t」。なお同社は2月1日出荷分から対象製品を値上げしており、短期間での再値上となった。

 現在、PVA系樹脂の需給バランスがタイトな状況にあり、対象製品の供給が一層ひっ迫している。さらに、各種コストの上昇により、同社の事業収益は悪化が進んでいる。こうした中、同社は、安定供給を維持するためには採算是正が必要であると判断し、今回の値上げを決定した。

旭化成 ポリエチレン全製品を値上げ、ナフサ高騰で

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2022年3月7日

 旭化成は4日、ポリエチレン全製品について、3月22日出荷分から値上げすると発表した。対象製品は、「サンテック‐LD」「サンテック‐HD」「サンテック‐EVA」「クレオレックス」で、改定幅は「21円/kg以上」。

 ナフサ価格の上昇により、第2四半期(4-6月期)以降はさらなるコスト上昇が予想されている。厳しい経営環境の下、同社ではこれまでコストダウンに取り組んできたが、こうしたコスト上昇分を吸収することは極めて困難なことから、価格改定せざるを得ないと判断した。