ベンゼン市況が軟化傾向、誘導品需要も弱含みに
宇部興産は、ナイロン原料であるカプロラクタム(CPL)について、9月(上旬決め)の韓国・台湾大手向け契約価格を前月比30ドル安の2040ドル/tで決着した。前月まで4カ月連続でステイとなっていたが、2月以来7カ月ぶりの下落となっている。
その背景として、高騰していた原料ベンゼンの市況が軟化してきたことや、アジア市場の需給バランスが緩和してきたことなどが挙げられる。
スプレッドについては、
2021年10月4日
2021年10月4日
2021年9月30日
誘導品需要が堅調さを維持、域外品の流入も減少
ABS樹脂やアクリル繊維の原料であるアクリロニトリル(AN)は、アジア市況が2200ドル程度の高値圏内で推移している。大手メーカーの旭化成は第1四半期(4-6月期)の決算説明会の際に、第2四半期(7-9月期)の前提条件としてANを平均2100ドル、原料プロピレンとのスプレッドを同1100ドルとしたが、アジア市況は想定以上の水準で推移している状況だ。その背景として、世界経済の回復傾向が強まる中、誘導品の需要が堅調となっていることが挙げられる。中でもABS樹脂は、
2021年9月28日
2021年9月22日
2021年9月16日
2021年9月14日
2021年9月7日
2021年9月2日
2021年9月1日
4カ月ぶりに反転、コンテナ不足で玉確保の動き
塩ビ樹脂(PVC)の9月分のアジア輸出価格は、インド向けが前月比140~150ドル高のCFR1590~1600ドル/t、中国・その他向けは同60ドル高の1270ドル/tで決着した。台湾大手メーカーは、インド向け同80ドル高の1410ドル/t(ボリュームディスカウントなし)、中国向け同60ドル高の1270ドル/t(同なし)で決着している。両地域ともこれまでと様相が一変し、4カ月ぶりに大きく反転する結果となった。
PVCのアジア市場は、海外大手メーカーのトラブル解消により需給タイトが緩むとの見方が強まったことで、